![]() | 桂米朝 私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) 桂 米朝 日本経済新聞出版社 このアイテムの詳細を見る |
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落語仲間の辻さんに借りた本、一気に読み終えた。
昭和42年(1967年)が、私が落語に目ざめた年であるが、
それ以降の米朝さんの活躍と活動は、実際目にしているので多少は知識はあったが、、
それより前は、大東文化学院の学生で、正岡容を師と仰いでいた位しか知らず。
今回、生い立ちから、入門、そして、戦前、戦後の落語家新人時代、そして結婚と・・。
知的である一面、行動的、若き米朝さんの一面が窺える。
大塚の鈴本ヘ寄るついでに、偶然、正岡容先生宅を見つけたように書いておられるが、
会わずにはおれず、尋ね歩いて、探し得た気がする。
大塚の喫茶店を出ると、前の家に、「花園歌子・正岡容」の表札。
本当に、あの正岡容先生のお宅だろうかと、思い切って戸を開け、
「ごめん下さい」、「先生はご在宅でしょうか。ご本を愛読しています中川といいます」と、
伝えると、、しばらくして、「いま、執筆中なんで、明日の午後ならお目にかかります」との返事。
私は自分の幸運に感謝した。・・・とある。
これが、米朝師のその後の人生を導く、重要な一日であり
師と仰ぐ、正岡容先生との出会いである。
本の題は、桂米朝の「私の履歴書」とありますが
志の高き人には、それに相応しい人々が集まるのがよくわかる。、
逆説的に見れば、桂米朝の「私が出会った人々」の履歴である。
まあ、日経ビジネス人文庫が出版しているぐらいですから、
落語ファンだけではなく、広く読まれる事を想定しているのでしょうな。
上方落語が、再び隆盛を極める平成の時代に、周りからは、
「米朝という人は、上方落語復興のために、天から遣わされのではないか」と言われ、
ご自身は、「心底好きな落語を語って生きてこられて幸せ」と・・・・。
・・・・・・・・・・・・この様な、人生、送りたいものですな。