聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

あなたの努力を知るべきだし、知られるべきよ

2013-05-17 14:37:38 | 史劇・歴史・伝記
映画が始まる前、スティーブン・スピルバーグ監督
南北戦争について簡単に説明してくれました。

もちろん映画の中で歴史について語る方法はあるけれど
時代も変わり、「ああ教科書で見たな」程度の人が増える中、
潔く、冒頭で語るのもいいなぁと思いました。

いや、むしろ若い人でも見られるから
とっても親切ですよね


アメリカ人ならその名を知らぬ人はいない
"最も偉大な大統領"第16代合衆国大統領
エイブラハム・リンカーンを描いた伝記映画




  リンカーン


今年のアカデミー賞で最優秀主演男優賞も受賞しましたが
ダニエル・デイ=ルイスの役作りは素晴らしいですね

今改めて、ネットで彼を検索すると
まあ似てる、似てる

彼が居なければこの映画は成立しなかったのだろうなぁと思います。

そしてリンカーンが居なければ、
アフリカ系アメリカン、延いては女性の今の暮らしもなかった事でしょう。



第16代アメリカ合衆国大統領
エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)が
再選を果たし2か月が経った1865年1月。

リンカーン率いる奴隷に反対する北軍が、
賛成する南軍をまもなく制圧しようと優勢になっていました。

けれど大統領はただ戦争を終わらせるのではなく
ある事を成し遂げようと思っていたのです。


それは合衆国憲法修正第十三条を下院議会で批准する事


すでにリンカーンは奴隷解放宣言をしていましたが
全ての州での法的な根拠がなく
何としても"奴隷制を禁止する事が明記された"修正案が必要だったのです。


妻のメアリー・トッドサリー・フィールド)は南部出身で
幼い我が子を亡くした過去もあり、
必ずしも夫婦関係が上手くいっているとは言えませんでした。

それでも彼を支え、目標を共にしようとするのですが
同じ共和党内の票をかき集めても20票足りない…


そこで大統領はウィリアム・スワード国務長官(デヴィッド・ストラザーン)に
どんな策を使ってでも票を得るよう命じ、
W.N.ビルボ(ジェームズ・スペイダー)をはじめとする
私的な政治活動を行うロビイストを駆使して、
敵対する民主党議員の切り崩しにかかります。


一方、奴隷解放急進派のタデウス・スティーブンス(トミー・リー・ジョーンズ)は
その動きを冷ややかににみつめ…


「すべての人間は自由であるべき」という信念の下
奴隷制度をなくす、偉大なる功績を成し遂げたリンカーンが
如何にして世界を変える法律を作ったかを描いた伝記映画です















こういう事があったのだと世に送り出してくれただけで
スピルバーグ監督の功績も大きいのだけれど
やはり内容が内容なので、"映画"についてより
"リンカーン"を含めたその時代についての感想を書きますね。


最初に印象深かったのが
自分たちの自由を求めて戦う黒人の兵士が
リンカーンと話すシーン。

黒人の地位向上を訴える中で
「100年後には参政権を」という話があったのです。


一方、下院議会で「黒人に参政権を与えるのか」(ブーイング)
「女性に投票権を与えるのか」(ブーイング)と
民主党の反対派の人達が騒いでいるシーンも。


そうなんですよね。
今でこそ私達女性やアフリカ系アメリカ人が選挙に行くのは当たり前だけど
たった150年前は選挙権どころか
人間としてすら扱われていなかったのです。


リンカーンが修正案を通さず
ただ戦争を終わらせるだけだったら…


想像しただけでもそら恐ろしくなりますよね


だからね、いいんです。
どこまでが本当で、どこまでが脚色なのかは判りませんが
リンカーンが多少汚い手を使っていても。

たぶん、自分の為なら駄目でしょうけど
あくまで「他人」「後世」の為なら
それもまた正義の1つの形なのでしょう。

正義の奥深さを知りました。



そしてラストはとてもびっくりしたのですが
リンカーンは暗殺されていたんですね

授業で習った「人民の、人民による、人民のための政治」という名言や
奴隷を解放した事などは知っていましたが
この修正案を通した後すぐに暗殺されていたのは知りませんでした。

他人の為に奔走したのに
最後、他人にその命を奪われてしまうなんて
何とも皮肉なものですよね。

それでも彼はこうも言っていました。

何歳まで生きたかは重要ではない。いかにして生きたかが重要だ。
It’s not the years in your life that count. It’s the life in your years

これだけの事を成し遂げたからこそ重みのある言葉。

私が今のんきにパソコンの前に向かっていられるのも
このスタートがあったらからなのだと
改めてこの作品と偉大なる大統領に感謝する事にしましょう



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