青山円形劇場プロデュース
青山演劇フェスティバルSPECIAL~サヨナラの向こう側2014~ 参加
「夕空はれて~よくかきくうきゃく~」 青山円形劇場 2014.12.4 19:00~
来年1月に閉館する青山円形劇場の最後の公演。行ってきました。
この劇場が閉まるのは本当に残念。臨場感あふれる劇場、そうそうないです。
ぜひ同じ規模の同じような劇場を、他に建ててほしいものです。
この芝居、最初は別役実さんの新作「雨の降る日は天気が悪い」をケラさんが演出するということでしたが、
別役さんが体調を崩され、新作を上演することができず・・・
ケラさんが別役さんの戯曲の中から、この「夕空はれて~よくかきくうきゃく~」を選んで上演することになったそうです。
この芝居は不条理劇であると同時にナンセンスコメディだそうで。
不条理劇?今まで、あまり見たことないジャンルで。。。思わず調べちゃいましたよ。
Wikiによると
「不条理演劇では、登場人物の行動とその結果、時にはその存在そのものが、因果律から切り離されるか、曖昧なものとして扱われる。登場人物を取り巻く状況は最初から行き詰まっており、閉塞感が漂っている。彼らはそれに対しなんらかの変化を望むが、その合理的解決方法はなく、とりとめもない会話や不毛で無意味な行動の中に登場人物は埋もれていく。ストーリーは大抵ドラマを伴わずに進行し、非論理的な展開をみせる。そして世界に変化を起こそうという試みは徒労に終わり、状況の閉塞感はより色濃くなっていく」だそうです。書き方が難しい~
さて、どんな話だったかというと、
舞台中央に椅子が並べられている。そこに仲村トオルさん演じるセールスマンが現れる。彼は並んでいる椅子の一つに休憩するように座る。そこに、犬山イヌコさん演じる女と、山崎一さん演じる頭に包帯を巻いた男がやってくる。二人はセールスマンに「その椅子に座った人が、今日ライオンに咬まれる可能性が高い」と話す。
前の晩にその椅子に座った人がライオンにかみ殺されて、その前の晩は、包帯を巻いた男が耳を食いちぎられたとのこと。
そこに川たまきさんと奥菜恵さん演じる姉妹もやってくる。さらにマギーさん演じる飼育係も現れる。
そこで行われる会話がすべての一幕。
人をかみ殺したのはライオンなのかトラなのか、クマなのか??各々思っている動物が違うらしい。
その椅子に座ろうとした男に「あなたはライオンに咬まれたいのか?咬まれたくないのか?」と問いかける人々。
咬まれたいか咬まれたくないのか?「咬まれたくないですよ」と答えるセールスマンに、他の面々は
「咬まれたいと思ってるのに咬まれたくないと言っている」「本当は咬まれたいんでしょ」などと、実に不毛な会話が続いていく。
仲村トオル演じるセールスマン以外は、どこか何かがずれている。狂っている。会話をしているようで会話になっていない。答えの見えないやり取りが延々。
二幕になると、そのライオンだかトラだかクマだかわからない猛獣が入った袋が登場。その中にいるには池谷のぶえさん演じる男。普通に言葉を話す人間なわけだ。この猛獣(?)に婚約者をかみ殺された妹が、袋の中の男を棒でたたく。また飼育係は蹴る。
袋の中の男はここから出せというので、セールスマンが持っていたはさみを使って出してあげる。
するとその男は、自分をたたいたのは誰か?蹴ったのは誰か?はさみを使ったのは誰か?と問いただす。
男はそれらがすべて同一人物だと思って言うようで、身の危険を感じたセールスマンはあわてる。
袋の中の男には何も話さないと約束していたのに、セールスマンは袋の中の男と「蹴った人には何もしない」という約束をして、すべてを話す。
ところが袋の中の男は、はさみで妹をさし殺してしまう。
セールスマンが「どうして刺したのか」と問い詰めると「蹴った人には何もしないと言った」と袋の中の男はいい、去っていく。
他の面々も去っていき、最後にセールスマンにイヌコさん演じる女が「警察に聞かれたら、ライオンにかみ殺されたって言いなさい」と話す。そしてその場にセールスマンだけが残る
一幕は、言葉のシャワー。それもずれたセリフの掛け合い。「かみ殺されたい」かどうか。。。同じセリフの繰り返しが多いけど、微妙に意味が違ったり、ニュアンスが違ったりで、ボタンがかけ違えられていく。
テンポがよいから、ついつい笑ってしまうんだけど、心地よくはないし、イライラもしてくる。
自分が仲村トオルさん演じるセールスマンと同じ目線に立ってるから、セールスマンの気持ちがよくわかる。
休憩でトイレに行ったときに、「くどいよね。嫌になっちゃった」って話している人がいたけど、その気持ちもわからないわけではない・・・けど、テンポがよいから、そこまでは感じなかったけど
二幕でようやく池谷さん登場。それにしても何でもこなす役者さんだよな~
で、言葉の怖さを思い知ったというか。。。
日常でもこういうことって起きてるのかも。そういうところから冤罪や事件が起きるのかもって怖く感じたし・・・
確かに「蹴った人には何もしない」と言ったわけで。。。
セールスマンは「蹴った人にも叩いた人にも・・・」という意味で話をしたのに、
袋の中の男は「蹴った人だけには何もしない」という意味だったから「叩いた人には何をしてもよい」ということ。
思い違いや解釈の違いって怖いな~と、真面目に考えちゃいました。
あるものがライオンに見えたりトラに見えたりってことも同じ。1つのことがそれぞれの立場によって見え方が違うってことだし。。。
二幕になると、一幕ではライオンって言ってた人がトラって言ってたりもよくあること。
その時々の都合で違うものに見えたりすることもある
日常でよくあることですよね。。。
芝居の最中は、役者さんの掛け合いのテンポの面白さで笑ってたけど、よくよく考えたら怖いな~って見終わって感じた芝居でした。
シンプルなセットもまたよかったです。
仲村トオルさんは、一人だけ普通の人で、巻き込まれて、じたばたしているのがよかった。トオルさんに感情移入しちゃってました。
私、席が最前列の通路側だったので、すぐ横にトオルさんが来てて、、、ドキドキしちゃいました。
かっこいい~それと指がきれいだった(笑い)
緒川たまきさんがとても綺麗でした。声が素敵なんですよね。
あと池谷さんはホントにすごいな~一幕は出てこなくて心配しちゃったけど。。。
二幕だけなのに、存在感十分でした。
それにしても、、、円形劇場がなくなるのが本当にさびしいです。
青山演劇フェスティバルSPECIAL~サヨナラの向こう側2014~ 参加
「夕空はれて~よくかきくうきゃく~」 青山円形劇場 2014.12.4 19:00~
来年1月に閉館する青山円形劇場の最後の公演。行ってきました。
この劇場が閉まるのは本当に残念。臨場感あふれる劇場、そうそうないです。
ぜひ同じ規模の同じような劇場を、他に建ててほしいものです。
この芝居、最初は別役実さんの新作「雨の降る日は天気が悪い」をケラさんが演出するということでしたが、
別役さんが体調を崩され、新作を上演することができず・・・
ケラさんが別役さんの戯曲の中から、この「夕空はれて~よくかきくうきゃく~」を選んで上演することになったそうです。
この芝居は不条理劇であると同時にナンセンスコメディだそうで。
不条理劇?今まで、あまり見たことないジャンルで。。。思わず調べちゃいましたよ。
Wikiによると
「不条理演劇では、登場人物の行動とその結果、時にはその存在そのものが、因果律から切り離されるか、曖昧なものとして扱われる。登場人物を取り巻く状況は最初から行き詰まっており、閉塞感が漂っている。彼らはそれに対しなんらかの変化を望むが、その合理的解決方法はなく、とりとめもない会話や不毛で無意味な行動の中に登場人物は埋もれていく。ストーリーは大抵ドラマを伴わずに進行し、非論理的な展開をみせる。そして世界に変化を起こそうという試みは徒労に終わり、状況の閉塞感はより色濃くなっていく」だそうです。書き方が難しい~
さて、どんな話だったかというと、
舞台中央に椅子が並べられている。そこに仲村トオルさん演じるセールスマンが現れる。彼は並んでいる椅子の一つに休憩するように座る。そこに、犬山イヌコさん演じる女と、山崎一さん演じる頭に包帯を巻いた男がやってくる。二人はセールスマンに「その椅子に座った人が、今日ライオンに咬まれる可能性が高い」と話す。
前の晩にその椅子に座った人がライオンにかみ殺されて、その前の晩は、包帯を巻いた男が耳を食いちぎられたとのこと。
そこに川たまきさんと奥菜恵さん演じる姉妹もやってくる。さらにマギーさん演じる飼育係も現れる。
そこで行われる会話がすべての一幕。
人をかみ殺したのはライオンなのかトラなのか、クマなのか??各々思っている動物が違うらしい。
その椅子に座ろうとした男に「あなたはライオンに咬まれたいのか?咬まれたくないのか?」と問いかける人々。
咬まれたいか咬まれたくないのか?「咬まれたくないですよ」と答えるセールスマンに、他の面々は
「咬まれたいと思ってるのに咬まれたくないと言っている」「本当は咬まれたいんでしょ」などと、実に不毛な会話が続いていく。
仲村トオル演じるセールスマン以外は、どこか何かがずれている。狂っている。会話をしているようで会話になっていない。答えの見えないやり取りが延々。
二幕になると、そのライオンだかトラだかクマだかわからない猛獣が入った袋が登場。その中にいるには池谷のぶえさん演じる男。普通に言葉を話す人間なわけだ。この猛獣(?)に婚約者をかみ殺された妹が、袋の中の男を棒でたたく。また飼育係は蹴る。
袋の中の男はここから出せというので、セールスマンが持っていたはさみを使って出してあげる。
するとその男は、自分をたたいたのは誰か?蹴ったのは誰か?はさみを使ったのは誰か?と問いただす。
男はそれらがすべて同一人物だと思って言うようで、身の危険を感じたセールスマンはあわてる。
袋の中の男には何も話さないと約束していたのに、セールスマンは袋の中の男と「蹴った人には何もしない」という約束をして、すべてを話す。
ところが袋の中の男は、はさみで妹をさし殺してしまう。
セールスマンが「どうして刺したのか」と問い詰めると「蹴った人には何もしないと言った」と袋の中の男はいい、去っていく。
他の面々も去っていき、最後にセールスマンにイヌコさん演じる女が「警察に聞かれたら、ライオンにかみ殺されたって言いなさい」と話す。そしてその場にセールスマンだけが残る
一幕は、言葉のシャワー。それもずれたセリフの掛け合い。「かみ殺されたい」かどうか。。。同じセリフの繰り返しが多いけど、微妙に意味が違ったり、ニュアンスが違ったりで、ボタンがかけ違えられていく。
テンポがよいから、ついつい笑ってしまうんだけど、心地よくはないし、イライラもしてくる。
自分が仲村トオルさん演じるセールスマンと同じ目線に立ってるから、セールスマンの気持ちがよくわかる。
休憩でトイレに行ったときに、「くどいよね。嫌になっちゃった」って話している人がいたけど、その気持ちもわからないわけではない・・・けど、テンポがよいから、そこまでは感じなかったけど
二幕でようやく池谷さん登場。それにしても何でもこなす役者さんだよな~
で、言葉の怖さを思い知ったというか。。。
日常でもこういうことって起きてるのかも。そういうところから冤罪や事件が起きるのかもって怖く感じたし・・・
確かに「蹴った人には何もしない」と言ったわけで。。。
セールスマンは「蹴った人にも叩いた人にも・・・」という意味で話をしたのに、
袋の中の男は「蹴った人だけには何もしない」という意味だったから「叩いた人には何をしてもよい」ということ。
思い違いや解釈の違いって怖いな~と、真面目に考えちゃいました。
あるものがライオンに見えたりトラに見えたりってことも同じ。1つのことがそれぞれの立場によって見え方が違うってことだし。。。
二幕になると、一幕ではライオンって言ってた人がトラって言ってたりもよくあること。
その時々の都合で違うものに見えたりすることもある
日常でよくあることですよね。。。
芝居の最中は、役者さんの掛け合いのテンポの面白さで笑ってたけど、よくよく考えたら怖いな~って見終わって感じた芝居でした。
シンプルなセットもまたよかったです。
仲村トオルさんは、一人だけ普通の人で、巻き込まれて、じたばたしているのがよかった。トオルさんに感情移入しちゃってました。
私、席が最前列の通路側だったので、すぐ横にトオルさんが来てて、、、ドキドキしちゃいました。
かっこいい~それと指がきれいだった(笑い)
緒川たまきさんがとても綺麗でした。声が素敵なんですよね。
あと池谷さんはホントにすごいな~一幕は出てこなくて心配しちゃったけど。。。
二幕だけなのに、存在感十分でした。
それにしても、、、円形劇場がなくなるのが本当にさびしいです。