旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

若井晋君と37年ぶりの再会

2011-11-03 20:33:05 | 交友

人生っていいな。特別にそう感じた一日でした。

きょうは北海道在宅医療推進フォーラムを開催しました。札幌市医師会館は超満員。800名近くがかろうじて入場。100名くらい入り口で断ったとか。

なぜ多くの人が集まったかというとテーマが人を引きつけたため。

特別講演は若井晋(すすむ)克子ご夫妻でした。晋さんは東京大学の国際保健学の教授をしていた54歳のときに、急に漢字が思い出せなくなったことで、記憶障害に気付きました。相当な葛藤の日々があったようです。

5年後、診断を告げられ東大を退官。沖縄で療養もされました。2007年手稲渓仁会に勤務していたご子息が結婚されたときに札幌を訪れ、交通事故にあいます。札幌で療養していた時にクリスティーン・ブライデンさんの講演を聞き、アルツハイマー病を公表するに至ります。

きょうは夫妻の歩みを静かに語られました。現在要介護度3.生活は口論も多いけれど、過去と決別し、シンプルになり、なお希望を持って生きていることを語られました。ほとんどは克子さんが説明されました。

ぼくが新潟の大学を出た後、上京して若井晋君と出会いました。彼は東大医学部の6年生でした。同年齢なのですが、東大は闘争のため1年卒業が延びました。卒業後は新宿厚生年金病院で研修されました。毎週日曜日高橋三郎先生の無教会集会に通ってました。

克子さんは晋君にただならぬ熱情を抱き、幸せな結婚をされました。晋君は研修修了後、脳外科に進み、独協医大の脳外科教授も務めました。その後、国際保健教授となり、プライマリ-ヘルスケアの実践家であり、研究者でありました。

11年間アルツハイマー患者であり続けることが奇跡です。夫婦愛の極みです。

彼には笑顔があります。若いとき、自分に厳しく、頭の切れる論理の人でしたが、今はやさしい笑顔の人です。きょうも、音楽に合わせて腕を振り、指を操ります。講演の最後につぶやくように言いました「私は私だ」

 

 



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