天気がいまひとつすっきりしなかったけれど、レディースデイで水曜日に映画に行きました・・
ロケハンは10年かけて!丁寧につくられたという、藤沢周平の蝉しぐれです。
藤沢作品のものでは、監督は違ってますが「たそがれ清兵衛」も過去見て気に入った作品でした。
山形の羽黒町というところで大がかりなセットを組んで、さらに風合いを出すためにセットを1年寝かせて?風雪にさらしていたそうです。
美しい風景が心に自然と染み渡ってくるような映像ばかりでした。
四季折々の風景をゆっくりゆっくり映し出していて、雪の降り積もるシーンも印象に残ります。
おとなになってからの染五郎、木村佳乃もいいのですが、なんといっても15歳前後の頃を演じていた若いふたりの役者がういういしくてよかった。
せりふが少ない分、目で訴えていた、ふく(佐津川愛美)がかわいい。
牧文四郎役の石田卓也もその年頃の青年が持つ、清冽で不器用で一途な所がよく出ていて好ましい感じがした。
文四郎が敬愛する父親の遺骸を大八車に乗せて、家に帰る途中の坂道でどうしても車が上がりきらず、絶望感で打ちのめされそうになるところを、遠景からふくが坂を駆け下りて来るのが見える、たいして力にもならないかもしれないのに、文四郎の為に大八車を必死に押していこうとするところのシーンには堪まらず落涙・・
それとやっぱりラストシーンは、木村佳乃演じるふくが凛としながらも今迄の思いを切々と口にして文四郎も同じ気持ちだった・・というところや籠の中から文四郎を見やっているところとかも泣くまいと思いながら再び落涙・・
市川染五郎さんの事を書いていませんでした、濃いお顔がちょっと苦手なのですが、歌舞伎の立ち居振る舞いが生かされているので、さすが殺陣のシーンやお茶を頂くところなど所作が美しいと思う。
藤沢周平の本のほうは読んだことがないので、今度いちど読んでみようかな?