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空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

強靭なヘリコプター

2012-02-04 10:16:16 | 趣味・航空機
平成3年8月に陸上自衛隊は、北部方面隊を挙げて初めての緊急医療支援訓練を行いました。当時は陸上自衛隊としても初めて実施する大規模な訓練で、札幌病院長以下約1800名の緊急医療支援団が編成され、航空機約40機、車両約1000両が参加して行われた訓練でした。写真はその際多用途ヘリコプターがレスキュー活動で訓練する模様です。演習場にかなりの速度で強行着陸し、任務も行われました。強靭で信頼性があるヘリコプターだから可能でした。この演習の成果は、のちに発生する阪神淡路大震災など多くの大規模災害で活用されました。最近では、東日本大震災で活躍し、初動の4日間で、関係機関のヘリコプターで3000人以上を救助したといわれています。孤立化した地域からの救助は、都市型・中山間地型ともにその必要性が高いと認識されています。劣悪な環境でも安心して運用可能な純国産ヘリコプターができるようで期待しています。ただ、そのためには、厳しい各種の試験を長期間にわたって実施する必要があります。純国産の場合、航空機のコンポーネントごとの安全保障条件を満たすためには、実際の飛行時間を飛ばして証明しなければできないからです。最近は、シミュレーションで行われるようですが、あくまでもバーチャルの評価であり、現実に飛行させてみるとあちこちで問題が見つかるのが通常のようです。したがって、主力機とする航空機は徹底した試験を実際に行い、評価していくのが通常です。米国が作ったUH-60も開発開始から部隊運用までに約10年を要しました。そしてその間に試験中の痛ましい事故も起こしていますが、それを乗り越えてきました。ユーロで開発したNH90も長期の実証期間を経ています。わが国は、今言われている5年程度で本当に部隊配備するのでしょうか?東日本大震災の教訓で最近特に強調されるようになった言葉があります。「虚から実へ」・・研究室レベルで論理的にはできても、現場で非常時にも安心して運用できなければ意味がない。「実」を重視する考え方です。またコストも外国から導入するよりトータル的には相当安いようですので、今後継続して価格の推移などを期待しながら見ていきたいと思います。実際に使用する現場の隊員の皆さんに、運用機数数を確保し、信頼性と強靭性を併せ持つヘリコプターになることを願っています。現在のUH-1しいリーズは、非常に高い稼働率と強靭性を持っていますが、少なくともこれを超えるとの判断で選定されていると聞きますので、注目しています。このプランは堂々と全面的に公表されると思いますが、いつ公表されるのかも気になります。少なくとも現場で実際に運用することを要求される皆さんは正確な情報を承知して試験期間・項目などを判断すべきでしょう。「実」を重視する現場の意見が最大限採用されることを願っています。