雨ン中の、らくだ | |
立川志らく | |
太田出版 |
☆☆☆☆
志らくの「雨ン中のらくだ」、談志一門の最高傑作である。
凄い、落語に対し、これほど考え、自問自答し、
すべてに自分なりの答えをだしている志らく。
談志に、「狂気の部分をお前は引き継いでいる」と言わしめた、志らく。
この本の題になっている、「雨ン中のらくだ」・・・
ある日、らくだが雨の中でぼんやりしているのを屑屋が目撃し、声を掛けます。
らくだは、「おい、この雨を買え」と言い、屑屋が勘弁してくださいよと言うと、
淋しそうに笑ってその場を去っていく。
乱暴な男の哀愁を映像的に言葉で表現した、「雨ン中のらくだ」の場面で、
談志の「らくだ」の真骨頂に到達。
聴いてみたい・・その雨ン中のらくだに遭遇してみたい・。
十八の演目ごとに、落語論と師匠談志と、「同じ価値観」を求めての
落語家人生を綴る・・・・落語ファンにとっては、「赤めだか」以上に
中身は濃く、その演目に出会う度に、何度でも読返す価値のある本である。
最後に、全てが語られている・・・師匠談志が志らくへの真打認定書を・・
・・・・・・・・・・・・・・・・真打認定書・・・・・・・・・・・・・・・・
立川談志門下の志らくを真打と認定する。
理由は家元談志の眼に叶ったからであり升。
落語は人間の持つありとあらゆる不条理な事柄を認め、
その裏に潜むイリュージョンとでもいうべきものまで内容の対象とするのです。
志らくはそれをわかっています。わかっている芸人に何も云うことはない。
落語に全人格を賭けているのだから・・・・・・・。
平成七年十一月
落語立川流家元、、、、立川談志
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