凡々たる、煩々たる・・・

タイトル、変えました。凡庸な人間の煩悩を綴っただけのブログだと、ふと気付いたので、、、。

とにかく、何でもあり、だし、、、。

2016-06-13 19:08:29 | ハラスメント
モラル・ハラスメントの特徴の一つかもしれないが、
ターゲットになってしまった人以外にはわかりにくい場合がある。

他の人には「いい人」のように見えているので、
ターゲットになってしまった人だけが、相手の攻撃性を見ているために、
他の人に理解されない。
理解されないだけでなく、「攻撃された」ということを他の人に訴えると、
訴えた方が「被害妄想」であるように誤解されたり、ということも起こる。
つまり、DVと一緒で、ハラッサーは、攻撃する相手を選んでいるのだ。
被害者の方に問題があるように受け取られたりするのも、
DVという概念が流通する以前の世間の受け取り方に似ている。

要するに、
たとえ、自分がターゲットになっていないとしても、
被害を訴える人には、まじめに向き合うことだ。

ずいぶん以前のことだが、行政で電話相談を受けていたとき、
ある高齢者団体の世話役(60歳代の男性)からセクハラされた、と、
80歳代の女性からの訴えがあった。
正確には、その80歳代の女性の娘さんが、電話をかけてきた。
母親は、そのことがあって以来、鬱のようになり、外へも出なくなった。
娘さんがその60歳代の男性の家に電話をかけて、
その妻に事情を訴えたが、
「うちの夫が、そんなおばあさんにセクハラするわけないでしょ!」と、逆に切れられた、とのことだった。
まぁ、その反応もわからなくはない。
母親をかわいそうに思うその娘さんは困り果てて、電話相談をしてきたのだった。
私は、その高齢者団体は行政が把握している団体であることを知って、
庁内つながりで、行政の高齢者担当の顔見知りの職員にその団体の仕組みを尋ねた。
その職員は、すぐにこうきいてきた。
「そのおばあさん、ぼけてない?」

80歳代の女性が、60歳代の男性からセクハラされた、というような訴えが、
こうした反応を引き出したのは意外ではなかった。
「ぼけてるかどうか、わかりません」と私は答えた。
「男の方はそんなつもりでなくても、おばあさんがそう思いこんだかもしれんし、、、」
と彼はさらに言う。


「何があったかはわかりません。二人の間に起こったことで、誰も見た人はいなかったのですから、
事実を裁定することはできません」と私は答えた。
「でもおばあさんがひきこもりがちになって苦しんでいらっしゃる、ということなので、、、」と言うと、
「そのおばあさんの悩みを何とかしたげたいということなんやな」と、理解してくれた。
まぁ、まだその職員は、理解力のあるましな人なのだ。

そのおばあさんの事件は、その後も解決したとは言えないだろうが、
とりあえず、まわりの人が配慮して、団体の集まりに出て行かなくても寂しくないように、
女性のメンバーがたまに訪れたりしてくれたのだったと思う。

高齢女性だから、セクハラ被害に遭わないとは限らない。
それは確かだ。
高齢女性専門にホステスを募集する風俗などの求人募集を見たことがあるが、何軒も存在していてびっくりした。
個人の嗜好や考え方は、人の数だけあるのだから、
あり得ない、ということは、たぶん世の中にはないのだ。
何だって、起こりうる。

柔軟な思考力がないと、他人の相談には乗れないようだ。