聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

サスペンスの神様と奥様

2013-04-14 15:19:50 | 史劇・歴史・伝記
「巨匠の有名な作品が出来上がるまでを描いている」

これだけの事前情報で劇場に行ったのですが、
どうしよう

まだ今年3分の1も終わっていないのに
2013年で1、2を争うんじゃないかと思う位
とてつもなく面白い作品に出会ってしまった


それはサイコ(60)を作った時の
アルフレッド・ヒッチコック監督を描いた

 

   ヒッチコック



彼の作品を胸を張れるほど沢山見た訳じゃないけれど
いや、むしろ沢山見ていないからこそ頭でっかちで
主演女優と色々あったとか
晩年はヒットしなかったとかは知っていた。

そういう情報を繋ぎ合わせると同時に
彼の人生を垣間見ることができて、本当に胸が熱くなりましたよ

"サスペンスの神様"の伝記であると共に
夫婦愛を描いたラブストーリーでもありました



数々のヒット作、名作を送り出して
すでに"サスペンスの巨匠"と呼ばれるまでになった
アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)

1959年「北北西に進路を取れ」もヒットさせ、
次回作を選んでいた時。


有名になる前から共に映画を作ってきた
妻であり脚本家、助監督、編集技師でもある
アルマ・レヴィル(ヘレン・ミレン)が差し出したのは
今までも「舞台恐怖症」や「見知らぬ乗客」等で組んできた
脚本家ウィットフィールド・クック(ダニー・ヒューストン)が持ってきた1冊の本でした。


ところがヒッチコックは
アルマが彼と親しくしているのを気に入らず
読もうとすらしません

しかも彼が選んだのは
実在する殺人鬼を描いた小説



残忍な殺人鬼というかつてない題材だった上に
シャワーシーンなど検閲に引っ掛かりそうなものも多く
契約していたパラマウントには出資を断わられ…


それでも初めて映画を撮った時の
わくわくした気持ちを思い出したいと
財産をなげうってでも撮るという思いを汲み
アルマはいつもの様に協力する事に。


そんな思いとは裏腹に撮影は順調にはいかず、
アルマも次第にウィットフィールドと時間を過ごすようになり…


今ではサスペンスの金字塔とまで言われる「サイコ」
世に送り出されるまでを描いた知られざる物語です













映画に詳しい方ならご存知なのかもしれませんが
私は全くアルマ・レヴィルという女性を知りませんでした。

彼の女性関係と言えば、
グレイス・ケリー、ヴェラ・マイルズ、キム・ノヴァク、
そして今作ではスカーレット・ヨハンソンが演じていますがジャネット・リー
主演するブロンド女性に執着していた事ばかり


だからこ~んな夫婦愛があったのかと知って本当に感動しました


もちろんサイコ自体とても面白かったから
どんな風に作品が出来上がるのか、
すでに地位を確立した監督がどんな思いで作ったのかを
知るのも興味深かった。


大体、サイコについて本やネットで調べた時
引っ掛かっていた事があるのです。

何故にクレジットで2番目に名前のある人がすぐに死ぬのか。
いや、むしろヴェラ・マイルズこそ主演女優だよねぇと。

だから「主演女優を最初に死なせる」という事こそ
狙いだったと解って目から鱗が落ちました。

勝手にヴェラ・マイルズを気にいって
最後まで登場させられる役にしたのだと思ってましたからね


彼の作品に無くてはならないバーナード・ハーマンの音楽を
付けるシーンもぐっときたな~。
最初かの有名なシャワーシーンに
音楽を付けないって監督は反対していたんですってね

結局、付ける事になって
いざ劇場で公開された時、観客の反応と共に
振りかざしたヒッチコックのナイフも大爆笑だったし


そうそう、彼は編集にも長【た】けていたんですってね。
だから試写会では散々だったのに
編集に編集を重ねてここまで面白いものにしたんだと知ってビックリしました。



と、今回は「知った」というキーワードをずい分書いていますが
彼について知らない事が一杯明らかになり
少しだけ彼の人生を「知った」気がして、ますます他の作品も見たいと思いましたよ


この作品はサイコを見ていないと
せっかくの面白さが半減してしまうと思いますので、
是非ご覧になってから劇場に足を運んでくださいね。

あ、時間の無い方は私のレビューでもOKです

それにしても見終わって心が温かくなる素晴らしい映画でしたっ


サイコ [Blu-ray]
ジェネオン・ユニバーサル


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