ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

秋とファースト・キス

2005年09月22日 | 随想録

                    懐かしの響子さん&五代くん(『めぞん一刻』)。ファースト・キスは、こんなのだったらいいなぁ、と思ってました


 「スポーツの秋」とか「文化の秋」などと言いますが、
 運動会や文化祭、これからが真っ盛りですね。
 学生の頃のぼくたちにとって、そういうイベントは盛り上がるための格好の口実でした。
 そして運動会や文化祭の前後には、必ずといっていいほど恋バナが咲きほこっていたもんです。


 ぼくの通っていた中学校には、それまで文化祭というものがありませんでしたが、ぼくが中3のときに、「文化祭をやろう!」という雰囲気が高まったんですね。
 ぼくは生徒会の役員だったので、中学生活の最後を飾るべく、いろいろと動き回りました。そのかいあって文化祭は無事開催されることに決まったんです。


 秋になると校内はもう異様に盛り上がっています。
 企画する者、製作に励む者、皆の世話をする者、世話される者、ワケもなく舞い上がる者、とにかく騒ぐ者、もうハチの巣とスズメの巣とシロアリの巣を同時につついたような、たいへんな騒ぎです。(そのエネルギーを勉強に向けていれば…


 ぼくのクラスもある企画を立てていたので、みんな忙しく働いてました。そしてぼくは、一緒に作業する機会が多かったケイコちゃんと自然に仲良くなっていきました。
 そのうち一緒に帰るようになり、電話するようになり。


 文化祭は大成功でした
 ケイコちゃんともめでたくクラス公認のカップルとなりましたし。
 さあエネルギーの有り余っている小僧としては、当然デートを企むわけです。
 


 生まれて初めてのデートは映画でした。
 そして企み通り、夕暮れの中で初めてのキス…。
 自分がドラマの主人公になったようでしたねぇ。

 
 ところがです。ケイコちゃんがその日を境に、徐々にヨソヨソしくなっていくのです。
 他に好きなヤツができたのか。もしや、ぼくのキスがヘタだったのか。あるいは、世界的恐慌の前兆か・・・。ま、たぶん気のせいだろう、と軽く考えていたある日の午後、担任のハラダ先生に、「ちょっと話がある、放課後職員室においで」と言われました。


 「たぶん進学についてだろうな」と軽く考えながら職員室へゆくと、「相談室で話をしよう」。。。
 「MINAGIくん、この前の日曜日、どこ行ってたの」
  ん? (?_?) なんか意外な話題…
「そう、ケイコちゃんと映画に行ったの…、それで?」
 「マッスグ帰りました!(キッパリ)」
ホントのこと言いなさい
  ビクリ…
 「あ、えーと、散歩しました」
「そう、それで?」
 「マッスグ帰りました!(再びキッパリ)」
ホントのこと言いなさい!
  ギクリ・・・、まさか・・・
 「か、帰る途中に、通ってた小学校の校庭で話を少ししたかな・・・(オドオド)」
「そう、それで?」
 「マッスグ帰りました!(またもやキッパリ)」
ホントのこと言いなさい!!
  ああ・・・、こ、これは…(´Д`;)


 「あのー  ケイコちゃんに  キスしました…


 どうも付き合いの進展の早さに不安を覚えたケイコちゃんが、先生に相談したらしい。
ゼッタイだれにも秘密にしておいてあげるから、ケイコちゃんをこれ以上不安にさせちゃダメよ」と先生は約束してくれました。


 その夜、「お前がキスしたっていうオンナのコ、今度連れてこい」とあっさり親父に言われて、さらにビックリしたぞ。。。

 なんで知ってんねん・・・


     
      「ローマの休日」より。ロマンティック~

コメント (5)
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