ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

音符だらけの曲

2008年04月30日 | ネタをたずねて三千里
            △これは「デス・ワルツ」



  さて、昨日の「音符のない曲」という記事をご覧になった瞬間、「ああ、明日はあれが来るに違いない」と思われた方も多いことでしょう。
( ̄∇ ̄;)
 そうです。これももうご存知の方も多いとは思いますが、改めて紹介いたします。
 「妖精のエアと死のワルツ
(FAERIES AIRE and DEATH WALTZ from "A Tribute to Zdenko G. Fibich")
 と
 「ストリング・カルテットNo.556(b) ミュージック・フォー・ストリングス・イン・Aマイナー」(String Quartet No. 556(b) Music For Strings In A Minor (Motoring Accident))

です!!!


 作曲者は、両曲ともジョン・スタンプ(John Stump)です。


 この譜面を見た瞬間のリアクションは、楽器をたしなむ方ならば、
      後じさりバカ笑い
 のどちらかだと思われます。(ちなみにぼくは後者でした)


 どうぞこの2曲の楽譜をご覧下さい(クリックで拡大します)


デス・ワルツ  ストリング・カルテット


 不協和音ばかりのこの曲が書かれた理由は、「とにかく難しくすること」だそうです…
!( ̄□ ̄;)

 なるほど、最後に
 「I am never playing this thing again!(二度とこんなもん弾かん!)」
 と書いてありますね~~。


 で、曲の見どころは(註:聴きどころと違います)、はい、見ておわかりですね。
 「1:21」とはナニゴト!? もう、これ明らかにネタですな…
 下の方には「Help Me」とか音符のカタマリで書いてるし。


 意図的に演奏不可能に書かれた譜面に、多数の指示(ジョーク?)が書かれているのが特徴です。


「自転車を加えろ」「だらしなく」「プレイボール」「ピーナッツを挿入」「呼吸増加」「アヒル」などの意味不明な指示に加え、その他にも「気球を操縦するように」「転がる石のように」「ネコのハンドルを使え」などなど・・・。
 とにかく書き込んである文章には、もうひっくり返るしかないです。
 「ママを呼べば?」とか「この曲には間違った弾き方はない」とか。


 楽譜を見てこんなに大笑いしたのは、はじめてでしたよ!


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音符のない曲

2008年04月29日 | ネタをたずねて三千里
          △ジョン・ケージ(JOHN CAGE)



 現代音楽の分野だけでなく、音楽にまつわる雑学としてもよく話題になるので、ご存知の方も多いでしょう。その「音符のない曲」のタイトルは、『4分33秒』です。


 作曲者はジョン・ケージ(John Cage)。1952年8月25日、ニューヨーク州でピアニストのデヴィッド・テューダー(David Tudor)による演奏(?_?)が初演です。しかし「初演」といっても、奏者が楽器から音を出したわけではありません。


 この曲、いちおう第一楽章(0分33秒)、第二楽章(2分40秒)、第三楽章(1分20秒)の三楽章で構成されております。


            が、


 この曲の楽譜、それぞれの楽章に「Tacet(休止)」と書かれているだけで、
 音符はひとつもない
 
のです。     ( ̄ロ ̄;)!


 にもかかわらず、楽譜は市販されているので、お求めになりたい方、ご安心ください。
 しかも値引きセールまでされているという・・・。


 この曲、作者によると、別に「4分33秒」である必要はないらしい。この4分33秒というタイトルは、初演時の時間に由来しているそうなんです。
 さらに、演奏者がピアニストである必要もないらしい。
 事実、オーケストラ・ヴァージョン(! 笑)が存在しています。


 演奏風景ですが、ピアニストが演奏する場合、ピアノの椅子に腰掛けるだけ。三つの楽章はピアノのフタの開閉で示します。あらかじめ開けてあるフタを閉じることが、演奏開始の合図になるらしい。もっとも、この合図、これも初演時のテューダーのパフォーマンスが引き継がれているだけのことだそうです。


 会場全体から聴こえてくる「音」を音楽として捉えているらしいのですが、多くの聴衆の前でピアノに4分間じっと向き合っているのは、相当図太い人間でないと耐えられないかも…。


 そしてこの曲はCD化もされていれば、続編(『0分00秒』。この曲もジョン・ケージが発表(1962年)した作品で、楽譜には言葉による指示しか書かれていません。これも音符のない曲ですね)もあります。


 さて、かのジョン・レノンが、自分のアルバム「未完成 作品第二番」の中で、「沈黙の二分間」という曲を収録してます。タイトル通り、レコード(当時)針がレコード盤の上を走る音しか聞こえない「曲」です。



 時として才能にあふれている人のすることは理解できんぞ。。。
 (´Д`;)




「4分33秒」の動画がありました! ひっくり返りそうになりました(笑)。「奏者」はジョン・テューダーです。




オーケストラ版はこちら。妙な緊張感に包まれています(笑)。1楽章終わるごとに皆いっせいに譜面をめくるのが笑えます。終演時には大喝采!


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ラヴィン・ユー (Lovin' You)

2008年04月27日 | 名曲

 
 天気の良い休日の朝。
 まぶしい朝日がカーテンの隙間からさしこみ、鳥のさえずりが聴こえます。
 カーテンを開けて全身で朝日を浴び、コーヒーを淹れます。
 そんな時に似合う曲のひとつが、この「ラヴィン・ユー」です。


 「ラヴィン・ユー」を歌っているのは、ミニー・リパートンです。
 もともと彼女はオペラ歌手志望で、周囲の期待も大きかったそうですが、ふとしたきっかけでチェス・レコードの関係者に紹介されたことからポピュラー音楽の世界へ入ることになります。


 下積みの生活が続きますが、5オクターヴとも、5オクターヴ半とも言われる声域を持つミニーは、その特長的な声で次第に関係者に知られるようになります。
 やがてのちに夫となるリチャード・ルドルフと出会います。お互いに一目惚れだったそうです。ミニーはそのリチャードと共にフロリダに移り住みますが、その地で生まれた名作がこの「ラヴィン・ユー」だったというわけです。


     


 1971年、ミニーはもうひとつの大きな出会いを経験します。それがスティーヴィー・ワンダーとの出会いです。
 ミニーはスティーヴィーのところに行き、自分がどれほど彼の音楽を好きか熱く語りました。スティーヴィーにすればそんなファンは珍しくなかったのですが、ふと彼女に名を尋ねたところ、「ミニー・リパートン」という返事が返ってきて、今度はとても驚きました。なぜならば、スティーヴィーはすでにミニーの歌を聴いて彼女の大ファンになっていたからです。
 そして、スティーヴィーがのちにミニーのソロ・アルバム制作を全面的にバック・アップすることになるのです。


 1974年、ミニーはソロ・アルバムの制作に取り掛かります。そしてこの時、スティーヴィーから「パーフェクト・エンジェル」と「テイク・ア・リトル・トリップ」の2曲を贈られました。
 アルバム・タイトルは「パーフェクト・エンジェル」。
 スティーヴィーから贈られた、最大の賛辞ではないでしょうか。
 

 録音中、ミニーと夫のリチャードは、フロリダ時代に赤ん坊を庭先のハンモックで寝かしつける時にかけていた曲を取り上げることになりました。ミニーのハイ・トーン・ヴォイスがよく通る、明るいスロー・バラードです。
 スティーヴィーもこの曲をとても気に入って、アルバムに収めようとしましたが、録音を重ねても何かが足りず、しっくりきません。よくよく考えたミニーとリチャードが思い出したのは、この曲をかけている時は、いつも庭先で小鳥がさえずっていた、ということです。そこでサウンド・エフェクトとして鳥の鳴き声を加えました。
 こうして完成したのが「ラヴィン・ユー」です。


 鳥のさえずり、柔らかいエレクトリック・ピアノ、透明感のあるストリングスとアコースティック・ギターが優しくバックで音を奏でます。
 ミニーの声は、黒人ヴォーカリスト特有の粘っこさみたいなものはあまり感じられないけれど、本当に可愛くて魅力的です。スコーンと突き抜けるように軽々と飛び出す超高音部の声は驚異的。まさに「完璧な天使の歌声」だと言えるでしょう。


 歌詞を見ると、思い切りストレートなラヴ・ソング。でも、この曲は、リチャードとミニーの間の赤ん坊に対する愛の歌なんだそうですね。きっと「生まれてきてくれてありがとう」と言っているのでしょう。


 アルバム「パーフェクト・エンジェル」は1974年に発表されました。
 翌75年1月にシングル・カットされた「ラヴィン・ユー」は、またたく間にチャートを駆け上がり、同年4月5日付で全米チャート1位に輝き、ミリオン・セラーを記録しました。


     
     『パーフェクト・エンジェル』


 ミニーは、絶頂の時を迎えていた1976年に乳ガンに冒されていることがわかり、乳房の除去手術を受けます。しかし彼女は落ち込むどころか、積極的に乳ガンに対する啓蒙を行います。「わたしのグラスにはワインは半分しか残ってないんじゃなくて、グラスに半分も満たされている」という発言は、ミニーの前向きな姿勢を表す言葉として今でも伝えられています。
 ポジティヴでハッピーな生き方を貫こうとしたミニーですが、78年にガンの転移が発見されました。それでもミニーは最後まで歌い続けようとします。


 「私が黒人だから、みんなは私がブルーズを歌うべきだと言うの。でも私には、ブルーに落ち込むようなことは何ひとつないの。ブルーズは悲しい感情で歌わなければならない。でも私はハッピーな人間」
 ガンの転移が発見されたのちのミニーの言葉です。


 1979年7月11日の夜、スティーヴィー・ワンダーがミニーのために書いた曲を持って病院にやって来ました。ミニーはこう言ったそうです。「私が待っていた最後の人がやってきたわ。これですべて良くなるわ」。
 翌12日午前10時、ミニーは家族に看取られながら不帰の人となりました。まだ31歳でした。


 「ラヴィン・ユー」はジャネット・ケイをはじめとして多くの歌手がカヴァーしています。日本でも平井堅、今井美樹、MISIAなどが歌っていますね。
 この曲もいつまでも長く歌い継がれるであろう名曲だと思います。



ラヴィン・ユー (Lovin' You)
  ■作詞・作曲
   ミニー・リパートン & リチャード・ルドルフ/Minnie Riperton & Richard Rudolph
  ■プロデュース
   スティーヴィー・ワンダー & リチャード・ルドルフ/Stevie Wonder & Richard Rudolph
  ■歌
   ミニー・リパートン/Minnie Riperton
  ■録音・発表
   1974年
  ■シングル・リリース
   1975年3月14日
  ■チャート最高位
   1975年週間シングル・チャート  アメリカ(ビルボード)1位(1975年4月5日付)、イギリス2位
   1975年年間シングル・チャート  アメリカ(ビルボード)13位、イギリス24位



[歌 詞]

[大 意]
あなたを愛するのは簡単なこと それはあなたが美しいから
あなたと愛し合うことが私のしたいことのすべて
あなたを愛するのは夢が現実になるよりも素敵
私の行動のすべてはあなたを愛し抜くこと
Lalalalala・・・・・dodododo・・・・・

私にそう思わせた人は他には誰もいないわ
あなたが運んでくれた色彩の数々
歳をとるまでずっと一緒にいてほしい
私たちは毎日を春の時のように過ごすでしょう
だってあなたを愛することは私の人生をとても美しいものにしてくれるから
私の人生の毎日はあなたへの愛に満ちている

あなたへの愛、あなたの魂への陽射しが見える
そして私たちのすべての時は・・・・・Ooo
あなたといれば愛以上のものに
Lalalalala・・・・・dodododo・・・・・




ミニー・リパートン 『ラヴィン・ユー』




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シカゴXI (Chicago XI)

2008年04月25日 | 名盤

 シカゴは、ぼくが最も好きなロック・グループのひとつです。高校時代には、とにかく聴きあさりました。


 学校の近くに、Nさん兄弟が経営している中古レコード店がありました。弟のヒロシさんはアマチュアの域を超えたギタリストでした。(現在でも地元在住のプロ・ギタリストとして活躍しています)
 学校の帰りによくそこへ寄っては、ヒロシさんの学生時代の話や、音楽の話を聞いたものです。大学時代に某有名ジャズ・プレイヤーのバンドに誘われたこと、思い立って渡米し、ジョージ・ベンソンにギターを習いに行ったことなどなど…。


 そのお店では、さまざまなグループのレコードを聴かせて貰いました。そこで薦められたレコードのひとつが、この「シカゴⅪ」です。文字通り、シカゴの11枚目のアルバムです。


     
     

 この頃のシカゴは、ひと昔前のブラス・ロックから脱皮していて、洗練された都会的なポップ色が濃くなりつつあったので、ひところのハードな音が好きだったぼくにはやや物足りない気がしていました。しかし、聴いてゆくほどにこのアルバムのバラエティに富んだ作風が好きになっていったのです。


 2曲目の「朝もやのふたり」は、全米チャート4位に入るヒット・ナンバーですが、ぼくは、9~11曲目にかけてのメドレー(「ある男の苦悩~前奏曲~愛しい我が子へ」)の美しさの方がたまらなく好きなのです。


     


 その頃はよく夜更かしをして、ラジオの深夜放送を聴いたり、好きなレコードを聴きながら本を読んだり、物思いにふけったりして、寝そびれたまま明け方を迎えることがままありました。
 真っ暗だった外が、夜が明けかかって青みがかかったように見える時、このレコードを聴いていると、ひとりぼっちでいることの寂しさがひときわ感じられました。そして曲が「ある男の苦悩」に移ると、ぼくの部屋にだけ一足早く朝日が昇ってゆくような錯覚に陥ったものです。


 精神的に不安定だったギタリストのテリー・キャスは、このアルバムの収録を最後に、ピストル事故(ロシアン・ルーレットをしていたという)で不慮の死を遂げています。そんな悲しいニュースも伝わって来て、よけいにしみじみ聴きこんだという記憶があります。


     
     テリー・キャス


 今でも夜中に一息入れたい時など、時々トレイに乗せる一枚です。


     
 
 
◆シカゴⅪ/Chicago Ⅺ 
  ■リリース
    1977年9月12日
   ■プロデュース
    ジェイムス・ウィリアム・ガルシオ/James William Guercio
  ■録音メンバー
   【Chicago】
    ロバート・ラムRobert Lamm/(Keyboards,vocals,percussion)
    テリー・キャス/Terry Kath(guitars,vocals,percussion)
    ピーター・セテラ/Peter Cetera(bass,vocals)
    ダニエル・セラフィン/Daniel Seraphine(drums,percussion)
    ロウディー・デ・オリヴェイラ/Laudir De Oliveira(percussion)
    ジェイムス・パンコウ/James Pankow(trombone,keyboards,percussion,vocals)
    リー・ローグネイン/Lee Loughnane(trumpet,vocals)
    ウォルター・パラザイダー/Walter Parazaider(sax,flute,clarinet)  
  ------------------------------------------------------
   【Guest】
    デヴィッド・"ホーク"・ウォリンスキー/David "Hawk" Wolinski(keyboard⑤⑪)
    ジェイムス・ウィリアム・ガルシオ/James William Guercio(guitar②)
    ティム・セテラ/Tim Cetera(backing-vocal②)
    カール・ウィルソン/Carl Wilson(backing-vocal②)
    チャカ・カーン/Chaka Khan(backing-vocal⑤)
    ドミニク・フロンティア/Dominic Frontiere(orchestration②⑨)
   ■収録曲
   A① ミシシッピー/Mississippi Delta City Blues (Kath)
    ②朝もやの二人/Baby, What a Big Surprise (Cetera) ☆全米4位、全英41位
    ③永遠の愛/Till the End of Time (Pancow)
    ④孤独なポリスマン/Policeman (Lamm)
    ⑤シカゴへ帰りたい/Take Me Back to Chicago (Seraphine, David Hawk Wolinski) ☆全米63位
   B⑥僕の公約/Vote for Me (Lamm)
    ⑦無情の街/Takin' It on Uptown (Kath)
    ⑧今度こそは/This Time (Loughnane)
    ⑨ある男の苦悩/The Inner Struggles of a Man (Dominic Frontiere, Instrumental)
    ⑩前奏曲(愛しい我が子へ)/Prelude(Little One) (Seraphine, David Hawk Wolinski)
    ⑪愛しい我が子へ/Little One (Seraphine, David Hawk Wolinski) ☆全米44位
    ☆=シングル・カット
  ■チャート最高位
    1977年週間チャート アメリカ(ビルボード)6位



 

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「村上朝日堂」シリーズ

2008年04月22日 | 見る聴く感じるその他
 

 ぼくの好きな作家のひとりが村上春樹氏であることはずっと以前にも書いたことですが、改めて今日は村上氏の作品を取り上げてみたいと思います。
 な~んて、書き出しが少し仰々しいかもしれないな~。


 「村上朝日堂」シリーズは村上氏のエッセイです。
 「今夜は寝る前になに読もうかな・・・」とちょっとばかり選択に迷う夜、手に取りやすい本なんですね。
 

 文章に力みがないのがいいんです。適度な脱力感がページを繰る手の後押しをしてくれる、って感じです。
 また、村上氏の身近な事柄を題材として取り上げていることが多いので、けっこう自分のことと置き換えて読めてしまったりするんですね。中身に血が通っている、というか、現実的でありながら内向的なところ、好感を持ってます。
 それに、村上氏の価値観、これにわりと共感を覚えているんです。非常にリベラルで、バランス感覚のとれた意見が多いと思っています。声高に主張するのではなく、「え~と、あの~」なんて頭を掻きながらも言いたいことはいつの間にかちゃんと言っている、なんとなくそんな感じです。


 時々ジャズについて書いてくれてるのが、また嬉しい。大上段に構えて語るのではなくて、ごくごくフツウに感想を添えてるところが好きです。それでいてちゃんと好みははっきりさせているし、表現がわかりやすいながらも、深い。いろいろたくさん聴いていても、通ぶってないとこがいいんですよね。見習いたいです、ホント。


 外は淡々としているように見えていても、実は内側ではいろんなことを感じ取っている、そういう雰囲気が伺えます。
 ぼく、けっこうあこがれているのかも。


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ウィングスU.S.A.ライヴ!! (Wings Over America)

2008年04月21日 | 名盤
 
 21世紀に入ってからも、なおいっそう精力的に活動しているポール・マッカートニー。
 60歳を過ぎているというのに、若々しい雰囲気は以前のまんまです。
 このまま、70歳になっても80歳になっても(さすがにそれはムリかな・・・)ロックンロールし続けてほしい。ロックが反体制の音楽ならば、ポールだってストーンズの面々に負けず劣らず「永遠の不良」なんですね。改めて「カッコいい!」って思います。


 ビートルズ脱退後のポールは、自分のバンド「ウィングス」を率いて、名曲佳曲をたくさん発表しています。
 ウィングスは1975年9月からワールド・ツアーを開始しましたが、1976年5月3日から6月23日までは26都市31公演の大規模なアメリカ・ツアーを行いました。ツアーは大成功のうちに幕を閉じ、このうちのアメリカ・ツアーのベスト・トラックを収録したアルバムが、「Wings Over America」として発表されました。なお、日本では当初「ウィングスU.S.A.ライヴ!!」のタイトルでリリースされていましたが、現在ではオリジナル・タイトルの「ウィングス・オーヴァー・アメリカ」に改められています。
 ちなみにこのワールド・ツアーでは日本にも来る予定になっていたのですが、ポールは大麻所持容疑で入国を拒否され、たいへんな騒ぎになりましたよね。結局日本公演はキャンセルされてしまったのでした。


     


 たしかNHKの音楽番組でこのワールド・ツアーのアメリカ・ライヴの様子が放映され、それを食い入るように見た記憶があります。まだビデオなんてほとんど普及してなかった頃ですからね、まばたきするのも惜しいような気持ちで見たんですよ。


 今聴いても、テンションの高い、エキサイティングなステージであることが伺えます。『ヴィーナス&マース』でスペーシーに、そしてロマンチックに始まったこのステージ、『ロック・ショウ~ジェット』で一気にエネルギーが爆発します。ここで早くも、ポールの世界にどっぷり浸っている自分を感じます。


     


 ビートルズ・ナンバーや、アコースティック・ナンバーなどを交えながら聴かせてくれるヒット曲の数々、しめて28曲。『バンド・オン・ザ・ラン』『マイ・ラヴ』『あの娘におせっかい』『イエスタデイ』『レディ・マドンナ』などなど、名曲のオン・パレードです。


 この中でぼくが好きなのは、オープニングのメドレー『ヴィーナス&マース~ロック・ショウ~ジェット』、ブルージーな『レット・ミー・ロール・イット』、デニー・レインがヴォーカルをとる『ゴー・ナウ』、原曲に比べて遥かにワイルドな『ハイ・ハイ・ハイ』、ハード・ロック・バンドを思わせるソリッドでエキサイティングな演奏と、ポールのシャウトが存分に楽しめる『ソイリー』などです。


     


 このライヴ・アルバムは、発売当時はLPレコード3枚組。金額は、いくらだったかな~、6000円くらいだったでしょうか、とにかく子供がおいそれと手を出せるような値段ではなかったので、友達に借りた時に録音しておいたテープを大事に大事に聴いていたものです。


 臨場感と熱気に満ちている作品です。とても楽しめました。
 バンドのまとまり具合の良さも感じることができます。
 この頃のポールやリンダ、ウィングスの面々の写真って変顔をしているものが多いのですが、これはバンド内のいい雰囲気の現れとも言えるんじゃないかな、と勝手に思ったりしています。
 演奏面では、目立たないけれど、デニー・レインの「内助の功」というか「陰の功労者」と言っていいサポートぶりは貴重です。
 またギターのジミー・マッカロックの荒々しくも瑞々しいプレイぶりも特筆しておきたいですね。ジミーは将来を期待されたロック・ギタリストでしたが、ドラッグの過剰摂取のためこのライブの3年後に急逝しています。
 
 
 このアルバムのテンションの高さ、30年も時が隔たっているのに、ここ数年の間に発表されたDVDなどと比べても遜色ないんです。
 それだけのエネルギーを維持しているポールに、改めて驚かされますね。


     



ウィングスU.S.A.ライヴ!!/Wings Over America
  ■歌・演奏
    ウィングス/Wings
  ■リリース
    1976年12月10日
  ■収録曲
   Side-A
     1 ヴィーナス・アンド・マース~ロック・ショウ~ジェット/Venus and Mars ~ Rock Show ~Jet (Paul McCartney)
     2 レット・ミー・ロール・イット/Let Me Roll It (McCartney)
     3 遥か昔のエジプト精神/Spirits of Ancient Egypt (McCartney)
     4 メディシン・ジャー/Medicine Jar (Colin Allen, Jimmy McCulloch)
   Side-B
     5 メイビー・アイム・アメイズド/Maybe I'm Amazed (McCartney)
     6 コール・ミー・バック・アゲイン/Call Me Back Again (McCartney, John Lennon)
     7 レディ・マドンナ/Lady Madonna (McCartney)
     8 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード/The Long and Winding Road (McCartney, Lennon)
     9 007死ぬのは奴らだ/Live and Let Die (McCartney)
   Side-C
    10 ピカソの遺言/Picasso's Last Words (McCartney)
    11 リチャード・コーリー/Richard Cory (Paul Simon)
    12 ブルーバード/Bluebird (McCartney)
    13 夢の人/I've Just Seen a Face (McCartney, Lennon)
    14 ブラックバード/Blackbird (McCartney, Lennon)
    15 イエスタデイ/Yesterday (McCartney, Lennon)
   Side-D
    16 幸せのアンサー/You Gave Me the Answer (McCartney)
    17 磁石屋とチタン男/Magneto and Titanium Man (McCartney)
    18 ゴー・ナウ/Go Now (Larry Banks, Milton Bennett)
    19 マイ・ラヴ/My Love (McCartney)
    20 あの娘におせっかい/Listen to What the Man Said (McCartney)
   Side-E
    21 幸せのノック/Let 'Em In (McCartney)
    22 やすらぎの時/Time to Hide (Laine)
    23 心のラヴ・ソング/Silly Love Songs (McCartney)
    24 愛の証し/Beware My Love (McCartney)
   Side-F
    25 ワイン・カラーの少女/Letting Go (McCartney)
    26 バンド・オン・ザ・ラン/Band on the Run (McCartney)
    27 ハイ・ハイ・ハイ/Hi Hi Hi (McCartney)
    28 ソイリー/Soily (McCartney)
   ※CD Disc-1=1~15、Disc-2=16~28
  ■プロデュース
    ポール・マッカートニー/Paul McCartney
  ■録音メンバー
   ☆ウィングス/Wings
    ポール・マッカートニー/Paul McCartney (bass, acoustic-guitar, piano, keyboards, lead-vocals, backing-vocals)
    リンダ・マッカートニー/Linda McCartney (piano, keyboards, percussion, backing-vocals)
    デニー・レイン/Denny Laine (electric-guitar, acoustic-guitar, bass, piano, keyboards, percussion, harmonica, lead-vocals[3,11,18,22] backing-vocals)
    ジミー・マッカロック/Jimmy McCulloch (electric-guitar, acoustic-guitar, bass, lead-vocals[4], backing-vocals)
    ジョー・イングリッシュ/Joe English (drums, percussion, backing-vocals)
   ★サポート・メンバー
    トニー・ドーシー/Tony Dorsey (trombone)
    ホーウィー・ケーシー/Howie Casey (sax, percussion)
    スティーヴ・ハワード/Steve Howard (trumpet, flugelhorn)
    サデュアス・リチャード/Thaddeus Richard (sax, clarinet, flute)
  ■チャート最高位
    1977年週間チャート  アメリカ(ビルボード)1位、イギリス8位、日本(オリコン)4位
    1977年年間チャート  アメリカ(ビルボード)35位、日本(オリコン)51位



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ネイチャー・ボーイズ (Nature Boys)

2008年04月19日 | 名盤


 小曽根真といえば、日本が世界に誇るミュージシャンのひとりです。
 彼の活躍する場は、ジャズのフィールドだけにとどまるものではなく、演劇とコラボレイトしたり、クラシックに取り組んで交響楽団と共演するなど、とても幅が広いですね。最近ではドラマ「あしたの、喜多善男」の音楽も担当しています。



小曽根 真


 ジャズの世界の小曽根氏を見ても、ピアノ・トリオを始め、ヴォーカルやヴィブラフォーンとのデュオ、ピアノ2台によるデュオ、ビッグ・バンドなど、あらゆる可能性にトライしています。
 その中で、ありそうでなかなか見つからないのが小曽根氏によるスタンダード集でした。彼がリーダーを務めるバンドでは、歌モノを除き、ほとんどが彼自身によるオリジナルを演奏しています。ぼく自身、小曽根氏に対して、「オリジナル曲を追求してゆく人」、みたいなイメージを持っていました。そんな中で見つけたのが、この『ネイチャー・ボーイズ』です。


 なんでも巷では一時、「小曽根にバップができるはずがない」という評もあったそうです。このアルバムの録音には、そういう風評を吹き飛ばす、という目的もあったらしいです。
 しかしスタンダード集といっても、小曽根氏の場合、通りいっぺんの演奏で終わるはずもありません。どの曲にも小曽根流のスパイスがふりかけられています。といっても奇をてらったアレンジではありません。そしてそのアレンジによって「アメリカン・クラシック・ポピュラー・ソングス」が新たな光をもって蘇っているのです。
 バックを務めるのはジョン・パティトゥッチとピーター・アースキン。いずれも一騎当千のツワモノです。



ジョン・パティトゥッチ


 全9曲のうち、4曲目の「ビフォー・アイ・ワズ・ボーン」だけが小曽根氏のオリジナル。残りは「オール・オブ・ユー」「バット・ビューティフル」「恋人よ我に帰れ」「ゴージャス」「クリスマス・ソング」「オーニソロジー」、ニール・セダカのカヴァー「雨に微笑を」、最後にピアノ・ソロで「ネイチャー・ボーイズ」が収録されています。


 1曲目の「オール・オブ・ユー」、イントロから実に躍動的です。テーマに入ると2ビートでパティトゥッチのベースが絡み、2コーラス目からは三者がよくスウィングしながら軽快に曲が進んでゆきます。シンコペーションをうまく使ったブリッジがとても印象的。
 「バット・ビューティフル」は、もともとはバラード・ナンバーですが、小曽根氏はこれをジャズ・ワルツに再構築しています。
 「恋人よ我に帰れ」はアースキンの刻むシンバルで始まります。テーマは小節数と休符の数を増やし、ゆったり聴こえるように演奏していますが、サビに入ったところから一転して全員が超高速4ビートになだれこむのがスリリング。
 「ビフォー・アイ・ワズ・ボーン」は小曽根氏のオリジナル。音がきらめくようなバラードです。



ピーター・アースキン


 「雨に微笑を」は、もともと小曽根氏の演奏がテレビのCFに使われていたのですが、このアルバムの録音のためにさらに小曽根氏自身が手を加えています。美しいイントロに続いて現れるのがスピーディーなジャズ・ワルツ。静と動を併せ持っているような曲です。
 「ゴージャス」と「クリスマス・ソング」は極上のバラード。美しいメロディーを持っている「ゴージャス」は、一種神々しささえ感じます。
 「クリスマス・ソング」は、ぼくが最も好きなクリスマス・ソングで、いろんなヴァージョンがありますが、これにはリハーモナイズ(コード進行の再現)が施してあったり、エンディングでは3連になるなど、また違った味わいを楽しむことができます。
 「オーニソロジー」は「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」のコードを元にした、チャーリー・パーカーの愛奏曲です。バップの香りが漂う、軽快な4ビートです。
 「ネイチャー・ボーイズ」はタイトル曲。マイナー調の哀愁漂うスタンダード・ナンバーで、ソロ・ピアノで演奏されています。


 流麗なパティトゥッチのベース、タイトでメリハリの利いたアースキンのドラムを従えた小曽根氏のピアノ、端正で知的な雰囲気がよりいっそう引き立っているような気がします。この三者がブレンドされたサウンド、まるでレギュラー・トリオのようにアグレッシヴで、意思のあるまとまりを見せていると思います。
 でも、驚くことにパティトゥッチもアースキンも、初見の状態で録音に臨んだそうで、それでもこれだけ綿密にコラボレイトできるということは、三人の並外れた力量をも物語っているとも言えるでしょう。


 「スタンダード集」だとはいえ、「小曽根流のスパイス」がよく利いていて、小曽根氏のオリジナル作品と言ってもよいくらい、彼の味・雰囲気に満ちているアルバムではないでしょうか。






◆ネイチャー・ボーイズ/Nature Boys
  ■演奏・プロデュース
    小曽根真
  ■アルバム・リリース
    1995年12月1日
  ■レコーディング
    1995年10月4日~5日 ハッター・スタジオ(ロサンゼルス)
  ■レコーディング・エンジニア
    バーニー・カーシュ/Bernie Kirsh
  ■収録曲
    ① オール・オブ・ユー/All Of You (Cole Porter)
    ② バット・ビューティフル/But Beautiful (Jimmy Van Heusen, Johnny Burke)
    ③ 恋人よ我に帰れ/Lover Come Back To Me (Sigmund Romberg, Oscar HammersteinⅡ)
    ④ ビフォー・アイ・ウォズ・ボーン/Before I Was Born (小曽根真)
    ⑤ 雨に微笑みを/Laughter In The Rain (Neil Sedaka, Philip Cody)
    ⑥ ゴージャス/Gorgeous (Mitchell Forman)
    ⑦ クリスマス・ソング/The Christmas Song (Mel Torme, Robert Wells)
    ⑧ オーニソロジー/Ornithology (Charlie Parker, Benny Harris)
    ⑨ ネイチャー・ボーイ/Nature Boy (Eden Ahbez)
  ■録音メンバー
    小曽根真 (piano)
    ジョン・パティトゥッチ/John Patitucci (bass)
    ピーター・アースキン/Peter Erskine (drums)
  ■レーベル
    VERVE

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カーペンターズ (Carpenters)

2008年04月15日 | ミュージシャン
 

 ふと気づくと昨日もカーペンターズを聴いていました。
 とりわけ好きなのは、
 「愛にさよならを」(Goodbye To Love)
 「スウィート スマイル」(Sweet, Sweet Smile)
 「青春の輝き」(I Need To Be In Love)
などなんですが、じゃあそれ以外の曲はどうか、というと、当然「好き」というほかはないのです。


【カーペンターズ・マイ・ベスト20】
⑳恋よさようなら
⑲ジャンバラヤ
⑱プリーズ・ミスター・ポストマン
⑰シング
⑯ア・ソング・フォー・ユー
⑮ハーティング・イーチ・アザー
⑭オンリー・イエスタデイ
⑬ふたりの誓い
⑫愛は夢の中に
⑪小さな愛の願い
⑩見つめあう恋
⑨スウィート・スマイル
⑧雨の日と月曜日は
⑦スーパースター
⑥青春の輝き
⑤トップ・オブ・ザ・ワールド
④愛のプレリュード
③愛にさようならを
②遥かなる影
①イエスタデイ・ワンス・モア


 1970年代のカーペンターズの人気はたいへんなもので、日本でも本国以上に愛されていました。でも、ぼくが彼らの音楽を心から愛聴するようになったのは、実はこの10年足らずのことなのです。
 もちろんこれだけの有名なグループですから、ローティーンの頃から聴いてはいました。とくに、「プリーズ ミスター ポストマン」はカーペンターズのアレンジで知って、ビートルズのものと並んでとても好きになったのを覚えています。


     


 でも、あくまでヒット・ソングの羅列として聴いていただけで、特別な思い入れもありませんでした。単純に「メロディーはキレイだけど、ちと物足らないなぁ」程度の認識だったのでしょうね。それにその頃のぼくは小生意気な「ロック小僧」だったので、こういうソフトな感じのポップスを軽視していたことも否定できません。
 レッド・ツェッペリンのドラマーのジョン・ボーナムがあるインタビューで、「(ある雑誌の人気投票では)カレン・カーペンターより上にいきたいもんだぜ!」なんて皮肉まじりに答えていたのを面白がっていたことを思い出します。
 自分では、例えば、近所の、二、三歳年上のオネーサンが好んで聴いているような、そんなイメージを持っていたようです。実際ぼくの周りの、ぼくより少し年上の女性たちは、よくカーペンターズを聴いてたみたいですし。


 そうこうしているうちに、ぼくは「ロック小僧」から「ロック通を気取った小僧」となってゆきます。そしていつしかジャズに浸るようになり、一時は、「難解な音楽=高尚」、というハナハダしい勘違いに陥ったりもしてました。


 ところが、あるステージでカーペンターズの曲を取り上げることがあり、そのため必要に迫られて、改めて彼らのサウンドを聴きこんでみたのですが、


       驚きました。


 ちょっと小難しいことを言わせて頂ければ、サウンドの構築が実に緻密なんですね。緻密といっても、音を詰め込みすぎているわけじゃないんです。そして非常に美しい。アレンジャーでもあるリチャードの音楽的素養の深さ・幅広さが垣間見えるような気がしました。
 テクニック的にもかなりなもので、とくにぼくのパートであるベースは、非常に高度なことをさらりとやってのけているではないですか。


 またカレンの歌声の心地よいこと。とくにバラードを歌っている時のカレンは、1970年代以降に登場したシンガーの中でもひときわ優れていると思います。
 そして彼女のドラム。これは冷ややかに受け止めている人もいるようですが、ぼくはそうは思わない。テクニックを繰り出すタイプではないにしろ、本質的には彼女のドラムは彼女の歌と同じだと言えるのではないでしょうか。つまり、楽器を歌わせることにたけているドラマーだと思うのです。


 もう、自分の不明を恥じるとともに、彼らの素晴らしさに素直に感動したわけであります。
 今では、ぼくはカーペンターズの曲をアレンジのお手本としているくらいなのです。


     


 彼らの偉大さを遅れて気づいたぼくは、そのぶん深みにはまっているような気がします。いちファンとしては、彼らの音楽を素直に楽しみ、またミュージシャンとしては、彼らの音からいろいろなことを教わっています。
 いずれにしろ、今のぼくにとっては、カーペンターズは「なくてはならない存在」になっているのです。


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おめでとう金本知憲選手、新井貴浩選手

2008年04月12日 | 見る聴く感じるその他
 △バットを折りながら2000本目のヒットを打った瞬間の金本△

 
 今日は朝から何となくバタバタしていて、昼からはちょっと出かけてきました。ついでにCDショップへ寄って、マーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイン・オン』とか、ミニー・リパートンのベスト・アルバム、ハービー・ハンコックの『スピーク・ライク・ア・チャイルド』、ブルース・スプリングスティーンのベスト・アルバムなどを買って帰ってきました。
 帰ってきてPCを立ち上げてみると、コメント欄にまりさんから嬉しいお知らせが。
 そう、今日のデーゲーム、横浜ベイスターズ戦で、わが阪神タイガースの金本知憲選手が、寺原隼人投手から史上37人目のプロ通算2000本安打を、新井貴浩選手が史上249人目のプロ通算1000本安打を達成しました。おめでとう!!(^^)
 しかも試合は6対3で勝利、チームはリーグ10勝一番乗りを果たしました~


 タイガース関係のサイトで試合の流れを見てみると、初回1死一塁で新井選手が寺原投手からまず1000本安打となる二塁打を決め、続く金本選手の内野ゴロの間に1点先制。一時は1対3とリードを許したものの、赤星選手のタイムリー・ヒットで同点に持ち込み、7回には新井選手が勝ち越しの三塁打。続く金本選手がめでたく2000本安打を記録して貴重な追加点をあげました。
 9回には大ベテラン桧山選手が代打二塁打で決定的な6点目。投げては久保田、藤川の両投手がアウトをすべて三振で奪う熱投を見せてくれたようです。


 しかし金本ほどの大選手でも硬くなっていたのでしょうか。ヒットは19打席ぶりでした。それでも試合が盛り上がるところで大記録を決めて見せるところなど、まさに千両役者ですね~


     


 ひとくちに2000本といっても、一年平均140本ヒットを打つとして、これを14年続けてもまだ足りないんですね。また金本選手は連続試合全イニング出場の世界記録も更新し続けています。「無事是名馬」となどと言いますが、まさに金本選手のためにあるような言葉です。


 広島時代の大先輩である山本浩二さんが語っておられましたが、金本選手が入団したばかりの頃は線も細く、実力的には「中の下」くらいだったそうです。それでも努力を続けた金本選手はやがて頭角を現すわけですが、驚くのは年々体が強くなっていったことだそうです。とにかくプロ意識に徹し、トレーニングを続けた結果が今の金本選手に繋がっているんですね。決して素質だけではなかったんです。


 とにかく、「PL学園より弱いんちゃうか」とまで言われた90年代の暗黒時代のダメトラに闘争心を植え付けて、今の戦う猛虎軍団の基盤となっているのは星野前監督と金本選手であることに間違いはないでしょう。
 彼の今の体の状態はまだまだ30歳そこそこだそうです。これからもチームの支柱として、タイガースを牽引していってもらいたいものですね。(でもついまでも「金本頼み」、というのもいただけませんが)


     
     勝って喜ぶ金本(右から2人目)と新井(右から3人目)


 先発投手陣が整備され、リリーフ陣の頭数もそろい、打線が固定された今のタイガースはとても安定していると言えますが、気がかりなのが今岡選手の不振。彼の復調なくしては優勝への道もまだまだ険しいであろう、と敢えて言っておきます。気合でスランプを乗り切って、再びあの勝負強いバッティングを見せてもらいたいものです。


 とにかく! 今日は金本・新井両選手のお祝いをしてから寝るとします。バンザ~イ!!




新井の勝ち越し三塁打、そして金本の通算2000本安打。

2000安打達成の瞬間&金本・新井揃ってのヒーローインタビュー&試合のハイライト


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ミシェル・ペトルチアーニ (Michel Petrucciani)

2008年04月10日 | ミュージシャン
 

 1999年1月6日、ミシェル・ペトルチアーニは肺炎のため短い一生を終えました。まだ36歳でした。彼の遺体はパリの墓地で、かのフレデリック・ショパンの隣に埋葬されました。


 ペトルチアーニの演奏は、明快で、非常にスケールが大きい。それにとてもユーモラスです。とくにオリジナル曲でそれを感じます。これ、決して「コメディ・タッチ」とか、コミカルな仕掛けがあるとか言うことではありません。おそらく、ペトルチアーニ自身がユーモアのある、バイタリティあふれる人物だからなのではないでしょうか。その人間性が彼の音楽にわかりやすく反映されているのではないか、と思えて仕方がないのです。


 ペトルチアーニの肉体的障害についてはよく知られているところですね。彼は遺伝的原因から、生まれつき骨形成不全症という障害を背負っていました。この障害のため、彼の身長は成長期になっても1mほどしか伸びず、骨はもろく、またしばしば肺疾患に苦しめられました。ただ、手のサイズは通常の大人と同じくらいあったので、ピアノを弾くには差支えがなかったそうです。しかしペダルには足が届かないので、特別なペダル踏み機を使っていました。
 彼は障害の克服どころか、医者からは「とても長生きはできない」と言われていたうえ、いつまで生きられるかわからない、という状況でピアノを弾き続けていたらしいです。


     


 自分の障害を受け入れることができるには相当な葛藤もあったでしょう。また、自分の余命を考える時、精神的に追い込まれても不思議のない状態で、なぜ彼はあのような明るくユーモラスな演奏ができたのでしょうか。とても不思議です。同時に彼の内面の強さも感じます。
 だから、ぼくは、彼の身体的状況よりも、彼の精神面や、価値観、哲学などに興味を抱いてしまうのです。


 ペトルチアーニの演奏は、彼が障害を持っていようがいまいが、そんなことには関係のない、素晴らしいものです。
 とくに、力強さにあふれたタッチから生み出す音色は、切れ味鋭く爽快です。そのうえ、ペトルチアーニならではの温もりに満ちている。


 ぼくは、彼のオリジナル曲である「クリスマス・ドリーム」が大好きです。アップ・テンポのリリカルで楽しいワルツです。これ聴いてると、幸せを感じるんですよ。
 アルバムならば「ミシェル・ペトルチアーニ」(ジャケットは、ソフトを被ったペトルチアーニのポートレイトで、縁が赤いので有名)とか、「コールド・ブルース」(ベーシストのロン・マクルーアとのデュオ・アルバム)かな。
 とくに「ミシェル・ペトルチアーニ」というアルバムは、ミシェルが18歳の時に録音されたもので、いかに彼が早熟の天才だったかを示しているような出来栄えです。


     
     『ミシェル・ペトルチアーニ』
     試聴はこちらから。「クリスマス・ドリーム」は3曲目です。


 ジャズに興味のある人に、ぼくが薦めてみたいアーティストです。


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本田竹曠・井野信義・森山威男

2008年04月08日 | ミュージシャン
          △本田竹曠(pf)△ 


 昨年の年末あたりに、「音楽回顧録」のNobさんが取り上げていたのが、本田竹曠・井野信義・森山威男のトリオによるアルバム「イン・ア・センチメンタル・ムード」でした。
 このメンバーの組み合わせに興味を抱いたので、早速Amazonで注文してみたんです。タイトルからしてバラード集かと思ったんですが、テンポの速い4ビートあり、バラードあり、ミディアムの4ビートあり、アフロ・ビートあり、ボサノヴァあり。リズム隊のふたり(井野氏、森山氏)のメンツからしてフリーっぽい演奏になるのかな、と思ってたんですが、基本的にテーマに忠実で、ソロもテーマをモチーフにした分かりやすいもの。
 曲目も「ミスティ」「ボディ・アンド・ソウル」「枯葉」「イン・ア・センチメンタル・ムード」「チュニジアの夜」「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」などと、割とオーソドックスな選曲のスタンダード集といった風情のアルバムでした。


      
     『イン・ア・センチメンタル・ムード』


 アグレッシヴな本田氏のピアノですが、同時にリラックスして弾いているようにも聴こえます。そのピアノに反応して曲に力強くカラーをつけているのが森山氏の豪快なドラムです。時には本田氏を煽り立てているようにも聴こえます。井野氏のベースは実にオーソドックス。丁々発止のやりとりを続ける本田氏と森山氏の会話を落ち着いたベース・ランニングでまとめているような感じがします。


     
     井野信義(b)


     
     森山威男(drs)          


 このアルバムは1985年4月3~4日にかけて録音されたもので、同時に「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」と題したこれもスタンダード集を録音しています。この2日間で録音した16曲を2枚のアルバムに分散して収録した、ということなんですね。それを本田氏が急逝されてから一周忌に再発売したわけで、ジャケットも一新されています。85年当時はグランド・ピアノをモチーフにしたジャケットでしたが、今回はアメリカの街角を写したスナップ写真をジャケットに起用しています。


     
     『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』          


 「イン・ア・センチメンタル・ムード」がとても気に入ったので、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の方も注文してみました。これも「グリーン・ドルフィン・ストリート」「星影のステラ」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「いそしぎ」「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」「ラウンド・ミッドナイト」など、ジャズの名曲がぎっしり詰まっていて、「イン・ア~」と同じ空気が漂っています。 
 もともとぼくは本田氏に対しては「孤高のピアニスト」というイメージを持っていたんですが、この2枚に関しては「媚びる」という意味ではなくリスナー寄りに演奏されていると思います。そして熱さと叙情性を兼ね備えていて、あの名盤「ジス・イズ・ホンダ」の延長線上にあるような気がします。
 時折り聴こえる本田氏の唸り声も彼の音楽の一部なのでしょう。それを聴いてもいかに本田氏が曲の中に入り込んでいるか分かりますよね。


     
     本田竹曠(pf)


 この2枚のアルバムは、フュージョン・バンド「ネイティヴ・サン」で成功を収めたのちに録音されたものです。しかしどちらかというと、本田氏はこういうメイン・ストリーム路線もやりたかったことだったのではないでしょうか。
 スタンダード集だからといって、惰性で演奏しているわけではありません。むしろ3人が楽しみつつも拮抗した迫力ある演奏を繰り広げているのだと思います。
 心地良いスウィング感に身を委ねる曲、しみじみ泣ける曲、ノリノリでエキサイティングな曲、各種取り揃えられておりますよ。


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哀しみのオーシャン (Sitting On The Edge Of The Ocean)

2008年04月07日 | 名曲


 「葛城ユキ」と言うと、「あぁ、『ボヘミア~ン』、ね」くらいの反応の人って多いような気がします。その「ボヘミアン」がヒットしたのは1983年だから、もう25年も前になるんですね~
 でも、彼女は「ボヘミアン」だけの一発屋ではないんです。


 ユキさんとぼくは同郷です。縁あって、スタッフとしてユキさんのライヴを手伝わせて頂いたことがあります。それは、ユキさんの出身地である岡山県での、記念すべき初ライヴでした。


 まだ青春真っ盛りのぼくがその頃ひたっていたライヴハウスがあります。ある日、そこの常連のT君が、「これ知ってるか?すごくいいぞ!」と言いながら持って来たのが、「哀しみのオーシャン」が収められているアルバム「寡黙」でした。
 ちなみに、このアルバムに収められている「ミッドナイト・エンジェル」という曲も、とてもカッコいいロック・ナンバーなんです。


          

 オリジナルの「哀しみのオーシャン」は、ボニー・タイラーが歌っていました。ユキさんは、もともとは演歌歌手としてデビューしたのですが、鳴かず飛ばずでした。不遇の時を過ごした後、ロック・シンガーとして再起を図るのですが、再出発にあたって選んだ曲が、この「哀しみのオーシャン」だったというわけです。
 そして彼女は、この曲で1980年の世界歌謡祭のグランプリを獲得しています。


 でもぼくらは、そういうエピソードなんぞ全く知らないまま、パワフルでほのかにカントリーの香りがする彼女のロックに聴き惚れていました。潰れかかったようなハスキーヴォイスの持ち主であるユキさんの歌は、どこか寂しげでしたが、開き直ったような自信も感じられ、たいへんみずみずしく聴こえたものでした。


 ある日、ユキさんがぼくらと同郷だということが解りました。というか、そんなことも知らずにファンになってたのがおかしくて、不思議でした。
 もう当然のように、そのライヴハウスで「ユキさんを呼ぼう!」という話になったんだと思います。最初はそのお店で。少し間を開けて、2度目は400人収容級のホールで。
 ライヴは2度とも大成功でした! ぼくは2度ともスタッフとして、いろいろお手伝いをさせて頂いたわけなんです。本当に、いい思い出です。
 そして、これが足がかりとなってユキさんはスターになったんだ、と思っていたい。


     


 ユキさんは高校時代はバレーボールの名選手として知られ、卒業後は強豪実業団チームに入りましたが、ケガのため選手生活を断念して歌手に転身した、と伺ったことがあります。あのパワフルな歌声はバレーボールで鍛えた体が生んだもの、と言っても差し支えないようです。
 また、独特のハスキー・ヴォイスについては、「酒で潰したのよ、アハハハハ~」と陽気に笑っていました。


 この「哀しみのオーシャン」、今では知る人も少なくなっているかもしれませんが、機会があったら皆さんにぜひ聴いて欲しい歌です。せつなく、同時に力強いメロディの歌です。ぼくは、この曲には、逆境をはね返そうというたくましさがある、という気がしてならないのです。


 ユキさんは今も変わらず、元気に歌っていらっしゃるそうです。まだまだこれからも素晴らしい歌を歌い続けてほしいと思っています。




[歌 詞]



◆哀しみのオーシャン/Sitting on the Edge of the Ocean
  ■歌
    葛城ユキ
  ■シングル・リリース
    1980年2月21日
  ■日本語詞
    佐藤ありす
  ■作曲
    スティーヴ・ウルフ/Steve Wolfe
  ■収録アルバム
    寡黙(1980年)


葛城ユキ 『哀しみのオーシャン』



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きみの友だち (You've Got A Friend)

2008年04月02日 | 名曲

                                         ♪キャロル・キング(右)とジェームス・テイラー


 誰しも行き詰まること、思い悩むことがあります。
 ふだんはあまり気にとめていなかった友人のありがたみを感じるのはそんな時だと思います。
 「自分が逆境にある時に真の友だちがわかるもの」、なんて言いますね。ぼくも、自分が年齢を重ねるにつれ、だんだんとその言葉の本当の重さがわかってきました。


 人間同士の付き合いって、言葉で言うほど単純なものではないですよね。「友だちだと思っているよ」と口に出して言うことは簡単ですが、言葉通り「友だちでいること」というのはたいへんなことだと思います。
 苦しい時の自分を支えてくれる友人の存在は得がたいものだし、嬉しいものですよね。自分もそうでありたい、と思います。


 「友人の苦しみを分かち合おうとするわたしの気持ち」を歌った「きみの友だち」という曲は、キャロル・キングの代表作で、1970年代のポピュラー・ソングを代表する名曲のひとつでもあります。


    きみの友だち/You've Got a Friend
     ◆作詞作曲  キャロル・キング/Carole King
     ◆発  表  1971年


     
     キャロル・キング 『つづれおり』


     <キャロル・キング・ヴァージョン>
     ■歌・ピアノ
       キャロル・キング/Carole King
     ■収録アルバム
       つづれおり/Tapestry (1971年) 7曲目
     ■プロデュース
       ルー・アドラー/Lou Adler
     ■録音メンバー
       キャロル・キング/Carole King (piano, vocals, background-vocals)
       ジェームス・テイラー/James Taylor (acoustic-guitar, backing-vocal)
       ダニー・コーチマー/Danny "Kootch" Kortchmar (conga)
       チャールズ・ラーキー/Charles Larkey (String-bass)
       バリー・ソチャー/Barry Socher (violin)
       デヴィッド・キャンベル/David Campbell (viola)
       テリー・キング/Terry King (cello)       


 この曲の「わたし」は、陰から友人をそっと見守っているのではないでしょうか。そして、「今が手を差し伸べるべき時だ」と思ったら、その時こそ、ためらいなく自分のできることを全てしようとする、そんな友情を歌っているような気がします。


 1971年にキャロル・キングによって発表された「きみの友だち」は、キャロルの生涯の友となるジェイムス・テイラーがカヴァーして大ヒットさせました。ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイのデュエット・ヴァージョンもスマッシュ・ヒットしています。
 この曲は1971年度グラミー賞のベストソング賞を受賞しています。


 ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイがデュエットしたものは、ポップさと洗練された黒っぽさがほどよくクロスオーヴァーしている感じ。ストリングスやアコースティック・ギターの甘さと、ブルージーなエレクトリック・ピアノとのコントラストが鮮やかです。ロバータのナチュラルな声と、ダニーのソウルフルな声もうまく溶け合っていますね。
 ダニー・ハサウェイはソロでもこの歌を取り上げていますが、こちらはゴスペル・タッチにアレンジされていて、せつない感じが迫ってきます。とても重厚。


     
     ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ 『きみの友だち』


     <ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ・ヴァージョン>
     ■歌・演奏
       ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ/Roberta Flack & Donny Hathaway
     ■シングル・リリース
       1971年
     ■収録アルバム
       ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ/Roberta Flack & Donny Hathaway (1972年) 2曲目
     ■プロデュース
       ジョエル・ドーン/Joer Dorn、アリフ・マーディン/Arif Mardin
     ■録音メンバー
       ロバータ・フラック/Roberta Flack (vocals, piano, electric-piano, organ)
       ダニー・ハサウェイ/Donny Hathaway (vocals, piano, electric-piano)
       デヴィッド・スピノザ/David Spinozza (guitar)
       チャック・レイニー/Chuck Rainey (bass)
       ビリー・コブハム/Billy Cobham (drums)
       ジョー・ジェントル/Joe Gentle (flute)
     ■チャート最高位
       週間チャート  アメリカ(ビルボード)29位、アメリカ(ビルボードR&B)8位   




     
     ダニー・ハサウェイ 『ライヴ』


     <ダニー・ハサウェイ・ヴァージョン>
     ■歌・演奏
       ダニー・ハサウェイ/Donny Hathaway
     ■収録アルバム
       ライヴ/Live (1972年) 4曲目
     ■プロデュース
       ジェリー・ウェクスラー/Jerry Wexler、アリフ・マーディン/Arif Mardin
     ■録音メンバー
       ダニー・ハサウェイ/Donny Hathaway (vocals, electric-piano, piano, organ)
       フィル・アップチャーチ/Phil Upchurch (guitar)
       マイク・ハワード/Mike Howard (guitar)
       ウィリー・ウィークス/Willie Weeks (bass)
       フレッド・ホワイト/Fred White (drums)
       アール・デルーエン/Earl DeRouen(conga)



 アコースティック・ギターをバックに歌うジェイムス・テイラーのヴァージョンは、優しいフォーク調にアレンジされていて、薄日が射し込むようなほんのりとした暖かさを感じます。
 ピアノの弾き語り風のキャロル・キング・ヴァージョンは、言ってみれば「私小説」のような雰囲気があります。とつとつと、しかし正直に自分の気持ちを歌っている、そんな味があります。友人の肩をそっと抱くようにも聞こえるキャロルの歌声も、けっこうソウルフルですね。


     
     ジェームス・テイラー 『きみの友だち』


     <ジェームス・テイラー・ヴァージョン>
     ■歌・ギター
       ジェームス・テイラー/James Taylor
     ■シングル・リリース
       1971年
     ■収録アルバム
       マッド・スライド・スリム/Mud Slide Slim and the Blue Horizon (1971年) 2曲目
     ■プロデュース
       ピーター・アッシャー/Peter Asher
     ■録音メンバー
       ジェームス・テイラー/James Taylor (vocals, acoustic-guitar)
       ダニー・コーチマー/Danny "Kootch" Kortchmar (acoustic-guitar, conga)
       リーランド・スクラー/Leland Sklar (bass)
       ラス・カンケル/Russ Kunkel (drums, congas, cabasa)
     ■チャート最高位
       1971年週間チャート  アメリカ(ビルボード)1位、アメリカ(キャッシュボックス)1位、イギリス4位 
       1971年年間チャート  アメリカ(ビルボード)16位、アメリカ(キャッシュボックス)27位、イギリス32位 


 四者四様の味わいがあって、どのヴァージョンも好きなんです。
 メロディーはもちろん、優しく後ろから支えてくれるような歌詞に勇気をもらった人もたくさんいるのではないでしょうか。


     
     近年のキャロル・キング(右)とジェームス・テイラー



[歌 詞]
[大 意]   
きみが落ち込み悩んで 少しの愛を必要としている時
なにもかもうまくいかない時 目を閉じて私のことを考えて
そうしたら私はすぐにそこへ行き 
きみの真っ暗な夜さえも照らしてあげる

きみが私の名前を呼ぶだけで 私がどこにいても
再びきみに会いに駆けつける
冬でも 春でも 夏でも 秋でも 
君が呼びさえすれば 私はすぐにそこに行く 
きみには友だちがいるんだよ 

もしきみの頭の上の空が暗くなり 雲が立ち込め
冷たい北風が吹き始めたら
頭をしっかり上げて 大きな声で私の名前を呼ぶといい
私はすぐに きみのドアをノックするから

友だちがいるのは素晴らしいこと 
人々があなたに冷たくし あなたを傷つけ 
あなたを見捨て あなたの魂が奪われそうな時
そうはさせない



キャロル・キング&ジェイムス・テイラー『きみの友だち』


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