ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

1週間遅れのお彼岸とFM放送

2007年09月30日 | 随想録

 
 今日は、ふと思い立って昼からお墓参りに行ってきました。お彼岸は先週だったので、ちょうど1週間遅れのお参りです。
 天気は薄曇り、暑くも寒くもない、といった日でした。


 1時ちょうどに出発。
 片道1時間半の道のりです。
 着いてからは、まずお墓の周囲の掃除。そしてお供えをし、お線香をあげてきました。日頃こういうことには無頓着すぎるぼくですが、やはりお墓にお参りする、というのは気分が良いものですね。


 今日の音のお供はFM放送。車のCDが音飛びし始めたため(早く直さなくては・・・汗)、最近はラジオでFMを聴いています。
 でもFMっていいですよね。最近の曲がどんどん流れてくるので、ジャズはともかく、ロックは1960~80年代くらいまでで聴くのが止まっているぼくの耳には新鮮な曲ばかり。


 1時台はユーミンのトーク番組、2時台は山下達郎のナビゲーションによるリクエスト番組。3時台は東京事変の曲がずっと流れてました。東京事変って初めて聴いた(今頃・・・)のですが、椎名林檎嬢の個性の強さには耳を奪われた感じです。そして4時台は福山雅治がホストのトーク番組。
 山下達郎の番組では多少洋楽もかかっていましたが、その他に流れる曲は全て最近のJ-POPです。


 トーク番組も結構面白いものですね。さすがにステージでのMCで話術を鍛えているだけあるのでしょう。言葉を発する人の世界を感じることができて、まるでステージのMCを聞いているような気分を味わうことができました。
 番組を持って、リスナーの耳に響くようなしゃべりを届けるということは、考えようによっては「話芸のプロ」とも言えるわけなんですよね。


 車の中で長時間音楽だけを聴いていると、耳が疲れるというか、耳障りに聴こえる時があるんです。「ちょっと音楽はもう聴きたくないなあ」って思ってしまうのですが、そんな時にラジオなんてちょうどいい相手になってくれるような気がします。


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スーパー・ジャイアンツ (Blind Faith)

2007年09月25日 | 名盤

 
 このアルバムを手にした時のぼくはまだ高校生でした。
 当然といえば当然ですが、このアルバムついての知識はほとんどなかったので、音楽性についての予想などできもしませんでした。
 「すでに解散している短命のスーパー・グループ」程度は知っていましたから、火の出るような4人のインタープレイや、ブルースを基調としたよりヘヴィーで過激なサウンドなどを期待していたものです。だっていわばクリームとトラフィックが合体したわけですからね。
 だから、初めて聴いた時は、なんだか肩透かしを食わされたようで、ちょっとガッカリしました。


     


 でも、聴けば聴き込むほど、「そう悪いアルバムでもないな」と思うようになっていきました。
 クリームが白熱のインプロヴィゼーションを展開するといっても、それは主にライヴ・ステージでのことで、スタジオ録音されたものは大衆性を取り込んだポップな面を持つものだったし、トラフィックもどちらかというとスタジオで作り込んだ音を持っていたので、そう考えるとブラインド・フェイスが作ったこのアルバムの音も自然なものに感じることができたんです。それ以前に「ブラインド・フェイス」は「クリーム」でも「トラフィック」でもない、と思うようになっていました。


 曲もいわゆる「佳曲」が多いと思います。とくにエリック・クラプトン作の「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」は、のちのちまで残る彼の名作と言えるのではないでしょうか。
 またリック・グレッチのヴァイオリン・ソロをフィーチュアした「歓喜の海」の自然な響き、ヘヴィなリフを持つ「泣きたい気持ち」、バディ・ホリーのR&Rをカヴァーした「ウェル・オール・ライト」、各自がソロを回す「君の好きなように」など、ヴァリエーションに富んだラインナップが組まれています。


     


 全曲のリード・ヴォーカルをスティーヴィー・ウィンウッドが取っているため、ウィンウッド色の強いアルバムとも言うことができるでしょうけれど、むしろそう思えるのが自然なことなのではないでしょうか。
 メンバーそれぞれが強引に自己の特長を出すのではなく、素材としての曲に合ったアプローチを繰り広げ、みんなで協力して曲を組み立てているように聴こえるのです。


 いわゆる「スーパー・グループ」というものは、我の強いミュージシャンが集まっているため、我のぶつかりあいですぐに崩壊してしまいがちなものですが、ブラインド・フェイスはどうだったのでしょうか。
 聞くところによると、メンバーそれぞれの目指す道がやはり微妙にずれていたため、ブラインド・フェイスも短命に終わったようです。しかしぼくは、このグループのありようは、ジャム・セッションの延長上にあったとも思えるのです。この4人が集まればどんな新しいことが出きるのか、そういう実験性も秘めていたのではないでしょうか。ひとつのユニットとしてできることの輪郭がはっきりと見えてきたから、このグループはわずか半年足らずで解散したのだと思います。


     


 このアルバムに対しては、「予想外だった」とか「期待外れ」だったとかいう論評をけっこう読んだり聞いたりしますが、ぼくとしては「これがブラインド・フェイスの音楽なんだ」と、わりと肯定的に受け止めています。時々棚から引っ張り出して聴いている一枚です。



◆スーパー・ジャイアンツ/Blind Faith
  ■歌・演奏
    ブラインド・フェイス/Blind Faith
  ■リリース
    1969年8月
  ■プロデュース
    ジミー・ミラー/Jimmy Miller
  ■録音メンバー
   【ブラインド・フェイス/Blind Faith】
    スティーヴ・ウィンウッド/(vocals, keyboards, guitars, bass④, autoharp⑤)
    エリック・クラプトン/(guitars, vocals⑥)
    リック・グレッチ/(bass, violin⑤, vocal⑥)
    ジンジャー・ベイカー/(drums, percussion, vocal⑥)
  ■収録曲
   A① 泣きたい気持/Had to Cry Today (Winwood)
    ② マイ・ウェイ・ホーム/Can't Find My Way Home (Winwood)
    ③ オール・ライト/Well All Right (Buddy Holly, Jerry Allison, Joe B. Mauldin)
    ④ プレゼンス・オブ・ザ・ロード/Presence of the Lord (Clapton)
   B⑤ 歓喜の海/Sea of Joy (Winwood)
    ⑥ 君の好きなように/Do What You Like (Baker)
  ■チャート最高位
    1969年週間チャート  アメリカ(ビルボード)1位、イギリス1位
    1969年年間チャート  アメリカ(ビルボード)78位、イギリス35位
 

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時のたつまま (As Time Goes By)

2007年09月23日 | 名曲


 
■作詞・作曲…ハーマン・フップフェルド
■1931年
時のたつまま(As Time Goes By)


 今頃になって暑さにバテていたりして、どんどん日にちだけが経ってしまいました。そういうわけで今日は「時のたつまま(「時の過ぎゆくままに」と訳す場合も多いです)について語ってみたいと思います。


 「時のたつまま」は、ワーナー映画「カサブランカ」でとても有名になった曲ですが、もともとは1931年にレヴュー「エヴリバディズ・ウェルカム」で主演のフランシス・ウィリアムズが歌い、ルディー・ヴァレーのレコードがヒットしたものです。それが広く知れ渡るようになったのは、何と言っても、1942年に「カサブランカ」に使われてからでしょう。
 時が経っても根本的なこと、つまり大切な男女の愛には変わりがない、というストレートな愛の歌です。


     


 わけあって女(イングリッド・バーグマン)と別れたハンフリー・ボガートの経営する酒場に、ある夜、その当人のイングリッド・バーグマンが姿を現します。彼女の強引なリクエストによって、ドゥーリー・ウィルソン(役名サム)がこの「時のたつまま」を弾き語るのですが(ピアノはエリオット・カーペンターによる吹き替え)、ボガートの酒場では「禁じ手」となっているこの歌を歌ったサムを咎めに出てきたオーナーのボギーとイングリッドがここで「気まずい再会」を果たすわけです。
 映画そのものも「名作」と言われるにふさわしいものだと思いますので、まだご覧になっていない方は秋の夜長に一度観てみられるのもいいのではないでしょうか。曲自体も大人びた雰囲気を醸し出していて、涼しげな秋の夜更けにピッタリのような気がします。


     


 ちなみに、数多い名女優の中でぼくの好きなのは、オードリー・ヘップバーンと、このイングリッド・バーグマンなんです。(ちょっと古すぎ・・・)


 多くのシンガーやプレイヤーがこの曲のMCではほとんど「カサブランカ」を引き合いに出します。そういうこともあって、ぼくも「カサブランカ」に収録されているのが「時のたつまま」のオリジナルだ、とばっかり思ってました。
 比較的単純なハーモニーに、ストレートな愛の詞。素直に歌われた名曲でありますが、これをスタンダードにしたのはやはり映画「カサブランカ」の功によるものでしょう。


     

 この歌も、ローズマリー・クルーニー、カーメン・マクレエ、ニルソンやバーブラ・ストライサンドなど多くのミュージシャンによって取り上げられていますが、これらの中では「ドゥーリー・ウィルソンの歌でキマリ!」とする熱心なファンが多いそうです。その技巧を越えた味は、ハンフリー・ボガートをして「それをサム(ドゥーリーのことですね)のように上手く歌う者はいない」と言わしめたほどです。


[歌 詞]
[大 意]
覚えていて下さい
キスはキス ため息はため息
時が経っても根本的なことは変わりがありません
恋人は「愛している」と言います
月の光も恋の歌も時代遅れとはならず
情熱、嫉妬、憎しみも変わりません
女は男を、男は女を求めるのです・・・。



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アツシオジサマと異次元ワルツ

2007年09月14日 | ネタをたずねて三千里
 
 

 今日は実に恐ろしい楽譜、「アツシオジサマと異次元ワルツ」を見かけましたので、それを紹介させてください。

「ヤマサキ・アツシ」というお方の作品です。
もちろん見所は32分の54拍子のところに出てくるオジサマの顔。
この顔がアツシおじさまなのでしょうか。
「弾けるものなら弾いてみてちょうだい」みたいな空気も多少感じられます。
1段目「A」のところの「ドムゥ」にもココロひかれるものがありますな~
3段目には「Like a Ojisama」、4段目には「Like(or as)the Atushi」という書き込みがあったりするんですが、「アツシのように」なんて、一度でも本人の演奏を聴かないことには分かりかねますね~
 しかし世の中には珍奇な楽譜が存在するものですね。
探せばまだまだ出てくることでしょう。


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最近観たり聴いたりしたもの

2007年09月11日 | 随想録

 ♪『男はつらいよ 寅次郎の告白』

 
 朝夕やっと涼しくなってきました。
 それまでにもいろいろなCDを聴いたり、DVDを観たりしていたんですが、なにしろあの猛暑、ブログを更新する気力もなく、ついつい放置したままになってしまいました。


 8月といえば渥美清さんの命日(4日)があったり、終戦記念日があったりするので、毎年しぜんと戦争映画や寅さんシリーズを観ています。
 今年は、
 男はつらいよ「ぼくの伯父さん」(後藤久美子ほか)
 男はつらいよ「寅次郎の告白」(吉田日出子ほか)
 「父親たちの星条旗」
 「硫黄島からの手紙」
 「バンド・オブ・ブラザーズ Vol.1~5」
 「16ブロック」
 「スウィング・ガールズ」
 こういったあたりを観ておりました。


     


 戦争映画というものは、「侵略した側」から撮った作品からは本質が伝わりにくいことが多く、またアメリカ映画には「アメリカ軍が枢軸国の侵略(敵国の攻撃)を打ち破った」とする視点が多いので、「父親たちの~」と「硫黄島~」は後日また改めて見直してみたいと思います。


 8月の中旬あたりからは、ジャズ・ミュージシャンの訃報が相次ぎました。
 まず16日に世界的ドラマーのマックス・ローチ。
 22日には日本の誇るドラマー、パーカッショニスト富樫雅彦。
 29日には日本人初のアカデミー賞(助演女優賞)を受賞したジャズ歌手のナンシー梅木。
 9月11日にはこれまた世界的キーボーディスト、ジョー・ザヴィヌル。
 あ、おめでたいところでは今をときめく豪腕ピアニスト、上原ひろみさんの結婚が発表されましたね。
 そんなこんなでこれらにまつわるCDなども聴いておりました。


     
     『サキソフォン・コロッサス』


 ナンシー梅木さんのものは音ネタが手元になくて聴くことが出来なかったのですが、マックス・ローチの音はソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」などでたっぷり聴きましたし、富樫雅彦の音は、彼の代表作とも言われている「スピリチュアル・ネイチュアー」を何度も何度も繰り返して聴いていました。


     
     富樫雅彦


 くわしく感想を記録する気力が少し失せていたのですが、もうちょっと元気が戻ってきたら、また音楽をはじめ、いろいろなことについて語ってみたいと思います。
 わが阪神タイガースが怒涛の10連勝を記録してついにセ・リーグの首位に立ったこともぼくに元気を分けてくれることでしょう。


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