ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

看板に偽りなし・・上方落語名人撰~新歌舞伎座柿落とし公演

2010-09-23 23:17:49 | 落語

新歌舞伎座~柿落とし公演に、建物見たさに嫁さんといそいそと。



歌舞伎座のあるビルの外観。


3Fからの舞台・・・横拡がりで、天井桟敷でも結構見易い。
座席は、1階が735席、2階が381席、3階が318席
特別席が19席の、計1453席。
昔の芝居小屋の雰囲気があり、客席数の割には、こじんまりとした感じ。

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私達が見た、三階席は、六分の入り。
2000円で、この充実の記念落語会が観れたのに、もったいない。
やはり、前売りの販売箇所が限られていたのが、問題か・・・。

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久しぶりに、充実の落語会。
全員の「気」の結晶・・・・集中力の上に立つ、素晴らしい舞台の連続。


一、林家笑丸・・・・・・・・・・・「時そば」

笑丸さん、大ヒット。おもしろい。
うどんの食べる仕草で、落語ファンでない方の心まできっちりと掴む。

喜六役の男が、次の日、かっこよく同じようにしようとする姿は、
オーバーアクション気味だが、大きな舞台には映える。

うどんをすする音も、三三七拍子で拍手が起こる。
年寄りの心を掴むのがうまい、さすが吉本育ちか。

昨日の真似をして、今日もスマートにやろうとして、、
金を払おうとする喜六の「お代は、なんぼや」の問いに、
うどん屋の、「いりまへん、はよ、帰って」は、最高のサゲ。
仁智さんの「時うどん」と同じように、常に進化している「時うどん」
聞きなれただけに、お客さんの笑いと共に、新鮮に聴こえましたで。


二、桂文三・・・・・・・・・・・・・「四人癖」

出てきて、落語ですから、あまり肩を張って聴かれませんようにと
まあ、落語に初めて接する方も多いと判断したのか親切な導入。

先の人のネタを解説するのは、タブーなのに、あえて「時うどん」の
食べるしぐさをして、マクラたっぷりで、笑い箇所の再確認。

噺は、「四人癖」特に、目をこする者と、袖のタモトを引張る者の二人は
大きな動きで、笑いを誘う・・・明るくて、楽しい、笑顔の素適な文三さん。

ヒットエンドランが見事極まって、クリンナップに繋ぐ。


三、桂米團冶・・・・・・・・・・・「七段目」

襲名後、初めての感激の舞台・・「七段目」

特に、團十郎の声色など似ているのであろう、
歌舞伎ファンが多くおられる会場から、大きな笑いと拍手が沸いた。
ベタであるが、歌舞伎のセリフはすべて声色として物真似風でやる。
そこらあたり、若旦那と米團治さんが歌舞伎かぶれとしてダブる。

すべてが、あかるく、楽しい米團治さんのアホぼん。
上手くやろうと、力めば力むほど、役に嵌っていく。

歌舞伎かぶれで、「質屋芝居」とか、「蔵丁稚」、「辻八卦」、「淀五郎」など
米團治さんで、聴きたいもんですな。


四、桂春團冶・・・・・・・・・・・「祝いのし」

こけら落とし公演の祝いを兼ねてか「祝いのし」を。

初めて聴く歌舞伎ファンも、何度も聴いている落語ファンにとっても
淡々と、一字一句が解っている台詞なのに活き活きとしていて
同じところで、同じ間で笑う。

おかしさだけでは無く、最後には春團治を見た、聴いたという感動が残る
「芸術」である。


五、笑福亭松喬・・・・・・・・・「首提灯」

嫁さんが、仲入りで呟く、松喬さんなら、お酒の噺が聴きたいなぁ、と。
期待どおり、「首提灯」・・本日の「これはー、なにー」は抑え気味。

松喬さんも、落語初心者がおられると思われたのか、
見台、膝隠し、小拍子など、上方落語、独特のものと説明。

首が落ちるしぐさで、大の大人が、ドッキっとびっくりの声があがる、
今日のお客様、かわいい、年令層は高いが、素直で、品の良さが感じられる。

酒の酔いっぷりは、いつもながら、絶妙で、終演後のお酒が楽しみなる。


六、桂ざこば・・・・・・・・・・・「子別れ」

演目の貼り出しで、「子は鎹」が、「子別れ」で表示。
鎹、解りにくくなったので、実物持って来ましたと、
それも、小さいのんの後に、3階席の方は大きいのを見せる、大サービス。

でも、いつもある、寅公の「うなぎ、好きや、豆腐と一緒に炊いて、三角の」
「それ、半助や、うなぎの頭や」・・・「うなぎに胴あんの・・・」のくだり好きなのに、
割愛されて、「寅公、うなぎの胴、食わしたろ」・・・と
、「半助」も死語と遠慮しているのか。

「子別れ」というと、東京っぽいが、母親と暮らすのが「子別れ」
六代目が演る、父親と暮らすのが「子は鎹」と区別しようとしているのか、
ざこば師の、心かわりを知りたいですな。

でも、噺の中身は、いつも以上に
こましゃくれた倅と、気まずいながら、よりを戻す父親と母親の人情噺に・・・
大トリの大役に燃えた、ざこばさん、大熱演でおました。


今日の落語会、昨今、名人撰といいながら、手抜きの目立つ会が多い中
開口一番の笑丸さんから、トリのざこばさんまで各自が役目をきっちりと果たし
緊張と緩和が、ほど良く、混じった落語会・・・久々の充実感。

杮落としの歌舞伎座で聴いた、笑丸、文三、米團治、春團治、松喬、ざこばさんの
六人の噺は、誰一人として忘れる事はないだろう。

杮落としの落語会、噺家さんと共に、楽しませてもらいましたでぇ。



上方落語名人撰
2010年9月23日(祝)午後
大阪新歌舞伎座

一、林家笑丸・・・・・・・・・・・「時そば」
二、桂文三・・・・・・・・・・・・・「四人癖」
三、桂米團冶・・・・・・・・・・・「七段目」
四、桂春團冶・・・・・・・・・・・「祝いのし」
仲入り
五、笑福亭松喬・・・・・・・・・「首提灯」
六、桂ざこば・・・・・・・・・・・「子別れ」


10-45-196


上本町YUFURA・・・ユニクロ、ABCマートなど大型店が占拠
SCとしての個性は薄し・・・。


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コメント (2)
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