ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」・・・ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ジンジャー・ベイカー

2019年10月07日 | ミュージシャン

【Live Information】



 10月6日、ドラマーのジンジャー・ベイカーが亡くなりました。
 80歳でした。


 この世には音楽を生業として一生を終える、ぼくからするとある意味とても羨ましい人々がいます。
 華やかな世界的なミュージシャンから場末の酒場でわびしく弾き語るミュージシャンまで、古今東西有名無名を問わず音楽で生計を立てた人はどれくらい存在したのでしょう。
 多種多様な音楽の種類の中でも、まだわずか70年足らずの短い歴史しかないロック・ミュージック。
 「ロック・ミュージシャンって、何歳くらいまでロック・ミュージシャンでいられるのだろう。」
 これが高校くらいのぼくが抱いていた、素朴な疑問のひとつです。
 当時のロック・スターの主だったところといえば、ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ミック・ジャガー、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ロッド・スチュワート、ジミー・ペイジら、30歳台を超えたばかりか、せいぜい30歳台の半ば。あとはほとんどが20歳台でした。
 そのなかで、ジンジャー・ベイカーは数少ない40の坂を越えたロック・ミュージシャンでした。


     
     ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース時代


 当時のぼくは、もしかすると無意識に「ロックなんて若い時だけの、一時の情熱」みたいに思っていたのかもしれないし、60歳や70歳の人間があんな大音量の派手な音楽を演奏するなんて全くイメージできなかったんです。(もちろんジャズやブルース、クラシックの世界には人生の終わりまで音楽を続けた人はいましたが)
 

 いまでは、70歳台になっても情熱衰えず、現役で活動しているミュージシャンは珍しくありません。
 反面、ここ数年ロック・ミュージシャンの訃報を目にすることが多くなってきたように思います。
 グレ・フライ(イーグルス、2016年67歳で没)、ポール・カントナー(ジェファーソン・エアプレイン、2016年74歳で没)、デヴィッド・ボウイ(2016年69歳で没)、リック・ライト(ピンク・フロイド、2008年65歳で没)、グレッグ・レイク(エマーソン・レイク&パーマー、2016年69歳で没)、ジョン・ウェットン(キング・クリムゾン、エイジアetc、2017年67歳で没)、クリス・スクワイア(イエス、2015年67歳で没)。。。
 「ロック・ミュージシャン」として一生を終える人が徐々に出てきたわけですね。
 20世紀後半になって出現したロック・ミュージックはビジネスとしても成熟、巨大化し、ミュージシャンたちも長期に渡って経済的な恩恵を受けることができるようになったことの表れでもあります。
 そして、ジンジャー・ベイカーも、(クリームの中ではジャック・ブルースに次いで)ロック・ミュージシャンとして一生をまっとうしたわけです。
 (もちろん純粋にロックだけしか関わっていなかったというわけではなく、ジャズやワールド・ミュージックなど幅広く音楽と関わり続けていました)


 ぼくがロックに夢中になったのは、1970年代の半ば。
 当時のロック・ドラム・ヒーローといえば、なんといってもジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)、イアン・ペイス(ディープ・パープル)、そしてこのジンジャー・ベイカーでした。
 まだロジャー・テイラー(クイーン)もカール・パーマー(エマーソン・レイク&パーマー)も若かったなあ。サイモン・フィリップスやジェフ・ポーカロの名前がちらほら聞かれはじめたのもこの頃だったかもしれません。


     
     クリーム再結成(2005年)


 ジンジャーのドラムのバックボーンはジャズによるところも大きいですが、エリック・クラプトン、ジャック・ブルースと組んだあの伝説のロック・トリオ「クリーム」で聞かせるドラミングは、のちのハード・ロックにも大きな影響を与えています。
 ジンジャーといえば、ぼくにとっては「床とほぼ水平にセットされたツイン・タム」と「ツイン・バス・ドラム」いうイメージが大きいです。
 そして、どこか原始的な響きのする独特の音色やフレージング。
 のちにアフリカン・リズムに傾倒したのもうなづける感じがします。


 ジンジャーのドラムをよく聴いたのは、やっぱり「クリーム」の作品を通してです。
 クラプトンとブルースの火花を散らすような激しいインタープレイに、さらなる燃料を投下するかのようなエネルギッシュなドラミングは理屈抜きに興奮させられました。
 そして「ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース」。
 「エア・フォース」は、ジンジャーの師であるフィル・シーメンとのツイン・ドラム、アフリカ音楽に影響されたどこか原始的・呪術的で熱いグルーブ、インプロヴィゼイション中心のクリエイティヴな演奏、などなど見どころ聴きどころがいっぱいの、魅力のあるユニットでした。


     
     晩年のジンジャー・ベイカー

 
 この日は、いずれも日本プロ球界で唯一である400勝と4000奪三振を記録した、球史に残る大投手・金田正一さんも亡くなりました。
 音楽と野球、そのどちらも大好きなぼくにとっては、ふたりのスーパー・スターの訃報に接した、寂しい思いのする日になりました。


 ぼくはクリーム、ブラインド・フェイス、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースなどを通してジンジャーのドラムを聴いてきました。
 1980年代以降はジンジャーのドラムを聴くことも減りましたが、2005年にクリームの再結成のニュースを聞いた時は、やはりワクワクしました。


 ぼくは、ドラマーとしてのジンジャーを逐一追ってきたわけではありませんが、ジンジャー・ベイカーはロック・ドラムの源流を創りだした偉大なドラマーのひとりであると思っています。
 そして、人間が「ロック・ミュージック」で生活の糧を得て一生を終えるという、それまでに存在しなかった道を切り拓いた偉大な先人のひとりである、とも思っています。



☆ジンジャー・ベイカー(Peter Edward "Ginger" Baker) 1939年8月19日生~2019年10月6日没
 
 


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ワルツ・フォー・デビイ(Waltz for Debby)

2019年09月29日 | 名曲

【Live Information】  


 ぼくはそのころ何歳だっただろう。
 まだ幼稚園には行っていなかったと思うんです。だから保育園に通っていたころかな。
 アルバムを繰ってみると、ぼくが幼稚園に通ったのは6歳の時の1年間だけ。(今の今まで2年通ったとばかり思っていた。)
 ということは、3歳くらいから5歳くらいの間のことか。。。
 なんともあやふやな記憶なんだけれど。


 当時住んでいた家の雰囲気は、記憶によるとちょっと薄暗い感じ。
 午後の3時くらい、あるいは夕方前だったかもしれない。
 居間に置いてあったテレビ(まだ白黒放送とカラー放送が混在していた)で、地元局が放送している天気予報を、ぼくはいつも見ていました。
 父は自営だったので、事務所で仕事をしている時間です。母と姉がいたはずなのですが、不思議なことに、この天気予報を見ていた記憶の中にほかの家族の姿は現れてきません。だから、記憶の中のぼくは、ひとりきりでテレビの前に座っています。
 天気予報って、「岡山県のあすは、晴れ ときどき曇り」という、丁寧なナレーションがあるはずなのだけれど、アナウンサーの声がぼくの耳に届いていたかどうかも全く記憶にないのです。


 天気が気になっていたわけではないのです。
 バックでたんたんと流れている美しい曲が、まだ小さかったぼくの心にじんわりと染み込むのです。
 その曲は、ぼくが天気予報を見るたびに、まるでペンキを丁寧に何度も何度も重ねて壁や家具に塗るように、徐々に濃く記憶の抽斗に刻まれました。
 ピアノで奏でられるその曲は、どことなく愛らしく、品があり、清楚でした。
 これがぼくのいちばん古い、ジャズにまつわる記憶です。


          


 やがて家の近くの幼稚園に移ったぼくは、園を終えて家に帰るやいなや、友だちと遊ぶためにすぐに家を飛び出して行くようになりました。
 平日の午後にテレビを見ることはなくなり、いつしかその曲のことをまったく忘れてしまいました。

 大人になったぼくは、音楽にどっぷり浸るようになっていました。
 ジャズを演奏する頻度もとても多くなりました。すべからく、ジャズ・ナンバーをたくさん知っておく必要に迫らるようにもなりました。
 そこで、「ジャズ名盤ガイド」的な本などを参考にしながら、とにかくいろいろなレコードを有名なものから手当り次第に漁ったものです。


 当時のぼくにとってのジャズといえば、マイルス・デイヴィスだったり、オスカー・ピーターソンだったり、ハービー・ハンコックだったり。もちろんビル・エヴァンスもその中に入っていました。
 数あるエヴァンスのレコードの中で、いろんな本で見て馴染みだけはあった、女性らしきシルエットが浮かんでいるジャケットのレコードを手にしたときのことです。
 優しく可愛い3拍子のメロディが流れてきました。2曲目でした。
 思わず、はっとしました。
 これは、幼稚園のときに見ていたテレビの天気予報でかかっていた曲じゃないか!
 頭の片隅にひっそり眠っていた記憶が、一気に甦りました。
 この曲こそが、「ワルツ・フォー・デビイ」だったのですね。


 「ワルツ・フォー・デビイ」は、エヴァンスの兄の娘、つまり姪のデビイに捧げられた曲です。
 エヴァンスの初リーダーアルバムである「ニュー・ジャズ・コンセプションズ」(1956年)に、ソロとして収められています。
 「わたしが幼い頃、ビル(エヴァンス)がよく目の前で弾いてくれました」と、デビイは後年語っています。


          
          デビイ・エヴァンス(右)



◆ワルツ・フォー・デビイ/Waltz for Debby
  ■初出
    1956年(album 「New Jazz Conceptions」)
  ■収録アルバム
    ワルツ・フォー・デビイ/Waltz for Debby (1961年6月25日 ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードで録音)
  ■レーベル
    リヴァーサイド/Riverside
  ■演奏
    ビル・エヴァンス・トリオ/Bill Evans Trio
  ■作曲
    ビル・エヴァンス/Bill Evans
  ■プロデュース
    オリン・キープニュース/Orrin Keepnews
  ■レコーディング・エンジニア
    デイヴ・ジョーンズ/Dave Jones
  ■録音メンバー
    ビル・エヴァンス/Bill Evans (piano)
    スコット・ラファロ/Scott LaFaro (bass)
    ポール・モチアン/Paul Motian (drums)



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貴方解剖純愛歌 ~死ね~

2019年09月27日 | 名曲

【Live Information】  



 これからの日本のポピュラー音楽界を活気づけ、支えていくであろうミュージシャンのひとり、あいみょん。
 「貴方解剖純愛歌 ~死ね~」は、そのあいみょんのデビュー・シングルです。


 もともとTOWER RECORDS限定のワン・コイン・シングルとしてリリースされたインディーズ・シングルなので、オリコン・チャートの記録は堂々の「圏外」。
 では、ひっそり目立たないデビューに終わったのかというと、どうやらそうではなさそうです。


 病んでいるというか、多少ホラーじみているというか、今どきの言い方をすれば「メンヘラ」な歌詞は大きなインパクトを残しました。
 なんといっても、愛する相手に「死ね」。
 死ね、ですよ、死ね。
 「死ね。 わたしを好きでないのならば」。
 こんな強烈な言葉をぶつけてくるラブ・ソングを聴いたのは初めてかもしれないなあ。


     


 対照的に、メロディーはポップ。そして、とにかくパワフル。
 ブルー・ハーツなどを思い起こさせるパンクなムードも持ちながら、飛び跳ねるように、伸びやかに歌われる、どこか「胸キュン」な曲です。
 歌詞が超過激であることを忘れてしまうような、軽やかな疾走感。
 あいみょん自身がライブのMCで、「世界一ピュアで可愛いラブ・ソング」と言ってのけるのもうなづけます。


 なんといっても、あいみょんの独特の感性が窺える歌詞が新鮮ですね。
  「ねぇ~」と「死ね~ぇ~」で韻を踏むところなんか、あとで考えると誰にでもできそうだけれど、それはいわゆるコロンブスの卵というやつで、実際こういうふたつの響きが同じ単語が脳裏に飛び出してくるところがまさにあいみょんの感性なのだと思うなあ。
 腕を切り落としたり目をくり抜いたりと、過激でホラーな言葉がひっきりなしに飛びだしてくるのですが、明るくエネルギッシュなメロディのおかげもあってか、ジメジメ感や絶望感があるようには思えません。
 「唇を縫い 私だけのキスを味わえばいいの」なんて、ちょっとした江戸川乱歩の世界?、、、でもなんだか可愛くもあるんです。
 どぎついとも思える歌詞だけれど、これは実際に腕を切り落としたり目をくり抜いてやろうとしているわけではなくて、それくらい相手のことが好きで好きでたまらないのだ、ということをあいみょん視点で言葉にしているだけなのではないでしょうか。
 ちょうど尾崎豊が「盗んだバイクで走りだす(15の夜)」「夜の校舎、窓ガラス 壊してまわった(卒業)」という言葉を当時のティーンエイジャーの荒れた気持ちを象徴する言葉として使い、彼らの思いを代弁したように。
 あいみょん自身も「冷たいアスファルトに流れるあの血の何とも言えない赤さが綺麗で(生きていたんだよな)」という歌詞を書いていますが、これなんかも「象徴としての歌詞」なんじゃないかな。
 (尾崎の歌を「犯罪を助長する」とか、「"血の赤いのが綺麗"だなんて不謹慎!」、などと評する声もあるようですが、これは国語力のなさ、いや想像力のなさから来ているのではないか、と自分では思っています。どのように読むのかは自由ですが、自分の感性に合わないだけで「不謹慎」「失礼」と決めつけてそれを押しつけて欲しくはないなあ)


     


 もちろん否定的な声もあるでしょうし、その否定的な声も受け取り方のひとつです。
 でも、きっと若い世代はあいみょんの率直な言葉や感性に安堵し、自分の気持ちを代弁してくれることに対して共感や信頼感を覚えていることでしょう。そして彼らはあいみょんに大きな拍手を送るであろうということは、想像するに難しくないのです。


 あいみょんって一見気だるそうな表情をしているけれど、その表情とはうらはらに声には明るさと温もりと湿り気が含まれていて、とても人間らしい響きがあると思うんです。



[歌 詞]



◆貴方解剖純愛歌 ~死ね~
  ■歌・ギター
    あいみょん
  ■リリース
    2015年3月4日
  ■作詞・作曲
    あいみょん
  ■編曲
    samfree
  ■チャート最高位
    2015年オリコン週間チャート  圏外



 あいみょん 「貴方解剖純愛歌 ~死ね~」



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2019年10月のライブ予定

2019年09月23日 | 演奏スケジュール

【Live Information】  

 
10月4日(金)         
  岡山
ピアノバー
          
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)              
    【出 演】 美淋つゆ子(piano)、皆木秀樹(bass)              
    【料 金】 1000円(飲食代別途)              
    【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)           
    ※シットイン可


10月5日(土)       
  倉敷 木庵
            
   倉敷市川西町18-23 (tel 086-421-9933)           
    【出 演】 MISA(piano)、皆木秀樹(bass)         
    【料 金】 飲食代のみ           
    【演 奏】 19:00~ (2回ステージ)


10月6日(日)
  おかやまジャズ・ストリート2019
    【出 演】 山本ヒロユキ(piano)、皆木秀樹(bass)
    【料 金】 1000円 (2日間共通チケット) ※販売は各会場で
    【場 所】 19:00~ 喫茶壱番館 (岡山市北区表町3-9-22 (tel 086-233-1560)
           21:00~ ROOVY (岡山市北区田町2-5-23 (tel 086-221-7721)


10月15日(火)          
  岡山 ピアノバー
 
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)                   
   Live & Session   
    【出 演】 古山修(guitar)、皆木秀樹(bass)                   
    【料 金】 1000円(飲食代別途)                   
    【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)                   
    ※セッション可


10月16日(水)
  岡山 Desperado (バー・サイド)
   岡山市北区表町3-11-105 (tel 086-225-5044)
   ミナコボクスvol.19
    【出 演】 高橋ミナコ(vocal)、美淋つゆ子(keyboard)、皆木秀樹(bass)
    【料 金】 1500円(飲食代別途)
    【演 奏】 20:00~ (2回ステージ)

  
10月17日(木)       
  岡山 ピアノバー
          
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)              
    【出 演】 上森'picci'一洋(guitar)、皆木秀樹(bass)              
    【料 金】 1000円(飲食代別途)              
    【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)             
    ※シットイン可 


10月18日(金)
  宵まちクレド   
  クレド岡山 1Fふれあい広場
 
   岡山市北区中山下1-8-45 (tel 086-212-2525)   
    【出 演】 山科賢一(piano)、秋山もへい(sax)、皆木秀樹(bass)   
    【料 金】 無料   
    【演 奏】 18:00~19:30  


10月22日(火:祝日)
  吉永拓未ディナーショー
  岡山 ANAクラウンプラザホテル 

   岡山市北区駅元町15-1 (tel 086-898-1111)
    【出 演】 吉永拓未(vocal, piano)、入江修(sax)、MISA(piano)、足立健(drums)、皆木秀樹(bass)
    【料 金】
    【時 間】
               

10月23日(水)        
  倉敷
アヴェニュウ
        
   倉敷市本町11-30 (tel 086-424-8043)    
    【出 演】 古山修(guitar)、新田佳三(drums)、皆木秀樹(bass)           
    【料 金】 1000円(飲食代別途)           
    【演 奏】 20:00~、21:00~、22:00~ (3回ステージ)
    ※シットイン可 


10月26日(土)  
  岡山 GROOVY
              
   岡山市北区田町2-5-23 (tel 086-221-7721)                  
    【出 演】 山本博之(piano)、皆木秀樹(bass)               
    【料 金】 2000円(飲食代別途)                  
    【演 奏】 20:00~ (2回ステージ)                  
    ※シットイン可




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角銅真実 Live at 岡山禁酒会館

2019年09月04日 | ライブ

【Live Information】


 ライブ・タイトルは「砂の毛布」。  
 ふだんあまり夢を見ないという角銅さんの見た、とても気持ちの良い夢から取ったものだそうです。
 聴いているぼくもその砂の毛布にくるまれたかのような、夜でした。


 打楽器奏者の角銅さんですが、この夜はギターまたはピアノの弾き語り。オリジナルとカバーをまじえながらの約90分のステージでした。
 セット・リストを決めずにステージに臨んだそうですが、それだからこそ「生まれたてのステージ」な、瑞々しい空気が醸し出されていたのかもしれません。
 貫頭衣をイメージさせるワンピースもユニークでした。


     


 ライブ会場は、岡山市民ならなじみのある「禁酒会館」。
 大正時代に建てられ、岡山大空襲をもくぐりぬけて生き残っている、ドイツ風の3階建ビルです。
 この禁酒会館のレトロ感と、角銅さんの透明感のある歌がよく合うんです。


 クーラーから出る音が気になるため冷房を消し、窓を開けてのライブとなったのですが、面白いことに、屋外の車や市電の音、横断歩道の視覚障碍者用のメロディなどなどが、いつの間にかまるで角銅さんの音楽の一部のように聴こえてくるんです。  
 ちょうどエンディングのフェルマータのあたりで市電が通り過ぎたり、サウンド・エフェクトのように人の声や車・市電の音が曲にかぶっていたり。  
 そう感じさせてくれるような歌声、あるいは曲の数々だったのだと思います。


     


 澄んでいて、静かで細やかで、よく通る声。
 本に例えるならば、童話とか、絵本のような雰囲気をもつ個性的な曲の数々。
 今はなきアトラス・ピアノ社製作のピアノ「モルゲンスタイン」の音がこれまた異界の寂しさみたいな味があったり。
 

 メトロノームやオルゴールなどを使ったしかけは、ピンク・フロイドとかカンタベリー系のプログレッシブ・ロック、ミュージック・コンクレートなどを思わせるところがありました。
 「優しく和やかに弾き語る」だけではない、前衛的なもの、ルナティックななにか、異界との狭間にいるような気にさせるなにか、などなどが自然な感じで曲の背後に潜んでいるような気がしました。


     


 ライブのあとの妙な満足感は、本を読んだあとの気分に近いような気がします。  
 会場は満席でした。
 県外からも聴きに来ている人がいたようですが、たぶんこの「妙な満足感」のとりこになった人たちなんだと思います。  
 この「砂の毛布」には、またくるまってみたい、と思わせられた夜でした。


 角銅真実さんはパーカッション奏者です。  
 パーカッション&コーラスとして「cero」をサポートするほか、「ORIGINAL LOVE」などのアルバムにパーカッショニストとして参加したり、原田知世さんなどに詞を提供するなど、幅広く音楽制作に携わっています。  
 いま多方面から大きな注目を浴びている「新星」です。



◆角銅真実ライブ 「砂の毛布」
 2019年9月2日
 岡山 禁酒会館
 [出演] 角銅真実 (vocal, guitar, piano, sound-effect)




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2019年9月のライブ予定

2019年08月29日 | 演奏スケジュール

【Live Information】  


9月5日(木)
 岡山 ピアノバー
   
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)              
   【出 演】 山本博之(piano)、皆木秀樹(bass)              
   【料 金】 1000円(飲食代別途)              
   【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)           
   ※シットイン可


9月6日(金)  
 岡山 ピアノバー 
     
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)                  
   【出 演】 美淋つゆ子(piano)、皆木秀樹(bass)                  
   【料 金】 1000円(飲食代別途)                  
   【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)               
   ※シットイン可


9月15日(日)   
 倉敷 木庵
              
   倉敷市川西町18-23 (tel 086-421-9933)      
   【出 演】 鈴村紀子(piano)、皆木秀樹(bass)      
   【料 金】 飲食代のみ      
   【演 奏】 18:30~ (2回ステージ)

 
9月17日(火)      
 岡山
ピアノバー
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
   Live & Session
   【出 演】 古山修(guitar)、皆木秀樹(bass)
   【料 金】 1000円(飲食代別途)
   【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)  


9月25日(水)      
 倉敷 アヴェニュウ
    
   
倉敷市本町11-30 (tel 086-424-8043)                 
   【出 演】 古山修(guitar)、新田佳三(drums)、皆木秀樹(bass)              
   【料 金】 1000円(飲食代別途)              
   【演 奏】 20:00~、21:00~、22:00~ (3回ステージ)              
   ※シットイン可


9月28日(土) 昼   
 ジャズ・イン西川 2019秋 
  
 岡山 西川緑道公園野殿橋デッキステージ
   岡山市北区本町    
   【出 演】 Okayama Hot Club [河原功明(guitar)、安井亨(guitar)、美藤剛(guitar)、重松洋昭(violin)] with まじょりん(vocal) & 皆木秀樹(bass)         
   【料 金】 無料    
   【演 奏】 12:30~12:50


9月28日(土)  夜     
 岡山 GROOVY
          
   岡山市北区田町2-5-23 (tel 086-221-7721)              
   【出 演】 山本博之(piano)、皆木秀樹(bass)           
   【料 金】 2000円(飲食代別途)              
   【演 奏】 20:00~ (2回ステージ)              
   ※シットイン可



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蜂に刺される

2019年08月24日 | ネタをたずねて三千里

【Live Information】


 先週の木曜日、左手人差し指・右わき腹・右ひざの3ヵ所をいっぺんにハチに刺されました。
 とくに人差し指は曲がりきらないほど腫れ上がっております。


 「いてえ!」というより「あちい!」って感じの激痛が同時に3ヵ所・・・。
 3ヵ所とも、いまはとてもカユいので、もうじき痛みも腫れも治まるとは思いますが、いっぺんに3匹に刺されたのは生まれて初めての体験でございました。


 3匹っていうたらハチじゃなくてニジュウシやがな!とか言っている場合ではありません。
 6年前にもスズメバチに刺されているので、頭をよぎったのはアナフィラキシーのことです。


           


 まず大急ぎで行った病院は、問診票を書き終えたと思ったら受付嬢が「すみません、いま外科も整形外科も手術に入ったところでして、医師がいないんです(´д`;)」      
 すぐにほかの病院を教えてもらい、あわてて電話してみると、生年月日・フルネーム・症状を訊かれたあとで、「きょうは午後休診です」。(先にそれを言うてくれ )   
 3つ目の病院へ行くと、今度は無事診察室に通されました。
 そこにはなんとなく安心できそうな雰囲気のある年配のドクターがおりました。
 ドクターは、刺されたところを見せると、一言。      


 「キミは、     
            ハチに強いな」       


 診察は以上。(^^;)
 ほんとにそれだけ。(薬は出してもらいましたが)  
 アドバイスとしては、「冷やすように」。
 以上。
 ほんとにそれだけ。      


 どんな子供でもそうだと思いますが、ぼくも小さい頃は超能力(霊視とか透視能力とか予言とか)を持つ人に憧れておりました。  
 生まれて50年以上経って、自分がある意味その超能力者だったのに気づくとは!  
 しかしそれが「ハチに強い」。      ・・・。      
 メリットなし!  
 しかも刺されて痛いことに変わりなし!  
 せめて「譜面の初見に強い」とか「テンポ300以上の超高速曲に強い」とか「転調に強い」とか、そんな能力だったらよかったのに。 
 最後に「過信しないように」とクギを刺されました。(ハチに刺されたうえに!w)      


 家に帰ると、ワンコ(ハチくん)が「とーさんお帰り~」とシッポを振ってくれました。  
 この世でぼくを刺さないハチはこの子だけですw  (たまに構いすぎた時には刺さずに噛むwww)  
 あとは、ありがたくも厳しい師匠が、練習もせずに下手なことを弾くと刺すような視線をぼくに向けるくらいかな。  
 練習しよ


          

   

(あくまでオモロイというかそうそうできない体験、という意味のウケ狙い文章なのでそこんとこヨロシクです!)



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奇蹟の芸術都市 バルセロナ展

2019年08月20日 | 見る聴く感じるその他

【Live Information】


 よく姫路城周辺を散策します。
 ちょっとした時間つぶしでもあるのですが、あたりには動物園や県立博物館、市立美術館があったりして、退屈することがありません。
 7月に姫路へ行ったとき、美術館で「奇蹟の芸術都市 バルセロナ展」が催されているのを知りました。
 でも、ちょうど車にコントラバスを乗せていたのです。
 炎天下の中、楽器を放置して行くことはできません。そこで8月にもう一回来よう、と決めて、その日はちょっとがっかりしながら姫路をあとにしたのです。


          


 次に姫路へ行ったのは8月10日。
 さきに用を済ませてから、ワクワクしながら市立美術館へ向かいました。
 絵がわかるわけではないのですが、写真集を見るよりも生で見る方がやっぱり「迫力」が違いますね。
 音楽をCDで聴くより、ライブの方が・・・というのと同じです。


          


 バルセロナはカタルーニャの州都です。
 19世紀の中頃、産業革命にともない旧市街の市壁を取り壊して市域を広げました。
 これによりバルセロナは近代都市として大きく発展しました。


          
          モデスト・ウルジェイ 「共同墓地のある風景」 (1890年代)


          
          フランセスク・マスリエラ 「1882年の冬」 (1882)


          
          ジュアン・プラネッリャ 「職工の娘」 (1882)


          
          ジュアン・リモーナ 「読書」 (1891年)


          
          サンティアゴ・ルシニョル 「青い中庭」 (1892頃)


          
          サンティアゴ・ルシニョル 「モルヒネ中毒の女」 (1894)



          
          ラモン・カザス 「入浴前」 (1894年)


          
          ジュアキム・ミール 「貧しき者の大聖堂」 (1898年)


          
          ルマー・リベラ 「夜会のあとで」 (1894年頃)


          
         ルマー・リベラ 「休息」 (1902)


          
          ジュアン・ミロ 「おお!あの人やっちゃったのね」 <絵画詩> (1925)


          
         ジュアン・ミロ 「スペインを救え」 (1937年)


          
          パブロ・ピカソ 「ギターのある静物」 (1912)
          
          
          
          パブロ・ピカソ 「ミノタウロマキア」 (1935)


          
          パブロ・ピカソ 「泣く女」 (1937)


          
          サルバドール・ダリ 「静物」 (1923年)


          
          サルバドール・ダリ 「水の中の裸体」 (1924頃)


          
         サルバドール・ダリ 「ヴィーナスと水兵」 (1925)


 展示してあった作家の多くは名前を知らなかったのですが、どの作品も存在感があって、思わず見入ってしまうものばかりでした。
 なかでもウルジェイの「共同墓地のある風景」や、プラネッリャ「職工の娘」などに魅かれました。
 またピカソの「泣く女」、ダリの「ヴィーナスと水兵」などの有名な作品を見ることができて、ちょっとテンションが上がりましたね。


          




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シングル・カットされていないビートルズの名曲20撰

2019年08月18日 | 名曲

【Live Information】


 伝説のロック・バンド、ビートルズ。
 デビュー以来57年、解散してから49年が経っていますが、彼らの創った曲の数々は未だに光彩を放ち続けています。
 なんといっても、ポール・マッカートニー&ジョン・レノンという偉大なコンポーザー・チームを擁しているだけあって、「名曲」と称賛されている作品は枚挙にいとまがありません。
 全英もしくは全米チャートで1位を獲得したのは実に24曲を数えます。
 

 「ビートルズのシングル・レコードはB面も聞き逃せないので、ほかのシングル・レコードよりもお得だ」という意味の言葉も広く伝わっています。もちろんこれに疑い差し挟む人なんてほぼいないでしょう。
 そのくらいビートルズの曲には、シングル・カットされているかどうか、あるいはシングル・レコードのA面B面に関係なく、印象に残る名曲佳曲が連なっているんですね。
 そこで、バンドが実質的に解散(ポールが脱退)した1970年4月10日までに、イギリス、アメリカ、日本でシングルとしてリリースされていないものの中から、ぼくの好きな曲をピック・アップしてみました。どれもヒット・チャートを賑わす曲と遜色ないんじゃないかと思います。
 こうしてみると、「ホワイト・アルバム」に入っている曲が目立ちますね~


 実は、シングル・カットされていない曲のベスト20を選ぶ、という作業はなかなかに難しいものでした。
 つまり、ビートルズの作品の中で駄曲を見つけるのはかなり難しい、ってことですね。



20位 ミッシェル/Michelle (McCartney) [収録アルバム・・・ラバー・ソウル]
 せつなくエレガントなメロディが印象的なバラードで、シングル・カットはされていないものの1967年度のグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞しています。フランス語を使っているところがユニークですが、そのフランス語の部分の発音がとてもまろやかに聞こえるので、ロマンチック感が増したような雰囲気になりますね。ロマンチックといえば、「I love you」の繰り返しもそうですね。

19位 グッド・ナイト/Good Night (Lennon) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]   
 ジョンが息子ジュリアンのために作った子守唄。ビートルズでレコーディングに参加しているのは、ボーカルをとっているリンゴだけです。リンゴ独特の低く穏やかな声はこれ以上ないくらい曲にマッチしています。静かな夜、平穏、なにげない幸せ、そんな言葉が聴いているぼくの頭に浮かんできます。
 アルバム「ザ・ビートルズ」30曲中のクロージング・ナンバーです。29曲目がアヴァンギャルドな「レヴォリューション9」なので、この「グッド・ナイト」が醸し出す静けさがひときわ引き立っています。

18位 ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン/Happiness is a Warm Gun (Lennonn) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]
 3つの部分からできている曲です。ふたつ、あるいはそれ以上のパートから成り立つメドレー風の曲を作るのはポールがよく使う手法ですが、この曲はジョンの作品です。しかし3つの部分とも、ジョンらしいちょっと尖ったイメージがにじみ出ている気がします。4/4拍子と3/4拍子が交錯するところもビートルズらしいユニークな仕掛けです。

17位 アクロス・ザ・ユニヴァース/Across the Universe (Lennon) [収録アルバム・・・レット・イット・ビー]
 とても思索的で、ジョンの価値観がはっきり出た歌詞を持つ美しいバラード。ジョンは、自作の歌詞の中でこの曲を最高だとしています。「Nothing's gonna change my world (何ものも私の世界を変えることはできない)」という部分と、マントラ(仏に対する賛美や祈りの言葉)の「Jai Guru De Va Om… (我らが導師、神に勝利を)」という部分がとても印象的。

16位 ヘルター・スケルター/Helter Skelter (McCartney)  [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ] 
 ヘヴィ・メタル・ロックの源流のひとつと言われている、ビートルズのオリジナルの中で最もラウドな曲。重苦しいギターのリフ、ポールのシャウト、これぞハード・ロック。エンディング前にいったんフェイド・アウトしてからのフェイド・インは、アート・ロック花盛りだった当時らしい仕掛けです。エンディング前のわめき声なんか実にパンクです。それにしてもポールのボーカルって甘いバラードからこういうワイルドなものまでとても幅広くマッチしますね。いまさらながらの驚きです。

15位 アイヴ・ガッタ・フィーリング/I've Got A Feeling (Lennon=McCartney)  [収録アルバム・・・レット・イット・ビー]
 R&Bフィーリング漂うヘヴィなナンバー。ポール作の部分とジョン作の部分を繋ぎ合わせた曲だそうです。ギターによるイントロのアルペジオがとても印象的で、何事かが起こりそうな予感をかき立ててくれます。ポールのシャウトはやっぱりカッコいい!

14位 ア・デイ・イン・ザ・ライフ/A Day in the Life (Lennon) [収録アルバム・・・・サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド]
 ビートルズのオリジナルの中では最も壮大な雰囲気のする曲じゃないかな。淡々と何かを語りかけるような、やや抑え気味のジョンのボーカルの存在感の大きさ。多少効いているリバーブの影響で、なんだか夢の中で聴いているような錯覚に陥ります。そしてリンゴのドラムの盛り上げ方と、オーケストラを使ったアレンジは絶妙。どんどんボルテージが上がるエンディング前と、最後のコードのコントラストからは、えも言われぬ衝撃を受けます。ドラッグ・ソングとも見なされたサイケデリックな曲です。

13位 ドライヴ・マイ・カー/Drive My Car (McCartney) [収録アルバム・・・ラバー・ソウル]
 野性味あふれるポールのボーカルが魅力の、ソウルフルでエキサイティングなナンバー。ギターと少し歪んだベースのユニゾンからなるリフ、カウベルが刻むリズムが独特のグルーヴを生み出しています。ハード・ロックの原型と言ってもいいんじゃないかな。

12位 ヤー・ブルース/Yer Blues (Lennon) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]  
 ジョンの作ったブルース・ロック・ナンバー。当時(1968年)の「猫も杓子も状態」だったブリティッシュ・ロック界のブルース・ブームを皮肉った曲だそうです。このビートルズ流ブルースはヘヴィで、迫力充分。8分の6のリズムが途中でブギーで変わるところなど、ビートルズらしい仕掛けだと思います。そして凄味のあるボーカル、これはまさにジョンの本領発揮といったところでしょう。

11位 トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ/Tomorrow Never Knows (Lennon)  [収録アルバム・・・リヴォルヴァー]
 「サイケデリック」の一語につきます。一種病的というか、「毒」とは言わないまでも得体の知れないものに虜になりそうで怖い感覚というか、耳の奥に刻みつけられて消えないというか、妖しく不思議な感覚に導かれて離れられなくなりそうな、そんな空気に満ちています。
 ループやサンプリング、テープの逆回転などの技術を駆使するほか、ボーカルをレスリー・スピーカーにつないで変化する音波の振動をうまく利用したり、タンブーラ(インドの弦楽器)を使うなど、アイデア満載です。
 奏でられるコードがCメジャーのみのワン・コードであるところや、スネア・ドラムの入る位置が3泊目の裏であるところ(独特のグルーヴ感を出している)、これらを延々続けることで、リスナーをいわゆる「トリップ」した状態、あるいは一種の「トランス」状態に落とし込んでいるのだと思います。

10位 ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア/Here, There and Everywhere (McCartney)  [収録アルバム・・・リヴォルヴァー]
 『リヴォルヴァー』きっての名バラード。作者のポールが「自分自身の最高傑作のひとつ」と言い切っているほか、ジョンやプロデューサーのジョージ・マーティンもこの曲を絶賛しています。
 牧歌的な雰囲気の漂うラヴ・ソングで、ジャズ系のミュージシャンにもよく取り上げられています。「この曲にはこれしかない」、という個性的なイントロがこれまた素晴らしいです。
   
 9位 バック・イン・ザ・U.S.S.R./Back In The U.S.S.R. (McCartney)  [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]    
 ビートルズ特製のハード・ロック・ナンバー。アルバム「ザ・ビートルズ」の1曲目に収録されていて、イントロのジェット機のエンジン音で一気にテンションがあがります。とにかくロックしまくるハードなナンバー。ビーチ・ボーイズっぽいコーラスと、ハナウタで歌えるフレンドリーなメロディが楽しいなあ。実際にビーチ・ボーイズがライブで演奏していたこともあったそうです。

 8位 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド/Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (McCartney) [収録アルバム・・・サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド]
 オーケストラのチューニングと客席のざわめきのSEから始まるこの曲は、いきなりトップ・ギアに入ったかのようなポールのワイルドなボーカルによってハイ・テンションに導かれます。間奏までの流れがとにかくカッコ良くて、そこだけを何度繰り返して聴いたかなあ。
 そしてフレンチ・ホルンによる間奏が「ペパー軍曹の」というだけあって軍楽隊ぽくてどことなくユーモラスで。そしてエンディングへ向かってさらにボルテージの上がるポールのボーカルで、聴いているぼくはまさにノックアウトされてしまいます。

 7位 夢の人/I've Just Seen a Face (McCartney) [収録アルバム・・・ヘルプ!]
 フォーク、あるいはカントリーの芳醇な香りにちょっとウキウキしてしまう、アコースティックな曲です。ポール、ジョン、ジョージの3人が弾くアコースティック・ギターと、リンゴがブラシで叩くスネア・ドラムだけで録音されていて、爽快感と疾走感に満ちています。

 6位 ヘイ・ブルドッグ/Hey Bulldog (Lennon) [収録アルバム・・・イエロー・サブマリン]
 ハード・ロック調のリフを持つジョンの曲。ジョン独特のとんがったボーカルがちょっとバイオレンスな感じを醸し出していて、思わずそそられちゃいます。

 5位 オール・マイ・ラヴィング/All My Loving (McCartney) [収録アルバム・・・ウィズ・ザ・ビートルズ]
 ポールの代表作のひとつ。ジョンに「悔しいほどいい曲だ」「ポールには完璧な作曲の才能がある」と言わしめました。ビートルズがアメリカの人気番組「エド・サリヴァン・ショウ」に初出演した時に演奏したのがこの曲です。この時テレビを観たのは全米総人口の72%でした。また、ビートルズ出演時には少年犯罪発生率が低下した、という話が残っています。ポールとジョンのハーモニー、ジョンのオルタネイト・ピッキングによる3連符のカッティングが印象的な、爽やかでちょっぴりせつないナンバー。

 4位 サヴォイ・トラッフル/Savoy Truffle (Harrison) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]
 ジョージが、親友エリック・クラプトンの虫歯を「イジった」曲。いろいろなチョコレートの名前が連なる歌詞とはうらはらに、曲は6本のサックスからなるディストーションの効いたサックス・セクションと、ジョージのギターのアンサンブルがとてもロックでカッコいいのです。バックで薄くコードを弾いているオルガンもプログレ風でいいなあ。かなりグルーヴィーなロック・ナンバーで、ぼく的にはむかしからとても好きな曲なのです。

 3位 オブラディ・オブラダ/Ob-La-Di, Ob-La-Da (McCartney) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]
 風変わりなタイトルは、当時ポールが遊びに行っていたナイト・クラブに出演していたナイジェリア人パーカッショニストの口癖から。レゲエ風味のたいへんポップな曲で、カヴァー・ヴァージョンも数多く、親しみやすいメロディは広く知られています。日本でもNHKの「みんなのうた」で取り上げられたり、さまざまな児童合唱団によって歌われたりしています。1975年には佐良直美が紅白歌合戦でこの曲を歌いました。

 2位 イン・マイ・ライフ/In My Life (Lennon) [収録アルバム・・・ラバー・ソウル]
 ジョンが、故郷リヴァプールでの思い出について歌っている曲。そのせいか、ベタつかないセンチメンタリズムやほどよいノスタルジーが伝わってきて、なんだかシミジミしてしまいます。ジョージ・マーティンが間奏で弾いているバロック風のピアノが、なんともノスタルジックでいいんだなあ。この間奏、演奏が難しかったために速度を落として録音し、元の速度で再生しているのですが、そのためにチェンバロのような音色になっています。

 1位 オー・ダーリン/Oh! Darling (McCartney) [収録アルバム・・・アビイ・ロード]
 ビートルズの曲の中でもぼくが大好きな曲です。オールディーズな雰囲気もする6/8のロッカ・バラードで、なんといってもポールのワイルドで、情感あふれるボーカルが素晴らしい。でもジョンはのちに、「これはぼくが歌った方が合う」と発言しています。じっさいジョンの本質はロックンローラーとも言えるので、そのスピリットと独特のアグレッシヴな歌声はたしかにこの曲にマッチしているような気がします。ジョンのヴァージョンがあれば絶対に聴いてみたいんですけどね。


 このほかにも「ゴールデン・スランバー~キャリー・ザット・ウェイト」、「ガール」、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」などなどがあったりして、とても選びきれません。
 そして、実際には順位付けなんてムリですね。好きな曲の「(例えば)A群」「B群」「C群」があるような感じです。
 また、シングルのB面にも「レヴォリューション」、「ドント・レット・ミー・ダウン」、「レイン」などなどの名曲がたくさんあったりして、ビートルズがいかに素晴らしいかを改めて思い知らされた気分になりました。




 

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land & quiet live at 宗忠神社

2019年08月13日 | ライブ

【Live Information】


 自然現象、景色、感情、空想・・・。
 この5人は、こういう事象を音で物語る。  
 でも、感情のおもむくままに音を吐き散らかしているわけでもないし、逆に構築しすぎてもいない。
 奏でる側に浮かぶ素直な感覚を音として発し、それを受けてさらに発音する。その音を5人は自然な成り行きで育てているような気がする。
 音のどれもこれもが連動していて、5人の存在のバランスが絶妙で、ステージはまるで小さな宇宙みたいだった。
 それでも時折り訪れる各々のソロは、瞬発力があって、川の流れのような起伏があって、やっぱりひとつの世界になっている。  
 なかでも最後の曲の、ドラムとピアノの応酬は圧巻の一言に尽きる。


     


 福盛くんのドラムをこの10日で二度も味わえたのは、ぼくにとってのこの夏のボーナスみたいなものかな。(^^)
 全員の演奏力の高さは言うまでもないことでしたが、それに加えて神社の中にある建物での演奏はすこし厳かでもあり、慌ただしい日常から抜け出せたような気分を味わうことができました。 時間も雰囲気も屋外とは違ったものに感じられたので、そういう空気の中に身を置くとしぜんに気持ちも穏やかになれるのです。


 なんとも美しい時間でした。      


 縁があって、ぼくの弓をヴィブラフォンの角銅真実さんに使ってもらうことになったんです。  
 弓が登場するとなんだか嬉しくなっちゃって、  
 「うちの子!あれはうちの子なんです!見てやってください、うちの子ががんばってますぅぅ!(´д`*)」的な気持ちで見ておりましたw


      

        


 その角銅さんですが。
 ステージ上でくるくる変わる表情、強い印象を受ける漆黒のくっきりした目、うきうきして帰り道を歩いている子供のような演奏中のステップ(^w^)、他の演奏者の気迫のこもった演奏ぶりを楽しそうに面白そうに見つめる無邪気さ。  
 そこに彼女がいるだけで空気が変わる、とても素敵なキャラクターでした。 

 
     
     


 この5人による「land & quiet CDリリース記念ツアー」は、14日は兵庫県丹波篠山市「rizm」で、15日は東京都杉並「sonorium」でライブを行う予定だそうです。  
 行けるものならもう一回聴きたいなあ。


【land & quiet Live at 宗忠神社】
2019年8月12日(月:祝)

 land & quiet   
   伊藤ゴロー (guitar)   
   佐藤浩一 (piano)   
   福盛進也 (drums)
 guests   
   角銅真実 (vibraphone, percussions, vocal)   
   ロビン・デュプイ (cello)


 land & quiet live in Okayama 




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夏の万葉岬

2019年08月12日 | 写真

【Live Information】  


 師匠に教わった万葉岬。
 兵庫県の相生市にあります。
 大好きな場所のひとつです。
 姫路からの帰路に寄り道してみました。
 人影は見当たりません。
 静かな眺望です。





















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真夏の大阪

2019年08月06日 | 写真

【Live Information】

 8月4日は、「山下洋輔×福盛進也」のライブを聴きに大阪へ行ったのですが、午後は大阪市内をブラブラしてみるつもりだったので、午前中には家を出ました。
 13時には大阪駅へ着き、そこからなんとなく西梅田へ向かいます。
 快晴の真夏、気温は35℃はあったんじゃないかな。
 熱中症にならないよう、コンビニで水を買い、なるべく日陰を歩きます。
 まずは四つ橋筋を南へ下り、中之島を目指します。
 

     


 渡辺橋を渡って右へ折れます。中之島のビル街を通り抜けます。
 なんとなく見覚えがあるな~、と思ったら、何年前だったか京阪渡辺橋駅で演奏したことがあって、そのとき車をこの近くに停め、楽器や機材をたくさん抱えてこのあたりを歩いたんだった。
 
 
     
     中之島のビル街


 そしてお目当ての国立国際美術館へ。
 「ジャコメッティとⅠ」と「抽象世界」のふたつのイベントがありました。
 「抽象世界」展は、美術系の学生でしょうか、若者がけっこう来ていて、熱心にメモをとっていました。
 「ジャコメッティとⅠ」展では、ジャコメッティのほか、思いがけず藤田嗣治、カンディンスキー、ピカソなども見ることができました。
     

     


     


     


     


 とても広い美術館でした。涼をとると同時に、ゆっくり展示物を観てまわりました。
 そしてまた渡辺橋方面へ戻ります。


     
     土佐堀川の土手に上がってみると、暑さを避けて休んでいるハトが。


     
     大阪フェスティバル・ホール。


 8年前の9月に大阪フェスティバル・ホールに出演させていただいた時には、当日になっても譜面をこなしきれてなくて、早めに来て川辺で猛練習という名の「最後のワルあがき」をしたのを思い出しました。
 そのころとは川辺の景色が変わっていました。


 そして中之島フェスティバル・タワー・ウエストに上ってみました。
 やっぱり見晴らしのいいところから景色を眺めてみたいですからね。


     



     


 ひとしきり景色を眺めたあとは、いったん宿にチェック・イン。
 そして夜は、西天満「いんたーぷれい8」で「山下洋輔×福盛進也」ライブを堪能したわけです。




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山下洋輔 & 福盛進也 at いんたーぷれい8

2019年08月05日 | ライブ

【Live Information】  


 山下洋輔(piano)と福盛進也(drums)の顔合わせ!
 ぼくとしては、好奇心に火がついただけでは収まらず、あたりにも飛び火して燃え盛るようなお知らせでした。


 このライブは、大阪は西天満のジャズ・クラブ「いんたーぷれい8」の60周年記念と、ママさんの誕生祝いを兼ねたものです。
 ママは86歳になったそうですが、とてもお元気。小柄な体から発するエネルギーと遠慮のない口調は、まるで往年のミヤコ蝶々さんを見ているようでした。
 「86になったらもうオトコにもモテんしなw」だってwww


     


 「いんたーぷれい8」は山下さんとも福盛くんとも縁の深いお店で、ママさんと山下さんとのお付き合いはそのうち50年になるんだそうです。
 山下さんの著書の中にも「いんたーぷれい8」の名前はちょいちょいでてきますね。
 最初に山下さんがここで演奏した50年前。
 ギッシリ満員だった客席が、山下さんのフリーな演奏が終わる頃にはたったの5人になっていたそうです。それでもママさんは山下さんの独特の音楽を大好きになり、応援し、それを貫き通してきました。山下さんのカーネギー・ホールでのライブにも駆けつけ、客席からハンカチを振りながら大声援を送っていたそうです。 
 福盛くんは、アメリカの大学を終えていったん日本へ帰り、ドイツへ行く準備をしている時から「いんたーぷれい8」にはなにかと応援してもらっているそうです。日本へ帰ってきた頃はミュージシャンの知り合いが誰もおらず、演奏しようにも共演者すらいなかった時に、温かく迎え入れてくれたんだそうです。


 この夜の「8」は、まさに立錐の余地もなく、自分が吸ってもいいぶんの酸素が残っているかどうかが心配なくらい。
 ぼくは山下さんを生で聴くのは初めてなうえに、ドラムはECMからリーダーアルバムをリリースしていっそう将来が楽しみな福盛くん。これが果たしておめおめ聴き逃せられましょうか


     

  福盛くんの顔を見るのは昨年の4月以来。
 実はこの日の昼、大阪駅でなんと偶然にも福盛くんとばったり(゚Д゚) (あまりの人混みだったので声をかけたけれど届かなかった)。
 あら~と思っていたら、お店に入る前にまたしてもばったりwww
 (ちなみに、ライブ前の腹ごしらえに入ったカレー屋さんで、15年ほど前に大阪でよく出演させていただいていたamホールの代表のKさんとこれまたばったり。あまりの偶然にビックリでした)


 ライブは、まずは山下さんのソロ・ピアノでオリジナルを2曲、そして「You Don't Know What Love Is」。
 4曲目に山下さんから呼び出され、福盛くんがドラム・セットへ。そして福盛くんのアルバムのタイトルチューン「for 2 akis」でデュオの幕が切って落とされました。
 そのあとは山下さんのオリジナル「ハチ」。タイトルはもちろんお店にちなんだものです。
 「ハチ」のあとは再び山下さんのソロでラヴェルの「ボレロ」。初演の時に聴衆のひとりが「ラヴェルが狂った」と口走ったと言われる、エキセントリックな名曲です。
 「ボレロ」が終わるや、間髪入れずに起こるアンコールの手拍子。そして山下さんからアナウンスされた曲名は、70年代山下トリオの名曲「キアズマ」!
 もう感激です。


     
     リハーサルのようす。(写真は福盛進也くんにお借りしたものです)


 日本のジャズを背負ってきた山下さんと、次世代のジャズを引っ張っていくであろう福盛くんのこの夜の共演は、大横綱の千代の富士に若き貴花田が立ち向かったあの伝説の一番を思い出させるものでした。
 もしかすると、この夜ぼくは「歴史のひとコマ」を見たのかもしれない。そんなことを思ったりしました。
 実際は、演奏中に試合とかバトルの類いの空気が出たのは一瞬たりともなく、お互いの音を聴き合い、お互いの歌にお互いの歌を重ね合わせる、まさに「共演」。素晴らしいコラボレーションでした。
 1曲終わるごとの大歓声、大喝采。
 フリージャズでこんなに胸がいっぱいになったことって初めてだ!
 ママさんも小柄な体全身で大喜びしておられました。「体調も良くなった」「帰られへん」、そうですw


 ライブのあとカウンターでハンバーグを食べていたら、隣に山下さんが座られまして。。。(*´Д`*)
 いやもう緊張して声なんてかけられなかったです。
 ハンバーグひとつ食べるのにあんなにドキドキするなんて・・・www


     





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真夜中のドア~Stay With Me

2019年07月28日 | 名曲

【Live Information】


 「ニュー・ミュージック」という言葉、あるいは音楽シーンにおけるカテゴリーが定着したのは1970年代半ば頃だと記憶しています。
 従来のフォークやロックから政治色・生活臭・メッセージ性・アンダーグラウンド感が薄まったものが「ニュー・ミュージックですが、歌詞やファッションなどの面では歌謡曲へ少し近づいた感もありました。
 それでも、自作(あるいはフォーク、ロック畑のコンポーザーへの依頼)曲を自分で演奏するスタイルが中心だったり、発言が比較的自己主張の強いものだったりと、歌謡曲畑のミュージシャンよりもオリジナリティやキャラクターがはっきりしていたので、「歌謡曲」と「ニュー・ミュージック」の間にはぼくなりの境界線がありました。
 そんな時期に、ニュー・ミュージック界の新星として現れたのが松原みきでした。


     


 1970年代中盤以降、ニュー・ミュージック系ミュージシャンが雨後の筍のように現れます。
 当時は、ざっと思い返すと、1976年に尾崎亜美、1977年に渡辺真知子、石黒ケイ、1978年に八神純子、竹内まりや、水越けいこ、越美晴、上田知華、杏里、1979年に門あさ美、須藤薫、石川優子、久保田早紀、1980年にEPOなど、きらびやかで多彩な面々がデビューし、日本のポピュラー音楽ッシーンを活気づけていました。
 松原みきのデビューは1979年。「日本を代表するジャズ・ピアニスト世良譲氏に見出された期待のシンガー」というコメントがメディアのあちこちで見られていました。


 「真夜中のドア」は、松原みきのデビュー曲です。洗練された都会的なサウンド作りが指向されています。
 おりしもロックとジャズの融合から生まれた「クロスオーヴァー」あるいは「フュージョン」、「ソフト&メロウ」「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」などの、いわゆる「オトナ」なロックなどが当時のポピュラー音楽シーンに広まっていて、その影響を大きく受けているように思います。


     
     松原みき『POCKET PARK』


 リチャード・ティーを思わせるエレクトリック・ピアノ。
 間奏の、なんとも都会的なサックス・ソロ。
 小気味のよい16ビートを刻むドラムやギターのカッティング。
 その16ビートにメリハリを付けてグルーヴしまくるベース。とくにエンディング前のギター・ソロを支えるエキサイティングなフレーズの数々には脱帽するしかない感じです。
 これらが当時の先端をゆくサウンドを創りあげています。いわゆる「シティ・ポップ」の王道ですね。


 「大人」というより、「大人になりかけている」感じがする松原みきの歌声は、その都会的サウンドによくマッチしています。
 明るさのあるボーカルなんですが、ぼくとしては、太陽の陽射しの明るさというよりも、夜の都会の街の明るさ、というイメージを抱いています。
 発音が明瞭で、よく歌詞が伝わってくるし、臆さず伸び伸び歌っているところも好きでしたね。
 
 
 エンディングのギター・ソロは、当時渡辺香津美と並んで新世代若手ギタリストの筆頭と目されていた松原正樹です。今剛(guitar)、斎藤ノブ(percussion)、そしてこの曲にも参加している林立夫らと「パラシュート」を組んでいたことでも知られている名手です。
 この松原氏のギターが、実に新鮮。伸びやかなトーン、流麗でドライヴするフレーズ、エキサイティングな流れ、ロックな豪快さとジャジーなフィーリング。どこを取ってもカッコよく、カセット・テープに録音したこの曲のエンディングだけを何度も繰り返し聴いたものです。


     


 「真夜中のドア」は、1980年にスマッシュ・ヒット。その年秋の学園祭には、早慶戦前夜祭も含め、早稲田大学学園祭など9つの学園祭に出演するなど、ちょっとした「学園祭の女王」でした。
 キュートな前歯と、シャープな視線がとってもチャーミングでしたね。


 1990年代以降はすっかり「松原みき」の名を聞くことがなくなり、時々「真夜中のドア」を聴いては懐かしく思っていました。
 あとで知ったのですが、当時は歌手活動を休止し、コンポーザーとして活動していたそうです。
 久しぶりに松原みきの名を目にしたのは、新聞の訃報欄でした。
 記事を目にして、寂しさのまじった残念な気持ちでいっぱいになったのを覚えています。


 2004年10月7日、松原みきさんはガンのため44歳の若さで亡くなりました。

 

[歌 詞]


◆真夜中のドア~Stay With Me
  ■歌
    松原みき
  ■シングル・リリース
    1979年11月5日
  ■作詞
    三浦徳子
  ■作曲・編曲
    林哲司
  ■録音メンバー
    松原正樹 (electric-guitar)
    ジェイク・H・コンセプション (sax)
    渋井博 (Keyboard)
    後藤次利 (bass)
    林立夫 (drums)
    穴井忠臣 (percussion)
  ■週間チャート最高位
    オリコン28位
  ■収録アルバム
    POCKET PARK (1980年)



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2019年8月のライブ予定

2019年07月21日 | 演奏スケジュール

【Live Information】  


8月2日(金)      
  岡山 ピアノバー
     
    岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)        
     【出 演】 美淋つゆ子(piano)、皆木秀樹(bass)        
     【料 金】 1000円(飲食代別途)        
     【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)     
     ※シットイン可


8月8日(木)    
  岡山 ピアノバー
     
    岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)        
     【出 演】 MISA(piano)、皆木秀樹(bass)        
     【料 金】 1000円(飲食代別途)        
     【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)        
     ※セッション可


8月11日(日)
  倉敷 木庵
         
    倉敷市川西町18-23 (tel 086-421-9933)
     【出 演】 MISA(piano)、皆木秀樹(bass)
     【料 金】 飲食代のみ
     【演 奏】 19:00~ (2回ステージ)


8月16日(金)
  岡山 インタリュード
    岡山市北区中山下1-5-43 (tel 086-222-3715)
     【出 演】 入江修(sax)、MISA(piano)、皆木秀樹(bass)
     【料 金】 3000円(1プレート付 ※ドリンク代別途)
     【演 奏】 20:15~ (3回ステージ)


8月20日(火)   
  岡山
ピアノバー
   
    岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)     
    Live & Session     
     【出 演】 古山修(guitar)、皆木秀樹(bass)     
     【料 金】 1000円(飲食代別途)     
     【演 奏】 21:00~、22:00~ (2回ステージ)


8月23日(金) 
  倉敷 木庵
   
    倉敷市川西町18-23 (tel 086-421-9933)
     【出 演】 鈴村紀子(piano)、皆木秀樹(bass)
     【料 金】 飲食代のみ
     【演 奏】 18:30~ (2回ステージ) 


 8月24日(土)   
  岡山 GROOVY
     
    岡山市北区田町2-5-23 (tel 086-221-7721)        
     【出 演】 山本博之(piano)、皆木秀樹(bass)     
     【料 金】 2000円(飲食代別途)        
     【演 奏】 20:00~ (2回ステージ)        
     ※シットイン可


8月25日(日)       
 岡山 ピアノバー
          
   岡山市北区野田屋町1-11-10 清水ビル3F (tel 086-222-8162)
   Jazz With Kids!!             
    【出 演】 美淋つゆ子(piano)、まいける冨岡(drums)、皆木秀樹(bass)              
    【料 金】 大人1000円、中高生600円、小学生400円、未就学児無料(いずれも飲食代別途)              
    【演 奏】 15:00~


 8月28日(水)   
  倉敷 アヴェニュウ
     
    倉敷市本町11-30 (tel 086-424-8043)         
     【出 演】 古山修(guitar)、新田佳三(drums)、皆木秀樹(bass)        
     【料 金】 1000円(飲食代別途)        
     【演 奏】 20:00~、21:00~、22:00~ (3回ステージ)        
     ※シットイン可






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