ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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談四楼・文鹿・二人会

2010-10-02 22:42:17 | 江戸落語

あの文鹿さんが、談四楼さんとの二人会、味な組合せですな。
でも、予想するに、ボクシング繋がりか・・・。


昼席にも、談四楼さん、文鹿さん、共に出演。


会場前の、繁昌亭、指定席の為、会場前の人は少なめだが、
二階席はもとより、補助席まででる、大入り満員。


一、桂ぽんぽ娘・・・・・・・・・・・・・・「寿限無」

東西の落語会に、東京出身のぽんぽ娘さんはうってつけの出番。

演目は、「寿限無」。よくご存知の、子供の為に縁起の良い名前を付けようと、
教えてもらったのを、全部つけるが。「やぶらこうじ」あたりから
「パイポ」、「シューリンガン」、「グーリンダイ」などは、ほんとに
長生きできる名前なのか、疑問ですな。

ぽんぽ娘さん、日頃の威勢の良さは控えながら、
落語では、可憐に、いろっぽく、演じきる。

でも、この「寿限無」、談四楼さんの名作「ファイティング寿限無」に
ちなんでの、選択ならGOOでおますな。


二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・「代脈」

昔、仁鶴さんで聴いたような、まだ子供だったので、
もっと、色っぽかったように、記憶しているが・・・。

今日の、「代脈」、さすが、もとボクサー、スポーツマンらしく
爽やかに、演じる。

でも、この弟子の失態、すべて大先生の指導がいけませんな、
お茶や、羊羹の事ばかりに執着して・・・・・

すっきり、さわやか、文鹿さんの「代脈」でおました。


三、立川談四楼・・・・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

談四楼さん、初めて観る。
既に、「ファイティング寿限無」、とか、「シャレのち曇り」、「師匠」
「ガチンコ人生論」など数冊読んで、私なりの談四楼さん像はできていたし、
帰りに頂いた色紙には、「不良長寿」と書かれていましたが
今日、お会いしての印象は、優しくて、常識ある、大人。

この、「井戸の茶碗」はようできた噺。
貧乏をしていても、清貧で生きる、千代田ト斎と、若侍の高木作左衛門の
武士の意地の張り合い・・上方では「強情」になって、おもしろいが軽くなる。

物語りは、最初に出てくる清楚なお嬢さんで始まり、
そのお嬢さんの結婚話で終わる。

ハッピイエンドの人情噺で、誠によろしゅうございます。


談四楼&文鹿・座談会

そもそも、二人の関係は、予想していた通り、ボクシング繋がり、
文鹿さんは、プロボクサーから落語家ヘ、立川談四楼さんの小説
「ファイティング寿限無」の主人公は、落語家からチャンピオンに、
何年か前に、談四楼師匠から直接、文鹿さんに電話があり、
それからの、おつきあいとか。

談四楼さんの息子さんは、今や、ボクサーで大阪で修行中。
ランキングの一歩手前とかで、息子の話をすると、
単なる親バカの父親の顔になる。

座談会の終わりに、5冊「ファイティング寿限無」のプレゼントがあり抽選。
当たったのが、2階席の方ばかり、何で、よくかき混ぜてと思っていたら、
同じ料金で見え難くくて申し訳ないと、2階と立見だけ、箱に入ってましたと、
こんな、心配りに、談四楼さんの、人間味を感じましたな。




四、立川談四楼・・・・・・・・・・・・・・「ぼんぼん唄」

八丁堀の小間物屋の源兵衛とお光の間には子供ができず、
浅草の観音さんに、21日の願掛けの帰り、三才ぐらいの女の子を
拾うってきて、神様の授かりものと、「おひろ」と名をつけ、我が子
として、育てる。
一年後、近所の子とお盆の祭に、家で遊んでいて、「ぼんぼん唄」を
近所の子は、「江戸一番の踊りは、八丁堀」と唄うのに、おひろは、
「江戸一番の踊りは、相生町」と唄う・・・・。それを聞いて
実の親は、さぞ悲しんでいるだろうと、探しあてると・・・・・という人情噺。

初めて聴いた噺だが、かつて談四楼さんで聴いた事がある気にさせる、
おだやかで、しっとりとした、噺っぷり。

暖かみのある高座姿と相まって、良い落語聴かせてもらいましたで。


五、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・「鍬潟」

一番の聴かせどころは、褌を締めるときに唄う「相撲甚句」
やはり、師匠ゆずりか、上手くはないが、味がある。

小柄な男が、昔の小さなお相撲さん「鍬潟」の話を聞き、
自分も相撲取りをと、知合いの相撲部屋に稽古にいく。

相撲部屋が中心の噺、笑いは少ないが、トリネタとして文鹿さんが、
もってきただけあって、ニンにあっている噺。
「あー、ドスコイ、ドスコイ」

普段とは違う、江戸の匂いがする落語会、良かったですな。
「鍬潟」ではないが、大きな舞台での活躍で、文鹿さん
一回りも二回りも大きく見えましたで・・・・
次回も引続きの開催、期待してまっせ。、


立川談四楼・桂文鹿 二人会
2010年10月2日(土)午後5:30開演
天満天神繁昌亭

一、桂ぽんぽ娘・・・・・・・・・・・・・・「寿限無」
二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・「代脈」
三、立川談四楼・・・・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」
中入り
談四楼&文鹿・座談会
四、立川談四楼・・・・・・・・・・・・・・「ぼんぼん唄」
五、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・「鍬潟」




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2 コメント

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この会は繁忙期の出勤日で無理でしたが (明彦)
2010-10-04 23:41:42
談四楼師匠、著書では一癖あり気な印象ですが・・・。
お盆に上野広小路亭で初めて拝見した『三年目』、とても温かく優しい気持ちにさせてくれる高座でした。
その点、ほぼ同い年でやはり筆の立つ松枝師匠に通じますね。

立川流、三大スター以外にも、トリイホールで頑張ってはる生志さんなど、いい噺家さんがまだまだいそうです。
江戸の寄席に出られない分、もっと繁昌亭に来て欲しいものですね。
返信する
談志一門に、興味津々ですな (ごまめ)
2010-10-05 21:49:50
今日、読み終わった、志らくさんの「雨ン中のらくだ」は最高です。
談四楼さん、談春、そして、志らくさんといい、筆の立つ人ばかり。
談志師匠との師弟関係を述べるだけで、物語になってしまうんですね。
本を読み、落語を聴き、他の立川流の方も、聴きたくなりますな。
返信する

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