ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

負けるのは美しく~児玉清

2016-11-04 05:05:35 | 本の少し
負けるのは美しく (集英社文庫)
クリエーター情報なし
集英社


あの俳優の児玉清さんの本。

読書家のイメージがあり、書評集かと思いきや、
東宝のニューフェイスから俳優に、映画からテレビへと
スターにはならなかったが、それは自ら選んだ道なのか・・・。

自らを常に醒めた目でみつめ、決して自己陶酔を許さない。
スターの条件は、自己陶酔であるが故に、スターにはなれない、ならない。

決して出しゃばる事も避け、後ろへ引く、その思いが題の「負けるのは美しく」に。


買って、半年以上置いてあって、偶然読みだした本。

そして最後の五章は、「天国へ逝った娘」と題して、
35歳にして胃がんに侵された娘さんを見守る、児玉さん。
癌に侵された本人と、周りの人の思いが交錯して辛い。

実は、私も、二ヶ月前に、癌を宣告されたばかり、
仕事の都合もあり、ようやく今月に、手術。・・・・・胃を全摘するのですが、
痛みも何もなくいたって、ケセラ・セラの気持ちで元気に過ごしていたのですが、

この本を読んで、周りの者がどれだけ、気遣いしているのか
どれだけ心配させているのかが解かって、大いに反省しております。

こんな時に、この本を手にしたのも何かの縁。

私にとって、そんな、赤い糸を感じる本でおます。


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