佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

居場所

2012-09-08 | 雑感

長崎新聞長期連載企画「居場所を探して-累犯障害者たち」が、

本年度の新聞協会賞に選ばれました。

この連載記事に感銘を受けた一読者として大変嬉しく思いました。

翌日の新聞に、その連載を担ってきた記者の一人北川亮さんの思いが

「記者ノート」として綴られていました。

 

連載を始めるにあたって、自分に課したこと」、

それは、「累犯障害者の心の深層に迫る取材をする」こと。

しかし、「知的障害者は、自分の考えや感情を言葉にするのが苦手な人が多い

難解なパズルのピースを埋めるような作業ばかりだった

でも、足繁く通ううちにだんだん心を開いてくれるようになり、

俺の専属の記者さんばい」と仲間に紹介されたことも。

そんなふうな関係が築けて取材が終わり、記事にすることを告げると、

彼らは一様に押し黙り、泣き笑いのような顔で『はい』とうなずいた

その時の胸の痛みは今も変わらず、心の深いところにある

この連載を多くの人に読んでほしいと思った。社会が変わって、

彼らの『居場所』が増えればこんな嬉しいことはないし、胸の痛みも少しは和らぐ気がした

 

彼らはどんなに居場所が欲しかっただろう。

知的障害のために罪を繰り返す人たちの居るべき場所は刑務所では決してない、

障害をきちんと理解して、ひとりひとりに相応しい仕事や生活環境が与えられたら再犯は防げる、

そんな居場所を確保できる社会でありたい、

この連載記事を読んで多くの読者がそう感じたと思う。

 

彼らだけではない。

人はみな居場所を探している。

生きている間ずっと・・

 

いま長崎新聞に連載されている「いじめ しまい込んだメッセージ」の健次君もそう。

どんなにひどいことをされても、決してSOSを発信しない。

親や先生には、転んだとか、ふざけ合ってたとか言って済ませる。

クラスメートなどには、ヘラヘラ笑って平気を装う。

耐えて、耐えて、耐え抜かないと、本当にどこにも居場所がなくなると思い込んで・・

そんなのは居場所ではないのに、気づかない。

健次君のような子どもたちは、全国に数え切れないほどいるだろう。

 

いじめなどなくても、

学校や会社や、ご近所づきあいや、いろんな場面で、誰もが居場所を探している。

 

累犯障害者の居場所と、いじめられっ子の居場所と、会社での居場所とは、

「居場所」の次元も質も全く違うけど、共通点が一つある。

 

それは、どんな場合でも、居場所があれば、人は心が落ち着けるということ。

 

自分の居場所だけでなく、他人の居場所も大切にしたい…

 

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1 コメント

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Unknown (晃子)
2015-11-08 22:21:45
共感して、おります。
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