見晴台学園トピックス

 1990年、学習障害や発達障害の中学生・高校生が学ぶ全国にも珍しい父母立の学園です。

学園の親のハナシ11

2015年03月17日 | 父母の声

私は障がいのある人たちの就労を支援する仕事をしています。
子どもの将来を考える時、働く場はあるの?どんな力が必要なの?と不安や
疑問はいっぱい・・それならば実際にみてみよう‼
そんな気持ちで今の仕事に就きました。

家族がまず気になるのは賃金の事、月にいくらもらえれば生活できるの?
障害年金と合わせて・・親の思いは同じ、
色々考えるけれど、聞いてみれば、

[身の回りの事は全てお母さんがやってくれていて、ご飯も炊けない]
[お金の管理は全てお父さん、将来の事を考えてすべて貯金しています]
そんな状況の方が沢山います。

なぜ働くのか?得たお金をどう使うか?
楽しみや使い方を知らなければ充足感は得られません。

具体的に言えば自分が何が食べたいのか?
それを食べるためには、どこに買いに行くのか?どう調理するのか?
そこで初めて自分で働いて得たお金が活躍するのにお金と生活が結びつかない事が多くあります。

又、賃金を優先させて自分の苦手な職種を選んだり、
無理をしすぎて心の病気になってしまう人もたくさんいます。

そんな時今までに幾度となく聞いた「自立」ということばを思い出します。
ある時期私の中にも 自立=生活=就労<経済>という思いがありましたが、
もっと大切な事を実感します。

私なりの自立=自分には得意不得意があることを知り、
苦手なことや起こった問題は自己+周囲の力によって回避でき、
好きなものがあり、<仕事も含め>楽しい、
生まれてきてよかったと自己肯定感を持って生活できる事。
その為に自分なりの選択をしていく事。

そんな風に思います。

 

今年、専攻科2年となる娘の最近の悩みは、
幼くみられがちな容姿をどう年相応までひきあげるか、
研究論文のテーマそしてその後の進路です。

「今までは、お父さんとお母さんが決めてくれたことが多かったけど、
今度は自分で決めなきゃね、自分の事だしもう大人だからね」

・・本当に成長しました。

これも見晴台での一日一日があったからこそ。
懸命に悩み、考え、飛び立とうとする娘の自立を、
良い距離をとって見守っていこうと思います。


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