これから宿題マウンテンに登頂します。
今日のお話はひとつ前からの続きです。
最初っからお読みいただける奇特な方は、こちらからどうぞ。
今日で完結しますから。
マラッカゴルフツアー便乗の旅、2日めはやっと観光です!
中国嫁2号の夫君が、彼の車で街を案内してくれることになったのです。
他の男性陣は今日もゴルフだというのに、優しいなあ。
かなりの歳の差カップルだし、2号がかわいいだけあって、きっと彼女にメロメロなのでしょう。
いざ、世界遺産、マラッカの街へ!
いよいよあの赤い建物たちを心ゆくまでながめて、
教会に入って、博物館に入って、有名な砦にものぼって…。
マラッカには見所がいっぱい、しかもお車ドライバーつき。
どこからどう攻めようか、わくわくです。
車窓から。マラッカの信号は縦なんですね。右は警察署。
まずは、あのおなじみの赤い建物群に到着です!
ムラカキリスト教会。1735年、オランダ統治時代に建てられたそうです。
文字どおり、待ちに待ってましたよ。
ハイ、降りて!
ハイ、そこに立って!
ハイ、写真撮って!
左右の写真は、ムラカキリスト教会。
真ん中はオランダ総督たちの居住を目的として1650年に建てられた「スタダイス」、街のシンボル。
フォトスポットもしっかり押さえている夫君、さすがだなあ。
誰かと一緒だと、写真の撮りっこができたりして便利だなあ。
と、ここで、夫君の号令が。
ハイ、車に乗って!
え?もう?
まあ、マラッカは見所がいっぱいだから、要領よくまわらないとね。
次はどこかな~?
車を運転してもらって、写真も撮ってもらって、まさに大名旅行です。
が、ここで車内に響く2号の甘えた声が。
「私、ショッピングに行きた~いの」
「よしよし。朝ごはんを食べたらね」と2号夫君。
(私と交わす以外の会話はすべて中国語ですが、なんとなくわかるんです。)
って、えええええ!?
という展開で、
待ちに待ったマラッカ観光、5分で終了。
しかも写真を撮っただけ。
これではまるで、アリバイ作り。
200キロ、1泊二日で観光5分。
(お?何気に七五調。)
さらにいうなら、
1日め、棒に振ったも悔やまれて。
などと、一句詠んでいる気分ではないですよ。
あああああ。
ここまで来たというのに、なんという無念。
シンガポーリアンが今更マラッカ観光なんて興味ないのはわかってたけれど、中国嫁たちもか。
こんなこと言っては何ですが、
中国ってまず経済発展第一で歴史教育には力を入れてないような。
上海にいたとき、大卒で教養のある中国語の先生方からも、そんな印象を受けました。
ましてや、他国の歴史なんて…そう思うと、彼女たちの無関心も仕方ないのかもしれません。
その後、朝ごはんを食べて、巨大ショッピングモールへ移動。
お店周辺と、朝ごはん。朝っぱらからラーメンにカレー麺です。
現在9時。
当然、開いてないでしょ。
「いったいいつ開くのよ!?」
またご立腹の中国嫁1号。
だから私にあたらないで。
10時開店って、ドアに書いてあるよ。
今日の彼女は寝不足で、絶好調に不機嫌です。
1階建てで端っこが見えないくらいに続いている、その名も「メガモール」。
予想どおり、またも消える1号。
本能のおもむくまま行動も、拍車がかかってる…。
2号と夫君は「マックでまったりしているから、探したら連れてきてね」と。
ようやく1号を見つけた頃に、モールがオープン。
と、広い売り場で性懲りもなく、やっぱり消えてしまった1号。
もう驚いたりしませんよ。
ああ、彼女の周りの人間は、みんなこうやって馴らされていくのですね。
昨日のシンガポーリアン男性陣の平常心が、今理解できました。
広いし人も多いので、2号とともに探すことにしました。
それが、ある店で探していると、やがて2号も見失ってしまいました。
もーどーなるのー?
その店を出るべきか、とどまるべきか、考えていると…
試着室から、値札のついたジーンズをはいた2号の姿が。
おい。
試着してたんかい!
あきれる私に、悪びれもせず、「私たちも楽しむ!」。
うん、間違ってない。
それからは2号とついたり離れたりで、1号を探しましたが、見つからず。
そのうち、2号ともはぐれしまい…あれよあれよという間に、どうしたことでしょう?
洋服の買い物だけがこんなに。
左写真は、日本にも店舗がたくさんあるスペインブランド、MANGOのもの。なぜここに来てまで?
真ん中がマレーシアのもの。ネパールがテーマだそう。右写真が店舗。
こういう気のふれたような配色の服、大好きなんですよ。
年を取ると派手好きになるってほんとうですね。若い頃はモノトーン好きだったので、年取りすぎってこと?
買い物を抱えて、巨大ショッピングモールを出ると、入ったところと違ったみたいで、そこには遺跡が。
急いで写真だけ撮りました。後から人気スポット、サンチャゴ砦(たぶん)と知りました。
マラッカではトライショーと呼ばれている名物デコ三輪車タクシーの写真も。
迷いながら、ようやく2号夫君の車にたどり着いて、立ちつくしていたら、
すぐに1号に発見されました。
「私、ずっと探してたのよ!」
おい。
確かに服を買ったり、迷ったりしていた私は悪いけれど、
それは私のせりふでもあるんだぞ。
そもそもコトの発端は誰だったんだ?
でも、迷惑をかけたわけだし、気まずくなるのは避けたい。
しばらく考えてから、謝りました。
「長時間、ごめんなさい」と。
すると、「そんなに長くないから」と。
それからまた何事もなかったかのように。
いったん人を責める言葉を発すると気まずくなるのが日本人ですが、中国人って、そういうのがないのかな。
言うだけ言って、すっきりしたら、わだかまりも残らないのでしょうか。
ちょっと子どものけんかに似てますね。
夕方、ゴルフが終わった男性陣とコテージで合流しました。
さっそく私は相方に駆け寄って、
まるで子どもが親に言いつけるみたいに、昨日と同じようにまた惨状を報告しました。
相方は昨日と同じようにニコニコして、ひとこと。
「今日も楽しい一日だったんだね」
だから、
ちーーがーーうーー。
それからコテージ前で解散して、一路、シンガポールを目指して車はひた走りました。
シンガポール入国審査では、やはり私の入国について色々言われたものの、何とか通過。
入国後、運転中の1号の夫君が、
「シンガポールの道路を走ると、ほっとするんだよね。ハンドルが軽くなる感じ」
と、おっしゃったのが印象的。
一見のんびりした感じのマレーシアですが、
やはり治安も悪ければ、車の運転も荒いようです。
そんな中、二日間、安全運転、ありがとうございました。
こういう温厚で余裕のある方だからこそ、1号の夫が務まるのでしょう。
私のマレーシア上陸記念、マラッカ旅行は
そんなわけで何をしに行ったのかよくわからない旅でした。
1泊二日だった割りに、そして観光なんて5分しかしてない割りに、
なんだかとっても疲労感が残ったのですが、ともあれ楽しかったです。
期待していたものと、かけ離れてはいましたが。
私、中国嫁たちの悪口をいっぱい書いているみたいですが、
彼女たちのさばさばした性格や、本能のおもむくままの生き方、好きなんですよ。
彼女たちと一緒にいると、「空気を読む」なんて、どれだけむなしいことか。
彼女たちはあれで幸せ、そしてそんな彼女たちといると、無駄な気遣いはしなくてすみます。
これって意外と気楽で、気持ちいいのです。
とか一見すると草の根国際交流的なものわかりのよいことを言ってますが、
一緒に働いたり暮らしたりは、絶対無理。
と、正直な心がつぶやいております。
長いわりに内容のない旅日記におつきあいくださり、ありがとうございました。
サンチャゴ砦近くにいたネコ。見返り美人。