【Live Information】
時間があったらやりたいことのひとつ、それはジャズ・クラブ巡りです。
例えば一週間ほど毎晩いろんなジャズ・クラブで、時にはハシゴをして、どっぷりライブの空気に浸ってみたいのです。
時間も、サイフの中身も必要ですけれどね。
自分にとっては、このうえないゼイタクです。(もちろん、この場合は「至福の時」とでも言ったらいいのか、まあそんな意味です)
今年はふと思い立って、8月の4日と5日の二日間でしたが、西宮、神戸、明石、豊中の計5ヵ所でジャズの生演奏を堪能してきました。
今回は交通機関で行くことにしました。
歩くのは苦にならないのと、神戸や大阪の花火大会と重なっていて渋滞が予想されたからです。
でも気の向くままあちこち歩くのはわるくないですね。あたりをキョロキョロ見回しながらの徒歩行、とても楽しかったです。
そして、行く前の大事な作業、つまりいろいろなお店のスケジュールの確認です。
悩みながら予定を組むのも楽しいものです。
8月4日(土)
神戸(ジャズ喫茶木馬→生田神社→異人館→北野天満宮)~西宮(ピアノ・クラブ)~神戸(ソネ→グレート・ブルー)
お昼前に三ノ宮に着きました。
快晴、そして猛烈な暑さです。
今年は、7月上旬に記録的な大雨が降りましたが、その後はくる日もくる日も猛暑日。気温も35℃なんてまだマシ、37℃や38℃の日も珍しくないくらいでした。
まあしかし、雨にたたられるよりマシだし、なんといっても青空に白い雲、の2トーン・カラーが気持ち良い。
三ノ宮に着くと、まず北長狭通に向います。
最初の目的地、ジャズ喫茶「木馬」(MOKUBA'S TAVERN)に行くためです。
「木馬」は1977年にオープン。1995年の震災を機にトアウエストの一角へ移転、さらに北長狭通へ移転し、今年で42年目を迎えた老舗です。
座った席のほぼ正面でアニタ・オデイとバド・パウエルが出迎えてくれました。
少し時間があるので、気の向くままブラブラ歩くことにします。
まずは生田神社。
神戸市の神社といえば真っ先に名があがるところで、稚日女尊(わかひるめのみこと)をお祀りしています。
当初は布引山に祀られていましたが、799年に現在地にある生田の森に移転したと言われています。
源平合戦の古戦場としても知られていて、梶原景季が境内の梅の一枝を箙に挿して戦った話は有名です。
ぼくが行ったのはちょうど夏祭りの日で、境内にセットされたステージでは「LUV K RAFT」というバンドがリハーサルをしていました。
メロディックなパワー・ポップで、とてもカッコ良かったです。
まだ昼過ぎの早い時間だったので、あまり人はいませんでしたが、それでもぼくを含む立ち止まって見ている人たちにステージからアピールしてくれたりして、思わず聴き入ってしまいました。
生田神社を出て、中山手通を歩きながら東へ向かっていると、2年前の2016年7月に44年の歴史を閉じたジャズ・クラブ「サテンドール」の看板がまだそのまま残っていました。
そこから北野坂を北へ上ります。足元には「神戸ジャズストリート」のプレートが。
北野坂にあるのは異人館。その中で「風見鶏の館」に入ってみました。
1909年にドイツの貿易商ゴットフリート・トーマスの邸宅として建てられたものです。
風見鶏の館の東側に石段があります。そこを上ると北野天満神社です。
1180年、平清盛が都を京都から神戸に移すにあたり、禁裡守護、鬼門鎮護の神として京都の北野天満宮を勧請して建立したといいます。「学問の神様」として知られている菅原道真公をお祀りしています。
夏らしい青空と、眩しい日射し、そして山の深い緑が清々しかったです。
その後はJRで移動。西宮のさくら夙川で下車、「PIANO CLUB」へ向かいます。
オーナーでピアニストの岩崎恵子さんとは何度か共演させていただいたことがあります。
岩崎さんはNHKのど自慢の関西地区のピアノ伴奏者として知られています。ジャズはもちろん、クラシック、フュージョン、ポップスなんでもござれの実力派です。
ピアノの周りにはジャズ・レジェンドたちの写真が。
この日昼は岩崎恵子(piano)さんと泉正浩さん(bass)の演奏のあと、スタッフでドラマーの和田秀樹さんを加えてのセッションでした。
夕方、神戸に戻ります。
まずは「ソネ」。神戸のジャズといえば、まずソネの名が挙がるのは万人が認めるところ。
この夜のメンバーは、"巨匠"こと岩佐康彦(piano)さんに、畠山令(bass)さんと中村雄二郎(drums)さんの気鋭のリズム隊。そしてボーカルに北牧チカさん。
ベテランの味というか、流石の貫録というか、岩佐さんのピアノはまさに「ジャズ」でした。畠山さんと中村さんのリズム隊の織り成すグルーブもとても気持ち良かった。
1セットだけ聴いて、同じ三宮の「グレート・ブルー」へ。ソネのライブがとても素晴らしかったのでもっと聴いていたかったのですが、迷いに迷ったすえ予定どおり移動しました。
ここでのこの夜の出演者は、オーナーでピアニストの安藤義則さんと、ボーカルの新井雅代さんのデュオ。
安藤さんもキャリア充分のベテランで、神戸のジャズ・シーンを支えているおひとりです。
新井さんは関西を代表する実力派ボーカリストのひとり。新井さんと知り合ってもう20年以上。変わらず仲良くさせてもらっています。
お店に着いたのは1セット目の途中。新井さんの歌もステージでの立ち居振る舞いも、抜群の存在感でした。
安藤さんと新井さんがお声がけくださって、というかご厚意で2セット目と3セット目はほとんどベースを弾かせてくださいました。
客席には100BANスタジオのオーナー李さんと、ボーカリストのシェリー高木さんのお姿も。
演奏後にはなんやかんやと話も盛り上がりました。
「ジャズに浸る2日間」、初日は満足感と心地よい疲労感に満たされました。おかげでグッスリ、と言いたいところですが、グレート・ブルーで演奏した緊張感と興奮がなかなか消えず、寝付くのにかなり時間がかかってしまいました。
それにしても、濃密で楽しい一日でした。
翌日のスケジュールをチェックして、シアワセな気分で宿のベッドに入りました。
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