凡々たる、煩々たる・・・

タイトル、変えました。凡庸な人間の煩悩を綴っただけのブログだと、ふと気付いたので、、、。

寂しさ

2008-02-14 23:19:02 | 人生
おそらく、癌になったことのある人は、誰でも、自分が死ぬ存在であることを、とても生々しく意識した時間があったことだろう。明日かあさってか、自分が存在しなくなる、ということを、思い知る。それは、すべてを手放すことだった。希望も予定も、やろうと思っていたことも、悔しさも、雪辱も、すべて諦めて手放すことだ。「いつか、、、」「そのうちに、、、」が、なくなってしまうことだ。松田道雄さんは、それを、高齢化することに見ていた。「今に見ていろ」ということが不可能になる、と。ゆっくりと、諦め、手放していく。
いつか、実現しようと思っていたこと、いつか、見返してやる、と思っていたこと、そんなことが全部だめになる。不可能になる。いつか、、、そのうちに、、、というのがなくなってしまう。諦めるしかない、のだ。
 生きている間にやれることはやっておこう。しかし、力の出ないものだ。将来を失うこと、というのは、(誰でも将来なんて、別に、保障されていないのだけど、なんか、将来があるような気がしているだけなんだけど)活力が奪われる。明日がある、という希望だけで、人は元気に生きていたんだね。