もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

月刊「根本宗子」第19号 「共闘者」  見てきました。

2024-09-17 00:13:03 | お芝居
月刊「根本宗子」第19号 「共闘者」 TOKYO FMホール 2024.09.04 14:00~

久々のねもしゅーさんのお芝居。
コロナ禍で通常での上演はなかなかだったので、、、ほんとにお久しぶりです~という感じ。
会場はTOKYO FMホール。ん?半蔵門?え?
行くのは平日昼公演。もしかして、もしかしたら、収録に来てる直人とすれ違っちゃったりする?なんて
ちょっとした期待を持って、、、、
しかし、その前日に収録があったようで、、、私の野望はあえなく散りました。






ステージが、真ん中に作られて、四方を観客が囲む形。5列ずつかな。。なので、どの席も見やすいと思います~

内容を簡単に。。。
高校の演劇部の同級生の5人(京子、優香、瑞希、吉田、真理恵)は、松たか子さんに憧れ、出待ちをしたときにもらった手ぬぐいを分け合って持ち、
5人同じ大学の演劇科に進み、劇団を結成することを約束していた。
が、いつも主演の京子(前田あっちゃん)が突然失踪。優香(ねもしゅーさん)は京子を待ち続けて劇団をやろうと強い気持ちを持っていたが、
真理恵(短ちゃん)が役者になるとアメリカに行ってしまい、また吉田(むらきゃみさん)は男に騙されて高額の水を買わされて逃げ出し。。。と
バラバラになってしまう。

話は。。。
真理恵はアメリカ人男性と結婚して子供も生まれたが、その子の改名手続きのために訪れた区役所で、京子と再会する。
そこから、上に書いたような過去の出来事などオムニバス的に振り返る感じ。。。
なぜ京子が失踪したか、それは家族の秘密を優香に話してしまったから。

そして、京子が失踪してから12年後、京子が刑務所から出所してくる日、5人は再会する。
再会した5人は、力を合わせてそれぞれが戻りたかった過去へタイムスリップする。
京子と優香が二人になって、戻ったのは、京子が失踪する前に優香に秘密を打ち明けた日。
人生がやり直せるなら、、、やり直せないとしても同じ道を選んでいくだろうと。。。
そして3人もまた登場し、「お」「も」「い」「地」「獄」を背負って生きていく

ねもしゅーさんの舞台だけあって、セリフの応酬がすごかった。
それも、あ~こういうこと言うよね~のような、普段使いの言葉たち。。。
5人でのわちゃわちゃ感もなかなかで、圧倒的なテンポ感に飲み込まれました。

今までのねもしゅーさんの舞台なら、いやあ、このセリフのテンポ感がここちよく、
そして5人の気持ちなどを感じつつ感動してたんだけど、今回はそうもならず。。。
というのは、この舞台の形なんではないかなと。

まず、ここは劇場ではなく、プロレスなどもやるホールだそうで、なかなか声が響くというか
反響して、セリフが聞きづらかった。
女性みんな、声がキンキンする感じで、ちょっと何をいってるかわからないときも。
それに輪をかけて、真ん中が舞台で、四方を囲む形だったから、演者が自分と反対側を
向いてセリフを言ってると、セリフがよくわからない。。
なので、いまひとつ、はまれなかったんですよね~
ちょっと残念でした。

キャストでは、、やっぱり前田敦子さん、素晴らしかった。
最近の前田あっちゃんの演技力は目を見張るものがあります。いい女優さんになったな~とつくづく。。。
それから長井短ちゃんも、いい味だしてました。
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イキウメ 「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」 見てきました

2024-09-16 00:48:55 | お芝居
イキウメ 「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」 東京芸術劇場シアターイースト 2024.09.01 13:00~

何たる失態!!!
14:00開演と勝手に思い込んでた。なんでチケットチェックしなかったかなあ。。。
最近こういう間違い(時間とか日にちとか)多くて。。。もう年かな~と悲しくなる。

めっちゃ楽しみにしてたのに、、、
行ける日が、東京千秋楽のこの日しかなかったから、リベンジもできない(涙)

劇場についたのが、13:30くらい。ちょうど開場と思っていったけど、どうも雰囲気が。。。
愕然!!でした。
係りの方に、話してロビーまで入れていただき、客席に入っていいころ合いを、みはからって入れてもらいました。
席は3列目を持ってたんですが、入ってすぐの端の席が空いているということで、そこをご案内していただきました。
ほんとにありがとうございました。

ちょうど2つ目のお話でした。
2つ目のお話の最初の方はロビーのモニターで見てたので、見れなかったのはオープニングと1つ目のお話ってことかな?
ほんとにバカな私。。。

途中からだったのに、とってもよかった。ほんとによかった。
あ~だからこその後悔です。。。
そして、本を読みたくなりました。

まずは、公式より
「怪談は 昔も今も 変わらない
東へ西へ 旅した八雲は 知っている
この世は実に 奇ッ怪だ」

とある旅館に宿泊していて、小説を執筆している作家の黒沢(浜田さん)
ある日、旅行客の田神(安井さん)と、宮地(盛さん)がやってくる。
ここで出会った3人は奇怪な話をお互いにすることになることとなったらしい(見てないので・・)

ここから語られるのは、小泉八雲の怪談5編「常識」「破られた約束」「茶碗の中」「お貞の話」「宿世の恋」
怪談は、劇中劇として、話の中の人物と、そこにいる人物がうまく入れ替わり演じるというのが、
イキウメらしく、さすがだった。違和感なく、すーっと物語に入り、そしてすーっと現実に戻る。その匙加減がすばらしいなと
改めて思いました。

「破られた約束」では、ある侍(浜田さん)には病床の妻(松岡さん)がいた。自分が死んだら新しい嫁を迎えてというが、
侍は妻のことを愛しているから、そんなことはしないと約束する。妻はなくなり、約束したとおり、侍は妻の亡骸を庭の梅の木の下に埋め、鈴も一緒に埋めた。
しばらくして、侍は再婚した。ある夜、侍が家をあけたとき、新しい妻(平井さん)が眠っていると、鈴の音とともに前妻の幽霊が現れ、離婚して家を出ていけという。
新しい妻は侍に離婚したいという。そして前妻の幽霊に言われたことを侍に話す。
再び、侍が仕事で夜、家を空けるとき、周りに男たちに番をさせる。鈴の音が聞こえる。気が付くと男たちは倒れていて、新しい妻が声を上げて男たちを呼ぶが
誰も来ず、幽霊に襲い掛かられる。
翌朝、侍は新しい妻の首が引きちぎられて死んでいるのを発見する。。。。

田神は、怪談なら幽霊が呪い殺したで済むが、これを事件として考えると、侍が犯人とも思えてくる。実際にこの怪談のような事件があって少女が殺されているという。

次の話は「茶碗の中」
ある男性(安井さん)は、茶碗の中に見知らぬ人の顔が映っていて、お茶が飲めない。同僚に渡すが、同僚には見えていないようだ。茶碗を変えても変わらない。
男性は嫌だったが、それを飲み切った。
男性役を宮地(盛さん)に代わる。
宮地が遺体安置所にいると、外に見知らぬ男が立っている。ここは関係者以外立ち入り禁止。。。しかも、その男は茶碗に中にいた男だった。
彼は自分を飲み干したなと言って、襲ってきた。が、何とか逃れることができた。
そして、その茶碗の中に出てくる男が黒沢にそっくりだと話す。

宮地は実は検視官で、実際に遺体安置所から、一人の女性の遺体が行方不明になっているという。もう一人の田神は刑事で、二人はこの事件を捜査中。
この旅館と、小説家のことを聞き、やってきたのだった。二人は黒沢にその女性の写真を見せる。

ここから黒沢の過去の話になる。「お貞の話」
黒沢(学生時代は大窪さん演じる)は学生のころから小説家をめざし、そのころの彼女は画家志望のしのぶ(平井さん)だった。
しのぶは、想像で描いた絵も、実は過去にあったことと全く同じ立ったりするという才能をもっていた。彼女が言うには、この世で起きることは決まっていて、
それを私は絵にすることができるのだと。
そして自分の顔が黒く塗られている絵を見せる。これは自分が死ぬことを表しているという。もし死んだら、15年後に生まれ変わって、また黒沢の元に戻ってくる
ともいう。そしてしのぶは自殺してしまった。
先日、黒沢は旅館で忍にそっくりの女性をみかけた。それが遺体がなくなってしまった女性だった。話しかけてみたが、彼女はわからないようだった。
すると田神が、彼女の姉の証言を話す。彼女はその旅行のあとから、様子がおかしくなったとのことで、突然別人格が現れるようになったみたいだったと。
そしてそのあと自殺してしまったそうだ。
田神と宮地は、黒沢にそのあと会ってないかと聞くが、黒沢は会ってないと答えた。

そこへ旅館の女将(松岡さん)が来て怪談話を始める。これは「宿世の恋」。「牡丹灯籠」の題材でもある。
新左衛門(浜田さん)という浪人は、旗本の娘のお露(平井さん)と恋仲になる。しかし身分の差があり結婚はできない。
最初に紹介してくれた医師(安井さん)にお露と会いたいとお願いするが、それは無理だと断られる、
あるとき新左衛門はお露がなくなったことを聞く。
その後、町でお露とその女中(生越さん)に出会い、驚く。その後お露は夜になると新左衛門のところにやってくるようになる。
様子がおかしい新左衛門を心配して、医師たちが身に行くと、新左衛門はお露と女中の死体と戯れていた。
新左衛門は和尚(森下さん)にお露の霊が取りついていると言われ、お祓いをすることになる。1週間お経を唱えればお露の霊は成仏してくれるという。
そしてそのお経の最中に、お露の声にこたえてはいけないと言われる。
新左衛門はお露の声にこたえるのを耐えて、6日間。とうとう最後の日、、、お露の声に耐え切れず答えてしまう。そして、、それなら自分がお露のもとに行くと
自害してしまったのだった。

暗転したあと、
旅館だった場所は廃墟。そして黒沢はいない。いるのは田神と宮地だけ。
祠の前の地面の蓋を開けると、ものすごい悪臭とともに、女子高生の遺体と、黒沢の遺体を発見する。
二人は黙って手を合わせる。それを黒沢が遠くから見守っている。

「報告書どう作成します?」と田神。狐に化かされたとこからですかね・・・・



現代の遺体がなくなった事件と、それぞれの怪談話との融合が絶妙でした。
最終的に、事件の真相にもだんだん迫っていって、終わり方もきれいでしたよね。すばらしい。。。

最後の「宿世の恋」
お露に叫ばれ続けるのは、、なかなか怖いというかつらいですね。あれを聞こえないようにしてお経を唱えるのは、、、
お露役の平井さん、絶叫でしたもん。熱演でした。

それと舞台セットもよかったです。シンプル。不要なものを一切排除した感じだけど、何かあったかい感じすらする。
奥に作られた中庭には、実際に砂利があって、祠、梅の木も。。。
照明も怪談のときと、そうでないときとのメリハリを出していて、怪談のときは、ちょっと怖さを出していました。


キャストでは、
やっぱり黒沢役の浜田さん
以前からイキウメの舞台を見に行った感想に書いているんだけど、
私、浜田さんの声がめっちゃ好きなんですよ。今回もすっかりその声にやられちゃいました。
さらに、和装の衣装がお似合いで、色気がすごい。
小説家というけど、訳ありな感じが浜田さんにぴったり。堪能させていただきました。

他の安井さんはじめイキウメの人たちも、適材適所でさすが。。。。

で、今回の客演では、
黒沢の恋人や、お露などを演じた平井さん
何役か演じられてたけど、全然違う役をしっかり演じ分けられていて、すばらしかった。
黒沢の恋人役では、いまどきの若者だけど、ちょっと得体のしれない不思議ちゃんという感じで、黒沢をほんろうしてた。
さらに、お露のときは、新三郎を引き込もうとする狂気の出し方がすごかった。。。
今後が楽しみな役者さんです。。。

現実と怪談話や過去の話を行き来するのですが、そこがシームレスにつながるので
とても見やすかった。見ている方も??にはならずに、ついていくことができるのは
演出の仕方もそうだし、キャストの所作やセリフもうまく作られているからだと思う。
そこが、イキウメだな~って思う、、、
あ~だからこそ、最初から見るべきだった、、、、

この舞台は再演なわけで、、、また何年後かに、再演を期待します。


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NODA・MAP 第27回公演 「正三角関係」見てきました

2024-09-05 00:28:17 | お芝居
NODA・MAP 第27回公演 「正三角関係」 東京芸術劇場プレイハウス 2024.08.22 19:00~

NODA・MAPは最近、そうでなくてもチケット争奪戦が激しく、見に行くのが大変なのに、、、
今回は、松潤が主演ということで。。。激戦も激戦も大激戦。
野田地図先行はもとより、ぴあもローソンもイープラスも何度も何度も落選で。。。
(こういう時に限って、キューブの役者さん出てないから、キュービット先行もないし)
そしたら、一番最後の、ぴあNICOSカード先行で、ひっかかりました。。。やったー。

しかも、、、そんな最後の抽選だったのに、最前列(端の方だけどね)ってどういうこと?

ってことで、行ってまいりました。

いやあ、すごいものを見たなという感じかな。

野田さんの芝居にしては、テーマが早めにわかるようになっていて
(大体は2幕になってようやくというのが多い)、太平洋戦争、そして長崎に落とされた原爆だと察しがすぐについてしまった。
なので、単純な頭の構造をしている私には、わかりやすかったかな~

今年は、「イノセントピープル」の芝居も見たし、この前直人ツアーで広島に行ったときに、原爆ドームもいったりしたので
身近に感じていたことだったので、余計刺さってきたのかもしれないです。
原爆ドームの前で、ピースして写真撮る、白人のグループを見て、ちょっとやるせない感じになったりして
ワタシ的にはナーバスだったわけです。。。この話は。

お話は ドストエフスキーの小説「カラマーゾフの兄弟」の設定からなるということで、「カラマーゾフの兄弟」といえば、
吉田鋼太郎さんや市原隼人さん、斎藤工さん、林遣都くんのドラマのイメージが強くて・・・
あ~そういえば、高梨臨ちゃん出てたなとか、松下洸平くんがキーマンだったなとか、ついつい思い出しちゃってたんですが、
設定を借りたというところでしたね。

原作でいう強欲で成り上がりの父親フョードルならぬ、唐松兵頭を竹中直人さん。長男で真っすぐだけど放蕩息子のドミートリイならぬ、唐松富太郎を松潤。
彼は、花火師という設定。二人が取り合うグルーシェニカ・・・これはこの話ではで火薬の名前となっていて、富太郎はとくにこれを大事にしていたという
設定。だけどグルーシェニカという女性も登場し(長澤まさみちゃんが二役)、この女性をめぐる三角関係も・・・
そして、次男のインテリな科学者イヴァンならぬ、唐松威蕃を永山瑛太さん。彼は物理学者、三男の修道僧アレクセイならぬ唐松在良という聖職者を長澤まさみちゃんが演じている。

芝居は、富太郎が父親殺しの罪で裁判にかけられているところから始まる。
富太郎の弁護人不知火が野田さん。そして盟神探湯検事が竹中直人さん。
法廷には、次男と三男。それから小松和重さん演じる唐松家の番頭も出廷している。

裁判が進み始めると、空襲警報が発令され、人々は避難。そのたびに、富太郎は柱に手錠でくくり付けられる。
裁判のシーンと、空襲警報のシーン、そして三兄弟の話と、あちこち動くのでちょっとめまぐるしかった・・・

富太郎は花火で人を幸せにしたいという思いから花火師になった。次男の威蕃は、量子力学に目覚めて、物理学者になった。そして三男は聖職者になった。
富太郎はグルーシェニカという名前の火薬を軍に取り上げられて、花火を打ち上げることができなくなっている。その軍に協力して儲けている父親に対して
恨みを抱いている。そのため、途中途中で、ボクシングのリングが現れ、富太郎と兵頭が対戦。富太郎が父を殴り倒す。

裁判の証人として、池谷のぶえさん演じるウワサスキー夫人が出廷。彼女の証言によって、二人の関係が明らかになっていく。
二人の間の確執には、グルーシェニカという名前の火薬だけでなく、グルーシェニカ(長澤まさみさん二役)という女性もあったことがわかってくる。
富太郎には、村岡希美さん演じる生方莉奈という婚約者がいたにもかかわらず。。。である。しかし生方莉奈は弟の威蕃にも好意をよせていた。
三男は聖職者といっても、浦上天主堂で台所の下働きをしている。そして次男は新型爆弾(原子爆弾)の研究をしているらしい。

空襲警報は相変わらず鳴り、そのたびに裁判は中断となる。戦争は激しくなっているようだ。
アメリカ軍は原爆を作り、それをどこに落とすかを話し合っていた。いくつかの都市が候補にあがり、8/7に広島で落とされた。

一方、裁判。結局、富太郎は父殺しで有罪になる。しかし、次男が研究している新型爆弾に点火するためには、富太郎の花火師としての
腕が必要ということで、釈放される。富太郎は長崎を旅立っていく。

8/9、空襲警報がやんで、人々がほっとして防空壕をでたとき、、、長崎に原爆が落とされた。
残った富太郎の独白。一人の男が一人の命を奪って裁かれる。でも、一人が大勢の人の命を奪ったことが裁かれないとは。。。この場合、だれが裁かれるべきなのだろうか



上にも書いたけど、今回は、早い時間に長崎の原爆の話だとわかったので、それを頭に入れながら、見たので
瑛太さんの役割も。。。それから池谷のぶえさんのセリフも、そういうことか。。。何となくわかるという点ではみやすかったです。

瑛太さんが研究していたのは、日本も秘密裡に開発していた原爆で、ただそれが完成する前に、先にアメリカが完成させ
広島と長崎に投下してしまった。だからアメリカが戦争に勝った。そしてその原爆を投下した人は、多くの命を奪っても
何も裁かれない。
ひるがえって、次男が先に完成させてたら、そして点火技術のことで、長男がアメリカに投下する役割を果たしていたら、日本が勝って、
そして長男は裁かれたのだろうか。
そう考えると、すごく奥が深いテーマだなと。。。思ってしまう。

舞台「イノセントピープル」では、原爆を開発していた研究者は、罪の意識から、命を絶ってしまっていた。。。
父殺しの罪、そして戦争時の罪。。。戦争という異常事態における罪の軽重。
今も、ウクライナで、ガザで戦闘が起きている。そういったことを踏まえての野田さんの提起なんだろうなと。

ただ、重いテーマではあるけど、言葉遊びも楽しかったし、アンサンブルはかっこよかったし、
布とかボールとかリボンとか小道具を使った演出はすてきだった。たくさんの人でいろんなこと、いろんな場面を表す切れの良さは
NODAMAPの醍醐味だなと、改めて思ったのでした。

キャストの感想。。。

富太郎の松本潤さん
松潤の芝居を生で見るのは初めて。
最初出てきて思ったのが、、、松潤太った?顔が大きくなった気がしたんだけど。
それと、1幕の最初からかなり汗かいてた。。。ステージ上は暑いんだろうか。
笑顔がない役だから、ずっとつらそうな苦しそうな顔で、、、カテコでも笑顔なかったのがちょっと寂しかったかな。
でも、力強かったし、富太郎のもつ苦悩をしっかり表してて、最後の独白もすごく良かったと思いました。
また、舞台に出てほしいな~(チケット大変だけど)

次男の威蕃の瑛太さん
NODAMAPにはよく出てるし、演技力はさすがでした。
量子力学の説明のときに、量子を表すカラフルなボールが飛び回る演出が好きだったな~
ノートに向かって数式を必死に書いたり、彼の頭の中が画面に現れたり。。面白かった。

三男の唐松在良役とグルーシェニカの長澤まさみさん
いやあ、素晴らしいですね。二役。早着替えもさすがでした。
舞台を見たことも何回もあるけど、やっぱりすごい役者さんだと思う。特にグルーシェニカが色っぽくて。。。
聖職者の三男とのギャップがまたすごかったです。
声がやっぱりいいんですよね。すごく通るよい声をしていると思います。

父親と検事の竹中直人さん
存在感ありますよね。声もとてもいい。
ふざける感じの時も好きです。
検事役も似合ってました。

それと。。。。ウワサスキー夫人の池谷のぶえさん
いやあ、存在感抜群ですよ。出てくるなり場をさらってしまうっていう。
いろんな小道具を使いながら、笑わせながら、セリフをしっかり言い切る。すばらしすぎです。
飼っている猫の名前が「ケラリーノ・サンドロヴィッチ」っていうのには、ケラさんの顔が浮かんできて、爆笑してしまったです。

村岡希美さんや小松和重さんも芸達者なんだけど、今一つの出番で、使い方がもったいないな~とつくづく思っちゃいました。


この時期に、こういうテーマの作品。。。キャストの演技もよかったし、
ほんとにすごい舞台を見たなと思いました。そして改めて戦争の悲惨さと平和の尊さを感じました。
被爆国であるからこそ、もっと発信しなければいけないことがあるなと、思いました。

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「江戸時代の思い出」見てきました。(アップするのを忘れてた)

2024-08-27 01:42:52 | お芝居
ナイロン100℃49thSESSION「江戸時代の思い出」 本多劇場 2024.06.27 18:30~

ライブだなんだで遊びまわっていたので、アップするのをすっかり忘れてました。
もうずいぶん前に書いていたのに、、、だいぶ日がたってしまいましたが、アップします。

ケラさん率いるナイロンのお芝居。時代劇は意外にも初めてとか。
三宅弘城さん大倉孝二さんなどなど、ナイロンの主要メンバーが出られるのにプラスして
客演が池田成志さん、坂井真紀さん、峯村リエさん、山西惇さん、奥菜恵さんなど、なかなか豪華。
ということで、本多劇場まで行ってきました。

話の内容は


筋があるようでないような。。。ケラさんのナンセンスコメディらしいといえばらしいんだけど。
話としては、三宅弘城さん演じる武士之介という町人と、参勤交代の行列からはぐれてしまった大倉くん演じる人良がばったり出会ったことから始まる。
行列に戻ろうとしている人良を無理やりひきとめ、自分の思い出話を聞いてくれと、無理やり話しだす武士之介。
そこには、3姉妹(奥菜さん、イヌコさん、松永玲子さん)がやっているお茶屋があって、二人はそこで話していた。

なんだけど、その思い出話というのが、江戸時代というより、現代の話。
4人(喜安さん、山西さん、峯村さん、坂井真紀さん)がこのあたりにタイムカプセルを埋めたと掘り起こそうとしている。そこにはみのすけさん演じる教師もいるんだけど
4人は全く無視。
掘り起こしていた4人は、土の中から一本の腕を発見。タイムカプセル?(な、わけない)すると、足も出てくる。。。
ようやく、彼らはそれが死体だと気が付く。

話は現代の話ではあるんだけど、武士之介と普通に会話ができてしまい、今が江戸時代なのか現代なのかよくわからなくなってくる。

土の中から脳みそらしきものが出てくる。その脳みそを見た武士之介は、あれは自分の脳みそだと言い出す。自分はずっと埋められていたのだと。
と、そこに出てきたのは成志さん演じる悪玉菌座右衛門。彼は、同級生たちや先生を斬り付け殺してしまう。。ここで「第一話・完」となる。

突然、客席にスポットが当たり、観客の心の声が(笑い)
全然伏線回収されない。とか。わけがわからないとか。。。(いやいや、全くそう。私の心の声でもあったけど)
客席にいた観客のカップル(猪俣さんと水野小論さん)が立ち上がり、こんな芝居見てられないと、出口に向かおうとすると、落ち武者(眼鏡太郎さん)の
劇場の係員が二人を引き留める。二人はそのままステージに、、、

ここから第二話
江戸時代、飢饉となり、食べ物がなくなってしまい、疫病も流行っている。
お茶屋さんの姉妹は、客を食べて、生き延びているらしい。
お茶屋さんに坂井真紀さん演じるおえきがやってくるが、彼女は疫病らしく体が斑点模様になっていた。
井戸から武士之介があがってくる。助けようとした同窓生のひとりが代わりに落ちてしまう。
武士之介はお茶屋にやってくると、お茶屋の二人の姉は、妹(おにく)の体を食べたいといい、おにくは姉たちに食べられそうだから、家に帰れないと言っている。
結局おにくは家に帰り、扉を開けてはいけないと言い残す。武士之介が扉をあけると、おにくは鶴となって織物を織っていて、そのままとびたってしまった。
武士之介が上がってきた、井戸に殿様とその奥方、家来がやってきて、食べ物をさがしている。
おえきがやってきて、そこにいたものたちはみんなお茶屋に一緒に入る。。。が、しばらくたってみんなでてくると、体に斑点がある疫病にかかっていた。
で、ここで「第二話・完」

休憩となるけど。。。。ほんとに意味がわからない。とりとめのないばらばらの芝居。。。

そして第三話。
江戸の飢饉は終わった。今の話題は顔が臀部の侍の話。
お茶屋のおにくは悪玉菌座右衛門と結婚したらしい。
そのお茶屋を訪れた役人たちが顔が臀部の侍を捜している。懸賞金300両がかかっているらしい。
悪玉菌座右衛門は、それを聞いて目を光らせる。
ここで、アナウンスが入る。参勤交代中の行列から、猫背で長身の男が行方不明になっているので、いますぐ役所にくるようにと。。。
これは人良のことのようだが、彼は行列には戻りたくなかった。
お茶屋にきた若旦那がもっていた高級な壺が割れてしまい、武士之介もそのために300両の懸賞金を考え始める。

顔が臀部の侍とその姉が現れ、姉は弟のことを見守っていたが、見つかってしまう。
そして顔が臀部の侍は口から煙を吐き。。。。。ここで「第三部・完」となる。

さきほど客席から出ていこうとした男女の客が、出口から戻ってくる。下北沢の駅まで、落ち武者の劇場の人に追いかけられ
連れ戻されたようだった。
ステージの土の中からみのすけさん演じるキューセイシュが出てくる。江戸時代の人たちはみんなステージの床に眠っていたのだった。
そこにアナウンスが再び流れる。大名行列からはぐれた人良を捜すものだったが、人良は自分たちで行列を作ればいいといって
そこにいる人たちと行列を作って歩いていく。
井戸の中から、エノモトが出てくる。井戸の底にはキューセイシュがつくったらしい地下都市があるらしい。
それを聞いて同級生たちは井戸の中に入っていく。。。

で、終了。

覚えている範囲で書きましたが、、、まったくストーリーがよくわからない話。。。。
っていうか、ストーリーはあるの?いろんな伏線はどうなった?っていうか、最終的にはどう落ち着くの?
という???がいっぱいの話でしたが、
飽きずに見れたのは、逆にすごいと思います。
その場その場の笑いを楽しんじゃいました。

で、、、武士之介の江戸時代の思い出って、、、どこまでが思い出?どこからが現代?
彼はいったい何者?なんて、考えちゃいけないんだろうな。

いやあ、一番笑ったというかびっくりしたのが、第一話完の後、客席の男女のところかなあ。
あんなセリフやこんなセリフ。。。ケラさん、挑戦してるな~って思っちゃいました。

ということで、、、特にこれ以上の感想もないんですが(汗)
キャストは、実力派ぞろいで、特にあれこれもないんですが。。。

坂井真紀さん、なかなかすごい3役だったなと。印象的でした。
侍の姉のときは、声でわかったという感じだけど、個性的な役を演じ分けられてて、、、きっと面白かっただろうな~

それからおにく奥菜恵さん
めちゃくちゃ個性的。だけど、奥菜恵さんにあってるな~って、。。。思いました。

大倉さんとか三宅さんはいわずもがなで、
ちょっとずれた会話とか、二人で話してるのを聞いてるだけで楽しかった、、、

山西さんとか峯村さんとは、ある意味無駄遣いっぽいんだけど、そこがまたよかったです。
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彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1 「ハムレット」  見てきました

2024-06-16 02:22:19 | お芝居
彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1 「ハムレット」 さいたま芸術劇場 2024.05.25 14:00~

蜷川さんのシェイクスピアシリーズ、37作すべての演目を上演終了したのが、2021年の「終わりよければすべてよし」
あ!そのあと、コロナで中止になった「ジョン王」の上演がありましたが。

そして、2ndとして、吉田鋼太郎さんが、またシェイクスピアシリーズを開始。。。
第1弾は「ハムレット」そして主演はカッキー。
となれば、見に行くしかないですよね。と、久々にさい芸に行ってきました。




中学校の前の手形・・・・まだ、直人のもありました(ニコニコ)
カッキーもあったよ。




「ハムレット」は話の内容は有名だけど、私は上演を見たことがないかも。。。
昔に本は読んだことあるんですけどね~
ということで、Wikiであらすじだけはおさらい。

話の内容は
「デンマーク王国では、2ヶ月前に王が亡くなり、先代の王の弟クローディアス(吉田鋼太郎)が王に即位。そして、先代の王妃ガートルードはクローディアスと再婚する。父の死の悲しみも冷めぬ間に母が叔父と再婚したことに、王子ハムレット(柿澤勇人)は憤りを感じていた。
ある日、従臣から亡き王の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れるという話を聞き、ハムレット自身も確かめに行く。父の亡霊に会ったハムレットは、父の死はクローディアスによる毒殺であったと告げられ、復讐を決意する。 
やがて、叔父クローディアスが父である王を暗殺した確かな証拠を掴んだハムレットは、王妃ガートルードとの会話を盗み聞きしていた侍従長ポローニアスを、クローディアスと誤って刺殺してしまう。ポローニアスの娘で、ハムレットの恋人であったオフィーリアは、悲しみのあまりに正気を失い、川で溺死してしまう。
ポローニアスの息子であったレアティーズは、父と妹の仇をとろうと怒りを募らす。クローディアスはハムレットの存在を恐れ、復讐心を持ったレアティーズと結託してハムレットを剣術試合に招き、毒剣と毒入りの酒を使って殺そうと画策する―。」(公式より)

3時間半超という長丁場の芝居でしたが、集中してみることができました。
役者さんの熱量が半端なく、エネルギーがビシバシ伝わってきました。
客席の通路も使うことが多いので、通路に近い席だったので、カッキーとか、白洲くんとか近くで見てほれぼれしちゃいました。

舞台装置はシンプル。さい芸の舞台は奥行きがあるので、それをうまく使っているなと思いました。

蜷川さんのときのシェイクスピアシリーズは、原作というか訳本に忠実なせりふ回しのところが多かった感じだけど
鋼太郎さんの演出だと、今の日本語に近い形のセリフだったんで、すーっと入ってきてわかりやすかったです。
ただ、、、シェイクスピアって、セリフ量が半端ないんですよね。みんな早口で膨大な量のセリフをしゃべってました。

この話は悲劇だから、みんな死んでしまうんだけど、
決闘のところで、ハムレットを殺そうと毒を仕込んだお酒を、母が飲んでしまうし、
剣に塗った毒で、クローディアスも、レアティーズもハムレットもみんな死んでしまって。

ハムレットの死に際に、ノルウェーの王子のフォーティンブラスが現れて、デンマークの王になってくれって言われるのって唐突だし、
そんなことって、ホントにありうるの?って思っちゃいました。
まあ、中世のヨーロッパってそんなもんなんですかね?
そういうところは、シェイクスピアに聞いてみないとわからないですね(笑い)

ラストで、舞台上に亡くなったハムレットが横たわってて、そこにオフィーリアが持っていた黄色いミモザの花が
上からいくつも落ちてくるんだけど、
それを見て、蜷川さんを思い出しました。鋼太郎さん「ジョン王」のときもそういう演出してたけど、
私は「海辺のカフカ」を思い出しちゃいました。


キャストの感想
ハムレットのカッキー
もうね、すごかった。ハムレットはカッキーのためにあるんじゃないかと思うくらい(ちょっとオーバー・・・)
素晴らしかったです。セリフの強弱も声の大小も、すべて。
集中力が半端なくて、見てる方も前のめりで集中しちゃう感じでした。
孤独だけど、熱い男のハムレット。
あと、、、けっこうマザコンのハムレットだな~って思いました。自分の母がなんで父の弟にとられなければいけないんだ
っていう気持ちが前面に出てたなと。
「海辺のカフカ」のカラス役のころ、埼京線車内でお隣に座ってて、降り際に握手していただいたこともあったんだけど、
もうすごく手の届かないところに行ってしまったような感じです。


オフィーリアの北香那ちゃん
狂気がね。ビシバシ伝わってきて、鳥肌ものでした。
歌もうまいけど、バレエも上手なんですね~
歌を歌いながら舞台を舞い踊るのは狂気に満ちていたけど、でも可憐でかわいらしかった。
可哀そうなお嬢さんなんだよね。ハムレットに冷たくされたり、父親を殺されてしまったり、、、
そして最後は狂ってしまう。。。でも、きれいだったな~


レアティーズの渡部豪太くん
父親をハムレットに殺されて、さらに妹のオフィーリアも狂気から死んでしまって、
悲劇というより、ハムレットを憎んでる役。特に二幕では、表情から何からそれが現れてて
すごくよかった、決闘のシーンは、二人とも見栄えもいいし、かっこよかったです。

ホレーシオの白洲迅くん
舞台の最初のシーンから登場。眼鏡姿が似合ってました。
冷静で誠実な性格のホレーシオは白洲くんにぴったりかも。
ラストまで出てて、ハムレットの一番の信頼できる友人。
なかなかいい役でしたね。


ポローニアスの正名僕蔵さん
正名さんって、けっこうユーモラスな役を演じることが多いけど、
今回はハムレットのことがあまり好きではなく、クローディアスに取り入ろうとしている
そういう貴族だなと。娘のオフィーリアのことも、利用しようかなとしているような父親に見えました。
でも、間違えたにせよ、ハムレットに殺されてしまう、ちょっと不憫。


ガートルードの高橋ひとみさん
そういえば、ちょっと前に、赤坂の劇場の校長先生だったな~と、私が見に行くとたいてい、ひとみさんでした。
その時とは全然違って、王妃の威厳がでてましたね。だけど、、、自分の夫が死んで、すぐその弟と結婚するもんかなあ。
で、その弟が、夫を殺したって気づかないもんなんでしょうかね?まあ、それは本がそうなっているんだけどね。
めっちゃきれいなひとみさんでした。


クローディアスの吉田鋼太郎さん
圧倒的な存在感。そしてセリフが聞き取りやすい。
悪役然としてる姿がまたかっこいい。
亡霊とクローディアスとまた、全然違うのもさすがでした。


柿澤ハムレットは、ホントにぴったりで、彼の代表作にもなるだろうなと思える素晴らしさでした。
見に行けてよかったなと思える舞台でした。


余談ですが、なかなか良い席が当たって、見やすかったんですが、
お隣のお隣に、今を時めくH.Kさんがお座りになって、思わず高ぶってしまいました。
本当に普通の感じで、目立たないようでしたが、私はマスクをしてても、目でわかったよ~
さらに、その方の斜め後ろには、O.Sさんが、またY.Eさんもお隣にいらして、、、すげー席だと
感動してました。
でも、芝居が始まると引き込まれちゃって、気にならなかったですが。
(カテコ3回目の前に、お三方とも退場されました)

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「鴨川ホルモー、ワンスモア」 見てきました

2024-05-12 00:50:30 | お芝居
ニッポン放送開局70周年記念公演 「鴨川ホルモー、ワンスモア」 サンシャイン劇場 2024.04.25 19:00~

ヨーロッパ企画の上田さんの脚本・演出で、万城目さんの「鴨川ホルモー」を舞台化。
上田さんと聞いて、チケットをゲット。ヨーロッパ企画の面々も出るし・・・と。


万城目さんの小説は読んだことがなかったんだけど、とても興味があって、
とはいえ、最近私は読書ができない体質になってしまいまして(もう歳なんです~)
ただ、「鴨川ホルモー」にはめちゃくちゃ興味がわいて、私にしては珍しく予習を。。。
そう、映画を事前に見たんです。すごく面白かった。。。
芦名星さんが出てたのが、胸にぎゅっときてしまいましたが。

ということで、あの世界観をどうやって舞台化するんだろう。
映像ならできることも、、、舞台だよね。ホルモーの場面はやっぱり映像だよね~なんて
想いながら楽しみに向かいました。

いやあ、めちゃくちゃ面白かったし、楽しかったし、さすが上田さんだと感動でした。


さて、話の内容ですが
「2浪したのち京大に入学した安倍が、怪しい先輩の誘いと早良さんへの
一目ぼれに任せて入った「京大青竜会」なるサークルは、
千年の昔から脈々と続く謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。
当惑とときめき、疑いつつ練習、そしてこの世ならざる「奴ら」との
邂逅。俺たちが開けたのはなんの扉だったろうか。世界の謎よりも魅惑
的な彼女の鼻、そして押し寄せるリグレット。すべては思い返せば喜劇。
鴨川ホルモー、叶うならワンスモア。」(公式より)

セットがなかなかよかった。。。鴨川の河川敷があって、、、なかなかの傾斜だったよね。
それが左右に分かれて移動すると、安倍の部屋になって。
土手の上が居酒屋「べろべろばあ」にもなるという。

ストーリーテラーのような形のべろべろばあ店長(中川さん)が前説のような形で、登場。
そこから舞台が始まる。
鴨川の河川敷にキャストが集まり、何かを見て盛り上がっている。。。そしてオープニング。

安倍(中川大輔さん)は京都大学に二浪して入学。同じく新入生の高村(鳥越裕貴さん)といるとことに、菅原(う大さん)、清原(石田さん)、大江(片桐美穂さん)から
「京大青竜会」というサークルのビラをもらい、勧誘される。そして新歓コンパへ誘われる。
とりあえず、コンパにはいってみようと会場の居酒屋「べろべろばあ」に行くと、そこで同じく新入生の早良京子(八木莉可子さん)に一目ぼれし、「京大青竜会」に入ることとする。
同じ同期として、芦屋(佐藤寛太さん)、松永(男ブラの平井さん)、楠木(清宮レイさん)、紀野(藤松祥子さん)と坂上(ヒロシエリ)さんのコンビ、双子の三好兄弟(角田さんと男ブラの浦井さん)がいた。

安倍と高村は安倍の部屋で、「京大青竜会」について話したり仲良くなっている。ある日、京子と町で会った安倍、遅くなった京子に自転車を貸すからと下宿まで連れてきたが、そのまま京子は安倍の家で寝てしまう。そんな日々をすごしていると。

夏のある日、安倍たちは先輩から吉田神社に集められる。そこで初めて「京大青竜会」がなんであるかを知らされる。「ホルモー」という1チーム10人で行う競技をする団体で、その「ホルモー」とは、鬼や式神たちを鬼語で動かし、相手と戦うものだった。京都には、立命館大学の白虎隊、京都産業大学の玄武組、龍谷大学のフェニックス、そして京都大学の青竜会と4チームあり、対抗戦を行っているとのことだ。ちょうど10人の同期たち、鬼語を練習する訓練が始まる。途中抜けようとする者がでたりするが、何とか10人ともそのまま参加することとなる。
いよいよ安倍たちのホルモー初戦。京大はいい感じであったが、高村の失策で負けてしまう。高村は「ホルモー」と叫び、、、次に現れたときはちょんまげ姿だった。

菅原たちは引退し、いよいよ安倍たちの代に引き継がれる。
安倍と高村は安倍の部屋にいる。が、そこで安倍は、自分が想いを寄せていた京子が、芦屋と付き合っていることを聞かされる。芦屋は高校時代の彼女の山吹巴(日下七海さん)と付き合っていたが、彼女と別れて京子と付き合っていたようだ。山吹は京大に落ちて浪人した末に、同志社大学に入学した。
楠木は引っ込み思案な性格だが、安倍に好意をもっていた。その楠木のことを松永は好きであった。松永は楠木をバイクでデートに誘うが、なかなか気持ちが伝わらない。
また、双子の三好兄弟は、大江先輩に好意を持っていて、お互いライバル視していた。
安倍が部屋にいると京子がやってきた。京子は芦屋が元カノの山吹といるところを目撃し、ショックを受けて安倍のところにやってきたのだった。そこでまた京子は眠ってしまう。
その寝顔を見て、京子の鼻の形が好きだった安倍はその鼻をさわろうとしてしまう。そのとき目を覚ました京子はびっくりして安倍のことを殴り出て行ってしまう。その後、芦屋が安倍のところにやってきて、安倍のことをボコボコにしてしまう。
同じころ、松永は楠木に振られ、また三好兄弟も大江先輩にふられてしまう。

安倍は菅原に「京大青竜会」をやめたいと話す。芦屋とは一緒にやっていけないと。しかし、代替わりして契約したのでもう抜けることはできないと諭される。
すると大江が、第十七条を使えばいいのではと言いだす。十七条とは「京大青竜会」を2チームにわけて「ホルモー」を行うことだった。他の大学も同じように2チームずつにすることが必要である。
まずは、安倍が5人を集めないといけない。芦屋が仕切っている「京大青竜会」からあと4人引き抜かなければいけない。高村は安倍の陣営。あと3人は三好兄弟と楠木も入ってくれた。
三好兄弟も芦屋をよく思ってなかったらしい。

一方芦屋に振られた山吹は、芦屋への復讐を考えていた。そこに「べろべろばあ」の店長が、昔は同志社大も参加していたのだと話し、とっておいた同志社大黄龍陣の黄色い着物を渡す。山吹は着替えて参加することとする。

「十七条ホルモー」が始まる。安倍たちの京大ブルースは勝ち進み、決勝は芦屋たちの京大神選組と。戦いは最初は芦屋たちが優勢。というのは、ブルースで一番戦力になっていた楠木がこの日はコンタクトの上から眼鏡をかけていて、よく見えなくて不調だったから。楠木は安倍のことが好きだったので、ちょっとコンタクトにしてみたが恥ずかしかったので、その上から眼鏡をかけていたからだった。
そこに、突然山吹が乱入してくるが、まったく勝負ができず、撤収させられる。
楠木は眼鏡をはずし、いつものペースに戻って、安倍たちブルースが勝利を収めた。

翌年、安倍たちが鴨川の河川敷に座っている。京大は新入生が入ってくる。安倍たちはビラを手にして、新人勧誘に出かけようとする。


この日は、おまけトークショーがあって、ゲストが、バイク川崎バイクさんでした。
前日がチョコプラだったと聞いて、ちょっとがっかりしたのは内緒です。(チョコプラ大好きなもんで・・・)

で、彼もトークショーで言ってたんですが、最初と最後のシーンが、鴨川の河川敷での新人勧誘に出かける場面で、
同じシーンを繰り返したのがとてもよかった。。。と。
私もまったく同じことを思いました。そう、最初は??という感じで始まり、そこからホルモーの説明とか、そういう風に話が始まって、
どういうものかがわかってから、代替わりした面々が、同じように新人勧誘にでかけるところで終わる。
話の内容がわかってから、もう一度同じシーンをみるというのが、なんか腑に落ちたというか、すっきりした感じで、とてもよかったです。
さすが上田さんの構成だと思いました~

映画版のオニたちのビジュアルが可愛くて、今回もその子たちが、プロジェクションマッピングで暴れまわってるのを見て
すごい感動でした。今や、プロジェクションマッピングを使えば、映画とおなじような感じでもできちゃうんですね。


ホルモーというよくわからない(笑い)100年も続くゲームの話が真ん中にはあるけど、
基本的に青春群像劇で、恋愛の描写も多かったりで、ちょっと微笑ましい感じがね。。。

で、どのキャストにもちゃんとスポットが当たるように作ってあるので、いろんな人に入り込めて楽しかった。
見に来てよかったなぁ
ホントに楽しい芝居でした。

私は若手キャストはほとんど知らなかったのですが、人気がある方たちみたいで、その方たちのファンが多かったようでしたよ。
それと、男性ブランコのファンの方もけっこう多い印象を受けました。



さて、主なキャストの感想。

メインのキャストの方も、なかなかよかったのですが、
一番印象に残ったのが、
双子の三好兄弟(角田さんと男ブラの浦井さん)
いやあ、似てる!似てる!どっちも別々で見てたときはそんな思わなかったのに、めっちゃ似てる。そこに感動。
シンクロしてるし(笑い)、同じ人好きになるし、、、


それから紀野さん役の藤松祥子さん。
この前の「切り裂かないけど攫いはするジャック」にも出てたし、ねもしゅーさんの舞台にも出てて、
はつらつとした演技のイメージだったけど、今回もめっちゃ元気な女子学生さんでした。


主演の安倍の中川大輔さん
私は初めて拝見の方。もしかしたら、テレビとかで見てるかもだけど。。。
安倍は映画のイメージが強い役ではあったけど、、、舞台版の安倍でしたね。すごくはまってました。
シュッとした姿だから、普段はかっこいい役やってるんだろうけど、この安倍の情けなさ、振り回されっぷりがよかったです。
でも、芯はある学生さんを楽しそうに演じてましたね。


早良京子の八木莉可子さん
初めてみた方なんですけど、初舞台とかで、でも、雰囲気でてましたよね。映画の芦名星さんとはちょっと違った感じではあったけど、
こっちの京子さんの方が好きかも。芦屋に振り回されて、で安倍を振り回して、、、罪だわ~


高村の鳥越裕貴さん
彼は「あいつが上手で下手が僕で」に出てた方ですよね。それと、「リバー」にも出てましたね。
うん、ちょんまげが似合ってた(笑い)なかなかなアホさ加減の高村にピッタリだったです。


楠木の清宮レイさん
すごくよかったです。乃木坂の方なんですね。安倍に気持ちを伝えるところとかよかったし、ホルモーでは大活躍だし、、、
映画版ではちょっとコミュ障気味だったけど、めっちゃ可愛い楠木でした。


松永の男ブラの平井さん
楠木のことがあんなに好きなのに、、、相手にされず、振られてしまって、叫んでる姿がおかしかったです。。
あのシーンは、いつまででもやってていいそうで(上田さんに言われたと、おまけトークで言ってました)


京大青竜会前会長のう大さんと、龍谷大のユウスケさんのかもめんたるのお二人
う大さんはそのまんまだった。演技してないんじゃないかってくらい、素の感じでした。
ユウスケさんは女装。。。笑っちゃった。


ヨーロッパ企画の面々
とくに居酒屋店長の中川さん、大活躍。
まさかの歌まで披露とは(笑い)さだまさしさんから山崎まさよしさんまで。。。
開演前のアナウンスから、ホントにお疲れさまでした。
あと、酒井さんが相変わらず小道具を作ってるのがおかしかったし、ホルモーの実況もよかったです。


ホルモー語、、、面白いしはまりそうだけど、難しい。
「げろんちょりー」しかわからんかったです。

でも、映画版を見ていってよかったなと。いきなりゼロからのスタートだと、ここまで楽しめたかわからなかったです。
まあ、ヨーロッパ企画っぽい演出だから、それなりに楽しめたとは思うけど。


ヨーロッパ企画は、秋に本公演があるので、また楽しみに見に行きたいと思います。


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「カラカラ天気と五人の紳士」 見てきました

2024-04-29 23:49:59 | お芝居
シス・カンパニー「カラカラ天気と五人の紳士」 シアタートラム 2024.04.20 14:00~

シスカンパニーの公演。今回は別役実さんの不条理劇。
豪華で、一癖二癖ありそうなキャストがそろったなと言う印象。なんか嬉しい。
特に、高田聖子さんと中谷さとみさんが、そろって新感線以外の舞台で見れるというのが嬉しかった。

話の内容は、

「ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち(堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆)。
どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。
せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、
と、五人の議論が始まった。
いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか、、、と
模索する五人。
そこへショッピングバッグを抱えた女性二人(高田聖子・中谷さとみ)が現れた。
彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。
そして、その一等賞の景品とは・・・?」(公式より)

開演の少し前に、生演奏のヴィオラ奏者の穂高真奈美さんが登場。浮浪者のようなかっこうで。。。
そしてセットのベンチに座る。

セットは、駅のホーム。地下鉄のホーム。
会場に入った時に、あまりに普通にホームだったんで、二度見しちゃいました。え?何?って。
ただ、ホームに柱があり、そこに梯子がとりつけられている。。。

開演になって、
堤真一、溝端淳平、藤井隆、野間口徹、小手伸也5人のキャストが、棺桶をもって入ってくる。
まずは、棺桶を台の上にどう置くかでのあれこれ。
2つの台を、離れた場所において、それでは棺桶が置けないと、、、なんだかんだと話し出す。
不条理劇ですからね。

棺桶は、小手さんがクイズ付きの抽選で、アメリカの首都がニューヨークと間違えた答えを出したら、
ハズレの一等賞で当たったものらしい。組立図もあって、それで組み立ててからホームまで運んだらしい。
なぜ、ホームかとかは語られない。

棺桶があるならそこに入れる死体も必要ということで、この中の誰かが死ねばいいとなり、
なぜかそれが野間口さんが。。。ということになる。
ここで、仕切っているのは小手さん。野間口さんはホームの柱についた梯子に登らされる。
でも落ちて痛いのは嫌だという野間口さんに、落ちるときには死んでるから痛くないという、意味不明な理屈をつける。
その死に方は、天井にある電球をはずして、ソケットに指を突っ込むと感電して死ねるという。。。
野間口さんは、しぶしぶと電球を外そうとするが、電球が熱いためなかなかできない。

と、そこに、高田聖子、中谷さとみ2人のキャストが登場。
カートの中から布を出して下に敷き、そこに各々の荷物を広げだす。が、二人の荷物を置く場所を傘で区切るのだが
その傘の置き場所で、ひと悶着ある(ここが真ん中だとかなんとか)
二人は死のうとしてきたらしい。最後の1本のタバコを吸いだす。。。と、5人の男たちもそのタバコを吸わせてもらおうと、
ケムリだけでもと二人に群がっていく。
二人は賞品でもらった青酸カリを持っており、それで自殺しようとしている、
その青酸カリは、棺桶のクイズの正解の中の1等のものだ。

二人は棺桶があるなら、自分たちが死んだらそれに入れてもらおうと、交渉しだすが。。。
棺桶は組み立てるときに蓋をしてしまったので、開かないとなり、高田聖子さんが傘で暴れまわる。

ここのところ、雨が降っていないらしい。二人は持っていたラジオで天気予報を聞こうとすると、
ラジオのニュースで、賞品の青酸カリを送るはずが誤って重曹を送ってしまった」と流れた。
二人はショックを受け、馬鹿にされたと怒って、傘を振り回してホームから出て行ってしまう。

残された男たちは、二人の女が残していった荷物の中からラジオをつけると、
傘を振り回した女二人が、踏切から特急列車に突っ込み、バラバラになって死んでしまったというニュースが入る。
男たちは、棺桶のふたを荷物にあったくぎ抜きを使って開け、そこに荷物を収める。

雨は降っていないので、水もない状況。男たちはここで死を待っていくのか。
天井から白い糸が垂れてくる。誰かクモを助けた?
男たちは思い思いの場所で、その時を待ち始める。。。幕



不条理劇だから、かみ合わない、筋が通らないっていうのは、そうなんだけど、
だけど、なんかおかしくて、笑ってしまう。そんな感じの芝居だった。
大体、間違った答えをした人の中から当選とか、その景品が棺桶とか、、、意味不明だもんね。
意味が分からない会話も続くけど、なんかおかしい。

棺桶を置く台の場所だって、梯子の下に置いた台をどうするかとか
どうでもいいことなんだけど、それを延々と意味のない会話で真面目に続けていく。。。
うーん、なんか日本って平和だなって思っちゃいました。(この考えこそが意味がないかもだけどね)

途中から出てきて、場をさらった、聖子さんと中谷さとみさんは圧巻でしたね。
めっちゃ笑っちゃったし・・・

カラカラ天気って、タイトルは?って思ってたけど、
後半で雨が降ってなくてカラカラ天気なんだという状況だと説明があって、
そっか水も飲めないという過酷な状況なのねと理解。
こういう状況だと、女性の方が度胸が据わってるのかも。
棺桶に入るのにどうやって死ぬかとか、あーでもないこーでもないと言ってる5人より、
あっという間に傘を持って特急に突っ込んで死んじゃう女性二人。
いやあ、すごいです。


キャストそれぞれの感想を書くまでもないけど。
堤さんより、めっちゃ小手さんが目立ってたのがなんかおかしかった。
それと、中谷さとみさんを新感線以外で拝見するのは初めてで、なんか新鮮でした。


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「イノセント・ピープル 〜原爆を作った男たちの65年〜」 見てきました

2024-04-07 01:27:53 | お芝居
「イノセント・ピープル 〜原爆を作った男たちの65年〜」 東京芸術劇場 シアターウエスト 2024.03.21 19:00~

お友達に誘われて、このお芝居に行ってきました。
行く前に、感想とかちょこっと見たら、なかなか重い話らしいと。。。覚悟して見に行きましたが、
重いというより衝撃的に感じました。
アメリカ人の考え方のお芝居を日本人が演じるって、、、それも原爆の話なんで、すごいものを見たなと。
内容が内容なのに、引き込まれて、2時間ちょっと(休憩なし)の芝居があっという間でした。

話の内容は
「アメリカ ニューメキシコ州ロスアラモス。原子爆弾開発に従事した科学者ブライアン・ウッド。ヒロシマ・ナガサキに落とされた2発の原爆を作り上げた5人の若者たち。これは、彼らが歩んだアメリカの「第二次世界大戦後」の物語である。アメリカは朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラン・イラク戦争と、戦地へ若者を送り続けた。戦後も原爆・水爆製造に携わるブライアン。しかし、彼の息子はベトナムへ、そして娘はヒロシマの被曝2世と結婚する。」(公式より)

1963年のアメリカ、ブライアン・ウッドの家族がBBQの準備をしているところから始まる。
そこに18年前、一緒に仕事をしていた仲間が次々とやってくる。ブライアン・ウッド(山口馬木也さん)は今もその研究所にいる。グレッグ・シウバ(内田健介さん)は海兵隊、キース・ジョンソン(三原一太さん)は自動車メーカーのGMに勤めている。そしてカール・コワルスキー(阿岐之将一さん)は医者、ジョン・マッケラン(森下亮さん)は高校の教員をしている。彼らはルームメイトであり、当時一緒に研究をしていたが、18年ぶりの再会となる。
研究所の20周年と18年ぶりの再会とブライアンの息子ウィリアム(池岡亮介さん)のUCLA合格を祝って乾杯をする。
ブライアンの娘シェリル(川島海荷ちゃん)、妻のジェシカ(川田希さん)、またキースの妻ニナ(水野小論さん)、そしてジョンの教え子で妻になるリンダ(堤千穂さん)も参加していた。
海兵隊のグレッグは、いかに海兵隊がすばらしいかをみんなに話す。それを真剣にきいていたのはウィリアム。彼はUCLAにはいかずに海兵隊に行きたいと思っていた。そのことは妹のシェリルだけが知っていた。
ウィリアムは父と母に自分の決意を話すが、ブライアンは反対する。しかしウィリアムは決意を曲げなかった。

1943年のロスアラモス研究所
ブライアンとキースのところへ、ジョンが32面体なら核分裂反応をうまく発生させ、爆弾にできることがわかったと喜び勇んでやってくる。ジョンはずっとその計算をしていたとのことだ。
そこへカールがやってきて、女子寮のシャワーが壊れたから、二人の看護婦に自分たちの寮のシャワーを使わせてほしいと言ってくる。ブライアンたちは大興奮。看護婦のルーシー(大部恵理子さん)とジェシカがやってくる。まずルーシーがシャワールームへ向かう。キースとグレッグはあとを追いかける。
ブライアンは残ったジェシカの隣に座って話をする。

1975年のアメリカのとある店
ベトナム戦争が終わりパレードが行われるらしい。店にはグレッグと彼の妻のマーシャ(安川摩吏紗さん)が星条旗模様のハットをかぶってご機嫌。
ブライアン夫婦、キース夫婦、ジョンの夫婦もやってくる。キースの妻ニナは日本に旅行に行ってたとのこと。原爆投下された広島にも行ってきた
しかし、原爆資料館には不快感しかなかったと言う。日本人は被害者だと言ってそんな写真しかなかった。日本はパールハーバーや南京で人をたくさん殺しているのに、おかしいとおこっている。日本人はみんな同じ顔をしているとバカにしている。
そこへウィリアムが海兵隊の制服で車椅子で入ってくる。ベトナムの戦地で国のために戦ったことをスピーチしてきたのだった。
外のパレードでは花火も行われているが、ウィリアムはその音に敏感になって怖がる。
シェリルが日本人男性とやってくる。日本人男性はスーツで白い面を被った姿。シェリルは彼タカハシ・ヨウイチ(小日向春平さん)と結婚したいと言う。ブライアンは日本人との結婚は絶対反対だと言う。

1945年7月
ブライアンたちは水爆実験がうまく行ったことを喜んでいる。
原爆をヒロシマに落とそうとしている、そして戦争を終わらせようとしている、、、それをジョンはそれはいけないことだと恐怖に思っている。

2003年
ジョンは亡くなっていた。
グレッグやブライアンたちは911の同時多発テロを受け、イラクを攻撃すべきだと話していた。
グレッグにはリチャード(神野幹暁さん)と言う息子がいて、彼も海兵隊に入ってバグダッドに行く予定だった。が、それを車椅子のウィリアムが止める。
自分のようになってもいいのか。自分も海兵隊にあこがれて入隊したが、ベトナムの戦争でこのような体になって、恋愛もできなくなったと。ウィリアムは車椅子生活のため、ヘルパーのベロニカ(保坂エマさん)がいつも世話をしていた。
ジョンの妻のリンダが、夫の死は自殺だったと告白する。原爆の開発をしてきて自分のやったことによって、10万人という人の命が犠牲になってしまった。それを心を痛めていたと。自殺はキリスト教では認められていないので、事故死ということにしているのだとも語った。
医者のカールは自分も命が長くないと話、昔の被ばく実験の話を始める。人間がどのくらいプルトニウムを浴びても大丈夫か実験していたのだと、その時のデータがあるから今、原発があっても大丈夫なのだと。グレッグたちはモルモットだった。お前の体には実験で浴びていたプルトニウムがたくさんあるから、すぐ死んでいてもおかしくなかったと。


1945年のヒロシマ、ナガサキに原爆が投下されたときの音と、そして喜んでいるアメリカ人たちが描かれる。

2010年
ブライアンとグレッグが悲しんでいる。リチャードはイラクで命を落としてしまった。
オバマ大統領はスピーチで、今後は核を保有しないといった。ブライアンは怒っていた。
シェリルの夫のタカハシは白い面をはずし、ヒロシマに原爆投下されたときのことや、その後の話を話始める。彼は被爆二世だったのだ。

ブライアンは、ウィリアムとウィリアムのヘルパーであるベロニカとヒロシマを訪問する。
シェリルのお葬式に訪れたのだった。タカハシは自分とシェリルの子供たちをブライアンに紹介する。
ブライアンはシェリルとタカハシの出会いを聞く。タカハシは原爆を学ぶためにアメリカに留学していて、そのときに通訳してくれたのがシェリルだったと。
シェリルは自分にとてもよくしてくれたと。
タカハシは、ブライアンに、アメリカ人として原爆のことをどう思っているのかと聞くが、ブライアンは答えなかった。さらに、タカハシはブライアンに謝ってほしいと要求するが、ブライアンは謝ることができなかった。
それを見ていたベロニカが語りだす。ベロニカはもともとインディアンの一族だった。家族はウランが取れる鉱山で働いていた。そのウランは原爆に使うためだった。その町の人たちは多くがガンにかかって死んでしまった。ウランには放射性の物質が含まれていて、それを掘る仕事を長い間していたからだ。きっと罰があったのだと、ベロニカはタカハシに謝る。
そこにタカハシハルカ(花岡すみれさん)が来る。彼女はシェリルの娘で、お腹には新しい命が宿っていた。ブライアンはそのお腹に手を伸ばそうとする。

ここで幕


上にも書いたけど、衝撃的でした。
この話の作者が日本人だというのにもまた衝撃。
アメリカ人の視点で、原爆を作った人と、実際に原爆を落として戦争を終わらせたこと、その後の日本とのかかわりなどを描いていて、
少し嫌な気持ちになるところもあったり。
アメリカ人の日本人への差別の描き方が、想像を超えてて、そんな風に我々日本人のことを思っていたのかと。
特に日本人はみんな同じ顔。。。と。タカハシが最初白いお面をかぶってでてきたのには、やるせない感じになった。

ヒロシマの原爆資料館は、私たち日本人にとっては、被害者であることは当たり前で、あの事実を後世に残しておかなくてはいけないという
視点から展示があるのは、ごくごく普通のことだったけど、あれをアメリカ人が見たらそうは思わないということは
まったく思いもよらなかった・・・
アメリカ人はパールハーバーのことばかり言う!って思ってたけど、確かにアメリカ人からすれば日本の奇襲によって命を落とした人が
たくさんいるわけだから、被害者であり、、、
もちろん規模とか問題の大きさとかは、違うけど、それはちゃんと日本人も考えなければいけないと、初めて思い知ったという。。。

ブライアンたちは誇りをもって、原子爆弾を開発してきたわけで、技術者としては当然誇りをもって研究してきたわけで、
それが戦争に使われて、戦争に勝って終わることができたというのは、彼らにとって名誉なことだったと思う。
でも時代がたって、その爆弾によって命を失ったり、まだ苦しんでいる人がいることがクローズアップされて、
ブライアンたちのすべてが否定されるようになってきたのは、すごく苦しいことだと思う。
最後、どうしても日本人に謝罪できなかったのは、ブライアンのプライドが許せなかったんだなと、、、そこは少し理解できた。

ただ、ジョンは自分たちの関わってきた技術によって、たくさんの命を奪ったことに耐えかねて
自殺してしまう。苦しんで苦しんでというその気持ちがつらかった。

青春をかけて原子爆弾の開発に携わってきた5人の若者は、それが戦争で使われたことと引き換えに
それぞれの大きなものを失っていたのだなと思った。作った者、使った者、使われた者、誰もが大きなものを
失う。。。戦争などしていいはずがない。当たり前ではあるが、ものすごく強いメッセージを感じた。

それと、ウィリアムのヘルパーさんのことば。。。
インディアンの人たちがウランの採掘に携わって、、、たくさん亡くなった話。
アメリカ人にとっては、インディアンの人も違う人種であり、その当時は彼らの命も、日本人の命も同じように
考えられていたんだなと。人種差別って、日本人はあまり理解できないけど、でも、当時のアメリカ人はそれが
当たり前だったんだなということに、これも衝撃的な出来事だった。


そういえば、、、お酒って、普通お酒に見える液体を使うか、入れたようにして液体は使わないという感じだけど、
この芝居では、砂のようなものを使っていて、なかなかいいなと感じました。斬新だったけど。


主なキャストの感想
ブライアンの山口馬木也さん
彼の舞台を見るのはたぶん2回目かな。20代から80代まで演じられていたけど、
違和感なく演じてて、さすがの俳優さんだなと感動しました。特に声の演じ分けが素晴らしいなと。
こういうお父さんいるなという、、、アメリカだとか日本とか関係なく、親子の関係とかは
変わらないな~と感じることができた。

シェリルの川島海荷ちゃん
舞台は初めてなのかな?私は舞台で拝見するのは初めて。
10代の頃の若々しい感じはかわいかったけど、タカハシを連れて帰ってくるときとかは、大人びた感じをだしていて
なかなか舞台もいいね。と思いました~
思ったより出番が少なかったから、もっと見たかったかな。

グレッグの内田健介さん
海兵隊のすばらしさを語るところが、すごく印象的。自分の仕事に誇りをもって、強く語る人ってよくいるけど
(私はあまり好きではないけど)あ、こういう人いるいる!って思えて、とてもよかったです。

ジョンの森下亮さん
ジョンは5人の中では一番普通の感覚を持ってる人だったんだなと。
計算した紙を何部屋にもわけて置くくらい熱中して計算して。。。命をかけて計算してようやくつかんだ32面体・・・
だけど、それを使えば、たくさんの人を殺してしまう。。。その恐ろしさに気付いていて、葛藤する。。。そういう
繊細な部分がすごく出ていたと思う。だからこそ、最終的に耐えられずに自殺してしまったんだろうと。

ジェシカの川田希さん
夫によりそう、しっかりした妻という役柄がぴったりでした。
結婚前のナースのときの若々しい感じもよかったけど、研究者の夫とともに生きている妻という姿もよかったです。

ウィリアムの池岡亮介さん
ベトナム戦争で負傷して、車椅子姿になってしまって、自分の人生、自暴自棄になってしまう演技がよかった
花火の音にすらおびえてしまう、、、そんな自分が嫌になってしまったんだろうなと。あんなにあこがれていた海兵隊に入ったのにと。

ニナの水野小論さん
ナイロンのお芝居で何度も拝見させていただいています。お久しぶりに見れて嬉しかった。
誰とでも打ち解けられる明るい人を、はつらつと演じておられました。
ニナの広島原爆資料館に行ってきた感想に、衝撃をうけました。そっか、アメリカ人が見るとそう思うのかと。

それから、
ベロニカの保坂エマさん
エマさん、なかなか出てこないから、ちょっとやきもきしちゃった。
新感線以外のお芝居でみるのは初めてです。
でも、最後にすごく重い話をしてましたね。アメリカ人の人種差別の話、、、
それを淡々と話すのがとてもよかったです。



今、この舞台を再演したということは、ちょうど映画「オッペンハイマー」のこともあってかなと思った。
国、人種、時代、いろんなことが絡み合って、こういう悲劇的なことが起こったわけだけど、
今生きてる私たちが、これからの世代のことも考えて、きちんと向き合っていかなければいけないと、強く思った。
すごくいい作品を見れてよかった。。。

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「骨と軽蔑」見てきました

2024-03-19 00:56:47 | お芝居
KERA CROSS第五弾 「骨と軽蔑」 シアタークリエ 2024.02.29 18:30~

KERA CROSSラストの作品は、KERAさん自ら。。。それも新作書下ろしって。。。びっくり。
今まで第1弾以外はみんな見に行ってます。
第2弾は、直人主演の「グッドバイ」だったしね。

で。。。それにしても、よくこれだけの女優さんをそろえたものだと、、感動だわ。
チケットもよくとれた!

さて、話の内容は・・・公式見たけど、あらすじも書いていないので、、、まったくどんな話かわからずに、劇場へ。

ネタバレを含みますので、知りたくない方は気を付けてください。。。




話の舞台は、東西に分断され、その間で戦争が起こっている国。爆撃機の音がしている。
戦争はずっと続いていて、男性はほとんど戦争に行っている。女性もどんどん駆り出されている状況。
そんな中、西地区にあるある屋敷が舞台。この家は軍需産業を営んでいて、起こっている戦争に武器を売って稼いでいる。
このうちは、父と母のグルガ(峯村リエさん)、姉のマーゴ(宮沢りえさん)、妹のドミー(鈴木杏さん)、そしてお手伝いのネネ(犬山イヌコさん)が暮らしている。
マーゴは小説家だが、最近は売れていないようだ。
マーゴは結婚していたが、夫は半年前に失踪してしまっている。徴兵されるのが嫌で逃げ出してしまったらしい。
そしてマーゴ宛に届く彼からの手紙は、ドミー(とネネ)が勝手に読み、姉には渡さず黙っている。

父は寝たきりで、秘書のソフィー(水川あさみさん)が世話をしている。彼女は父親の看病をしているが、ほとんど愛人状態で、
父親の財産をねらっているようである。
グルガやドミーは面白くない。グルカはそれもあってか、アルコール中毒の状態で、ネネもドミーも彼女に酒を飲まさないように気を付けている。

姉のマーゴが居間に入ってくる。そこに妹のドミーもやってきて、二人は一つのクッションを自分のものだったのに、相手が取ったとケンカを始める。
いつも、何かのことで、そういう口喧嘩をしているようだった。

屋敷の外にナッツ(小池栄子さん)が現れる。写真を池に落としてしまったのをネネが見つけ、それを拾うとマーゴの夫の写真だった。不思議に思うネネ。
ナッツはマーゴの小説の大ファンで、マーゴに会いにここまでやってきたのだという。
ネネが案内し、ナッツとマーゴは対面。もともと手紙でやり取りしていた二人は意気投合する。
グルカとドミーも一緒に4人で食卓を囲むが。。。
お酒の隠し場所をナッツがグルカに言ってしまう

グルカは納屋に行き、隠してあった酒を飲んでいた。
そこに一人の女性(堀内敬子さん)が現れ、自分はムシだと言いだす。ムシとかみ合わない会話をしていると、ネネがやってくる。二人は一緒に酒を飲みだす。

マーゴの小説の出版社でマーゴを担当しているミロンガ(堀内敬子さん)が来ている。外は嵐である。
そこに酔っぱらったグルカとネネが戻ってきて、ミロンガを見てさっきのムシだと大騒ぎする。
酒を飲んだグルカに対して、酔っ払って変なことを言わないようにとマーゴは諭す。

ソフィーが下りてきて、父が息を引き取ったという。そして父が書いたという遺言状を持ってくる。それを読み上げると。。。
工場の経営はグルカに、そして遺産はグルカと姉妹でわけるようにと書いてあった。ソフィーには一切遺産はいかないことを知ったソフィーは泣き崩れる。


グルカは工場を切り盛りし、ソフィーはその秘書として忙しくしていた。
マーゴの書いた「骨と軽蔑」という作品が文学賞を受賞する。印税も入ってくるので、暮らしぶりも楽になるだろうと喜ぶ。
ドミーはマーゴ宛に、失踪した夫から七十通以上も手紙が届いていたことをマーゴに話す。その手紙はずっと自分が読んでいたと。
夫のことを愛しているマーゴに対して、夫はもうマーゴのことは愛していないと書いてあったと話す。マーゴはショックを受ける。
さらに、ドミーは実は自分はマーゴよりずっと前から彼のことが好きだったという。

しかし、その手紙は実はナッツが書いたものだった。ナッツはマーゴが夫が失踪した後、ショックを受けているマーゴのために、
夫になりすまして手紙を書いていたのだった。役所に頼んでマーゴの夫の写真も取り寄せ、それを手紙に入れて送ったりもしていたのだった。
でもその手紙がマーゴの手に渡ってなかったとは知らなかったのだった。
ナッツはマーゴにその真実を告げる。マーゴは最初は信じなかったが、ナッツが何度も話し、ようやくそれを信じる。

ミロンガもマーゴの担当をやめるという。ミロンガは売れなかった時と比べて、最近はマーゴの小説に興味がなくなったという。だから別の人が担当になった方がいいという。
そこにネネが文学賞の祝電をもってくる。その中に夫からの祝電があった。。。ナッツが疑われるが彼女は違うと否定。
マーゴとドミーはその祝電を読んで、喜ぶ。夫は生きていたし、文学賞受賞を祝福してくれていた。

ナッツは屋敷を去ることとなり、庭に出るが、そこにムシが3匹いた。ムシを助けて遊んでいたが、ちょっとの間に、鳥に食べられてしまう。
その日納屋で寝ているナッツのところに、そのムシ3匹が現れ、ナッツのせいで自分たちは鳥に食べられたと怒ってくる。ナッツは違うと主張するがわかってもらえない。

ソフィーは屋敷を出ていく。軍に入隊するためで軍服を着ている。
マーゴの夫から再び手紙がきている。マーゴはドミーと読む。
なぜ自分が徴兵を避けて失踪したか。彼は東地区の出身だったので、西地区の軍に行くわけにはいかなかった。そのため東地区に逃げたのだった。
マーゴたちの屋敷は東地区でも有名で、西のお城と言われていた。そこの軍需工場で生産された兵器は西地区だけでなく東地区にも売られていたのだった。
東地区ではマーゴたちの屋敷を爆撃する日を決めていてそれが、、、5/20。早く逃げた方がよいと知らせてきたのだった。
そして5/20は今日。。。。外から爆撃機が飛んでくる音が聞こえる。

焼け野原となった土地が映し出され、、、幕。




いろんな要素が詰まってて、あちこち散らかっちゃいそうなんだけど、そうはならずに
魅入ってしまったのは、キャストの素晴らしい演技力もあったのかなあって、見終わって思いました。
芝居を通して聞こえている爆撃機の音とか、戦争というものが背景にもあり、今の世の中を考えてしまうところもあったり、
かと思えば、マーゴとドミーの兄弟げんかでくすっと笑ったり、突然ムシがでてきたり。。
うーん、ケラさんってすごいな。

そう、ケラさんの芝居では珍しくキャスト紹介の映像がなかった・・・ちょっと残念。
その代わりではないけど、イヌコさん演じるネネが、我々お客さんに向かって話しかけて進行するというのが面白かった。

セットは、一家の邸宅。
リビングと中庭と。。。同じセットを使って表してて、ケラさんの芝居ではときどきありますよね。
で、中と外がごっちゃになって笑わせたりね。

この家は軍需工場をやっていて、武器を作って売っているので、戦争がなくなるのは困るわけ。
今のウクライナもパレスチナも、使われている武器を作る企業があって、軍需産業は戦争がないと栄えない。。
そんなことを考えてしまった。不条理だ。
そして主人が亡くなったあとの2幕。グルガがソフィーとこの工場を切り盛りし始めるが、
自分たちの西の国だけでなく、相手の東の国にも、武器を売っていることが説明される。。。
信じられない!とも思ったが、これが事実なんだろう、今の我々の時代も、、、含めて。
なかなか深いというか、考えさせられる内容だった。
武器を売っている相手の東の国が、最後、この工場や屋敷を爆撃するというのは、報いなんだろうか。

そう、「骨と軽蔑」というタイトルは何だろうと思ってたけど、
マーゴの書いていた、小説のタイトルだったんですね。。。賞をとった小説。
でも、耳から骨が出てくるというような話らしい、。。ホラー小説?



キャストの感想、、、
感想もなにもないくらい皆さん素晴らしいんですが、

一番印象に残ったのは、ナッツの小池栄子さんですね。
まず、、、どこの言葉だ?っていう訛りをずっと話してて、、、それが田舎者っぽくて、めっちゃ癖が強い
で、ゴタゴタしてるこの家を、さらに引っ掻き回すという。
こういう変な役を、普通に演じてしまう小池栄子さんに脱帽でした。

それからグルカの峯村リエさん
一幕と二幕では別人でした。一幕は主人に翻弄され、酒に逃げる痛々しい姿。そして二幕は颯爽とした女経営者。
まったく違う人格を、演じ切るのはさすがでした

マーゴの宮沢りえさん
やっぱり華がありますよね。りえさん。ナッツと意気投合するときの無邪気な姿や、ドミーと口喧嘩するときの子供っぽさとか
いろんな面を見せてくれました。

ドミーの鈴木杏さん
一幕はちょっと卑屈になってる妹って感じ。マーゴに対する嫉妬心の塊みたいだったけど、
二幕になってマーゴと仲良く手紙を読んだりする姿はかわいかったです。杏ちゃんは彼女の空気感を持っていると
いつも思うんだけど、今回も存在感抜群でした。

ソフィーの水川あさみさん
最初登場したとき、誰だかわからなかったです。あまり声質が舞台向きではないのではと思っていたけど、
意外にもこの役は合ってると思いました。
出番が少なめだったのがちょっと残念だったかな。愛人としてもっと引っ掻き回すのかと思ってました。

ミロンガの堀内敬子さん
出番は後半からだったけど、なかなかおいしい役だったのでは。特にムシの役(笑い)
いつも思うけど発声がしっかりしてるから、ホントに声がよいです。聞いてて気持ちいいんですよね。
マーゴの編集者というキャリア女性もはつらつと演じてらっしゃいました。

そして、ネネの犬山イヌコさん
ケラさんの芝居にはなくてはならない存在。今回はMCみたいなこともしていて、
お客さんとの掛け合いもなかなかでした。この家の家政婦さんがほんとにぴったり。

とにかくこの7人が揃ったことだけでも素晴らしいと思えるお芝居。
見に行けて幸せでした。。。

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風姿花伝プロデュースvol.10「夜は昼の母」 見てきました

2024-02-24 01:52:53 | お芝居
風姿花伝プロデュースvol.10「夜は昼の母」 シアター風姿花伝 2024.02.14 19:00~

一度行ってみたいと思ってた、シアター風姿花伝。
キャストもとてもいいので、チケットをゲット。

行きは目白駅からのんびりと歩く。。20分弱かなあ。
目白駅は学生時代毎日通ったところなので、久々に行きたかったんだよね。
ホントに駅とか変わっちゃってるけど。ちょっと歩いたところとか、変わってなかったり。
うん、懐かしかった・・・

さて、風姿花伝シアターはホントに小さい劇場。100席ないよね。
すごく贅沢な空間でした。

受付で名前を言って、座席を書いた紙と、1階のコーヒーショップの無料券をいただく。
着いたのが10分前くらいだったのと、幕間もトイレに行ってから下に行ったら、
かなり並んでたので、あきらめて、帰りにいただいて、駅まで飲みながら。。。

てっきり、毎回コーヒーチケットを配ってると思ったら、
この日はバレンタインデーだからと、岡本健一さんからのプレゼントだそうで、、、
(翌日Xで知りました)
ごちそうさまでした。ありがとうございました。

さて、話の内容は、

「鳩が鳴く
ダヴィドは母のナイトガウンを着る
ここは父が経営する小さなホテル
今日はダヴィドの16歳の誕生日
兵役を経験した兄
咳が止まらない母
ひたすら喋り続けては空回りする父
家族が奏でる追憶の四重奏」(公式より)

スウェーデンの作家ラーシュ・ノレーンの作品だそうで、舞台の記事とか見ると、
自伝的要素が強い作品とあったんですが、父母息子二人の家族の話で、崩壊寸前の家族で
見ていてつらい部分もあるような。これが自伝的。。。と、思いめぐらしたりしてしまいました。

舞台はひなびたホテルの厨房。
このホテルを経営している家族の話。父親(山崎さん)はアル中。以前に入院したこともある。
母(那須さん)は、どこか病気なんだろう。咳をし続けている。
息子が二人。長男イェオリ(隼太くん)は、まだまともな人みたい。ホテルを手伝っている。
弟のダヴィド(岡本健一さん)は学校もいかず、毎日家で何もしない問題児。

弟が一人でいるところに、兄が入ってくる。口紅を塗っていた弟を攻撃するところから始まる。
この日は弟の誕生日。その一日のできごとの話
弟は働かず、学校もいかず、毎日家でダラダラしているので、兄はそれを見てイライラしているのだ。
父は食材の支払いがままならず、苦労している。母は父を見放すわけではないが、家族の問題に苦労している。
父はアルコール中毒で病院に入っていたこともあるほど。酒をやめてちゃんと働くというが、
隠れて酒を飲んでしまう・・・が、母には見つかってしまう。
もう飲まないと約束した父だが、弟に酒を飲んでいる現場を押さえられても、
飲んでないとしらを切りとおす。しかし、床下や、料理に使う肉の中にまで酒を隠していて、
そして飲んでしまう。。。飲んだ後の至福の顔。。。。
母からは「また飲んだら別れる」と言われてもその場だけ。
家族は酒を飲んだ飲まないからついにケンカが始まり・・・・父は最後は酒によって壊れていき
いつまでも笑い続けていく。


いやあ、すごい話というか、やるせない話。
崩壊している家族の物語で、特に何かが起こるわけでもない、ある日の話を描いているんだけど。
すごい熱量で、、、3時間20分(休憩15分込み)の話があっという間というくらい引き込まれてしまいました。
家族が崩壊したのはアル中の父のせいではあるんだけど、家族のことなんか何も考えてないように見えて
なんだかんだと家族のことは思っているようではある。
で、怒りに満ちている長男も、行き場のない思いを抱えながら葛藤している次男も、困った家族を向き合って
体も悪くしている母親も、家族のことをどこかで愛している。
がゆえに、悲しい辛い話だなと。。。
もう崩壊してしまったこの家族、、、行きつく先はどこなんだろうって、思っちゃいました。

ときどき、ダヴィドの心の中の世界が現れて。。。そこでは父親、母親は殺めてて、でも兄は寸前でやめてる。
そこに何か兄に対する何かがあるのかな~


キャストの感想。
4人とも本当にすごかった(この表現が一番ぴったりという感じ)

ダヴィドの岡本健一さん
席が結構前だったから、もうすぐそこに岡本健一さんという感じで眼福でした。
一番年下の弟の役?って思ったけど、しっかり16歳に見えました。
行き場のない思いを抱えて苦悩するダヴィドが伝わってきました。

父親の山崎一さん
山崎一劇場でしたね。アルコール中毒で壊れていく様は、独壇場でした。
すさまじい演技でした。

母親の那須佐代子さん
体を壊しているのに、家族を思う強い気持ち、よかったです。
こんなお母さん、、、大変だよね。もう疲れちゃったという表情がよくわかったです。


兄のイェオリの竪山隼太さん
サックス演奏するんだねえ。。それも生演奏。かっこよかった。
っていうか、ロンのときと体格変わった?ってくらい恰幅がよくなってた。
お鬚もあったし。。。別人みたいでした。
岡本さんより年下だけど、しっかりお兄さんでしたね。


キャストの熱量をずっと浴びてて、心がヒリヒリする芝居でした。素晴らしい芝居を観させていただきました。
この空間がすごく贅沢でした。

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