令和4年1月25日(火)
名月や
北国日和
定めなき
八月十六日、空が晴れたので、
八月十六日、空が晴れたので、
薄紅色の小貝、土地の人が
「ますおの小貝」と呼んでいるものを
拾おうとして、種の浜、
すなわち敦賀の色の浜に向けて
舟を走らせた。
海上七里もある。
天屋何某という者、
天屋何某という者、
敦賀の廻船問屋が破(わり)籠(ご)・
小竹筒(ささえ) などこまやかに用意させ、
あまた舟にとり乗せて、
追い風で、たちまち吹き着いた。
浜は、わずかな海士の小家ばかりで、
侘しい法華寺がある。
ここにて茶を飲み、酒を温めて
夕暮れの淋しい景色に心が引き入れられ
たことである。