月刊「根本宗子」第16号公演「愛犬ポリーの死、そして家族の話」 本多劇場 2018.12.20 19:00~
ネモシューさんの公演。
直前に主演の交代があったりしましたが、無事開幕しました。
今回の芝居は、今まで何本か見たネモシューさんの芝居と、ちょっと毛色が違ったような
感じを受けました。
主人公は四姉妹の末っ子の花ちゃん。
溺愛していた、愛犬ポリーが死んでしまったことから(?)起こったあれこれを
3人のお姉さんの家庭の問題の話とともにつづっていくような物語。
ある日、四姉妹の実家に、全員(花と三人の姉とそのダンナたち)が集まった日。
旦那たちの勝手な態度や振る舞いにストレスを感じた(ほんとかな?)花の愛犬のポリーが
死んでしまう。これは自殺だと花は言う。
心を閉ざしてしまった花の前に、花が大好きな小説の作者、鳥井先生が訪ねてくる。
鳥井先生はポリーにそっくり。そして花のSNSを読んでいて、花のことをよく知っている。
鳥井先生と花は意気投合する。。。その中で、姉たちの家庭の話で盛り上がる。
姉たちの旦那は、かなりのとんでもない奴らで、威張り散らしたり、マザコンだったり、
働かないくせに浮気症だったり・・・クズ男どもなのだ。
問題は山積みだけど、結局どこの家庭も、妻たちが我慢して家庭がおさまっている。
そして花と鳥井先生は、お互いに心を通わせ、そういう関係になってしまう。
ただ、鳥井先生は、姉のダンナたちに負けないくらいのクズ男だった。
花の姉にも興味を持ち、ストーカーのごとく侵入し。。。そして姉妹とも傷つけてしまうのだ。
しかし、花は鳥井先生との関係を修復しようとする。起こっていた姉たちも認めるようになるのだが。。。
ラストがちょっとモヤモヤだったような。
家族の話というタイトルのわりに、家族がまとまっていくようなこともなく、
かといって、崩壊して終わるのでもなく、よくわからないまま終わってしまったので、
私の中で、ちょっと消化しきれてないような。
その前に出てくる、姉たちの家族のエピソードがあまりに強烈だったのと、
最後の方で、三女役のネモシューさんが、ブチ切れる場面があって、
それまであんまり感情を出してこなかったのに、これでもかと心のうちを
たたきつける様子に、圧倒されたのと・・・
そんな「動」の部分に揺さぶられてたので、ラストの「静」の感じに違和感を覚えたというのかな~
なんか、気持ち悪いって感じ?
だからといって、悪いというのではなく、ちょっと不安な気持ちで終わったのが、ある意味新鮮ではありました。
場面転換もなかなかよかったです。役者さんが踊りまくったり、ミュージカル風なことをしてみたり、
ポップな感じというのかな?いろんなセリフやエピソードが重いので、軽めの感じで
バランスがよかったなと思いました。
キャストですが、、、
花役の藤松さん・・
急きょのピンチヒッターでの主役だったとのことですが、
無邪気でピュアな感じがよかったです。すごく役に合ってて、はつらつと演じていました。
それから、村杉蝉之介さんですよ。。
鳥井先生と犬のポリーの二役。
しっかり犬でした。すごいな。
鳥井先生の何を考えているかわからない不気味な感じもよかったです。
クズ男が似合うって・・・(笑い)
そして、ほかのキャストで一番印象に残ったのは、
三女の夫の田村健太郎さん。
途中で逆切れするところとか、最高でした。
大好きな役者さんです。
皆さん芸達者だから、すごく安心して見ていました。
そうそう、なんかモヤモヤしてた、もう一つの理由は、
愛犬ポリーの死・・・ってタイトルにあるから、ポリーの話が
全編にかかわるのかなと思ったら、あっという間に死んでしまって。。。
以後、出てこないという・・これがね。ちょっと、ワタシ的にはしっくりこなかったのかも。
まあ、ある意味、鳥居先生が、ポリーの生まれ変わりだとすれば、、、
いいのでしょうかね?
ネモシューさん、2019年もいろいろご活躍みたいなんで楽しみです。
「クラッシャー女中」はチケットゲットできました!