もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「骨と軽蔑」見てきました

2024-03-19 00:56:47 | お芝居
KERA CROSS第五弾 「骨と軽蔑」 シアタークリエ 2024.02.29 18:30~

KERA CROSSラストの作品は、KERAさん自ら。。。それも新作書下ろしって。。。びっくり。
今まで第1弾以外はみんな見に行ってます。
第2弾は、直人主演の「グッドバイ」だったしね。

で。。。それにしても、よくこれだけの女優さんをそろえたものだと、、感動だわ。
チケットもよくとれた!

さて、話の内容は・・・公式見たけど、あらすじも書いていないので、、、まったくどんな話かわからずに、劇場へ。

ネタバレを含みますので、知りたくない方は気を付けてください。。。




話の舞台は、東西に分断され、その間で戦争が起こっている国。爆撃機の音がしている。
戦争はずっと続いていて、男性はほとんど戦争に行っている。女性もどんどん駆り出されている状況。
そんな中、西地区にあるある屋敷が舞台。この家は軍需産業を営んでいて、起こっている戦争に武器を売って稼いでいる。
このうちは、父と母のグルガ(峯村リエさん)、姉のマーゴ(宮沢りえさん)、妹のドミー(鈴木杏さん)、そしてお手伝いのネネ(犬山イヌコさん)が暮らしている。
マーゴは小説家だが、最近は売れていないようだ。
マーゴは結婚していたが、夫は半年前に失踪してしまっている。徴兵されるのが嫌で逃げ出してしまったらしい。
そしてマーゴ宛に届く彼からの手紙は、ドミー(とネネ)が勝手に読み、姉には渡さず黙っている。

父は寝たきりで、秘書のソフィー(水川あさみさん)が世話をしている。彼女は父親の看病をしているが、ほとんど愛人状態で、
父親の財産をねらっているようである。
グルガやドミーは面白くない。グルカはそれもあってか、アルコール中毒の状態で、ネネもドミーも彼女に酒を飲まさないように気を付けている。

姉のマーゴが居間に入ってくる。そこに妹のドミーもやってきて、二人は一つのクッションを自分のものだったのに、相手が取ったとケンカを始める。
いつも、何かのことで、そういう口喧嘩をしているようだった。

屋敷の外にナッツ(小池栄子さん)が現れる。写真を池に落としてしまったのをネネが見つけ、それを拾うとマーゴの夫の写真だった。不思議に思うネネ。
ナッツはマーゴの小説の大ファンで、マーゴに会いにここまでやってきたのだという。
ネネが案内し、ナッツとマーゴは対面。もともと手紙でやり取りしていた二人は意気投合する。
グルカとドミーも一緒に4人で食卓を囲むが。。。
お酒の隠し場所をナッツがグルカに言ってしまう

グルカは納屋に行き、隠してあった酒を飲んでいた。
そこに一人の女性(堀内敬子さん)が現れ、自分はムシだと言いだす。ムシとかみ合わない会話をしていると、ネネがやってくる。二人は一緒に酒を飲みだす。

マーゴの小説の出版社でマーゴを担当しているミロンガ(堀内敬子さん)が来ている。外は嵐である。
そこに酔っぱらったグルカとネネが戻ってきて、ミロンガを見てさっきのムシだと大騒ぎする。
酒を飲んだグルカに対して、酔っ払って変なことを言わないようにとマーゴは諭す。

ソフィーが下りてきて、父が息を引き取ったという。そして父が書いたという遺言状を持ってくる。それを読み上げると。。。
工場の経営はグルカに、そして遺産はグルカと姉妹でわけるようにと書いてあった。ソフィーには一切遺産はいかないことを知ったソフィーは泣き崩れる。


グルカは工場を切り盛りし、ソフィーはその秘書として忙しくしていた。
マーゴの書いた「骨と軽蔑」という作品が文学賞を受賞する。印税も入ってくるので、暮らしぶりも楽になるだろうと喜ぶ。
ドミーはマーゴ宛に、失踪した夫から七十通以上も手紙が届いていたことをマーゴに話す。その手紙はずっと自分が読んでいたと。
夫のことを愛しているマーゴに対して、夫はもうマーゴのことは愛していないと書いてあったと話す。マーゴはショックを受ける。
さらに、ドミーは実は自分はマーゴよりずっと前から彼のことが好きだったという。

しかし、その手紙は実はナッツが書いたものだった。ナッツはマーゴが夫が失踪した後、ショックを受けているマーゴのために、
夫になりすまして手紙を書いていたのだった。役所に頼んでマーゴの夫の写真も取り寄せ、それを手紙に入れて送ったりもしていたのだった。
でもその手紙がマーゴの手に渡ってなかったとは知らなかったのだった。
ナッツはマーゴにその真実を告げる。マーゴは最初は信じなかったが、ナッツが何度も話し、ようやくそれを信じる。

ミロンガもマーゴの担当をやめるという。ミロンガは売れなかった時と比べて、最近はマーゴの小説に興味がなくなったという。だから別の人が担当になった方がいいという。
そこにネネが文学賞の祝電をもってくる。その中に夫からの祝電があった。。。ナッツが疑われるが彼女は違うと否定。
マーゴとドミーはその祝電を読んで、喜ぶ。夫は生きていたし、文学賞受賞を祝福してくれていた。

ナッツは屋敷を去ることとなり、庭に出るが、そこにムシが3匹いた。ムシを助けて遊んでいたが、ちょっとの間に、鳥に食べられてしまう。
その日納屋で寝ているナッツのところに、そのムシ3匹が現れ、ナッツのせいで自分たちは鳥に食べられたと怒ってくる。ナッツは違うと主張するがわかってもらえない。

ソフィーは屋敷を出ていく。軍に入隊するためで軍服を着ている。
マーゴの夫から再び手紙がきている。マーゴはドミーと読む。
なぜ自分が徴兵を避けて失踪したか。彼は東地区の出身だったので、西地区の軍に行くわけにはいかなかった。そのため東地区に逃げたのだった。
マーゴたちの屋敷は東地区でも有名で、西のお城と言われていた。そこの軍需工場で生産された兵器は西地区だけでなく東地区にも売られていたのだった。
東地区ではマーゴたちの屋敷を爆撃する日を決めていてそれが、、、5/20。早く逃げた方がよいと知らせてきたのだった。
そして5/20は今日。。。。外から爆撃機が飛んでくる音が聞こえる。

焼け野原となった土地が映し出され、、、幕。




いろんな要素が詰まってて、あちこち散らかっちゃいそうなんだけど、そうはならずに
魅入ってしまったのは、キャストの素晴らしい演技力もあったのかなあって、見終わって思いました。
芝居を通して聞こえている爆撃機の音とか、戦争というものが背景にもあり、今の世の中を考えてしまうところもあったり、
かと思えば、マーゴとドミーの兄弟げんかでくすっと笑ったり、突然ムシがでてきたり。。
うーん、ケラさんってすごいな。

そう、ケラさんの芝居では珍しくキャスト紹介の映像がなかった・・・ちょっと残念。
その代わりではないけど、イヌコさん演じるネネが、我々お客さんに向かって話しかけて進行するというのが面白かった。

セットは、一家の邸宅。
リビングと中庭と。。。同じセットを使って表してて、ケラさんの芝居ではときどきありますよね。
で、中と外がごっちゃになって笑わせたりね。

この家は軍需工場をやっていて、武器を作って売っているので、戦争がなくなるのは困るわけ。
今のウクライナもパレスチナも、使われている武器を作る企業があって、軍需産業は戦争がないと栄えない。。
そんなことを考えてしまった。不条理だ。
そして主人が亡くなったあとの2幕。グルガがソフィーとこの工場を切り盛りし始めるが、
自分たちの西の国だけでなく、相手の東の国にも、武器を売っていることが説明される。。。
信じられない!とも思ったが、これが事実なんだろう、今の我々の時代も、、、含めて。
なかなか深いというか、考えさせられる内容だった。
武器を売っている相手の東の国が、最後、この工場や屋敷を爆撃するというのは、報いなんだろうか。

そう、「骨と軽蔑」というタイトルは何だろうと思ってたけど、
マーゴの書いていた、小説のタイトルだったんですね。。。賞をとった小説。
でも、耳から骨が出てくるというような話らしい、。。ホラー小説?



キャストの感想、、、
感想もなにもないくらい皆さん素晴らしいんですが、

一番印象に残ったのは、ナッツの小池栄子さんですね。
まず、、、どこの言葉だ?っていう訛りをずっと話してて、、、それが田舎者っぽくて、めっちゃ癖が強い
で、ゴタゴタしてるこの家を、さらに引っ掻き回すという。
こういう変な役を、普通に演じてしまう小池栄子さんに脱帽でした。

それからグルカの峯村リエさん
一幕と二幕では別人でした。一幕は主人に翻弄され、酒に逃げる痛々しい姿。そして二幕は颯爽とした女経営者。
まったく違う人格を、演じ切るのはさすがでした

マーゴの宮沢りえさん
やっぱり華がありますよね。りえさん。ナッツと意気投合するときの無邪気な姿や、ドミーと口喧嘩するときの子供っぽさとか
いろんな面を見せてくれました。

ドミーの鈴木杏さん
一幕はちょっと卑屈になってる妹って感じ。マーゴに対する嫉妬心の塊みたいだったけど、
二幕になってマーゴと仲良く手紙を読んだりする姿はかわいかったです。杏ちゃんは彼女の空気感を持っていると
いつも思うんだけど、今回も存在感抜群でした。

ソフィーの水川あさみさん
最初登場したとき、誰だかわからなかったです。あまり声質が舞台向きではないのではと思っていたけど、
意外にもこの役は合ってると思いました。
出番が少なめだったのがちょっと残念だったかな。愛人としてもっと引っ掻き回すのかと思ってました。

ミロンガの堀内敬子さん
出番は後半からだったけど、なかなかおいしい役だったのでは。特にムシの役(笑い)
いつも思うけど発声がしっかりしてるから、ホントに声がよいです。聞いてて気持ちいいんですよね。
マーゴの編集者というキャリア女性もはつらつと演じてらっしゃいました。

そして、ネネの犬山イヌコさん
ケラさんの芝居にはなくてはならない存在。今回はMCみたいなこともしていて、
お客さんとの掛け合いもなかなかでした。この家の家政婦さんがほんとにぴったり。

とにかくこの7人が揃ったことだけでも素晴らしいと思えるお芝居。
見に行けて幸せでした。。。

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