moimoiず だいありい

おいしいもの、ほっと和めるもの、ぶらぶら街歩き、気になってること等々の身辺雑記でしょうか・・

七月大歌舞伎

2009年07月24日 | 歌舞伎
ちょっと前になってしまいましたが今月初旬、七月大歌舞伎の昼の部へ行きました。
来年の四月末で現在の歌舞伎座での公演が終了するということで、
「歌舞伎座さよなら公演カウントダウン時計」というのが今年の5月からお目見え・・行った日は丁度あと300日になっていました。
デジタル表示でわかりやすいのもいいけど・・アナログでもいいかも?なんて思ってしまいます。


中に貼ってあってポスターを撮りました。
このあと覚え書きの意味もあって長々と書いてしまいます・・^^;
          
昼の部の最初の演目は幸田露伴作の『五重塔』でした、
世渡り下手な大工の十兵衛を中村勘太郎、その女房に中村春猿、親方の源太には中村獅堂と若手役者の競演です。
親方役の獅堂は、兄弟弟子のことを思う気持ちは強いけれども気性が激しく、
五重塔再建の件で弟子役の勘太郎と決裂してしまう様を切れよく演じていました。
勘太郎を見ていてびっくりしたのは、台詞がお父さんの勘三郎を思わせるところが沢山あってさすが親子、似てきたなぁ・・という感慨が・・・
春猿は旦那の十兵衛に何くれとなく世話を焼きすぎるくらいの女房お浪を演じていて、かわいらしいというより江戸時代のしっかり者の女房というふうで面白くもあり可笑しみも感じます。

昼の部二つ目の演目は泉鏡花作、玉三郎が演出している『海神別荘』
いままで洋装の歌舞伎は見たことがなかったので、どういうふうになっているのかとても興味がありました。
舞台も竜宮城さながら、海の底を思わせる空間に・・
美女演じる玉三郎の登場場面は、龍に乗りゆらゆらと深海をたゆたうように進む様が幻想的です、ハープの演奏も優雅でした。
腰元たちの衣装も、着物をちょっとアレンジしてドレス風にしてみた・・というニュアンスのデザインで楽しい感じ。
宮殿の公子(こうし)は市川海老蔵、マントをひるがえし黒ずくめのバレエを踊るようないでたちは一筋縄ではいかない存在感ある王子(この衣装が着られる人は限られそう^^;)という雰囲気が出ていました。台詞ひとつひとつ力強く、よく響く声はオーラを発していました。
海神別荘・・歌舞伎という枠の中には入らない、また違ったものであるということがわかりました。
この舞台と夜の部の天守物語は、観客により近くに感じてもらいたいということで通常より3メートルほど前に芝居をもっていけるようにしていたそうで、玉三郎のこだわりのある舞台づくりになっていたようです。
          
上演の合間に座席からパチリ・・
3階西列という座席はリーズナブルということもありますが、階段状なので他のお客さんに気を使わない、舞台からも一応距離が近い、ということもあり何度かこの席付近を取っていますが花道は全く見えない席です^^; 同じ3階でも花道が見渡せる東席は優先販売枠?でどうやらいつも早々と席はなくなっているいるような気がします。
右は2階からロビーを見おろしたところです、そろそろ午前の部を見た帰りの人たちが少なくなってきた頃です。
だいたい観劇が終わったあとも歌舞伎座内をブラブラと見ていることが多くいつのまにか時間が経ってしまいます・・


観劇後、歌舞伎座の裏側を通って少し遠回りして帰ることが多いのですが、その時にいつも塀越しから見える歌舞伎稲荷大明神の幟を見ると、公演が始まる前などにここに来てお参りする歌舞伎関係の方も多いのだろうな・・と思ってしまいます。
        

おまけです・・
歌舞伎座を出た後はどこでお茶しようかな・・?と考えながら歩くのも楽しいです。
家族も自分も今まで一度も資生堂パーラーに寄ったことがない・・それでは・・ということでカフェのほうに寄ってみましたが、週末というのもあったかもしれませんが混んでいて席が空くまで少し待ち時間がありました。
左のはマンゴープリンとお米のアイス、それに大葉の翡翠ソース添えてありましたが、カップに渡してあるクッキーの上にベリーが乗っているのがキュートでした。
家族が頼んだのは7月限定の岐阜県産のブルーベリーパフェ、一番上に乗っていたブルーベリーの粒の大きいこと!
紅茶は差し湯が冷めないようにキャンドルで温められているのには嬉しくなってしまいました。
        

パーラーの裏手の7丁目には資生堂が経営するフレンチレストランのロオジエが、そしてその隣には本社ビルがあり、行った時は休館でしたがハウス オブ シセイドウといって銀座やお化粧の文化についての資料や書籍が自由に閲覧出来るライブラリーが2階にあるそうです。
               
銀座界隈に行くとついあちこち歩いてみたくなります・・

七月大歌舞伎 昼の部千穐楽

2008年08月09日 | 歌舞伎
先月31日に行った歌舞伎なので少し時間がたってしまいましたが、覚え書きという意味も込めてアップしています。
初めて歌舞伎座でその月に催される一番最後の日・・千秋楽(千穐楽)の昼の部に行ってきました。

歌舞伎座の前は「御禮本日千穐楽」の垂れ幕がかかっていて場の雰囲気がざわざわといつも以上に賑やかで華やかな感じが漂っていて、ちょっとうきうきしてしまうような感じです。
それに市川海老蔵を今回初めて見るのもあり、宙乗りもあるという点でも楽しみでした。
 

演目は義経千本桜で源九郎狐を中心に「鳥居前」「吉野山」「川連法眼館(かわつらほうげんやかた」の構成になっていました。
源義経(市川段冶郎、門之助)が宮中から拝領したという「初音の鼓」を静御前(市川春猿、坂東玉三郎)に渡します。
静御前がこの鼓をうつたびに、佐藤忠信に化けた源九郎狐が現れるのですが、じきに本物の忠信が現れ、偽の忠信は一体何者なのかと詮議されることに。
実はこの初音の鼓は親ギツネの皮が貼られていたということで、源九郎狐は親への思慕の念に駆られてこの鼓の前に姿を現したのでした。

ポスターにもなっていた「吉野山」の場面、海老蔵と玉三郎の舞も美しく、三味線、義太夫の竹本の演奏は力強い感じです。
「川連法眼館」では、宙乗り狐六法相勤め申し候・・と案内に記載されていました。
歌舞伎の狐の衣装は真っ白な毛の狐をあらわす独特な衣装、動くたびにふさふさと一本一本の毛が動くようになっているので、余計に躍動感が・・
 

座席は西側の席で、花道が見えないなぁ~・・でも舞台からの距離感がわりと近いし、ツケ打ちの人がよく見えて面白いといえば面白い・・席についてから、もしかして西側の席は宙乗りの海老蔵が間近に!?と気が付いてからはかなり楽しみな席へと変わったのでした^^; 
右の写真は舞台から離れた外側の廊下で、2-3階は一部吹き抜けになっています。
          

衣装の早変わりやら、思いがけないところからの登場、仕掛けが様々に掛けられています、最後は宙乗りで3階客席の奥に花吹雪とともに消えていく・・というなんとも歌舞伎こそ!のケレンたっぷりな演目でした。
海老蔵はよく通るろうろうとした声と、好き嫌いを超えてカリスマ性をまとった役者で華がある人だと・・。
化粧も汗で流れてしまいそうな熱演で、千秋楽を突っ走った感がありました。
最後にまかれた花びらを拾い集めていた方が結構いらっしゃったので、私たちも思わず拾って帰りました。

歌舞伎座の回りをぐるりとまわって昭和通りのほうに抜けて銀座方面に出ることが多いのですが、この日は千秋楽だったので、昼の部で使っていたと思われる桜の木の絵を板に描いたものが無造作に塀に立てかけてあったのが外から見えたり、敷地内に歌舞伎稲荷があるので幟がはためいているのが見えたり、裏側の出入り口があってそこから仕事がいったん終わったばかりと思える大道具や小道具や舞台を支えている人たちが出入りしていたり、たまに夜の部の練習であろう楽器の音が聞こえてきたり・・歌舞伎を支える方たちの様子が建物を出た後にも感じられるので嬉しい。
三味線屋さんも店を構えていて、右のポスターはそこの店先に貼ってあったものです。昭和通りに出ると、歌舞伎役者さんたちの出入りする楽屋入り口があり、通りに面しているので、きっとお目当ての役者さんの出待ちのファンが沢山いることもありそうです。
  
覚え書きといいながらまたぐちゃぐちゃ書いてしまいました。

四月大歌舞伎 昼の部

2008年04月16日 | 歌舞伎
久しぶりでしたが歌舞伎座の昼の部へ行きました。
席は3階席、しかもいちばん最後列でした!これにはびっくり!ネットで発売初日に購入したのですが、春休み期間だったし会員でもないし一般で買ったとはいえ、購入しやすい席は人気がある、ということですね・・
最後列のすぐ後ろには低い仕切りがあって一幕見の座席のある方が続いているので、なんというか・・面白い席かもしれません。


昼の部、演目は
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香
二、熊野(ゆや)
三、刺青奇偶(いれずみちょうはん)

一では、中村時蔵が美しく八重垣姫を演じていて衣装も目に鮮やか、武田勝頼の中村橋之助も爽やか。

ニでは、平宗盛と愛妾である熊野を片岡仁左衛門、坂東玉三郎のふたりが演じ、能をもとにした優雅な長唄舞踊を魅せてくれた・・という感じです。侍女の朝顔の中村七之助も楚々とした佇まい。
ちょうど花見の頃と同じく舞台上では桜がはらはらと舞い落ちる場面になっていました。

三では、台詞が現代調になっていたので、一、二に比べても筋を追うのがかなり楽でした(一、二は台詞の意味を理解するのが難しいところがあり、いまいちな体調と睡眠不足がたたって^^;目をつぶってしまったときがかなりあり、もったいなかった~~と今でも思っております(> <))

博打に身をやつす半太郎(中村勘三郎)に尽くす妻のお仲(玉三郎)、病に取り付かれてしまったお仲がただ一つ心配することは半太郎に博打をやめてほしいこと・・
お仲が半太郎と出合ったときは、ふらふらとした投げやりで蓮っ葉な酌婦を演じていましたが、お可笑みの中にも寂しさが出ていてかわいらしいとも思ってしまいました。後半、病の床に臥しながらも一途に半太郎を想う様は健気で見る者をそらせませんでした。勘三郎も生き生きとめりはりよく、時には会場を笑いの渦にしたりほろりとさせたりと楽しめました。
それにしても今度行ける時は、もっと体調に気を使ってしっかり見られるようにしたいです・・

幕間で食べたお弁当も載せちゃいました。
日の出寿司のお弁当、手鞠寿司が食べやすいのですが、今回は穴子といろいろな種類がはいっているものにして、少しだけ取替えっこしながら^^;いただきました。
            

帰りにはちょっとした甘いものとお茶を飲むのが楽しみになってしまいます。
銀座松坂屋の地下にある落ちついてしまう茶房「慶茶」、京都の福寿園プロデュースの日本茶カフェとのことで、近辺ではららぽーと横浜の大丸フードマーケット内と渋谷西武A館にもあるようです。
         

石臼挽き抹茶をふんだんに使用したという濃厚抹茶ゼリーと、さくらの香りもほのかなさくらゼリー頼みました。
お茶は冷煎茶、玄米茶、ほうじ茶、煎茶、玉露の中から選べるので、玉露とセットにしました。
夏場は黒蜜がけほうじ茶氷・・というのがあるそうで、これもかき氷の季節に味わいたいなぁ、なんて思います。
           

歌舞伎座へ行くのも嬉しいし、その帰りに銀座をついウロウロするのも楽しいひと時です。


二ヶ月に一度の歌舞伎座?

2006年04月22日 | 歌舞伎
 
歌舞伎座で4月は25日までやっている4月大歌舞伎の昼の部へ、4月第二週の週末になりますが行ってきました(ちょっと前までだいかぶき・・と読んでました、おおかぶきだったんですね^^;)

2001年に亡くなった不世出の女形六世中村歌右衛門の五年祭ということで、歌右衛門ゆかりの演目が並びました。

[一] 狐と笛吹き
今昔物語のエピソードを元にして書いた作品だそうですが、せりふやテンポが現代と同じ様なのですごくわかりやすく、また切ない童話のようなお話しになっていました。
亡妻とそっくりな女性、ともね(中村福助)に会い、すっかり心奪われてしまった笛の楽人の春方(中村梅玉)、実はともねは以前自分が助けた狐が化けていた・・その事実をともね本人から告白されても、既に深くともねを想っていたので心変わりせず、ふたり仲良く暮らしていきますが・・

福助はいつもながらしっかりとしながらもかわいらしさがある女形でした。
春方演じる梅玉は、声がよく通るし力強い感じがします。
最後は悲しい結末ですが、きっとふたりは死後の世界では仲良く暮らしていけるんだろうな、と思わなければ寂しい感じがします。

[二] 高尾
大正9年生まれ(今年87歳?)というから驚いてしまいます。中村雀右衛門さん(写真はちょっと前のもののようですが・・)、初めて見ました。
足裁きはさすがにあまり目立ちませんが存在感が・・
名高い遊女、高尾太夫が荻江節にのせて独りの舞を披露します。太夫特有の前に締めただらりの帯が目を引きます。
舞のしぐさのひとつひとつに意味があっても、なかなか意味がわからなかったのですが、今回初めて娘と二人してイヤホンガイドを付けて鑑賞したのでさすがにわかりやすかったです。(ただ音響効果でいろいろな音や音楽が出るときには、説明の方の声が音と重なって聞き取り辛くなってしまうところがあるのが残念!)
家のために泣く泣く苦界に身を沈めたことや、好きな人が来る時の心境などを表現していたり、哀しく無念の想いが強い舞になります。

[三] 沓手鳥狐城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
坪内逍遥の作で、豊臣方と徳川方の戦い、大坂夏の陣での場面になります。
中村橋之助の長男の国夫くん(10歳)が、敵を相手に長刀を振り回したり、最後は結構高い階段から転げ落ちたり(階段落ち?)と奮闘していました。ぷくぷくしててかわいらしい体型の元気な男の子だなぁ~、と思ったりしましたが。
秀吉の側室であった淀の方(中村芝翫)の狂気に陥って錯乱する様が鬼気迫ります。
そんな状態の母を見て嘆き悲しみ、どのような恥辱(徳川に降伏すること)も母上にはかえられない、という息子秀頼(中村勘太郎)の母を思う姿が健気だしりりしい。

[四] 関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)
近松門左衛門の浄瑠璃をもとにしたという舞踊劇になります。
この演目の中で襲名披露があり、六代目中村玉太郎改め松江、その息子玉太郎(五歳)の初舞台のご挨拶があり、その場面は和やかな場になりました。挨拶する里の子に扮した玉太郎ちゃんの言葉遣いもしぐさもほんとかわいらしいこと!

この演目は登場する役者も多く、名だたる役者が勢揃いです。平将門の子の良門に片岡仁左衛門、源頼信に尾上菊五郎、土蜘蛛の精になった中村魁春や、里の男に扮した中村吉右衛門など。

土蜘蛛の魁春は隈取もメリハリのついたかなりくっきりしたもので、舌をべ~っと出す場面もあり、その舌が真っ黒な色に塗られていたのにはどきっとしてしまいます。蜘蛛の糸をあちこちに張り巡らし仁左衛門や菊五郎も蜘蛛の糸に絡められ三人で見得を切り、舞台に立つ様は本当に計算された美というのも感じられて豪華で見栄えがします。

4月もかなりクセ?のある席で鑑賞^^; 今のところはなぜか二ケ月に一度の歌舞伎座通いになっていますが、今後はどうなることやら・・?です。

またまた、覚書みたいな意味もありつい長くなりました。
最後まで読んでくださった方には感謝です・・

2月の歌舞伎座、昼の部へ・・

2006年02月26日 | 歌舞伎
  
今日は2月大歌舞伎の千秋楽になりますが、先週末今年初めての歌舞伎座へ行きました。

一番目の演目は「春調娘七種」(はるのしらべむすめななくさ)
中村橋之助らの舞踊劇。中村芝雀の水色が効いた蝶の柄の着物が艶やかだし、足の運び具合が滑らかで、す~っと後ろからひっぱられてるのかと思うようなところがあったり、中村歌昇ら場面場面で衣装の肩を抜いて下に着ている着物の色あいを見せたり、袂の柄を見せたりと目を楽しませてくれます。

二幕目は「一谷嫩軍記」(いちのたにふたばぐんき)
源氏と平家の戦いにまつわる話になっています。源氏方の熊谷直実(松本幸四郎)が平家方の平敦盛(中村福助)と戦うも、敦盛は直実に追い詰められてしまいます。
かたや直実のほうは、追い詰めた敦盛が、息子と同じ年頃と知って悩み苦しむ様が見ていて心に迫ってくるものが。
悩みながらも敦盛の首を刎ねたそのときに、敦盛を慕って深傷を負いながらも探しに来た玉織姫(中村芝雀)は変り果てた敦盛を見てそこで絶命してしまいます。
亡くなってからやっとふたりになれた敦盛と玉織姫を直実は川にふたりの亡骸を流していく情景は無情とやるせなさを感じる所です。
ところでこの「一谷嫩軍記」にはそれぞれ敦盛と直実が馬に乗って出てくるシーンがあるのですが、馬の足が人の足そのまま(タイツ?みたいなのははいてます)なので娘とすっかり和んで?見てました・・

三幕目は「浮塒鴎」(うきねのともどり)
恋仲の若いふたり、浅草の大きな商家のひとり娘お染め(尾上菊之助)と丁稚の久松(橋之助)、その二人とたまたま隅田川の近くで会った女猿曳(中村芝翫)とのやり取り、心中しようかとあぐねている二人をなんとか取り成そうとする・・という筋立てです。
芝翫と橋之助は親子共演になります。後ろで三味線などをひく清元の方々の調べが粋。
そしてなにより80歳近くなる中村芝翫さん!なぜか娘がTVで素顔の芝翫さんを見てすっかりファンになってしまい、今回初めて芝翫さんを見る事が出来るとすごく楽しみにしてました。
人間国宝にもなっている方で、昨年末は体調不良で休演した時期もあったので心配していましたが、すっかり回復して元気な姿を見て安心したようです。
そして菊之助、いつ見てもかわいらしいく華やかな女形を演じていて舞台がぱ~っ!と明るくなるようです。

四幕目は「極付幡随長兵衛」(きわめつきばんずいちょうべえ)
上映している舞台に酔客が花道に乱入して一時中断になる大騒ぎを起こします。
導入部分でこの花道でのやりとりが多かったので、座った席からは花道が見えないので音やセリフで楽しんで?いました。
             
その騒ぎを鎮めたのが義理人情に厚く任侠家の幡随長兵衛(中村吉右衛門)
そしてその様子を見ていて長兵衛と普段から敵対していた旗本の水野十郎左衛門(尾上菊五郎)は腹の虫が収まらず、長兵衛を自分たちの屋敷に呼び出します。
長兵衛の女房役お時(坂東玉三郎)、女房役で眉が無く地味な色合いの着物で出てきますが、やっぱりじ~っと見つめてしまうさすがの存在感が!
このまま水野の元に出向いていけば、もう二度と家に戻ることが出来ないと察しながら残された者のことも案じ、後のことを弟分の権兵衛(市川段四郎)へ託します。
そして潔く水野の元へ単身向い、屋敷に着いてからも殺される覚悟がついているかのような落ち着いた堂々とした振る舞いに男気が感じられるところ。
こういう親分的で、弱きを助け強きを挫く役は吉右衛門さんにすごくぴったりきています。

今回は3階西の席で舞台には距離的にはかなり近くなりましたが、高さが在るぶん死角が出てきてしまうのは仕方なかったです。
でも緊迫した場面や見得を切るときに、舞台の上手の床の上に置いた板(付け板)を拍子木で打って音を出す("つけ"というそうです)所作がすっかり見えたり舞台袖口あたりが見えたりとちょっと楽しい発見があっておもしろい席ではありました。

それと初めてWEB予約したので、歌舞伎座の前のチケット発券機で、決済したクレジットカードを差し込んだらするするとチケットが出てきたのでちょっと拍子抜けな感じがしたのは否めません。
それに窓口で買うと一緒に行く娘は学割がきくので、WEBではそれが出来ないのもちょっと残念かなぁ。

十二月大歌舞伎(昼の部)、な・なんとか見に行けました!

2005年12月20日 | 歌舞伎
   
今月行きたい、行きたいと思ってた歌舞伎座の十二月大歌舞伎をやっと見にいけました。

昼の部で一幕目は"弁慶上使(じょうし)"、中村橋之助演じる隈取も鮮やかな弁慶が、両手に自分が討ち取った首を抱えている所が何とも言えない・・そのうちの一つの首は娘とは知らずにあやめてしまった首だったのだから。
娘の母演じる中村福助の嘆きが、哀しい・・昔一度だけ契った弁慶との間に出来た娘が初めて父親にやっと会えたと思ったのに・・という思いと悔しさと・・

二幕目は中村勘太郎・七之助演じる想像上の獣である"猩々(しょうじょう)"の舞踊、酒が好きな獣ということで、二人かわるがわる酒の杯を、時には扇子を杯代わりにしてくるくると小刻みに足を運び反転しながら酒を飲んでいく様がおもしろい。
"三社祭り"も勘太郎・七之助が隅田川を拠点にする漁師を演じ、生き生きと踊り舞う様が見ていて楽しくなる。
今、旬のこの二人の兄弟が出てくると場が生き生きと活気づくし、わくわくしてしまう。

三幕目は"盲目物語"で谷崎潤一郎の同名の小説をもとにして作ったものだそう。
今回、中村勘三郎が舞台上に長く居る演目を初めて見たけれど、勘三郎のセリフはかなりわかりやすい!と思ってしまった。
今回の役が(二役で盲目の弥市と豊臣秀吉を演じてます)現代のことばのリズムにかなり近いからでしょうか?谷崎作というのもあるのかな~?
弥一(勘三郎)が物乞いをしていくような暮らしに落ちぶれてしまっても、自害してしまったお市の方を(玉三郎)ずっと心の中で大事な人として思っていく様が心を打つ。
最後の場面でお市を思い出しながら、弥一が唄いながら三味線を弾いていると、もう居ないはずのお市が昔そうしていたように、やはり琴を弾きながら和唱している姿が浮き上がってくるように見える。静かに場面が暗くなっていっても弥一の歌う声が聞こえながら終わっていったのにも余韻が残った。

というふうに今回もやっぱりやっぱり行ってみてよかった!
いつも一緒に行くのは娘ですが、同じ趣味?になりつつありちょっと嬉しい・・

チケットも性懲りもなくWEB上で予約していかなかった(出来なかった)ので(今回WEB上では三階席完売)かなり危なかったですが、まとまった人数の当日キャンセルが出て無事見ることが出来ました^^; 係りの人の話しによると稀な例とのこと!
次回は必ずWEB予約しよう・・(もしかしてスリルを楽しんでるというわけでは・・ないです、日にちが決められないだけ・・)

10月大歌舞伎・昼の部も盛り上がってました!

2005年10月27日 | 歌舞伎
26日が千秋楽でしたが、週末に歌舞伎座へまたまた娘を連れて昼の部へ・・

今回は遅刻せずに11時きっかりから見ることが出来てよかった!
でも、またしても当日に券を購入したので、席がほんとになくなりそうで危なかった・・三つしか席がなかったし、席も前後で別れてしまった(一番良い席はさすがにまだ残あり)
なんかいつも危ない橋を渡ってるかも(大げさだな・・)さすがに次回は予約しよう!と思わざるをえなくなってきた^^;
3階席は手軽な値段なのでいつも人気なんだものね・・
                 

演目は昼の部は二つあり「廓三番叟」(くるわさんばんそう)と、六場面に分かれた通し狂言「加賀見山旧錦絵」(かがみやまこきょうにしきえ)だった。

最初の「廓三番叟」の方は、20分という短さだったけれど、廓というだけあって衣装が艶やかで舞を踊る姿にも華があって目を楽しませてくれる。
新造(太夫より位が下の若い女)に市川亀治郎、空色の着物が若々しく踊りも小気味良い、太夫に中村芝雀、堂々とした踊りに安心感が・・太鼓持には中村翫雀、楽しげな雰囲気が出ていてユニーク。

続いて幕間を2回挟んで正味2時間位ある、女忠臣蔵とも呼ばれている「加賀見山旧錦絵」がはじまった。
いつもながら初めて見る演目ばかりなので、なんだか長いし見る前はちょっとどうなんだろう~?と不安だったけれど、そんな心配は杞憂だった!

今回悪役になるお局さま・岩藤に尾上菊五郎、憎々しさも充分感じさせながらも、せりふの中に度々笑わせてしまうようなユーモアを感じさせる。
その岩藤に目の敵にされている中老(局の下の位)尾上に坂東玉三郎、やはり出てくるだけでさすが!場面が引き締まる。
その中老尾上を慕っている召使お初に尾上菊之助、すごくひたむきな感じが出ていてよい、これからも楽しみな感じの役者さん!

小気味よく進むところは進み、哀しく情感に訴えるところもあり・・と見ていて飽きさせない。
口上とか何を言っているかわからないところももちろんあったけれど、流れをつかんでいれば大丈夫・・
主人尾上が、岩藤から濡れ衣を着せられた汚名を濯ぐ為に自害してしまったのを、虫の知らせで急いで帰って来たにも拘わらず、すでに息絶えてしまっているのを見たお初の嘆きが涙を誘う・・
それからのお初の奮闘ぶりが、主人尾上のためだけを思ってやっていることがわかる、見ていて健気。
番傘?を持った岩藤と刀を持ったお初の立会いのシーンも華麗で思わず身を乗り出してしまった。

一体どうなるんだろう、と思わせていて最後はお初が仇を討ち、すとんと落着するという形に無理なく持っていって、観客も拍手喝采で終わることが出来て胸がす~っとする・・

菊五郎・菊之助の親子共演と玉三郎が立女形ということもあったりで役者も揃っていたし、やっぱり10月も人気の歌舞伎座なのでした・・

八月の歌舞伎座も盛り上がってました!

2005年08月28日 | 歌舞伎
                

夏休中に一回は歌舞伎座に行きたいね~と娘と言っていたのですが、この前の平日にやっと行ってきました。

八月納涼歌舞伎(8/28日迄)ということで、午前11時開演の第一部を見てきました。
チケットは事前に取っていなかったので、また当日手に入れるつもりで行きましたが、ガ~ン!この前の6月に行ったときと様子が違っていて人が湧いているのです。歌舞伎座のまん前に観光バス仕立てでやってきた銀座のジュエリーショップのロゴが入ったバスが横付けされて、バスからマダム?達が次々と降りてきてたり、何々会という受付の小机が出てお土産を渡してたりと明らかに人出が多いのです。

それに演目にはベテラン勢から新進気鋭の若手まで、バランスよく出演しているので人気があって当然なのでした。
あと10席しか残ってない!と言われた幕見席に滑り込み、(一等席なら空いていたそうですが、あとは幕見を残して全て完売!)休憩を挟み2時間以上!立ち見になってしまいましたが、それがあまり苦にならないくらいおもしろかったのでした。

一番目の演目は「祇園祭礼信仰記 金閣寺」
雪姫演じる中村福助のあでやかなこと。歌舞伎では三姫といってかなり難易度の高い演目になるとのこと。降り落ちる桜の花びらを足で寄せてねずみの絵にする所が、縄を掛けられていて手が使えないというのもあって必死の状況なのにかえって愛らしく思えてしまう。
その美しい雪姫を捕らえ苦しむ姿を見て楽しむ、敵役の松永大膳役に坂東三津五郎、
絵師である雪姫の夫は中村勘三郎。やはり縄を掛けられ囚われているところの場面しかお目にかかれずちょっと残念!この後の二部、夜の三部に連続出演なので仕方ないか・・
染五郎は涼しげな印象でいい役回り。

二番目の演目は「橋弁慶」
ご存知、京の五条大橋で弁慶と牛若丸の有名な戦いの場面。
旬な役者が二人揃ったから、この演目は得に若い女性客が幕見席に増えたような気がしたりして。
隈取をして実際より大きく見えた迫力満点の弁慶演じる中村獅堂、大長刀を自在に使いこなし見得を切るところは、おぉ~、獅堂頑張ってる~!
変わって白っぽい装束に身を包み、女性にも思える神秘的な雰囲気さえ感じる牛若を演じるのは中村七之助。素足で軽々と身をかわし橋の上にひらりと身を移すところは見事。

三番目の演目は「雨乞狐 野狐の五変化」
野狐になったのは中村勘三郎の長男である勘太郎、父親勘三郎が同じ演目で評判を取ったものに、勘太郎が初挑戦。いろいろな人物に早変わりしていくさまは見ていて楽しい。踊りも切れがあり勢いもあり、最後の場面で煙の中からもとの白狐に戻って空中に跳ね上がってくるシーンには思わず皆拍手!

という感じで、どの演目もそれぞれに見ごたえがあって興味深かかったのでした。

帰りに急な雨に降られ雨宿りに軒を借りた処が、たまたま知らなかったのですが、とても素敵な手ぬぐい屋さん(歌舞伎役者の手ぬぐいもあり!)の大野屋さんでした。
ちょっとおもしろい手ぬぐいがあったので、ほしそうにしていた娘に買ってあげました(笑)
縁起物とかの柄は、手ぬぐいサイズ専用の額もあるので、飾るのも粋な感じです。
下の写真は「かぶり色々」と書いてありいろいろな結び方が絵柄で書かれていておもしろいな~。
            

間があいた二回目

2005年06月06日 | 歌舞伎
今日は十数年ぶりだろう?って言うくらいです、2回目の歌舞伎の観劇に行ってきました。
というのも以前から娘に「歌舞伎に連れてってよ~!」というご要望があり、今日は平日でしたが学校が体育祭の振り替え休日だったので、自分も休みを取って^^;行ってみたのでした。娘は初の歌舞伎でした。

"6月大歌舞伎"ということで、昼の部は11時から演目はありましたが、実際は12時半位からの鑑賞になってしまいちょっと残念!それも前々からチケットは取っていなくて、当日窓口で買い求めるというやり方で歌舞伎座に行ってみました。

3階席ということで本当は通の人が、大向こうから掛け声をかける・・という感じで「~~屋!!」という声が沢山飛ぶ場所を(気軽な値段なので選んだのですが)取ってしまいました^_^;舞台からかなり席は離れてるんですけど、舞台全体が上から見渡せるという感じでしょうか?(でも私たちの席はかなり後ろだったので、花道が途中までしか見えずちょっとやきもきしましたっけ)それなので掛け声をかけるおじさんたち?がまわりに沢山いて、うぁ~!っ思ったのでした。
播磨屋(中村吉右衛門)、高麗屋(市川染五郎)、松嶋屋(片岡仁左衛門)の声が飛んでいて、盛り上げてるぞぉ~っていう雰囲気がよかったです。きっと歌舞伎役者の方も見せ場でタイミングよく掛け声が掛かると気分がいいんだろうな~。

途中から見た演目は"素襖落"(すおうおとし)でした。舞台上で足をトントンと音を出しながら踊っている様はまるで軽やかにタップを踏んでるみたいに思えて一気に引き込まれてしまいました。それに観客の方達がよく笑っていること!あ~いいなぁ、とその時に思ったのでした。

次の演目は"恋飛脚大和往来"(こいびきゃくやまとおうらい)でしたが、飛脚(市川染五郎)と遊女(片岡孝太郎)の悲恋物語で心中物になっていました。もちろんこの二人も悲しい結末になることは予想がつくのですが、遊女梅川と飛脚忠兵衛の父親(片岡仁左衛門)との優しいやり取りや、忠兵衛と父親との再会の喜びと悲しみや、もうこれで二度と会えないと思いながらも、明るく父親は手を振りながら雪の中をいく二人を見送っていくシーンとかを見ていたらじ~んときてしまいました。気が付くと周りの方も泣いていました。
それと最後のシーンの雪景色が美しく、まるで本当の雪が降り積もっているかのように見えて余計印象深い情景になっていました。