世界最高の処世術 菜根譚 | |
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☆☆☆
「菜根譚」、四百年前に中国の、洪応明、字が自誠という方が書いた本。
日本には江戸時代に紹介され、以来多くの人に読み継がれてきた処世術本。
大きな特徴は、儒教と道教と仏教の三つの教えの上に立って、
人生の知恵、処世の道を説いていること。
まず、儒教ですが、これは身を修め家を斎え、天下国家を納めることを説いた
「表」の道徳。 道教は、「表」の道徳だけでは、世の中は息苦しくなるので、
自らの人生にのんびり自足する生き方、人間の本音の部分を代弁している
「裏」の道徳です。しかし、二つとも厳しい現実をどう生きるかを説いたもので、
人々の悩める心の救済にはあまり関心を示しておらず、それを補ったのが、仏教。
「菜根譚」は、その三つの教えが融合して教えがあるのが、一番の魅力と。
例えば、
「華美権勢に近づかないのは清廉な人物である、
だが、それに近づいても染まらない人物こそもっとも清廉だといえる。
権諜術数を知らないのは高尚な人物である。
だが、それを知りながら使わない人物こそもっとも高尚だといえる」
人間は、弱い生き物ですが、そのなかで自分の生き方を強い意志ををもって貫く。
今、話題のゴーンさんの生き方が頭に浮かびますが、
同じ再建でも稲盛和夫さんの清貧という生き方に共感しますな・・・・。