旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

医学教育学会特別会員

2012-07-27 22:43:25 | 学会活動
ゆうべ飛行機に乗ろうとしたときに学会参加費を現金で持ってないことに気づきました。

けさ改めて抄録集を読んでみると参加費は1万円です。ぼくのサイフには6千円しかありません。カード払いか後払いか、なんとか受付でお願いしてみようと東急多摩川線蒲田駅から電車に乗りました。

蒲田駅からは多摩川線だけでなく、池上線も出ているのです。西島美恵子の「池上線」はぼくにとっての名曲のひとつです。思い出は・・・。

池上と言えばぼくの親父は池上鉄工所で働いていたと聞かされていました。ぼくが生まれる前の話ですが。

学会参加費を払う現金がない。では何かを質に入れて現金をゲットするか。金を盗むか。サラ金に手を出すか。電車の中ではお金のことで頭がいっぱいです。

金、金、金。現金がなければ学会場に入れてもらえない。せっかく上京したのに、このまま北海道にもどるのか。

そうだ。コンビニのATMなるものはどうだろうか。そうだ。そうだ。現金が手に入るかもしれない。ゆうちょ銀行のキャッシュカードは別のカバンに入れたままおいてきてしまいました。

多摩川駅で乗り換え、日吉駅でおりました。慶応大学はどんと構えていてすぐわかりました。コンビニのATMを見つける前に身体は会場に吸い込まれていきます。

コンビニがみつかりません。カードで会費を支払うしかないと涙ながらに受付嬢にすがろう。もしかしたら、誰か助けてくれるかもしれない。

「今回、学会の特別会員に推戴された前沢と申しますが・・・」おそるおそる泣いてすがる準備をします。もう相手がお嬢さんか、おばあさんか分かりません。

「特別会員の方はあちらです」なんと受付が別の場所です。「あのう。でもぼくは、きょうの総会ではじめて推薦されて、みなさんの賛成があれば決まりますが、まだ、あの、特別会員でないのです」もう涙目になりつつあります。

あっちへ行けというからには行ってみるしかありません。

あっ、きょうはあの学会の報告は書けませんで、明日になります。

特別会員・名誉会員受付嬢は「少々お待ちください」と名簿でぼくの名前を探してくれました。なかなか見つかりません。きょう総会で決まるのですから、朝の受け付けは参加費を払わねばなりますまい。まだ正式の名簿には名前はないはずです。しかたない。総会だけ参加すればいいのだな。「ああ、そうかい」と帰りかえたとき、呼び止められました。

「前沢政次という名前がありました。でも本当にご本人ですか?」うーん。なんで俺が疑われるのだ。そんなに特別なのか? 俺は。何が特別なのだ。顔か? 頭か? この肉体美か? とだんだん頭に血が上ってきます。

所属は「京極町国保病院で間違いありませんか?」

いや違う。国保シンリョウジョだ。じゃ帰る。そんな気持ちを抑えて「そうですそうです。ぼくです」といやしい声で答える。

「あのう。参加費はどうなるのでしょう。年会費は払わなくてよいと書いてありましたが、参加費は半額とかサービス込ですか?」

なんと! 参加費はこの大会から無料でした!

あんなに悩み、落ち込んだのが遠い昔のようです。

ここで名札にご自身で名前を書いてください。

えっ。まだ疑われているの。何が特別なのだ。禿か。メガネか。金がないということか。


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