もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「マクベス」見てきました

2013-12-19 12:24:01 | お芝居
「マクベス」 シアターコクーン  2013.12.18 14:00~

あの「マクベス」を長塚圭史さんが演出。主演のマクベス王は堤真一さん、そしてマクベス夫人は常盤貴子さん。
これは見てみたいですと、チケットゲットしました。

で、まあ、ね、好き嫌いが分かれる感じですね。この芝居。
非常に挑戦的な「マクベス」というか、いろんな意味で実験的で面白いです。
正直、好き嫌いを聞かれれば、私は好きでないです。特にラストですけどね。

ってことで、まだ上演中なので、ネタバレ含むので、スペース空けます。
これから観劇される方は、ここで回れ右お願いします。

それと、独断と偏見で感想書いてますので、もし、不愉快に思いそうな方は
やはり回れ右をお願いします。
























まず、公式のあらすじから

「11世紀中頃、スコットランド。ダンカン王に仕える将軍マクベスとバンクォーは勝ち戦の帰り道、荒野で魔女3人に出会う。魔女たちは「マクベスはコーダの領主となり、王となる」「バンクォーの息子は将来の王となる」と予言を残す。やがて予言通りマクベスがコーダ領主となると、マクベスの妻は夫を王にすべくダンカン王殺害を謀り、心の底には野心を抱えていたマクベスは妻にそそのかされて短剣で王を刺し、殺害してしまう。
こうして王となり権力の頂点に立ったマクベスだったが、もう一つの予言による不安を解消するため、バンクォーの元へ刺客を送るが、バンクォーの息子だけは難を逃れる。一方マクベスは、バンクォーの亡霊を見て狼狽し、さらなる不安に陥り、マクベス夫人も良心の呵責から精神を蝕まれてゆく。
再び魔女に会いに行ったマクベスは、「女の股から生まれたものはお前にかなわない」「バーナムの森が動くまではお前は安泰だ」という予言を聞き一時は安堵したものの、心の奥の不安は消えず、さらに罪を重ね暴君と化していく。そんなマクベスに、反マクベスの軍が迫りつつあった…。」


あらすじはあまりに有名ですからね。
私は、本も読んだし(普通の訳本ですけどね)内容は知ってますが、舞台でこれを見るのは初めて。

それもマクベス王が堤さんというので、すごい期待してました。


今回は舞台が客席の真ん中にあって、それを取り囲む形で客席が配置されてました。
特に桟敷席みたいな席が四方にありました。ここは近いね~
通常の舞台側にも座席が組まれてて、通常が通路より前の席あたりのとこに、六角形の舞台が。
青山円形劇場のような感じですかね~
でも、高さがあって、床の下も通路になってて、そこを役者さんが行き来するのが見えて、さらに、舞台上にも穴がいくつか空くところがあって、その階段を使って出入りできたり、なかなか凝った面白い舞台だった。すばらしい!!

役者は、舞台の下からだったり、あと客席からの通路を伝って、登場・退場。
これはなかなか面白い。

さらには、役者がときどき客席に座っているという。。そこで演技してますからね(魔女とかですが)
あれって、座る席があちこち変わるんだけど、その席って最初から売らないんですかね?よくわからんですが。延べにして10席以上は使ってたと思うんだけど。

それから、黒ジャケットで顔を白く塗った男の人たちが会場内に何人もいて、席の案内とかしてたんですが、彼らも役者さんでした。

あと、舞台の外というか、桟敷席の端っこの2か所に水道があったんですよ。ときどき、本当に水を出して役者さんたちが演技してたんだけど。私は最後までこの水道の意味がわからなかったです。


さて、開演の時間になると、市川しんぺーさんと福田転球さんが舞台に上がり、いろいろと説明を始めます。
上演中に席を立つ方はこの通路を通ってとかね
それと気になるというか席にあった緑のビニール傘の使い方とかも。。。練習までした。
(私の席にはなかったです。2席に1つって感じだったかな。。私の席はMLでしたけど)
っていうか、緑の傘って時点で、どこで使うかとか何で使うかとか予想がついちゃいますよね。
で、説明中に、突然客席から、女性の大きな声で二人に文句が入るんですよ。すごいびっくりした。
私はML席だったので、近くにその魔女さんたちいないし、魔女さんたちがスタンバイしたのも見えな

かったので、めっちゃびっくりしました。
3人の魔女が客席にいたんですね。平田敦子さん、江口のりこさんと三田和代さん


説明が終わって、客電が落ちると芝居が始まるんだけど、
最初はスコットランド国王ダンカンがノルウェー軍との戦争大勝利の報告を受ける場面

なんですが、まず、ここで違和感。。。
っていうのは役者の衣装
いや、別にシェイクスピアだからって、その当時の衣装でなくてはって言ってるんじゃないけど、
あまりにコンセプトがばらばらというか、、、統一性がなくて。
たとえば、ダンカン王の息子のマルカムはトレンチコート、バンクォーはスーツ、かと思うと、マクダフは現代風だけど、カジュアルな感じだし、でも、マクベスは中世の感じで。
ねらってこういう風になってるのかもしれないけど、なんだかねえ・・・
一番は、マルカムのトレンチコートが。。。

でも、衣装は現代風なのにもかかわらず、セリフは、シェイクスピアなんだよね。
それも、言い回しが直訳っぽいというか、そんな言い回しはしないだろ!っていうくらいの。
だから余計違和感が・・・
セリフと言えば、長セリフが多かった。それも野田さんの芝居ばりに早口だった。



そのあとの、話の流れは原作どおり

3人の魔女の予言をマクベスが聞き、まずは「コーダーの領主になる」という予言が現実になったことから、マクベスは「スコットランドの王になる」という予言も信じるようになる。
マクベス夫人は、その予言の話を聞き、夫を叱咤激励する。
ダンカン王を城に招いたマクベス夫妻は、そこで王を殺害する。従者を犯人に仕立て上げて。
父を殺された王子たちは、身の危険を感じて逃げるのだが、それで余計嫌疑がかかってしまう。
そして、予言通り次の国王にマクベスがつく。
しかし、子をもたないマクベスは、「バンクォーの子孫が王になる」という予言も現実になるのでは、と不安に思い、バンクォーを殺してしまう。
バンクォーの亡霊を見て不安になったマクベスは3人の魔女にまた予言をしてもらう
「バーナムの森が動くまでは負けない」「女から生まれたものはマクベスを倒せない」
森が動くわけない、女から生まれてないものはいない、たかをくくっているわけだけど、夫人は精神を病み、また自らも亡霊に悩まされるようになる。
そしてイングランドに亡命しようとした、マクダフを襲い、妻と子を殺す。
マクベスの暴君ぶりに民の心は離れていく。そんなときにイングランドに亡命しているマルカムのところにマクダフが行き、マクベスを倒すよう説得。そしてついにイングランド軍が攻め込む
妻子を殺された怒りをもつマクダフがマクベスを倒し、その首をマルカム王子に献上する

内容は本当にこんな感じで、原作を忠実に進めたという感じですがね・・・


もう、最後のとこですよ。
マクベスの首を全軍に掲げるということで、、、巨大な首・・・マクベスの首ね。
それが、客席に入ってきて、大玉ころがしみたいに、会場をあちこち運ばれるわけですよ。
まあ、観客がさわって転がしていくんだけど、、、
会場はザワザワして、みんなくすくす笑ってましたけど、私は唖然として、言葉が出ませんでした。
っていうか、何なの?これ?
突然、場が、小学校のお遊戯会状態ですよ。。。というより、なんかのコント?
もうね、ガックシ・・

ここまでの役者さんの熱演は何だったんだって、バカにされた気がして、
長塚さんなりの、演出意図があるんだろうけど、私にはさっぱりわからなかった。
首が回ってる時も、舞台ではなんかセリフ言ってるんだけど、もうさ、首にしか目はいかないし、、


その前の、「バーナムの森が動くまでは負けない」の「森が動く」傘の演出も微妙かな
私の席から、緑の傘が開くさまはきれいだけど。。。森には見えないんだよね。
舞台から見ればまた違うのかもしれないんだけどね。

あれさ、もう少し傘をみんなで合わせて振るとか回すとかすると、よかったのかな。
なんか、緑の傘がただ開かれただけじゃ。。。迫力もいまいちだし

そんな感じで、最後の傘と首で、がっくりな感想でした


それ以外にもいろいろと、、、

まず、役者が二役やるのは、別にいいんですけどね。
バンクォーやってた風間さんがお医者さんとか、ダンカン王だった中島しゅうさんがイングランドの将軍役でまた出てくるのはいいんですよ。
でも、衣装は違うけど、メイクも髪型もそのまんま出てくるから、正直何?あれ?って思っちゃいましたよ。しゃべり方とかもそんな変わるわけでもないし。
ちょっと前まで出てて殺された人がまた同じメイクで出てくるって??
それに、風間さんはバンクォーの亡霊でも出たりしてるから、正直混乱する。。。
もう少し二役だって、ちゃんとわかるようにできなかったのかな~
それは、客がしっかり理解しろってことなのかな。

あとね、今回、傘がポイントで、剣のかわりになっていて
殺陣とかも傘でやるんですよ。それはまあ、いいんだけど、その殺陣のテンポがね。
まあ、これは殺陣をメインにした芝居でないから、いいんだけど。。
でも、私にはもどかしい。っていうか、もっとシャキってやってよ~って思えちゃいました。
まあ、これは完全に個人の主観ですけど。

あともう1つ。。。(まだあるんかい)

これ、めっちゃ違和感バリバリだったんですけどね
魔女の予言で「女から生まれたものはマクベスを倒せない」って言ってたんですよ。
これって原作だと「女の股から生まれたものは・・・」なんですよ。
でも、この芝居では「女から」って言ってた。何回もあるセリフ、全部そうだった。

私ね、マクベス読んだとき、すげえ~って思ったのが
まあ、マクダフがマクベスを倒すとき、この日も白井さんが言ってたけど
「自分は母の腹を蹴破って」生まれたと。。。「女の股から」ではないと。
要はマクダフは帝王切開で生まれてきたってことなんだよね。この時代から帝王切開ってあったんかい??って思ったんだよね

だから、「女から生まれた」ってのはおかしいんだよね
帝王切開だって女から生まれたわけなんだから。。。って思ったんです。

原作のとおり「女の股から」って言ってれば、違和感なかったのに。。。
けっこう、ここ肝だと思うんだよね。
「女から」生まれたんじゃない人って誰??って思いません?
私が細かいのかな。。。

最後のとこ(森と首)までの演出の印象は、わりとあっさり目の感じかなあ。
たとえば、マクベスの王位への異常なこだわりも、そこまで執着してるようには見えなかったし
マグダフの復讐心もそこまでは見えなかったし、
マルカム王子にいたっては、スコットランドの王位を絶対取り戻したいようにはみえなかったし。。。
みんなどこか淡々としてるように見えた。

まあ、そんなこんなで、いろいろと微妙なマクベスだったのでした。


キャストですが、堤さんとか白井さんとか上手かったな~とは思ったんだけど、
でも、せっかくの熱演が最後の森と首の印象で、全部ふっとんでしまった。。。

あ~小松さんは王子には見えなかった。これは衣装のせいでなく、彼のもつ雰囲気が
王子って感じじゃないんだよね~
風間さんの存在感はやっぱりすばらしかった。

常盤貴子さんの演技は初めて見たんだけど、きれいだね~あと、思ったより声が出てて
上手いなって思いました。

池谷さんとか出番が少なくてちょっと残念。
あと平田さんは、存在感抜群でしたね(笑い)

まあ、こういう「マクベス」もあるんだと。なかなか斬新でしたけど、、、
長塚さんの芝居は、何回か見に行ってるんだけど、どうも私の好みとは合わないみたいだなと。
そんなふうに思ったのでした

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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2014-08-03 17:12:42
帝王切開は当時はもちろんありますよ。そもそもジュリアス・シーザーがそうやって生まれたから「帝王」切開という言葉が生まれました。

また、原作では「女の股から」とお書きになっていますが、英語の原文では “woman born” 、「女から生まれた」で合っています。「女の股から」としたのは、どの翻訳かわかりませんが、翻訳者が手心を加えた結果です。
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Unknown (もるるん)
2014-08-18 23:46:05
☆通りすがりさん
コメントに気づくのが遅れました。

不勉強のため、「帝王切開」がシーザーの時代からあったのは知りませんでした。。。なるほど、だから帝王切開なんですね。
「女の股から」は。。。訳によるんですね。

いろいろありがとうございました。
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