cube 20th. presents 音楽劇「魔都夜曲」 シアターコクーン 2017.07.07 19:00~ & 2017.07.16 13:00~
2017.07.19 19:00~ & 2017.07.20 14:00~
2017.07.26 14:00~ & 2017.07.29 13:00~
刈谷市総合文化センター 2017.08.05 17:00~
サンケイホールブリーゼ 2017.08.13 12:00~
結局、魔都上海へは8回通いました。
自分では多いな~と思ったけど、2ケタ通ってる人も結構周りにはいて、びっくりしています。
直人がらみの感想は、初日からチョコチョコとブログにアップしてきましたが
(ツイッターはもっとだったので、迷惑かけた方すみません)
芝居としての感想は、ちゃんと書いていなかったので、総括の意味もこめて
アップします。
音楽が各所にちりばめられた音楽劇。
キャストも演技達者な方が多く、そして二転三転するストーリー。
1939年の魔都上海を舞台にした芝居は、すごく上質なものだったと思います。
誰でも楽しめるように作られていたけど、でも、内容はすごく深いものだったし。
何度も見に行けて本当に「上機嫌」な舞台でした。
話の内容は・・・
公式より
「舞台は1939年、上海。当時の上海はフランスやイギリス、アメリカ、日本などの列強の租界地として異国情緒が溢れる都市となっていた。人々の思惑や欲望を飲み込む多国籍の都市は“魔都”とも称された。
その都市にある男が降り立つ。男の名は白河清隆(藤木直人)。公家の血を引き父は、政府の要人、諸国を遊学し芸術に親しみながらも遊興に明け暮れていた。上海には、父からの指示で来たのだが、相変わらず遊び歩く日々。その清隆の前にある二人の兄妹が現れる。中国人の父と日本人の母を持つ、周志強(チョウ・チーチャン 小西遼生)、周紅花(チョウ・ホンファ マイコ)。清隆と二人の間には次第に友情が生まれていく。
新田日出夫(橋本さとし)が支配人を務めるクラブ『ル・パシフィーク』には様々な人々が集まる。クラブのあちこちでは、音楽談義も語られれば、直面する政情に熱を帯びた論議も起こり、ジャズの音色とともに、人々の思惑渦巻く不可思議な空間だった。清隆、志強、紅花は、ル・パシフィークで様々な人々と出会う。
紅花は清楚な外見からは予想がつかない自由奔放な一面ものぞかせ、清隆はそんな紅花にいつしか惹かれてゆく。しかし、ふたりの恋には、それぞれの宿命が待っていた。志強と紅花にはある秘密があった。
時代は大きな影を落とし始めていた。時に第二次世界大戦前夜。未だ目的が見出せなかった清隆も、彼の存在自体が持つ宿命により、容赦なく歴史の大いなる波に巻き込まれてゆく。
各国列強がにらみを利かせ思惑渦巻く都市・上海で、清隆は次第に自分のなすべきことに目覚めてゆく。清隆と紅花、そして取り巻く人々の大いなるドラマが展開してゆく。」
話は、上海の路上で、チーチャン・ホンファ兄弟が、チンピラに襲われていたとこから始まる。
それを助けに入ったのが、白河清隆。父親は日本の前内閣総理大臣。本人はアメリカに留学したりと奔放な人物。
父から日支関係を勉強するようにと上海に送り込まれていたのだった。
ボクシングの腕を持つ、清隆に助けられた二人だが、加害者と勘違いされ、警察に連行されてしまう。
が、その留置場で、チーチャン・ホンファが日本語がしゃべれることから、3人は意気投合する。
お目付け役の外交官籾田から、チーチャン・ホンファに上海のことを教えてもらうことの許可をとりつけた
清隆は、二人に連れられ、「ル・パシフィーク」というクラブにやってくる。
ここの支配人は新田日出夫という日本人。ここは本格的なジャズを聞かせるクラブで、さまざまな人が集っている。
お目付け役の籾田も、ここの歌手のユーチュンと恋仲になり、通っていて、清隆と出くわす。
ただ、この日、籾田は甥の村田中尉と来ていた。
村田中尉は、翌日に上海を離れるという。
今の日本軍の和平交渉が手ぬるいと清隆に詰め寄る村田中尉。
「中国を平定し」という言葉に反応したのはホンファだった。勝手に人の国に入ってきて平定だとは何事だと怒るホンファ。
口論になるが、清隆の「ホンファの母親は日本人で、チーチャン・ホンファのような兄弟が一番つらい思いをしている」と
いう言葉で、ホンファに謝る。
村田中尉もホンファも、みんな早く戦争が終わることを望んでいるのだ。
そして、村田中尉を送り出す。
「ル・パシフィーク」を出た3人は蘇州川に架かる橋にやってくる。さきほどの口論で落ち込むホンファを励ますためか、
清隆は賭けをしようと言って、蘇州川に飛び込んだ・・・
その3人をつけてきていたのは、東洋のマタハリと言われた川島芳子。さらにそれをつけていた支配人の新田。
新田は川島に、また店に来るように言って去る。
川に飛び込んだため、風邪をひいて熱を出した清隆。注射を打ってもらっているところに、お見舞いに来た
チーチャンとホンファ。清隆がホンファの絵を描いているのがばれてバツが悪い。
チーチャンと清隆は、お互いの友情を確かめる。チーチャンは清隆なら妹の恋人になってもよいという。
先に帰ったチーチャンのあと、ホンファと清隆は連れだって上海の街に出る。
その街では、籾田とユーチュンもデートを楽しんでいた。
清隆はホンファに連れられてアヘン屈のあるスラム街へと来る。
そこで、花売りの少女に出会った二人。清隆に歌のプレゼントをしてくれた少女たち。清隆は上海の影の部分も
見ることができた。
「ル・パシフィーク」にやってきた清隆とチーチャン。しかし、客の一人が店員ともめている。
聞けば、李香蘭がおしのびで来ているそうで、大野木という彼女の大ファンの男が一目見たいともめていたのだった。
清隆は、自分の名刺を差出し、李香蘭に取り次ぐように頼む。
そこに現れたのは大野木を連行しようとした憲兵たち。反政府思想の持ち主で、日本にいたとき刑務所に入っていたらしい。
しかし、川島芳子と甘粕が現れ、大野木は連行されなくて済む。また川島・甘粕と会っていた李香蘭も出てきて
鹿取が作った「蘇州夜曲」を歌うのだった。
そんな中、フォンファが清隆のところに・・・ユーチュンが自殺を図ったというのだった
ユーチュンは籾田から別れをつげられて、自殺を図ったが命はとりとめた。
フォンファは定めや運命のせいで、自分や清隆の将来を考えて悲観的になるが、二人は気持ちを確かめあい、結ばれる。
が、その頃、チーチャンは、アヘン屈にいた。チーチャンとフォンファは実は国民党の工作員だったのだ。
ようやく、清隆が自分たちの手に落ちたと喜ぶチーチャン・・・
ここで1幕終了
日華事変も起こり、戦争は激しくなっていく。清隆たちもその波にのまれていく。
籾田は鹿取に殴られ、そしてユーチュンとのことが原因で外交官もやめるという。
謝りに来た鹿取は店をやめ、ユーチュンを追いかけるという。
さらに、籾田の甥の村田中尉も戦死し、清隆の周りも「ル・パシフィーク」も戦争の渦に巻き込まれていく。
清隆もフォンファも村田中尉もみんな戦争を終わらせたがっているのに・・・
フォンファは自分の親代わりの実業家を清隆に会わせたいという。しかし、これは、国民党の罠だった。
スパイたちも暗躍しだし、国民党、憲兵などの動きが活発になっていく上海。
約束の日に、チーチャンとフォンファが清隆を訪ねると、清隆は不在だった。
重慶に連れ出し、国民党の蒋介石に極秘で合わせようと画策している計画がばれたのかと怒るチーチャン。
そこに、清隆が帰ってくる。憲兵に呼ばれ、チーチャンとフォンファは国民党のスパイだから近づかないようにと
説教をされたと話す。まったく二人を疑っていない様子。
チーチャンと一緒に親代わりの実業家に会いに行こうとする清隆に、フォンファは本当のことを告げる。
戸惑う清隆だが、戦争を終わらせたい気持ちから、重慶に行こうと言う。
その代り、戦争が終わって平和になったら、ホンファと結婚したいと、チーチャンにお願いする清隆。
そんな清隆をフォンファは嘲笑い、私の何を知ってるのだとなじる。
チーチャンは、フォンファが清隆を巻き込みたくないから、そのような芝居をしていると気づき、
フォンファを突き離し、出ていく。フォンファも今更この計画は失敗だといい、出ていく。
フォンファを追いかけていく清隆。
ようやく蘇州川の橋の上で見つけるが。。。フォンファは清隆に銃を向け、もう終わりだと、川に飛び込む。
続いて飛び込む清隆。
それを追いかけてきてみていた、川島芳子と、チーチャン。
チーチャンは川島芳子に話があると、持ちかける・・・
「ル・パシフィーク」はユーチュンが去ってから、客も減り、OBのシュンプウが歌っていた。
この日は、医者の先生も旧交を温めていたが、清隆とフォンファに呼ばれたという。
そこにやってきた清隆とフォンファ・・・二人はチーチャンも一緒にパリに行くという。
ところが憲兵隊がやっていて、清隆とフォンファ以外は別室に追い払い、フォンファは国民党のスパイだからと
捕まえようとする。抵抗するがつかまってしまう二人。証拠はないと言い張る清隆だが、
証拠はあると言われ、そこに現れたのはチーチャンだった。
なぜ裏切ると驚く二人。
しかし、そのチーチャンは、別室から抜け出てきた川島芳子に撃たれる。川島芳子は二人に車のカギを渡し、
これで逃げろといい、重慶に行かせようとする。
川島芳子が憲兵隊たちを脅しているときに、爆発音が。。。車のカギに細工をして、カギを開けると
爆発するようになっていたのだ。しかも、憲兵隊長はそのことを知っていた。
無事、清隆とフォンファを始末できたと、満足して帰る憲兵隊。
ところが。。。。そこに出てきた「ル・パシフィーク」の人たち・・・
そう、それもが嘘だった。チーチャンも死んだわけではなく。
これはチーチャンと川島芳子が仕組んだ計画だったのだ。
そこに戻ってきたユーチュンと鹿取。「ル・パシフィーク」は賑やかで平和を取り戻す。
その頃、清隆とフォンファは手引きをしてくれた甘粕と一緒に船の上にいた。
重慶に行く途中までは、甘粕が責任を持って連れて行くという。そのあとの重慶までは
自力でがんばれという甘粕。どんな運命が待っているかわからないが、二人で力を合わせるという清隆とフォンファ。
「ル・パシフィーク」の面々も、上機嫌で過ごすのだった・・・
幕
そんな感じのお話でした。
最後の場の「ル・パシフィーク」でのどんでん返し劇は、ドキドキしてびっくりしましたが、
ハッピーエンドで歌い踊っておしまい!という上機嫌な結末に、すごくほっとして、楽しかった。
この内容のあちこちに、歌が入るんです。
それもみんなすごくうまくて聞きごたえがあって・・・ほんとに上質な音楽劇だったと思います。
セットは、まずは「ル・パシフィーク」の店内。
ステージ奥には2階のような位置に舞台を横切る通路が作られており、
そこから丸いフォルムを帯びた階段が・・・お店に行くには、その階段を下りてという具合になっていました。
そしてそのステージ奥の通路は、蘇州川の橋にもなります。
もう1つのセットは、清隆の家の居間と清隆の部屋。
両方とも奥からせり出す形で出てきて、飛び出す絵本のように、両側が開いてました。
そして舞台下手の奥側には、生のジャズバンドがスタンバイ。
そう、生バンドなんですよ。この舞台。音楽劇ですからね~
芝居が始まる前は、バンドがステージ真ん中で、しばらく演奏してくれるんですよ。
すごく贅沢です。そこにユーチュンが来て歌うし。。。
上質ですよね~ユーチュン・・・秋さん、すごく歌うまいしきれいだし・・・
さて、キャストの感想
座長は最後にまわすとして。。。
ホンファ役のマイコさん
チャーミングで表情豊か。喜怒哀楽をしっかり出して演じておられました。
チャイナドレスも似合ってた~
チーチャン役の小西さん
片言の日本語がすばらしかった。難しいよね。日本人なのに片言にするって。
アフタートークで秋さんが絶賛するのがわかる。
小西さんのファンってすごく多いんですよね。わかるわ~かっこいいもん。
自慢ののどが聞けなかったのがちょっと残念です。
お茶目な面も発揮してましたね。李香蘭に会わなくていいのか?と清隆に言われたときとかの
リアクションとか、かわいかったし・・・
このあとも注目の役者さんです。
新田日出夫役の橋本さとしさん
もう、かっこよすぎ。歌もうまいし。。。
ホントにすてきでした。最前列のときにウィンクで悩殺されたのを忘れないです。
前からすごく好きな役者さんで、舞台もあれこれ見てますが、今回ますます
ファンになりました。
鹿取役の松下洸平くん
ピアノがあんなにうまいなんて・・・そして指がすごくしなやかに動く。
ユーチュンとのデュエットもすてきだったし・・・
最近、気になってて、芝居をいくつか見に行ってるんですけど、
今後注目の役者さんですね。
アフタートークのときの、返しのうまさもさすがでした。
西岡先生役の村井さん
村井さんがいるから、この芝居も締まるんだなって思いました。
存在感抜群だし。。。あのタンゴもすてきだった。
73歳とは思えない。新感線のときも素敵だったけど、今回もさらに大人の魅力満載でした。
川島芳子役の壮さん
凛々しい。軍服もスーツもチャイナドレスも似合うし。。。
歌をもっと歌ってほしかったけど、今回の役どころはね。
でも、すごくおいしいとこを持ってった気がする。
籾田と甘粕の二役の山西さん
すごいね。かなり違うキャラなのに、演じ切っちゃうんだもん。
私は、バカ正直なまじめ者の籾田結構好きだな。
山西さんみたいな役者さんが、この舞台を締めてるって感じしましたね。
それと、滑舌がとってもよくて、セリフがすごく聞きやすかったです。
ユーチュン役の秋さん
劇団四季で活躍された方だけあって、歌がめっちゃうまいし、声も素敵。
そして日本語もお上手。
舞台が始まる前から素敵な歌を毎回披露してくださってありがとうございました。
中国の民謡とかも歌われてて・・・ホントに上質な時間でした。
ヤーイーとシュンプウの二役の春風ひとみさん
本当の中国の人みたいだった・・・秋さんも褒められてましたけど。
すごいですね。役者魂。
で、シュンプウとして歌う時とは別人。シュンプウの歌も力あるしよかったです。
村井さんとのタンゴなんて素敵だったわ~
村田中尉役の板倉チヒロさん
不器用な村田中尉をしっかり演じておられて。。。
「旅愁」のときの敬礼して去っていく姿はウルウルものでした。
二幕で、「ル・パシフィーク」に来ていた太った潜入してた憲兵の方も
チヒロさんが演じてたんですよね~
あと、アフタートークの司会がグダグダでした(笑い)
サミー役のコングさん
この舞台のムードメーカーですよね。
歌もうまいし、ピアノも弾けるしなんでもできる・・・で、面白い。
サミーがいたから、上機嫌な芝居になったと思います。
でも、、、チヒロさんと同様、アフタートークの司会はグダグダでした
李香蘭役の高嶋さんと浜崎さん
こんなこと言っては失礼かもしれないんですが、
正直、TPDってアイドルだから、歌がこんなにうまいとは思わなかったんですよね。
二人ともすごく素敵な声で歌もうまくてびっくりでした。
しっかりレッスンしてるんですね~ちょっと感動でした。
大野木役の田鍋さん
毎回、グルグル回ってピョンピョン飛び跳ねる大野木さんには笑わせていただきました。
清隆さんも、マジ笑いしてましたよね。
ときどき息が切れてて、さらに笑いましたけど。
で、田鍋さんて若手の演技指導されてるんですね。
キューブには、こういう役者さんもいるんですね~って感心しました。
梶山大尉の奥田さん
渋かった。奥田さんは脚本のマキノさんと同じところの人なんですね。
客演ながら、しっかりと脇を固めてくださって、ありがとうございました。
「ル・パシフィーク」の店員さんや、警官役などの中谷くんと村上くん
キューブ期待の若手。中谷くんはシンガーソングライターなんですよね。
これからが楽しみな役者さんです。アンサンブルとかものびのびされてました
ナースと「ル・パシフィーク」の店員役の吉岡麻由子さん
ダンスがすごく上手。
TPDの子たちをしっかりまとめてるって感じでした。
アヘン窟の少女役のキッド咲麗花さん
TPD DASH!のやっぱりアイドルさんなんですよね。
この子も歌がめっちゃうまくて。。。うーん、キューブのアイドル侮れないって思いました。
陳役の前田さん
前田さんは新感線とかで出てるのを見てるんで。。。なんか違和感なく見れた
殺陣指導は全部前田さんですよね。さすがです。
しっかりセリフもありましたね。
それから、「上機嫌バンド」の皆さん
皆さんちゃんとセリフもあって(笑い)
バンマスの立川さんは毎回、さとしさんにいじられてましたね。
演奏はホントにすばらしいわ~
やっぱり生バンドって最高ですね。カテコで、半分照れながら出てこられるのが好きでした。
そしてそして、
清隆役の藤木直人様
これは当たり役ですね。舞台4度目にして、すばらしい役をゲットされたと思います。
ご本人のキャラにも合ってたと思うんだけど、
いつも上機嫌で前向きな、そして品のある清隆をのびのび演じてたと思います。
それからスーツが似合う。あんな白いスーツ、着こなしちゃう人そんないないと思うんだけど。
で、足長いよね~
最後のギターソロもかっこよくて、惚れ直しました。最高だったよ。
そんな感じで、この夏、最高に上機嫌で、魔都上海に通っていたのでした。
素晴らしい舞台を、ありがとうございました。
キャスト、スタッフの皆さんに感謝します。
DVDが来るのが楽しみです。
2017.07.19 19:00~ & 2017.07.20 14:00~
2017.07.26 14:00~ & 2017.07.29 13:00~
刈谷市総合文化センター 2017.08.05 17:00~
サンケイホールブリーゼ 2017.08.13 12:00~
結局、魔都上海へは8回通いました。
自分では多いな~と思ったけど、2ケタ通ってる人も結構周りにはいて、びっくりしています。
直人がらみの感想は、初日からチョコチョコとブログにアップしてきましたが
(ツイッターはもっとだったので、迷惑かけた方すみません)
芝居としての感想は、ちゃんと書いていなかったので、総括の意味もこめて
アップします。
音楽が各所にちりばめられた音楽劇。
キャストも演技達者な方が多く、そして二転三転するストーリー。
1939年の魔都上海を舞台にした芝居は、すごく上質なものだったと思います。
誰でも楽しめるように作られていたけど、でも、内容はすごく深いものだったし。
何度も見に行けて本当に「上機嫌」な舞台でした。
話の内容は・・・
公式より
「舞台は1939年、上海。当時の上海はフランスやイギリス、アメリカ、日本などの列強の租界地として異国情緒が溢れる都市となっていた。人々の思惑や欲望を飲み込む多国籍の都市は“魔都”とも称された。
その都市にある男が降り立つ。男の名は白河清隆(藤木直人)。公家の血を引き父は、政府の要人、諸国を遊学し芸術に親しみながらも遊興に明け暮れていた。上海には、父からの指示で来たのだが、相変わらず遊び歩く日々。その清隆の前にある二人の兄妹が現れる。中国人の父と日本人の母を持つ、周志強(チョウ・チーチャン 小西遼生)、周紅花(チョウ・ホンファ マイコ)。清隆と二人の間には次第に友情が生まれていく。
新田日出夫(橋本さとし)が支配人を務めるクラブ『ル・パシフィーク』には様々な人々が集まる。クラブのあちこちでは、音楽談義も語られれば、直面する政情に熱を帯びた論議も起こり、ジャズの音色とともに、人々の思惑渦巻く不可思議な空間だった。清隆、志強、紅花は、ル・パシフィークで様々な人々と出会う。
紅花は清楚な外見からは予想がつかない自由奔放な一面ものぞかせ、清隆はそんな紅花にいつしか惹かれてゆく。しかし、ふたりの恋には、それぞれの宿命が待っていた。志強と紅花にはある秘密があった。
時代は大きな影を落とし始めていた。時に第二次世界大戦前夜。未だ目的が見出せなかった清隆も、彼の存在自体が持つ宿命により、容赦なく歴史の大いなる波に巻き込まれてゆく。
各国列強がにらみを利かせ思惑渦巻く都市・上海で、清隆は次第に自分のなすべきことに目覚めてゆく。清隆と紅花、そして取り巻く人々の大いなるドラマが展開してゆく。」
話は、上海の路上で、チーチャン・ホンファ兄弟が、チンピラに襲われていたとこから始まる。
それを助けに入ったのが、白河清隆。父親は日本の前内閣総理大臣。本人はアメリカに留学したりと奔放な人物。
父から日支関係を勉強するようにと上海に送り込まれていたのだった。
ボクシングの腕を持つ、清隆に助けられた二人だが、加害者と勘違いされ、警察に連行されてしまう。
が、その留置場で、チーチャン・ホンファが日本語がしゃべれることから、3人は意気投合する。
お目付け役の外交官籾田から、チーチャン・ホンファに上海のことを教えてもらうことの許可をとりつけた
清隆は、二人に連れられ、「ル・パシフィーク」というクラブにやってくる。
ここの支配人は新田日出夫という日本人。ここは本格的なジャズを聞かせるクラブで、さまざまな人が集っている。
お目付け役の籾田も、ここの歌手のユーチュンと恋仲になり、通っていて、清隆と出くわす。
ただ、この日、籾田は甥の村田中尉と来ていた。
村田中尉は、翌日に上海を離れるという。
今の日本軍の和平交渉が手ぬるいと清隆に詰め寄る村田中尉。
「中国を平定し」という言葉に反応したのはホンファだった。勝手に人の国に入ってきて平定だとは何事だと怒るホンファ。
口論になるが、清隆の「ホンファの母親は日本人で、チーチャン・ホンファのような兄弟が一番つらい思いをしている」と
いう言葉で、ホンファに謝る。
村田中尉もホンファも、みんな早く戦争が終わることを望んでいるのだ。
そして、村田中尉を送り出す。
「ル・パシフィーク」を出た3人は蘇州川に架かる橋にやってくる。さきほどの口論で落ち込むホンファを励ますためか、
清隆は賭けをしようと言って、蘇州川に飛び込んだ・・・
その3人をつけてきていたのは、東洋のマタハリと言われた川島芳子。さらにそれをつけていた支配人の新田。
新田は川島に、また店に来るように言って去る。
川に飛び込んだため、風邪をひいて熱を出した清隆。注射を打ってもらっているところに、お見舞いに来た
チーチャンとホンファ。清隆がホンファの絵を描いているのがばれてバツが悪い。
チーチャンと清隆は、お互いの友情を確かめる。チーチャンは清隆なら妹の恋人になってもよいという。
先に帰ったチーチャンのあと、ホンファと清隆は連れだって上海の街に出る。
その街では、籾田とユーチュンもデートを楽しんでいた。
清隆はホンファに連れられてアヘン屈のあるスラム街へと来る。
そこで、花売りの少女に出会った二人。清隆に歌のプレゼントをしてくれた少女たち。清隆は上海の影の部分も
見ることができた。
「ル・パシフィーク」にやってきた清隆とチーチャン。しかし、客の一人が店員ともめている。
聞けば、李香蘭がおしのびで来ているそうで、大野木という彼女の大ファンの男が一目見たいともめていたのだった。
清隆は、自分の名刺を差出し、李香蘭に取り次ぐように頼む。
そこに現れたのは大野木を連行しようとした憲兵たち。反政府思想の持ち主で、日本にいたとき刑務所に入っていたらしい。
しかし、川島芳子と甘粕が現れ、大野木は連行されなくて済む。また川島・甘粕と会っていた李香蘭も出てきて
鹿取が作った「蘇州夜曲」を歌うのだった。
そんな中、フォンファが清隆のところに・・・ユーチュンが自殺を図ったというのだった
ユーチュンは籾田から別れをつげられて、自殺を図ったが命はとりとめた。
フォンファは定めや運命のせいで、自分や清隆の将来を考えて悲観的になるが、二人は気持ちを確かめあい、結ばれる。
が、その頃、チーチャンは、アヘン屈にいた。チーチャンとフォンファは実は国民党の工作員だったのだ。
ようやく、清隆が自分たちの手に落ちたと喜ぶチーチャン・・・
ここで1幕終了
日華事変も起こり、戦争は激しくなっていく。清隆たちもその波にのまれていく。
籾田は鹿取に殴られ、そしてユーチュンとのことが原因で外交官もやめるという。
謝りに来た鹿取は店をやめ、ユーチュンを追いかけるという。
さらに、籾田の甥の村田中尉も戦死し、清隆の周りも「ル・パシフィーク」も戦争の渦に巻き込まれていく。
清隆もフォンファも村田中尉もみんな戦争を終わらせたがっているのに・・・
フォンファは自分の親代わりの実業家を清隆に会わせたいという。しかし、これは、国民党の罠だった。
スパイたちも暗躍しだし、国民党、憲兵などの動きが活発になっていく上海。
約束の日に、チーチャンとフォンファが清隆を訪ねると、清隆は不在だった。
重慶に連れ出し、国民党の蒋介石に極秘で合わせようと画策している計画がばれたのかと怒るチーチャン。
そこに、清隆が帰ってくる。憲兵に呼ばれ、チーチャンとフォンファは国民党のスパイだから近づかないようにと
説教をされたと話す。まったく二人を疑っていない様子。
チーチャンと一緒に親代わりの実業家に会いに行こうとする清隆に、フォンファは本当のことを告げる。
戸惑う清隆だが、戦争を終わらせたい気持ちから、重慶に行こうと言う。
その代り、戦争が終わって平和になったら、ホンファと結婚したいと、チーチャンにお願いする清隆。
そんな清隆をフォンファは嘲笑い、私の何を知ってるのだとなじる。
チーチャンは、フォンファが清隆を巻き込みたくないから、そのような芝居をしていると気づき、
フォンファを突き離し、出ていく。フォンファも今更この計画は失敗だといい、出ていく。
フォンファを追いかけていく清隆。
ようやく蘇州川の橋の上で見つけるが。。。フォンファは清隆に銃を向け、もう終わりだと、川に飛び込む。
続いて飛び込む清隆。
それを追いかけてきてみていた、川島芳子と、チーチャン。
チーチャンは川島芳子に話があると、持ちかける・・・
「ル・パシフィーク」はユーチュンが去ってから、客も減り、OBのシュンプウが歌っていた。
この日は、医者の先生も旧交を温めていたが、清隆とフォンファに呼ばれたという。
そこにやってきた清隆とフォンファ・・・二人はチーチャンも一緒にパリに行くという。
ところが憲兵隊がやっていて、清隆とフォンファ以外は別室に追い払い、フォンファは国民党のスパイだからと
捕まえようとする。抵抗するがつかまってしまう二人。証拠はないと言い張る清隆だが、
証拠はあると言われ、そこに現れたのはチーチャンだった。
なぜ裏切ると驚く二人。
しかし、そのチーチャンは、別室から抜け出てきた川島芳子に撃たれる。川島芳子は二人に車のカギを渡し、
これで逃げろといい、重慶に行かせようとする。
川島芳子が憲兵隊たちを脅しているときに、爆発音が。。。車のカギに細工をして、カギを開けると
爆発するようになっていたのだ。しかも、憲兵隊長はそのことを知っていた。
無事、清隆とフォンファを始末できたと、満足して帰る憲兵隊。
ところが。。。。そこに出てきた「ル・パシフィーク」の人たち・・・
そう、それもが嘘だった。チーチャンも死んだわけではなく。
これはチーチャンと川島芳子が仕組んだ計画だったのだ。
そこに戻ってきたユーチュンと鹿取。「ル・パシフィーク」は賑やかで平和を取り戻す。
その頃、清隆とフォンファは手引きをしてくれた甘粕と一緒に船の上にいた。
重慶に行く途中までは、甘粕が責任を持って連れて行くという。そのあとの重慶までは
自力でがんばれという甘粕。どんな運命が待っているかわからないが、二人で力を合わせるという清隆とフォンファ。
「ル・パシフィーク」の面々も、上機嫌で過ごすのだった・・・
幕
そんな感じのお話でした。
最後の場の「ル・パシフィーク」でのどんでん返し劇は、ドキドキしてびっくりしましたが、
ハッピーエンドで歌い踊っておしまい!という上機嫌な結末に、すごくほっとして、楽しかった。
この内容のあちこちに、歌が入るんです。
それもみんなすごくうまくて聞きごたえがあって・・・ほんとに上質な音楽劇だったと思います。
セットは、まずは「ル・パシフィーク」の店内。
ステージ奥には2階のような位置に舞台を横切る通路が作られており、
そこから丸いフォルムを帯びた階段が・・・お店に行くには、その階段を下りてという具合になっていました。
そしてそのステージ奥の通路は、蘇州川の橋にもなります。
もう1つのセットは、清隆の家の居間と清隆の部屋。
両方とも奥からせり出す形で出てきて、飛び出す絵本のように、両側が開いてました。
そして舞台下手の奥側には、生のジャズバンドがスタンバイ。
そう、生バンドなんですよ。この舞台。音楽劇ですからね~
芝居が始まる前は、バンドがステージ真ん中で、しばらく演奏してくれるんですよ。
すごく贅沢です。そこにユーチュンが来て歌うし。。。
上質ですよね~ユーチュン・・・秋さん、すごく歌うまいしきれいだし・・・
さて、キャストの感想
座長は最後にまわすとして。。。
ホンファ役のマイコさん
チャーミングで表情豊か。喜怒哀楽をしっかり出して演じておられました。
チャイナドレスも似合ってた~
チーチャン役の小西さん
片言の日本語がすばらしかった。難しいよね。日本人なのに片言にするって。
アフタートークで秋さんが絶賛するのがわかる。
小西さんのファンってすごく多いんですよね。わかるわ~かっこいいもん。
自慢ののどが聞けなかったのがちょっと残念です。
お茶目な面も発揮してましたね。李香蘭に会わなくていいのか?と清隆に言われたときとかの
リアクションとか、かわいかったし・・・
このあとも注目の役者さんです。
新田日出夫役の橋本さとしさん
もう、かっこよすぎ。歌もうまいし。。。
ホントにすてきでした。最前列のときにウィンクで悩殺されたのを忘れないです。
前からすごく好きな役者さんで、舞台もあれこれ見てますが、今回ますます
ファンになりました。
鹿取役の松下洸平くん
ピアノがあんなにうまいなんて・・・そして指がすごくしなやかに動く。
ユーチュンとのデュエットもすてきだったし・・・
最近、気になってて、芝居をいくつか見に行ってるんですけど、
今後注目の役者さんですね。
アフタートークのときの、返しのうまさもさすがでした。
西岡先生役の村井さん
村井さんがいるから、この芝居も締まるんだなって思いました。
存在感抜群だし。。。あのタンゴもすてきだった。
73歳とは思えない。新感線のときも素敵だったけど、今回もさらに大人の魅力満載でした。
川島芳子役の壮さん
凛々しい。軍服もスーツもチャイナドレスも似合うし。。。
歌をもっと歌ってほしかったけど、今回の役どころはね。
でも、すごくおいしいとこを持ってった気がする。
籾田と甘粕の二役の山西さん
すごいね。かなり違うキャラなのに、演じ切っちゃうんだもん。
私は、バカ正直なまじめ者の籾田結構好きだな。
山西さんみたいな役者さんが、この舞台を締めてるって感じしましたね。
それと、滑舌がとってもよくて、セリフがすごく聞きやすかったです。
ユーチュン役の秋さん
劇団四季で活躍された方だけあって、歌がめっちゃうまいし、声も素敵。
そして日本語もお上手。
舞台が始まる前から素敵な歌を毎回披露してくださってありがとうございました。
中国の民謡とかも歌われてて・・・ホントに上質な時間でした。
ヤーイーとシュンプウの二役の春風ひとみさん
本当の中国の人みたいだった・・・秋さんも褒められてましたけど。
すごいですね。役者魂。
で、シュンプウとして歌う時とは別人。シュンプウの歌も力あるしよかったです。
村井さんとのタンゴなんて素敵だったわ~
村田中尉役の板倉チヒロさん
不器用な村田中尉をしっかり演じておられて。。。
「旅愁」のときの敬礼して去っていく姿はウルウルものでした。
二幕で、「ル・パシフィーク」に来ていた太った潜入してた憲兵の方も
チヒロさんが演じてたんですよね~
あと、アフタートークの司会がグダグダでした(笑い)
サミー役のコングさん
この舞台のムードメーカーですよね。
歌もうまいし、ピアノも弾けるしなんでもできる・・・で、面白い。
サミーがいたから、上機嫌な芝居になったと思います。
でも、、、チヒロさんと同様、アフタートークの司会はグダグダでした
李香蘭役の高嶋さんと浜崎さん
こんなこと言っては失礼かもしれないんですが、
正直、TPDってアイドルだから、歌がこんなにうまいとは思わなかったんですよね。
二人ともすごく素敵な声で歌もうまくてびっくりでした。
しっかりレッスンしてるんですね~ちょっと感動でした。
大野木役の田鍋さん
毎回、グルグル回ってピョンピョン飛び跳ねる大野木さんには笑わせていただきました。
清隆さんも、マジ笑いしてましたよね。
ときどき息が切れてて、さらに笑いましたけど。
で、田鍋さんて若手の演技指導されてるんですね。
キューブには、こういう役者さんもいるんですね~って感心しました。
梶山大尉の奥田さん
渋かった。奥田さんは脚本のマキノさんと同じところの人なんですね。
客演ながら、しっかりと脇を固めてくださって、ありがとうございました。
「ル・パシフィーク」の店員さんや、警官役などの中谷くんと村上くん
キューブ期待の若手。中谷くんはシンガーソングライターなんですよね。
これからが楽しみな役者さんです。アンサンブルとかものびのびされてました
ナースと「ル・パシフィーク」の店員役の吉岡麻由子さん
ダンスがすごく上手。
TPDの子たちをしっかりまとめてるって感じでした。
アヘン窟の少女役のキッド咲麗花さん
TPD DASH!のやっぱりアイドルさんなんですよね。
この子も歌がめっちゃうまくて。。。うーん、キューブのアイドル侮れないって思いました。
陳役の前田さん
前田さんは新感線とかで出てるのを見てるんで。。。なんか違和感なく見れた
殺陣指導は全部前田さんですよね。さすがです。
しっかりセリフもありましたね。
それから、「上機嫌バンド」の皆さん
皆さんちゃんとセリフもあって(笑い)
バンマスの立川さんは毎回、さとしさんにいじられてましたね。
演奏はホントにすばらしいわ~
やっぱり生バンドって最高ですね。カテコで、半分照れながら出てこられるのが好きでした。
そしてそして、
清隆役の藤木直人様
これは当たり役ですね。舞台4度目にして、すばらしい役をゲットされたと思います。
ご本人のキャラにも合ってたと思うんだけど、
いつも上機嫌で前向きな、そして品のある清隆をのびのび演じてたと思います。
それからスーツが似合う。あんな白いスーツ、着こなしちゃう人そんないないと思うんだけど。
で、足長いよね~
最後のギターソロもかっこよくて、惚れ直しました。最高だったよ。
そんな感じで、この夏、最高に上機嫌で、魔都上海に通っていたのでした。
素晴らしい舞台を、ありがとうございました。
キャスト、スタッフの皆さんに感謝します。
DVDが来るのが楽しみです。
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