ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

2021年9月のライブ予定

2021年08月31日 | 演奏スケジュール

【Live Information】




※お越しの際はマスクをご持参ください。
 また、状況によっては中止にせざるを得ないこともありますので、お店にご確認ください。
 諸々よろしくお願いします。



9月3日(金)  中止になりました
  岡山 ピアノ・バー
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
   【出 演】 皆木秀樹(bass)、美淋つゆ子(piano)
   【料 金】 1000円(飲食代別途)
   【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)


月13日(月) 中止になりました
  岡山 ピアノ・バー
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
   【出 演】 皆木秀樹(bass)、細川由佳(sax)、池田拓史(drums)ほか
   【料 金】 1000円(飲食代別途)
   【演 奏】 20:00~、21:00~ (2回ステージ)


月16日(月) 中止になりました
  岡山 ピアノ・バー
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
   【出 演】 皆木秀樹(bass)、山本博之(piano)
   【料 金】 1000円(飲食代別途)
   【演 奏】 20:00~、21:00~ (2回ステージ)


月22日(水) 中止になりました
  倉敷 アヴェニュウ
   倉敷市本町11-30 (tel 086-424-8043)
   【出 演】 皆木秀樹(bass)、本田暁之(drums)ほか
   【料 金】 1000円(飲食代別途)
   【演 奏】 20:00~、21:30~ (2回ステージ)
   ※シットイン可


9月25日(土) 中止になりました
  岡山 GROOVY 
   岡山市北区田町2-5-23 (tel 086-221-7721)
   【出 演】 皆木秀樹(bass)、山本博之(piano)
   【料 金】 2000円(飲食代別途)
   【演 奏】 20:00~ (2回ステージ)


9月26日(日)
  倉敷 カフェ&ギャラリー竹 
   倉敷市神田1-3-20 (tel 086-444-6000)
   【出 演】 まじょりん(vocal, guitar)、Okayama Hot Club(河原巧明guitar、安井亨guitar、美藤剛guitar、重松洋昭violin)with 皆木秀樹(bass)
   【料 金】 1500円(1ドリンク付)
   【演 奏】 14:00~ (まじょりん)
         15:00~ (Okayama Hot Club with 皆木秀樹 + まじょりん)

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ダニー・ボーイ(Danny Boy)

2021年08月16日 | 名曲

【Live Information】


 コントラバスは、ジャズにおいては概ねピチカート奏法(指弾き)で演奏されますが、アルコ(弓)でソロをとる人も少なからずいます。
 ポール・チェンバースなんかの流暢なアルコ・ソロなんかを聴いていると、やっぱり「カッコいいな」と思っちゃいますね。
 最近の自分は、美しいメロディを丹念に弓で弾いてみたいと思っていて、「Someone to Watch Over Me」や「In a Sentimental Mood」なんかを好んで弾いているのですが、クラシックやジャズ以外でも意欲をかきたてられる曲はたくさんあります。
 いいなあ、と思ってときどき部屋で弾いているのが、「浜辺の歌」とか「アメイジング・グレイス」、そして「ダニー・ボーイ」です。


 「ダニー・ボーイ」はアイルランド民謡です。
 イングランドで弁護士のかたわら作家・作詞家としても活躍していたフレデリック・ウェザリーのもとに、アメリカに住む義理の姉(あるいは妹)から「ロンドンデリーの歌」の楽譜が送られてきました。1912年のことです。
 ウェザリーは、別の曲のために1910年に書いていた歌詞を「ロンドンデリーの歌」のメロディに合うよう書き直し、1913年に発表しました。
 これが現在「ダニー・ボーイ」として愛唱されているものです。
 その後、イギリスのオペラ歌手であるエルシー・グリフィンによって歌われたことによって広く知られることになりました。


 
 フレデリック・ウェザリー(Frederic Edward Weatherly 1848~1929)


 ぼくの好きな映画のなかに「メンフィス・ベル」「ブラス!」がありますが、その両方で「ダニー・ボーイ」が効果的に使われています。
 「メンフィス・ベル」では、出陣前のパーティでハリー・コニックJrによって歌われるシーンがあるほか、瀕死の重傷者を乗せた満身創痍のメンフィス・ベル号の帰還時にこのメロディーが流れ、クライマックスをより劇的なものにしています。
 「ブラス!」では、炭鉱町のブラス・バンドのリーダーが病に倒れ、炭鉱も閉鎖が決まり、涙を呑んでバンドは解散せざるをえない状況に追い込まれます。リーダーが入院している病院の夜の中庭で、バンドのメンバーたちがお別れにこの曲を奏でるのです。思わず涙腺が緩んでしまう場面です。
 この両方に共通しているのが、「別れ」の場面で曲が使われているところなんですね。


   


 「ダニー・ボーイ」は、別れの歌です。
 異性に対する別れの歌とも言えますが、遠く離れた土地へ旅立つ息子に対する親の気持ち、または子(あるいは孫)を戦地へ送り出しつつもその身を案じる親の深い愛情を歌ったものと解釈されることも多いようです。
 歌詞の冒頭に出てくる「パイプの音色」は、兵を召集するバグパイプの音色のことなんだそうです。


 原曲である「ロンドンデリーの歌」の成り立ちについてはよくわかっていません。
 北アイルランドのロンドンデリー州(デリー州。長年アイルランドを支配してきたイギリス人が『ロンドンデリー』と呼ぶ)に住んでいたジェイン・ロスによって1855年に採譜されてから広く知られるようになりました。
 その後、アイルランドの作曲家チャールズ・スタンフォード(「惑星」を作曲したホルストの師)が、故郷を想って「アイルランド狂詩曲」を作曲しましたが、6曲からなるこの狂詩曲の第1曲で「ダニー・ボーイ」のモチーフが何度も出てきます。これによってイギリスのクラシック音楽の世界で「ダニー・ボーイ」が認知されるようになったと言われています。

 また現在「ダニー・ボーイ」が世界中で愛されている背景には、移民として海外へ移っていったアイルランド人の苦難の歴史があります。
 19世紀中頃にアイルランドは100万人もの餓死者を出した大飢饉に襲われました。
 アイルランド人は生き延びるため、海外、とくにアメリカに渡ってゆきました。
 1901年のアイルランドの人口は450万人。死亡と移民が原因で、その60年前の820万人から激減しています。
 アイルランド移民は、移り住んだ地で「ダニー・ボーイ」のメロディーを聴き、歌って祖国をしのんでいたといいます。
 そして1914年には第1次世界大戦が起こります。
 この大規模な戦争で多くの肉親が離れ離れなってしまいますが、そんな人々の胸にも「ダニー・ボーイ」は切なく響いたのです。
 こうして「ダニー・ボーイ」は故郷を懐かしみ、肉親を案ずる切ない気持ちとともに世界に広まってゆきました。


 ゆったりして起伏に富んだ、優しく、切ないメロディー。
 子供のころに親しんだ景色、懐かしい故郷の野山が記憶の底から蘇ってくるようです。
 クライマックスのハイ・トーンを聴くと、胸が締め付けられるような気持ちになります。
 心が洗われるような、美しい曲です。
 多くの歌手がこの曲をレパートリーに入れていますが、なかでもアンディ・ウィリアムスやエルヴィス・プレスリーが愛唱していたことは有名です。 


 

 

 
 アイルランドの風景


 フィギュアスケートの荒川静香さんが使って一躍知られるようになった「ユー・レイズ・ミー・アップ」は、「ダニー・ボーイ」をベースに書かれた曲です。
 ケルティック・ウーマンの代表曲でもありますね。


【歌 詞】


【訳 詞】
ああダニー、バグパイプの音色が呼んでいる
谷から谷へ、山のほうへと
夏は過ぎ去り、バラの花は枯れ落ちゆく
あなたは行かねばならない
だからわたしも待っている
でもあなたが帰って来るのは牧草地が夏になる頃だろう
あるいは谷が静まり雪で覆われる頃だろうか
太陽の光の中だろうと暗闇の中だろうと
わたしはここであなたの帰りを待っている

ああダニー、とても愛している
もしかするとあなたは花が枯れてしまう頃に帰ってくるのだろうか
たぶんわたしは生きてはいないだろう
あなたは帰ってきてわたしが眠っている場所を見つけてくれるだろう
そしてひざまずいてわたしのために祈ってくれるのだろう
わたしの上のあなたの足音がかすかであってもわたしには聞こえるだろう
そしてわたしの見る夢は、温かくも甘いものになるだろう
もしもあなたが愛していると言ってくれるのならば
あなたが帰ってくるまで、わたしは安らかに眠っていよう


◆ダニー・ボーイ/Danny Boy
  ■作 詞 
    フレデリック・ウェザリー(1913年)
  ■作 曲
    不詳(アイルランド民謡)



映画『メンフィス・ベル』クライマックス・シーン



ダニー・ボーイ (映画『ブラス!』より)



ケルティック・ウーマン「ダニー・ボーイ」



ケルティック・ウーマン「ユー・レイズ・ミー・アップ」


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河村恭子、梅田望実 & 皆木秀樹 @淀屋橋 酒音

2021年08月10日 | 自分のライブで

【Live Information】


 7月22日は、久しぶりに大阪でのライブでした。
 関西で活躍中のジャズ・ボーカリスト、河村恭子さんと電話で話していた時のこと。
 もちろん音楽談義にもなったんですが、これがまたとても話がはずんでしまい、しまいには「じゃ今度久しぶりにおいでよ」「ぜひぜひ」みたいな流れになったんです。
 嬉しいことです。
 大阪で演奏するのも久しぶりだな~


 メンバーは、河村さんとピアニストの梅田望実さん。
 この3人でライブするのは、なんと10年ぶり。
 2012年7月16日(倉敷アヴェニュウ)、同年8月17日(岡山セカンド・シンプソン)以来なのです。
 これがワクワクせずにいられましょうか


 河村さんの歌はクールなヨーロッパ系、でもステージは関西風味でとてもあったかいのです。
 "のんちゃん"こと梅田望実さんは、優しい音で心地よい空気感を醸し出すピアニストです。
 河村さんと梅田さんは、淀屋橋のバー「酒音」で"木曜日の女たち"というタイトルのデュオ・ライブを行ってまして、ぼくはそこへ7月22日に客演させていただくことになりました。
 今年はオリンピック・イヤーですが、その開会式に合わせるため、「海の日」が7月22日(木)に、「スポーツの日」が7月23日(金)に移動していて、めちゃめちゃラッキーでした


 7月22日は快晴。
 ハチくんに留守番してもらって、昼すぎに出発。
 渋滞で間に合わなくなる可能性も考えて、あえて高速道路を使わずに東へ向かいます。
 下道を使ってもたいして時間はかからず、15時半ころには大阪着。
 「酒音」は淀屋橋近くの北浜にあるのですが、ここのコインパーキングがまたえらい金額で
 平日15分400円とかになっているところがフツーにあるので、うっかり上限なしのところなんかに停めるとエラいことになります。
 平日は「上限あり」でも3700円とか。
 上限なしのところに停めるよりもマシか~、とあきらめて上限ありのところへ停めたんですが、、、
 表示をよくみると、なんと「祝日は除く」という小さな表示が
 ちなみに清算時に払ったのは1,000円でした。
 助かった。。。


 とりあえずリハーサルまで1時間半ほどあるので、北浜周辺を散歩です。
 すると、「酒音」の南に、岡山ゆかりの幕末の偉大な蘭学者である緒方洪庵先生が開いた「適塾」があるのを見つけました。
 門下生に福沢諭吉や大村益次郎がいたことは有名ですね。
 緒方洪庵は1810年備中足守藩生まれ。
 江戸や長崎で蘭学を学んだのち、1838年に大坂の瓦町で適塾を開きます。
 この適塾が現在の地に移転したのが1845年なんだそうです。
 さっそく「適塾」に入ってみました。


 

 
 中庭

 
 手前が応接間、向こうが客座敷

 

 
 当時使用していた書物

 
 2階の塾生大部屋

 
 北浜の空


 17時からリハーサルということで、マスターに挨拶して2階へ上がります。
 クリームの「サンシャイン・ラブ」のライブ・バージョンがかかっています。「Live Cream Volume2」かな。
 セッティングしていると恭子さんやのんちゃんが登場。
 年甲斐もなく(^^;)きゃいきゃい言いながら再会を喜び合います。
 そしてリハーサル。
 相変わらず恭子さん要求がハイレベルです
 自分の確固たる音楽観と表現したい世界を持っているからこそなので、なんとかそれに応えたいと必死で付いていきます。
 のんちゃんは派手に弾きまくるタイプではないのですが、音楽の幅が広く、対応力がハンパじゃないですし、安定感抜群で、逆にこちらが安心しちゃいます。(本当ならベースが文字通り礎にならなければ、なのですが


 開演前から三々五々お客さまがやってきます。
 気づけば満席ではないですか
 ふだんなかなか顔が見られない関西方面のぼくの知人も来てくださって、嬉しかったなあ。


 


 
 河村恭子(vocal)


 
 梅田望実(piano)


 
 皆木秀樹(bass:guest)


 久しぶりの恭子ワールドは健在でした
 空間を大切にして、表現しようとする音世界をいかに磨くか、が常に求められている気がして、勢いだけの雑な音は入れられません。
 「こういう音楽を創りたい」「こう歌いたい」と、はっきり自らの歌で意思表示しています。
 それを受け止めるべく頑張ったつもりではありますが、さて自分は応えられたかな~  
 

 
 恭子さんのMCは相変わらず名調子


 


 恭子さんとのライブでは、ほぼ毎回ボーカルとベースのデュオでの演奏があります。
 いつもならピアノやドラムがいるわけですが、こういう時はイントロからひとりで弾かなければならないので、自分の音楽性が試される時でもあるのですね。
 今回は、自分ではなかなかイイ線いってた、と思うんだけど。。。どうだったんだろうな~


 落語家の桂南光さんとのコラボも数を重ねている恭子さんだけあって、トークはほんとにウマイな~、と思います。
 雰囲気がとてもあったかいんですよね。
 声のトーン、しゃべりのテンポなんかも、聞いているだけでとてもリラックスできちゃうのです。


 


 のんちゃんと演奏していると、「共演している感」いっぱいになります。
 一緒に演奏しているだけで安心できる、そんなピアニストなのです。
 人柄も、いつもニコニコホンワカしていて、めちゃめちゃ可愛らしい方なのです。
 いてくれるだけでライブがうまくいきそうな気になる、そういう存在がのんちゃんです。
 もっとのんちゃんと共演できる機会があればいいな。


 
 終演後、またの共演を約して記念撮影


 


 そんなわけで、とっても楽しく、またたくさん勉強にもなった、たいへんシアワセな海の日でした
  

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