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ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

さいごの恋~野原広子

2025-02-22 08:08:08 | 本の少し
☆☆☆

歳を取りましたな。漫画を見て、ほろりとしてしまう。おいおい、ちょっとしたことにも感動か・・・。そうか、落語もすこし人情っぽい方が良いのかも。
人の優しさに心が動かされる、この野原広子さんの本。図書館にもたくさんあるようなので、少しずつ借りてみようかと・・・。



 
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同じ白さで雪は降りてくる~中畑智江

2025-02-21 09:09:09 | 本の少し
 ☆☆☆

一見波長が合いそうな気がしたのだが、どこか違う、詠む世界、活動している世界が違うのか、どこか他人事のように過ぎていく。歌って難しいですね、どこかあるあるの共感が無ければ感動も生まれないんでしょうな。

でも、辛うじて共感できた歌は・・・
・一個から買えるピーマン手に取れば軽い こんなに緑のくせに
・ぱっこんと笑い飛ばしたかのようにペットボトルの凹みは戻る
・幸せと言わねばならぬ虚しさに心はゆっくり折りたたまれる
・限りなきひかり寄り添うボトルには水の期限が記されており
・脳外科につづく廊下に並びたるすべての窓を雨が打ちおり
・優しさが善玉菌を造るという説あり雪は窓に光れり
・塩入れに「しお」と貼りつつ思うなり我はラベルを貼られたくなし
・トーストに載せたバターは形から放たれたくて溶けてゆきたり
・どの葉から色づき初めてゆくのだろう順位というを知らぬ葉たちよ
・お別れに行くと言う子はお別れの意味を知らない ビー玉落とす



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王将の前で待ってて~川上弘美

2025-02-19 09:09:09 | 本の少し
☆☆☆☆

俳句ですよ。短歌をかじっている私にとっては、たった17文字しか無い、俳句、それも季語も読みこんでとなれば自分で作れる字数は幾つ。そんな、選りすぐりの言葉を並べるなんて、到底できない。

でも、他人の作った俳句なら、良し悪しではなく、好き嫌いぐらいは言える。そこで川上弘美さんがつくった俳句で気に入ったのを・・・。
『2010年』 ・変心やしらすにまじる大しらす 
『2011年』 ・地震(なぬ)ありてボールの蜆鎮もれる ・炎昼(えんちう)の横断歩道わたる犬 ・出汁吸うて揚玉ふとる夜寒かな ・まんじゆう屋本家と元祖並び秋
『2012年』 ・豆鯵一笊眼のすべて我に向く 
『2016年』 ・父連れて彼岸の町に昼酒す ・永遠は青蛙にでもくれてやらう ・晩秋ジントニックおいしいです (泉鏡花賞受賞一句)
『2017年』 ・大根が一本道に落ちてゐる 
『2018年』 ・たましひも五臓六腑も春を待つ ・掌の中の枇杷潰すなりはればれと
『2019年』 ・ポケットに電話ふるへる朧かな
『2020年』 ・棒暗記せし詫び文句着ぶくれて ・貝寄風や池には池の気分あり
『2021年』 ・靴の紐結ぶ落花に尻おいて ・為替レート点滅線状降水帯通過 
『2022年』 ・洗濯ばさみはさみ疲れやそぞろ ・折紙の奴の尖り夏来る 
『2023年』 ・すりガラス濡らし透かせる日永かな ・茄子漬を絞れば茄子紺したたりぬ ・はちみつの中のざらざら冬ぬくし

その前の自選一年一句
『1994年』の一句 ・はっきりしない人ね茄子投げるわよ
『1997年』の一句 ・大寒の氷は海にかへりたし 
『2000年』の一句 ・ハンガーに干されて蛸や雲低き
『2007年』の一句 ・つつじ咲くパンツとパジャマ専門店
『2008年』の一句 ・終点より歩いて十歩冬の海

句をつくる時の「題材」の選び方にえらく勉強になりました。もっと日常の些細なことを短歌にしようと・・・。


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やさしいぴあの~嶋田さくらこ

2025-02-18 10:10:10 | 本の少し
☆☆☆

出会ったことのある、数少ない歌人さんのひとり。嶋田さくらこさんの歌集。
うた恋がとどまることなく続く。私の好きな第1章の恋歌は、裏のプロフィールで調べると、35歳の時に作った歌ですが、歌われているのはそれより10年ほど前の25歳前後か・・・その時ぐらいの恋って、ワクワクしてて素敵ですよね。

そこで、好きな歌も恋歌に偏りました。

『第一章』
・君とよく行ったドラッグストアにはまだある同じ香りのシャンプー
・誰からかわかる受信の振動がかすかに愛を伝えてくれる
・淡雪がやさしい雨になりました 泣くならこんな日がいいでしょう
・魔法瓶に一晩泊まってゆくといい 銀色のお湯になれる幸福
・夏風邪をひいたあなたに出会いたい くしゃみの色をおそろいにする
・もしかしてきみのねがいはふたつだけ? うそつくこにはかなえてあげない
『第三章』
・素麺の白さと艶が欲しいとか毎年思っている また夏だ
・好きな人にキスするときは好きすぎて好きと言えないままキスになる
・すきだろ、と拾ってくれた桜貝の微熱にきみは気づいていない
・もう好きでない人でしたキスしたらわかった悲しい真実でした



 
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浅草の灯よいつまでも・浅草芸能人物列伝~小針侑起

2025-02-17 07:07:07 | 本の少し
 ☆☆☆

浅草の芸人さん、私がもの心ついたときには既に半分の方は現役は降りられ、かつて活躍されたという名声だけで辛うじてお顔を拝見した人ばかり。

その人たちは、笠置シヅ子、並木路子、淡谷のり子、榎本健一、柳家金語楼、堺俊二、大宮敏充、内海佳子・好江、坊屋三郎、由利徹、コロンビア・トップ、水の江瀧子、渥美清、清川虹子、浅香光代、ですか。

でも昔は生粋のコメディアンさんって、居られたんですね。




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もの想う時、ものを書く~山田詠美

2025-02-16 06:06:06 | 本の少し
☆☆☆☆☆

読むうちに人恋しくなる本。リタイアして人とのつながりは最低限にしようと試みてきたが、この本を読むと、人と接するのがどんなに自分にエネルギーとスパークの刺激を与えてくれるのか・・・。

今年は、二、三年、逢ってない友人に敢えて会いに行こう、昔を懐かしむのではなく明日への希望を求めて会いに行こう・・・。



 
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高倉健の図書係~谷充代

2025-02-13 07:07:07 | 本の少し
 ☆☆☆☆

あの高倉健が愛した本。その本の紹介と思いきや、それだけではなく高倉健さん自身の生き様を活き活きと紹介。かっこいい。男らしい、変に媚びることもなく、自分の信じたことを淡々とこなしていく。まずは自分の尺度で物事は考えるが、それは自分のためというよりは他人のためであり、そこには男の美学がある・・・。

このような生き方をしてみたいもんですな。
 
 
 
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人口で語る世界史~ポール・モーランド

2025-02-12 06:06:06 | 本の少し
 ☆☆☆☆

人類がいかに、「人間が最も貴重な資源である」と躍起になって、人口増加に勤しんだか。人口とは、軍事力であり経済力であると、領土も含めて植民地政策で新大陸、豪州へと次々移民、帝国主義をひた走ったか。

十八世紀、世界人口は十億人に満たなかったのが今や七十億人。この二百年に七倍に。このまま人口が増え続けると、食料難、そして環境汚染により自ら住めない地球にしてしまっている。

人口膨張の脅威が各国を戦争に駆り立てた。超大国アメリカ、人種、移民問題を破綻とする陰り、あのトランプの過激な言論にも陰には根本的問題が潜んでいる。

逆に人口減少の日本、少子高齢化の中で低成長ながら新しい省エネ型の国を目指すべきだろう。日本は今でも人に関しては半鎖国状態、外国か入ってくる人も、出ていく人も少なく。人口政策に関しては手つかずで逆に色んな施策を試せる環境にある。でも早く望ましい意志決定が必要、おざなりに時間だけが経過していくことが恐ろしい・・・。
 
 
 
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はじめての近現代短歌史~高良真実

2025-02-11 06:06:06 | 本の少し
☆☆☆

明治以降の短歌から2021以降の近々の短歌まで網羅。
でもこれを読んで、私が好きなのは1990年代以降の短歌、まさに俵万智さん以降でおます。

でも、明治、大正に生き、その時代に生きて居たなら、私は短歌に親しんでいたのでしょうか・・・その時の私の心情はいかがなものか興味ありますな。

お気に入りの歌は
・数字しかわからなくなった恋人に好きだよと囁いたなら 4 ・青松輝
・あの虹を無視したら撃てあの虹に立ち止まったら撃つなゴジラを・木下龍也
・もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい・岡野大嗣
・雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁・斉藤斎藤
・3人で傘もささずに歩いてるいつかばらけることを知ってる・加藤千恵
・終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉にに取り囲まれて・穂村弘
・「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日・俵万智
・観覧車回れよ回れ想い出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)・栗木京子
・体温計くわえて窓に額つけ「ゆふら」とさわぐ雪のことかよ・穂村弘
・サバンナの象のうんこ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい・穂村弘
・ライナスの毛布が出ない辞書なんて辞書じぢやないつて何のことだい・荻原裕雄
・かたむいているような気がする国道をしんしんとひとりひとりで歩く・早坂暁
・つねにつねに黄身は白身に庇はれて心地よからむ 殻割ってやる・大村陽子
・花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった・吉川宏志
・毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである・枡野浩一
・ファミレスがレスってわけか 真夜中のファミレスにいる常連客は・枡野浩一
・傷ついたほうが偉いと思っている人はあっちへ行って下さい・加藤千恵
・雨だから迎えに来てって言ったのに傘も差さず裸足で来やがって・盛田志保子
・「お客さん」「いえ、渡辺です」「渡辺さん、お箸とスプーンおつけしますか」・斉藤斎藤
・3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって・中澤系
・体などくれてやるから君の持つ愛と名の付く全てをよこせ・岡崎裕美子
・ホットケーキ持たせて夫送りだすホットケーキは涙が拭ける・雪舟えま
 
 
 
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谷村新司詩集・夢のその先

2025-02-09 09:09:09 | 本の少し
 ☆☆☆

歌の詞、俗にいう歌詞。短歌に何か役に立てたらと思って手にした本。
リファイン、繰り返しが多いので、情報とすれば案外少な目。読んでいてもそんなに感動しないですが、メロディに乗せて唄うと、その言葉が活き活きとしてくる。
歌って耳で聞くものだから、目からの文字での情報は入らないので、平易な言葉で綴られている。私の短歌も普段使いの言葉が中心になっているので、気を許すと歌の歌詞、演歌の歌詞になってしまう。

昔の和歌の時代は口に出して読むのが基本。そういう意味では、ごまめの短歌は唄える短歌、口ずさめる短歌。を目指してみようかと・・・。


 
 
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どう生きる・人生戦略としての「場所取り」の教科書~藤原和博

2025-02-08 08:08:08 | 本の少し
☆☆☆☆

どう生きるのか、あと30歳若ければ、さぞ感化され実践したであろうぐらい中身の濃い、賛同の本。
才能がなくても、成功するのに必要なのは自分に合った人生戦略の「場所取り」だと。勝てそうな場所を探して、陣地をつくる。どんな環境に身を置き、どんな経験を積み、どんなスキル/キャリアを自分のものにするか・・それを自ら考え、自分の仕事や人生のイニシアティブを取っていく。
 
 
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歌集 手のひらを燃やす~大森静佳

2025-02-06 06:06:06 | 本の少し
 ☆☆☆

大森静佳さん24歳の時の歌集で、沢山の短歌賞を受賞した歌集。大学四年間の歌を集めたモノらしいけど、若々しさのみずみずしさと熟したものかげとが微妙に混ざっている。
不思議義なのは、上の句と下の句の関連性が離れていて、途中から並んでいる二首の下の句を入れ替えて遊びだした・・。へそ曲がりの、ごまめでおました。

・冬の駅ひとりになれば耳の奥に硝子の駒を置く場所がある
・途切れない小雨のような喫茶店会おうとしなければ会えないのだと
・そばにいるひとの思いがツユクサに触れて離れたあとに晩夏は
・夕空がしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている
・遠ざかるビニール傘の骨は透けてもうしばらくは今日であること
・性欲に向きのあることかなしめりほの白く皺の寄る昼の月
・雨脚が細くなりゆくつたなさにふたりはひとりよりもしずかだ
・眠るひとの手首に指で輪をつくる窓辺に月の雨はこぼれて
・手鏡を折りたたむとき閉じ込めたあれがほんとうの月夜だった
・売ることも買うこともできる快楽、と思いつつはぷはぷ牛乳を注ぐ
・空はいつわたしへ降りてくるのだろう言葉の骨に眩みゆく夏
・感情を飼い馴らしてはならぬから版画の暗さに冬が来ている




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消費される階級~酒井順子

2025-02-05 05:05:05 | 本の少し
☆☆☆☆

格差時代と言われていますが、「違い」はあるのは当たり前ですが「差」は無くしていくべきだと。
「男」と「女」の差。五十歳で「新たな挑戦」と「そのまま維持」。「韓国の一重瞼」と「日本の二重瞼」。「親ガチャ」と「子ガチャ」。「力」と「金」の格差。「ひとり」でいることの「権利」と「リスク」。「脳力」と「体力」。「強のミヤコ」と「東京のアズマ」。「かっこいい」と「ダサい」と「センスいい」。「姫になりたい女の子」と「姫として生まれた女の子」。「稼ぐ女」と「使う女」。

日本ってぬるいけど平和で豊かだと思っていたら、それは間違い、震災やコロナ禍、自然災害を経験し、デジタル化や日本の斜陽化にもまれて、世の中がこれほど変わるとは・・豊かな世での「格差」も嫌ですが、ひもじい世での「格差」は更にみじめで、その思いは、様々なハラスメントや他人へを下に見たりとかの歪曲した行動になりがちです。

我が身にとって「正義」とは何か、「義」とは、「(人の)道」とは、「善」に「道徳」は・・こういう時こそ、ゆったりと考えたいものですな。
 
 
 
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茶柱の立つところ~小林聡美

2025-02-04 06:06:06 | 本の少し
 ☆☆☆

令和六年の発刊、コロナ禍真っ最中からその後の日々の様子を描いたエッセイ。なんの変わったことをするでもなし、それでもその中でちょっとだけこだわりを持って生きる。その、ちょっとしたこだわりが一般市民も私たちには、親しみを感じる。どこにでもいるおばさん、でもよく見るとあの「やっぱり猫が好き」の小林聡美さんだと・・そんな街中のパン屋さんで偶然出会ったような本でおます・・・・。
 

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昭和の落語名人列伝~今岡健太郎・中川桂・宮信明・重藤暁

2025-02-03 07:07:07 | 本の少し
☆☆☆☆

昭和の落語名人と謳っているが、私は戦後生まれだけに、戦後活躍された方も
 昭和40年以降に活躍された方から懐かしく読ませていただいた。

この本、きっちり半分は上方落語のことを捉えておられ嬉しくなる。
四天王以外に、露の五郎兵衛、文紅、文我、春蝶、小染、枝雀さんが登場。
皆さんの得意ネタを列挙しており、自分が演じる時の何か参考になればとじっくりと見たが、どれもが大ネタばかりで手が届きそうではありません。
その中で、唯一近くに感じたのが文我さん、「あくびの稽古」「池田の猪買い」「がまの油」「「始末の極意」「日和違い」「短命」「くやみ」など難しい噺ですが、どこか癖のある花氏で興味がそそられますな。

ネタ選びで、だんだん個性が出てきそうでおます。

 
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