ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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第12回・笑福亭鶴二独演会~今年は充実の三席

2009-11-01 22:47:23 | 笑福亭鶴二

・・第12回・笑福亭鶴二独演会・・

通い初めて、早三年、11月の恒例の鶴二さんの独演会。
今年は、独演会に相応しく、鶴二さん三席。



補助席まで、出た満員の会場。(仲入りのトイレ帰りに撮影)


一、笑福亭たま・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」

やはり、鶴二さんの独演会で遠慮してか
、いつものど派手ではなく、控え目な着物で登場。

たまさんの「いらち俥」は、動きが漫画チックで最高。
舵棒の上げ下げで、大爆笑。

いらちの俥屋の、市電との出合いででの達者ぶりは、
どの演者よりも、無駄の無い、賑やかで、大きい動きでおもしろい。

箕面からの帰りでは、市電とのぶつかる場面は、
からだも顔もフル活動の、スローモーションで、演出。

ぶつかって、飛んでいく最中・・・・・・・・・
「気になってますが、持ち時間がきましたので・・」で、爆笑の中、下座。

ほんま、時間がある時の、最後のサゲ、どんなのか気になりますな。

あの世での、続編「いらち俥」、見たくなるぐらい。
(勝手に、亡くならしておりますが)
次回に続く、余韻を残した、好演、たまさんの「いらち俥」でおましたで。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「米揚げ笊」


「待ってました」、「鶴二」の掛け声の中、高座ヘ
坐るなり、お客さんが、ご祝儀をもって舞台ヘ。
いつもながら、独演会らしいはじまりですな。

第12回目で、満員のご来場、誠に有難うございますと。
12年前に、この上の、ワッハ上方のレッスンルームで、
鶴児から鶴二に替えたのを機に、第一回目をスタート。

マクラも、少なめに、即、噺に。

いつもながら、鶴二さんの「米揚げ笊」、
どっしりとした中にテンポがあっておもしろい。

「小ほめ」、「延陽伯」、とか今日の「米揚げ笊」なんぞを、
たっぷりと演じた時の、鶴二さんも最高。
逆に、笑福亭らしさを私は、感じてしまう。

三席ならではの、独演会、まずは鶴二さんの落語に客席が和む。


三、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「胴切り」

鶴二さんの独演会ですから、ネタから気つかいますが、
「胴切り」は、鶴二さんが決めたネタで、一切私には責任ありませんと・・。

まあ、いたって不思議なSF的噺で、是非ついてきて欲しい。

試し切りにあうた、喜六・・・胴と足が別々に。
けな気について来る、あんよが可愛い。
指での、足の動きも、愉しい。

軽い噺を、逆に遊喬さん重みのある噺に。

でも、この噺で一番好きなのは、おかみさん。
気楽なのか、気丈夫なのか、「足どこに、忘れてきたん」と、
我が亭主が、切られても動じない無いのがよろしいな。
(常々、土壇場で、肝がすわっているのは、おなごはんと痛感しておりますが)

血肉を分けた兄弟、胴の兄貴と足の弟の掛け合いが・・・・。

よう考えると、「いらち俥」と「胴切り」、鶴二さんのニンとは違う噺。
でも落語が大好きで、噺も好き、噺家も好きと、認め合っている、
証のゲストであり、演目でおますな。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」

今回の独演会を目指して、春先からネタおろしした「天狗裁き」。
何度も聴いたが、今年最高の出来でおますな、
この日、当日にベストをもってくるなんて、鶴二さん、凄い。

女房、隣の徳さん、家主、奉行、鞍馬の天狗と
、各自各様の興味がエスカレート、夢の中身の詮索に。

立場の上にいる奉行と天狗になればなるほどおもしろい。
そして、鶴二さんの天狗さん、上品で、高貴な方の、品がある。

この天狗さんの上品さで、この噺、全体の品格を、
鶴二さん、創りだしている。

人間国宝、文化勲章受賞の米朝師匠ばりの、正統派「天狗裁き」
ゆったりと、誠に、格調高く、最高でおましたで。

今日の三席では、ごまめの一押しは、「天狗裁き」、できまりですな。



贔屓の方の寄贈された、色艶やかな、新調のお着物。
Takeshi Masuda PhotoGrophyより転載、
独演会の多くの写真は是非このブログから。

仲入り

五、シンデレラ・エキスプレス・・・・・・「漫才」

今年、上方漫才大賞奨励賞受賞に、乗りにのっている
シンデレラ・エキスプレス。

「なんちゃら、かんちゃら」と仁鶴師匠の、物真似も挟みながら、スタート。
ツッコミ役の、松井成行さんが、実は演歌歌手になりたかったと、
その、初デビューの司会を、ボケ役の渡辺裕薫さんがやる。

山本譲二の「みちのく一人旅」のむこうをはって、ご当地ソングで
・・・・・・・「蒲生四丁目」・・・・・・・・・。

大川栄作の「さざんかの宿」に対抗して、わけありたっぷりで
・・・・・・・「カンポの宿」・・・・・・・・・。

サブちゃん、「北の漁場」で、北がつくのはヒット間違いなしで、
・・・・・・・「北のミサイル」・・・・・・。

同じく、サブちゃんで、「祭り」、手拍子付きで、元気良く、
・・・・・・・「山崎、春のパン祭り」・・・・・・

そして、入れ替わって、八代亜紀の「舟歌」で「鼻歌」・・・。

おもしろい、嫌味が無くて、
しゃべくりで骨組みがしっかりしていて、いたって古典的だが
中身は、意表をつかれ、最高に斬新。

いとこい先生も、新作、の時はこの様な、おもしろさだったのか。
オチが速射砲みたいに、次々沢山出てくる、漫才もおもしろいものですな。


六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「くっしゃみ講釈」


笑福亭の十八番というより、
仁鶴師匠で、私が笑福亭ファンになったネタ。

これが、ついに、鶴二師匠で聴けるなんて、幸せですな。

からくりのくだりの節回しは、誰よりも上手いし、
講釈は、本多平八郎が出て来るくだりまでたっぷりと語ってくれる。

くっしゃみを堪える表情は、以前にもまして表情は豊かに、
見るたびに、常に変化、進化しているのには、おそれいる。
講談に、くっしゃみが入ってくる様は、名人芸でおます。

昨年の「禁酒関所」、「紙屑屋」に引続き、
今年の{天狗裁き」と「くっしゃみ講釈」といい、
毎年のネタおろしはすべて完璧。

来年は、一席は「愛宕山」とか、
そして再来年の25周年には「らくだ」に挑戦とか。

毎年、毎年、新境地を開拓する鶴二さん
もう今から、来年の独演会が楽しみでおますな。


第12回・笑福亭鶴二独演会
2009年11月1日(日)午後2:00開演
ワッハホール

一、笑福亭たま・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「米揚げ笊」
三、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「胴切り」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」
仲入り
五、シンデレラ・エキスプレス・・・・・・「漫才」
六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「くっしゃみ講釈」

お囃子・・林家和女・早川久子・桂福矢・笑福亭呂竹・笑福亭生寿
お茶子・・浪江佳代

09-72-314
http://www.eonet.ne.jp/~tsuruji/index.html
・鶴二さんのブログ・・・結構、落語会情報は遅れ気味ですが。

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5 コメント

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Unknown (masutake)
2009-11-03 15:18:05
ごまめさん 私のブログにブックマークを張らしてもらいました。これからもよろしくお願いします。
返信する
私も、ブックマークに。 (ごまめ)
2009-11-03 16:47:35
色鮮やかな、橙色の着物を着た鶴二さん。
ブログに、掲載させて頂きました。
問題あれば、削除致しますが・・・・・。
こちらこそ、よろしくで、おます。
返信する
「鶴二祭り」初参加でした (明彦)
2009-11-04 01:17:49
出て来る人物がみんな生き生きしているのは、鶴二さんの実力故でしたね・・・。
大笑いしながらも、『天狗裁き』の徳さんも『くっしゃみ講釈』の一山先生も、血が通っていたのでかわいそうに思えてしまいました。
再来年はついに『らくだ』ですか! 生きる目標?の一つが出来ました。

『いらち車』他の方で「オチ」のあるものを観たことがありますが・・・。
元々はどのようなオチだったのか気になります。
たぶん、たまさんのオチとは違うと思いますが。
返信する
独特の感性ですな (ごまめ)
2009-11-05 19:16:07
明彦さん、・・・徳さんと後藤一山先生に、目がいくなんて、独特の感性ですな。同じ落語を聴いても、笑いも、泣きも、感激も、人それぞれなんですな。
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大変失礼しました (明彦)
2009-11-08 00:15:51
上記の「徳さん」ですが、『天狗裁き』の主役「喜八」と取り違えていました。申し訳ありません。
今度の『くっしゃみ講釈』では、後藤一山は恨みを忘れさせるほどの一流の講釈師であることが伝わって来ました。
この後転落の一途を辿る一山先生の生涯について、旭堂南海さんが最近新作講談の連作を発表されているそうです。
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