ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ヒート (Heat)

2009年04月30日 | 映画
 

ヒート [HEAT]
■1995年  アメリカ映画   
■監督・脚本…マイケル・マン  
■音楽 ………エリオット・ゴールデンタール  
■出演
  ロバート・デ・ニーロ     
  アル・パチーノ
  ヴァル・キルマー      
  トム・サイズモア
  ジョン・ボイト         ダニー・トレヨ
  ナタリー・ポートマン     ダイアン・ヴェノーラ
  エイミー・ブレナマン     アシュレイ・ジャッド
                      etc・・・
 

 「映画史上に残る銃撃シーン」の謳い文句に興味をひかれて見た「ヒート」。たしかに、中盤あたりに出てくる銃撃戦は、今まで見た映画の中でもまれな、迫力あるものでした。


     
     ロバート・デ・ニーロ(左)とヴァル・キルマー


 この映画、「明と暗」「静と動」「善と悪」、そして「刑事と犯罪者」、つまりヴィンセント・ハナ刑事(アル・パチーノ)とニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)を対比させながら、実はふたりは「同じ世界」に住む「仲間」であることを浮き彫りにしています。


     
     ロバート・デ・ニーロ


 正義感というより、本能的に犯罪者を追わずにはいられないヴィンセントは、プロの強盗団のリーダー格であるニールを追ううちに、奇妙な連帯感を覚えます。ニールもヴィンセントの能力を恐れながら、実はふたりは同じ生き方しかできないことを認めているのです。


     
     アル・パチーノ


 主演のふたり、シブいですねぇ。クールなデ・ニーロ、ワイルドなパチーノ、どちらもカッコいいです。最後のシーンは、ひと昔前の西部劇に見られた「ガンマンの決闘」を思い出しました。
 ほかにはヴァル・キルマーの抑えたクールさが良かったです。  


 この映画、まず街の息遣いが感じられるようなリアルな映像に引き込まれました。リアルといえば、主演のふたりは実在しています。ヴィンセントは、元シカゴの捜査官チャック・アダムソン氏。そしてニールは、アダムソン氏が逮捕に全力をあげた、その名もニール・マッコーリーをモデルとしているんだそうです。 
 ドラマのディテールや逸話は、マン監督が、捜査官や犯罪者から長年にわたって取材・収集した情報を元にしています。
 また、強盗団の運転手役を演じているダニー・トレヨは、実際に刑務所に入っていたことがあり、服役中に演技を勉強し、出所後に俳優となったそうです。


          
     ヴァル・キルマー       トム・サイズモア


 典型的な「刑事対犯罪者」ドラマですが、デ・ニーロとパチーノの存在感が際立っていますし、そのふたりの対比がくっきりしているので、3時間弱の長編ながら、時間が苦になりませんでした。  
 ぼくはロバート・デ・ニーロが大好きなんですが、これは彼の出演した作品の中でも五本の指に入るもの、と思っています。




『ヒート』 トレーラー



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アビイ・ロード (ABBEY ROAD)

2009年04月29日 | 名盤

 
 あの偉大なビートルズの終末期に制作された、ロック史上に残る名作が「アビイ・ロード」ですね。
 あの「サージェント・ペパーズ」は、分かろうとして数聴きましたが、「アビイ・ロード」は良メロに誘われて何度も聴きましたね。


 あの当時、ぼくは中学生。「カム・トゥゲザー」とか「アイ・ウォント・ユー」などのR&B系の曲には馴染めませんでしたが、あとは美メロの宝庫。どれを聴いてもただただウットリするだけでしたよ。
 ただし、のちにブルーズにも触れるようになると、「カム・トゥゲザー」と「アイ・ウォント・ユー」の良さや先進性が分かるようになってきました。


 その当時は「サムシング」「オー!ダーリン」「ヒア・カムズ・ザ・サン」「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」などのシングル向けの小品に注目してたんです。事実メロディーは素晴らしいし、スッキリとまとまったアレンジ、タイトな演奏は、中学生だったぼくの心を掴むのに充分でした。


 それから何十回も「アビイ・ロード」を聴くうちに、アナログで言えばB面の2つのメドレーに感じ入るようになってきたんですね。主にジョンの作った「サン・キング」~「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ」までの4曲と、主にポールの作った「ゴールデン・スランバー」~「ジ・エンド」までの3曲です。このふたつのメドレーのたたみ掛けるような息をもつかせぬ流れ、起伏に富んだ美メロの羅列、場面展開のダイナミックさはさすがビートルズ! 彼らのレパートリーの中でも出色の出来ではないでしょうか。


 いろいろ話を聞いてみると、この頃のビートルズは半ば空中分解状態にあったらしいのですが、プロデューサーのジョージ・マーティンの下、ビートルズが「原点に戻った」作品でもあったようです。ただし、メンバー間のアルバム制作に対する温度差はあり、ここでも中心的な役割を果たしたのはポールだということです。


     
 
 
 このアルバムの中でぼくが気に入っているのは、ポールの絶唱が聴かれる「オー!ダーリン」、ジョージの才能が大きく花開いた「サムシング」「ヒア・カムズ・ザ・サン」、そしてB面のメドレー2つでしょうか。とくに「ゴールデン・スランバー~キャリー・ザット・ウェイト」の流れは絶品です。
 演奏能力を取り沙汰されることもあるビートルズですが、サムシングのギター・ソロ(ポールが弾いている?)はよく歌っているし、同曲のベース・ラインは実に個性的に動いてます。リンゴの的を得たフィル・インは、「これしかない」って感じだし、ジョンとポールのヴォーカルも健在ですね。メンバー各人の温度差はあっても、アルバムとしてのまとまりは実に優れていると思います。


 有名なのはアビイ・ロードの横断歩道をメンバーが横切る姿を撮影したジャケット写真ですね。これには多くのパロディが存在しています。新しいところではサザン・オール・スターズがアビー・ロードのジャケ写をパロったアルバムを発表していますね。
 ちなみに、このジャケ写からは「ポール死亡説」も飛び出しています。曰く、裸足のポールは死を意味する(しかも左利きのポールが右手でタバコを持っている)。駐車しているフォルクスワーゲンのプレート「IF28」はポールがもし生きていれば28歳である、と解釈されたようですね。あとの三人も、白いスーツのジョンは司祭、ダークスーツのリンゴは葬儀屋、デニムの上下を着たジョージは墓堀り人夫、と定義されたようです。


 このアルバムが発表されてから今年で40年!しかし古びているどころか、ますます鮮やかに異彩を放っているように思えるのです。おそらく22世紀になっても世界中で聴かれる音楽であり続けることでしょう。
 


◆アビイ・ロード/Abbey Road
 
  ■歌・演奏
    ビートルズ/Beatles
  ■リリース
    1969年 (イギリス9月26日、アメリカ10月1日、日本10月21日)
  ■プロデュース
    ジョージ・マーティン/George Martin
  ■録音メンバー
   ☆ビートルズ/Beatle  
    ポール・マッカートニー/Paul McCartney 
     (lead-vocals, backing-vocals, chorus, bass, electric-guitar, acoustic-guitar, acoustic-piano, synthesizer)  
    ジョン・レノン/John Lennon 
     (lead-vocals, backing-vocals, chorus, electric-guitar, acoustic-guitar, acoustic-piano, electric-piano, organ, synthesizer, percussion)  
    ジョージ・ハリスン/George Harrison 
     (lead-vocals, backing-vocals, chorus, electric-guitars, acoustic-guitar, bass, harmonium, synthesizer)  
    リンゴ・スター/Ringo Starr 
     (leadvocals, backing-vocals, drums, percussion)  
    -----------------------------------------------
    ビリー・プレストン/Billy Preston (organ②⑥)
    ジョージ・マーティン/George Martin (organ③⑩⑪, electric-harpsichord⑧)
  ■チャート最高位
    1969年週間チャート アメリカ(ビルボード)1位(11/1~12/20 8週連続)、イギリス1位、日本(オリコン)3位
    1970年年間チャート アメリカ(ビルボード)4位
  ■収録曲
    A01 カム・トゥゲザー/Come Together [Lennon-McCartney]
     02 サムシング/Something [Harrison]
     03 マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー/Maxwell's Silver Hammer [Lennon-McCartney]
     04 オー!ダーリン/Oh! Darling [Lennon-McCartney]
     05 オクトパス・ガーデン/Octopus's Garden [Starkey]
     06 アイ・ウォント・ユー/I Want You (She's So Heavy) [Lennon-McCartney]
    B07 ヒア・カムズ・ザ・サン/Here Comes The Sun [Harrison]
     08 ビコーズ/Because [Lennon-McCartney]
     09 ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー/You Never Give Me Your Money [Lennon-McCartney]
     10 サン・キング/Sun King [Lennon-McCartney]
     11 ミーン・ミスター・マスタード/Mean Mr Mustard [Lennon-McCartney]
     12 ポリシーン・パン/Polythene Pam [Lennon-McCartney]
     13 シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ/She Came in Through The Bathroom Window [Lennon-McCartney]
     14 ゴールデン・スランバー/Golden Slumbers [Lennon-McCartney]
     15 キャリー・ザット・ウェイト/Carry That Weight [Lennon-McCartney]
     16 ジ・エンド/The End [Lennon-McCartney]
     17 ハー・マジェスティ/Her Majesty [Lennon-McCartney]
     ※main composer・・・McCartney③④⑨⑬⑭⑮⑯⑰  Lennon①⑥⑧⑩⑪⑫  Harrison②⑦  Starkey⑤




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多田かおるさんのこと

2009年04月28日 | 見る聴く感じるその他
          ♪多田かおるさんのイラスト

 
 高校の時、少女マンガが好きでよく読んでたんです。
 といっても、おメメに星が散っている少女のはかなげなメロドラマじゃなくて、コメディ・タッチの学園ドラマが好きでした。とくに「別冊マーガレット」は毎月買って読んでましたね~。


 好きだったのは亜月裕さん。当時の少女マンガの中では画期的な「下品な(笑)」ギャグ、テンポのよいストーリー、破天荒な主人公のキャラクターがツボに入ってました。「伊賀野カバ丸」とかね。


 そして多田かおるさんです。ロックをテーマにした「愛してナイト」は大ヒットしたようですが、この「愛してナイト」の原型のような短編がありました。たしか「エンドレス・ラブソング」というタイトルだったと思います。
 多田さんの作品は、笑えて、泣けて、思わず登場人物を応援したくなるような、温かくてコメディ・タッチのものが多かったという記憶があります。「エンドレス・ラブソング」もそんな作品のひとつでした。
 

 どこにでもいるような普通の女の子とロック・バンドのボーカリストの恋を描いていました。作品中に、主人公のロック・バンドのレパートリーという設定の歌詞が出てきます。これがまた、とってもいい詩だったので、ぼくはヘタな英語で訳して多田さんに手紙とともに送ったんです。ちょうど今ごろの季節でした。


 直筆の礼状が来たのにはビックリしました!しかも直筆のイラスト入り!
 ひたすらぼくのヘタクソな英訳詞に対するお礼が書かれてありました。多田さんの文面、それはまさに多田さんのマンガから受ける温かい印象そのものでした。お礼状を受け取ったこちらが感激してしまったくらいです。


 そのお礼状は大事にとってあったんですが、引越しの時どこかに紛れてしまいました。
 それからもずっとひそかに多田さんを応援していましたが、10年くらい前に、多田さんは若くして急逝されました。あのニュースを知った時はショックだったなぁ。



 なぜか今日、このことが思い出されてしかたなかったので、つれづれに書いてみました。多田さんの作品集、買って読んでみたくなったな~


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憧れの楽器

2009年04月27日 | 価値観
♪わが家のピアノです。ヤマハのアップライト。


 「なぜベースという楽器を選んだのか?」と訊ねられることがままあります。
 ぼくの場合は、高校時代、吹奏楽部に所属したのが事の始まりです。当時ぼくはドラムをやりたくて、打楽器のパートを担当していました。しかし、ポップスの曲を演奏する場合は、先輩ドラマーがいたため、ぼくは割と手持ちぶさたでした。
 ところで、吹奏楽のポップス曲にはエレキ・ベースのパートが加えられている場合が多く、手持ちぶさたなおかげでそのオハチがぼくに回ってきた、というわけなのです。


 ベーシスト同士で「なぜベースという楽器を選んだか」を告白しあうことがありますが、ぼくの理由などマシな方でしょう。
 よくあるのが、「ほかに誰もいなかったから、仕方なく」という理由です。これに近いものとして「ジャンケンで負けたから」とか、「先輩に脅されて」というのがあります。ひどいのになると、「罰として」とか、「ダマされて」などというのがありました。スマンけどこれには笑った。
 いろんな奏法が開発されたりしたお陰でベースも目立つようになり、今でこそ「オレはベースをやりたいのだ!」と自発的に選ぶ輩も多いようですが、ぼくが高校の頃は、ベースにスポットが当たることなんてまずありませんでした。ほとんど島帰りの日陰者に等しい存在だったのです。


 「でも今、一番好きな楽器はベースでしょ?」というのもよく訊ねられることです。う~ん、まあ、今はそうかな。ベースの大切さ、面白さも年々分かってきたしね。でもね、憧れの楽器はまた別なんですよ。
 ぼくが憧れる楽器、それはピアノです。
理由その1 ピアノを習ったことがありません。だからよけいに憧れます。
理由その2 エレガントなイメージがある。かつジャズなど弾いてるのを見ると、アーティスティックな感じがしてカッコいい。とってもウラヤマシい。
理由その3 ひとりで好きな曲を弾くことができるから。ピアノで弾いてみたい曲、たくさんあったんですよ。「レット・イット・ビー」とか、「いとしのレイラ」の後半部とか、ビリー・ジョエルやエルトン・ジョンなどの弾き語り系の曲とか。ひとりでベースを弾いてみてもボンボンいうだけで、何弾いてるんだか自分でも分からなくなるし、面白くもなんともないもんね。
理由その4 モテそう。バラードなんかを弾いてるピアニストに向けられた客席の美女の目が←こうなっているのを何度見たことか・・・。


 幼稚園の時、オルガン教室に通ってたことがあります。正確に言うと、「入れられた」んですが。でも、同じ町内のガキ共から「オンナみたい」(女の人ゴメンナサイ。でも男の子ってアホだからすぐそういうことを言うんですよ)と言われそうなのがイヤで、一日で脱走しました。今ではとても悔やんでいます。
 中学3年の時、どうしても「レット・イット・ビー」を弾いてみたくて、当時の音楽の先生に簡単にアレンジして貰いました。それからは、家にあったエレクトーン(姉が習っていた)をひんぱんに触るようになりました。少しでも弾けるようになると楽しくて面白くて。「青い影」なんかも大好きだったから、オルガンのパートを耳コピーして、自力で弾けるように頑張ったんですよ。
 高校時代はよく学校の音楽室でピアノをイタズラ弾きして遊んでました。
 そのおかげで、コードはひと通り弾けるまでにはなりました。
 そして、ひとり暮らしを始めてから、ようやく念願のピアノを買いました。「コルグ」のエレクトリック・ピアノです。


     
     わが家のエレクトリック・ピアノ。「コルグ」製。


 ライブ・ハウスで、本番中にいきなりピアノを弾かされたことがあります。兵庫県内のあるライブ・ハウスで演奏していた時のこと。当然ぼくはその時ウッド・ベースを弾いていたわけですが。
 突然ボスでピアニストの有末佳弘さんが、「次の曲、MINAGI君がピアノ・ソロで何か弾いてくれ」。
 なんですと!!!(◎д◎;)
 ピアノを習ったこともない、ろくに指も動かないこのぼくに、ライブ中にピアノを、しかもソロで弾け、と!? ソロッとなら弾けないこともないが・・・(寒)
 ヤバイ・・・(-_-;) というか、あまりにも無謀な命令ではないでしょうか、有末さん。
 しかしここでひるんではいられない。というか、弱気なとこは見せられないではないですか。一瞬のうちに決断し、ピアノに座ります。いや、ピアノに座っちゃいかんな。ピアノの前の椅子に座ったんだった。


 「テンポの速い曲は指が動かないからムリ」「スローなバラードにしよう。それならまだ余裕がある」などと頭を巡らせて選んだ曲が、ジャズのスタンダードで、ぼくの大好きな曲でもあり、自分の部屋でもよく弾いていた「イン・ア・センチメンタル・ムード」という曲です。
 テーマをなんとかこなし、アドリブに入ります。もう必死。というか、ヤバけりゃワン・コーラスで終わればいいものを、何を血迷ったか(ぼくには目立ちたがりの性質がある、というのも関係があります。ワハハ)指がそんなに動くわけでもないのに、調子に乗ってツー・コーラス目、スリー・コーラス目と、どんどん突入していったのです。


 もうヤケクソです。(ナゲヤリ、とは違うんですよ)
 しかしこの場合、お客に「なんやねんあれは!」と思われることだけは避けたい。しかしできないものはできない。どうするか。もう開き直りのキレまくりでムチャクチャをして見せるしかないではないですか。もう指さばきなんてもんじゃないです。グーチョキパー、ついでにヒジ撃ちで弾き倒してやりました。もう冷や汗とアブラ汗とコーフンで服はビショビショ。。。
 そのお店のマスターは、いい加減な演奏をすると、すぐに「もうオマエは帰れ!」と激怒することで有名な人なのですが、不思議なことにその時まったくクレームがつかなかったんですよ。


 あとで有末さんに、「なんでろくに弾けもしないぼくにピアノを弾かせたんですか?」と訊ねると、「生徒たち(有末さんの生徒さんが数人聴きに来ていた)に、ピアノの腕がなくても、気合だけで何かができるということを見せてやって欲しかったんや」ということでした。「あのマスターに文句つけられずに1曲弾き通したのはスゴイ」とホメても貰いました。もっとも、「もっとブチ切れて欲しかったなァ」とも言われましたけれどね。


 5~6年ほど前に、中古ですが、アップライトのピアノをとうとう買いました。アコースティック・ピアノ、ずーっと欲しかったんです。今では好きな時に好きなだけピアノを弾いています。弾いていると、やっぱり、「もっとうまくなりたいな~」なんて欲が出るものなんですね。




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ブラス! (Brassed Off)

2009年04月26日 | 映画
 

ブラス!  [Brassed Off]
■1997年  イギリス映画  
■監督・脚本 …マーク・ハーマン  
■音楽…………トレヴァー・ジョーンズ  
■劇中の演奏…グライムソープ・コリアリー・バンド  
■出演
  ☆ピート・ポスルスウェイト(ダニー)          
  ☆タラ・フィッツジェラルド(グロリア)          
  ☆ユアン・マクレガー(アンディ)
  ☆スティーブン・トンプキンソン(フィル)
  ☆ジム・カーター(ハリー)
  ☆フィリップ・ジャクソン(ジム)
  ☆ピーター・マーティン(アーニー)
  ☆メラニー・ヒル(サンドラ)     etc・・・


 今日は雨上がりの翌日で風の強い日でしたね。午後一番から用事があったのでバタバタしてましたが、最後に車にガソリンを入れ、洗車して用を終えました。そして家に帰ってから何か映画を観ようと思い、棚から出してきたのがこの「ブラス!」です。久しぶりに観たけど、やっぱりいい映画です~


 「音楽」が何より大切だと思える人生って、素晴らしいです。 
 しかし現実には、音楽よりも大事なもの、ありますよね。 
 でも、「音楽を大切にしている人たち」にとっては、音楽があるからこそ「音楽より大事なもの」を尊重できるのではないでしょうか。  


 なんだか禅問答みたいになってしまいましたが、これが、ぼくが「ブラス!」を観たあとの感想です。   


 炭鉱の仲間によって作られた、100年以上の伝統を誇る「グリムリー・コリアリー・バンド」。しかし炭鉱の閉鎖が決まり、炭鉱によって支えられてきた町も、町の人々も絶望しかけています。 
 「何よりも音楽が大切だ」との信念を持っている、バンドに人生の大半を捧げてきた指揮者のダニーだけは、炭鉱の閉鎖よりも吹奏楽コンクールのことで頭がいっぱいです。  


 ダニーの息子フィルは、組合活動の結果刑務所へ入っていたことがあり、その時の生活費を借金で賄いましたが、その借金が膨れ上がって苦境に立たされています。
 そのうえ愛用のトロンボーンが壊れ、悩んだ末に思い切って楽器を買い換えますが、そのことが妻サンドラにばれてしまいます。
 そして父ダニーは塵肺のため倒れ、家財一切はついに債権者に取り上げられてしまい、サンドラも子供達を連れて出ていってしまいます。 
 思い余ったフィルは自殺を図ります。幸い命は助かりましたが、職も、家族も、財産も失ったフィルは、生きる気力まで失います。


     
     フィル(左)とダニー


 音楽が生き甲斐のダニーも、塵肺という恐ろしい病気になったうえ、炭鉱閉鎖のあおりでバンドが解散せざるを得なくなったことを知らされ、内心打ちのめされます。恋仲のアンディとグロリアは、グロリアが会社側(雇用者側)に勤めていることから、すれ違いを起こします。ハリーと、炭鉱閉鎖反対の婦人運動を必死に続けている奥さんとの仲は、冷え切っています。ジムもアーニーも生活は苦しい。


     
     ユアン・マクレガー(左)とタラ・フィッツジェラルド(右)


 職を失い、生きる希望さえも失っているのはダニー父子だけではない。バンドのみんな、町のみんなが絶望しています。そういう時、現実に、音楽は何の助けになるんだろう。


 しかし最後に、自分たちのため、生き甲斐を失ったダニーのため、そして何より職を失った1000人の仲間のため、一時は出場を断念したコンクールに臨みます。 
 そしてバンドは見事に優勝するのです。


     


 バンドが決勝で演奏した「ウィリアム・テル序曲」、感動しました。それぞれの背負う重荷を感じながら聴いたからなんでしょうね。 
 ぼくは「つねに"今夜が最後のステージ"だと思え」と教えられてきました。まさにバンドは「最後の演奏」に臨んだわけです。そしてこういう状況で出る音は、重いけれども、心のこもった、純粋なものになると思うんですね。  


 表彰式でのダニーの挨拶には胸を打たれました。 
 「現在、発展の名のもとに善良な人々が苦境に立たされている。アシカやクジラは心配されるのに。音楽が人生で最も大事だと思ってきたが、生きる希望を失っては何もならない。」といって、表彰を拒否するのです。これは、当時のサッチャー政権に対する痛烈な批判でもあります。 
 表彰を拒否したダニーはさっさとステージから去りますが、そこでジムが優勝トロフィーを強引に持ち去るのはとてもおかしかったです。  


 エンディングでのみんなの表情はとても明るいですね。これは優勝したことよりも、自分たちの音を出し切ったことで、希望を見出すことができたからだと思うんです。
 フィルとサンドラも元のサヤに収まるみたいだしね。 
 帰りのバスの中で演奏する「威風堂々」、素敵です。


     


 個人的には、グロリア役のタラ・フィッツジェラルド、好みのタイプです。  
 どうもぼくは「お姉さん」ぽい人「も」 好きみたいだなぁ。




劇中のハイライト「ウィリアム・テル序曲」



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春 ~Sound of Contrabass~

2009年04月25日 | 名盤


 「春」。
 日本のジャズ界を代表するベーシストのひとり、金澤英明氏の3枚目のソロ・アルバムです。先日、九州在住の友人「月子」さんからのメールで、リリースされたことを知りました。
 もともと、ちょっとした経緯で金澤氏ご本人からファースト・ソロ・アルバムを頂き、それがきっかけとなって彼のベース・サウンドのファンになっていたので、即座にamazonで注文しました。
 今週の水曜日には届いていたのですが、平日に慌しく聴くのが惜しかったので、休みの前日の金曜夜まで楽しみにとっておいたんです。


 金澤氏のこれまでのソロ・アルバムは2枚とも持っています。クラシック、ジャズ、ロック、R&Bなど、いろんな発展性を持っているベースだと感じられていたものの、日野皓正グループやコジカナツルでの演奏で聴かれるように、どちらかというとジャズ寄りの音を出すのかと思っていました。


     


 CDから流れてきた音楽は、しっとりとした、深みのある、ボーダーレスなアコースティック作品でした。
 テーマは「日本の春」。
 これをジャンルの括りではなく、「金澤英明」という人間の中から湧き出てきたもので表現しています。
 編成は2本のコントラバスとピアノ、という特異なもの。これには意表を突かれました。
 金澤氏のあふれる想いを具現化したサウンドはもちろん、彼が選んだミュージシャンも、金澤氏の音楽性の表れでしょう。
 金澤氏はおもにピッツィカート奏法で、溝入氏はアルコ奏法で演奏しています。もちろんふたりがアルコでハモる部分もあります。
 ふくよかでまろやか、木の香りがする金澤氏のベース、時には優しく流れ、時にはフリーキーに叫ぶ溝入氏のベース、この二人の対比が興味深いです。そして柴田氏のピアノは金澤氏の提起した曲想をさらに深く掘り下げているように思えます。


 派手さを抑えた、より繊細な演奏が3人によって展開されています。演奏は、キッチリと隅々まで構成された予定調和的なものではなく、あくまで3人の自由な表現によるものでしょう。骨格だけしっかりと作りこみ、皮や肉の部分をあふれ出る3人の個性で彩っている、という気がします。
 この3人の音楽性の融合が、「作曲・金澤/溝入/柴田」というクレジットに現れているのではないでしょうか。


 ピアノが入ると、どうしてもその存在が主役になりがちですが、このアルバムでのピアノは、コントラバスの音色を生かし、聴かせるためのサポート役を果たしていると思います。でも脇役というには印象の強い、美しいピアノで、自分のスペースでは曲想に基づいた己のサウンドをしっかりと主張しています。


   


 春がすみがかかった朧月夜、雪の下から現れつつある新芽、花のつぼみ、まだ冷たさの残る風。
 日本特有の美しい自然を見ているようです。
 まだ雪の残る肌寒く浅い春から、桜散る温暖な春までの、いろんな春がコントラバスで描かれているんです。
 まるで印象派の絵を見ているような気分にさせられるんですね。
 あるいは、楽器で詩を朗読しているのを聴いているかのようです。


 トータルなサウンドは、とにかく骨格が太く、ぜい肉がない感じ。構成はしっかりと練ってあり、各人が曲想を捉え、それぞれのスペースを使って3人が自己表現しています。どこか富樫雅彦の名作、「スピリチュアル・ネイチャー」を想わせる音作りです。


 「14th」はクラシックにも造詣の深い金澤氏らしい、親しみがありながらもどこか荘厳なメロディーを持っています。
 「LUIZA」は巨匠、アントニオ・カルロス・ジョビンの作。前半は柴田氏のピアノを金澤氏の落ち着いたベースがサポートしています。後半は、美しい溝入氏のアルコを柴田氏と金澤氏が支え、より思索的なムードを醸し出しています。
 「桜の宵 一片の月」は、タンゴのようなリズムが異彩を放っていて、温かい気分になれます。咲き誇る桜、その枝の合間から見える月、時折り舞い落ちる花びらなどが目に浮かんでくるんです。





 わずか3人、うちベースが2人を占めているにもかかわらず、出てくる音には薄さの影もなく、非常に存在感があって厚い。
 金澤氏のベースは、決して弾きまくっているわけではないのですが、充分ベースの音色や存在を意識させて貰えます。とにかく個性豊かで表現力に満ちていると思います。


 いわば金澤氏を筆頭とした3人による、「春」をテーマにしたエッセイ集、といったところでしょうか。
 決して「華やかな春」ばかりではありませんが、生命力に満たされた土台を持つ作品だと思うのです。






◆春 Sound of Contrabass
  ■演奏
    金澤英明
  ■アルバム・リリース
    2009年
  ■プロデュース
    多田鏡子
  ■レコーディング・エンジニア
    青野光政
  ■収録曲
    ① 二風谷(nibudani) (金澤英明/溝入敬三/柴田敏弥)
    ② 雪の下の春 (金澤英明)
    ③ LEO (金澤英明/溝入敬三/柴田敏弥)
    ④ 14th (金澤英明)
    ⑤ 屈原(kutsugen) (金澤英明/溝入敬三/柴田敏弥)
    ⑥ TOSHI (金澤英明/溝入敬三/柴田敏弥)
    ⑦ 武蔵野ー春草 (金澤英明/溝入敬三/柴田敏弥)
    ⑧ LUIZA (Antonio Carlos Jobin)
    ⑨ Some Other Time (Leonard Bernstein)
    ⑩ 桜の宵 一片の月 (金澤英明)
  ■録音メンバー
    金澤英明(contrabass)
    溝入敬三(contrabass)
    柴田敏弥(piano)

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演歌10撰

2009年04月24日 | 名曲

          ♪内山田洋とクールファイブ


 
 「音楽回顧録」のNobさんが大々的に発表しておりました「演歌ベストテン」、それに触発されて、今回のベスト・テン・ネタは演歌を取り上げてみたいと思います。


 演歌はレコードを買ったこともないし、積極的に聴いたわけでもありません。しかし、かつて某お店での月一度の恒例行事だった「生バンド・カラオケ」ての伴奏や、ローカル歌手の伴奏などでたーんと演奏した経験はあるのです。
 ぼくはお酒がイケないのですが、飲みの席も嫌いではないし、突如無性にカラオケに行きたい時があったりなどして、歌を歌うことも結構あります(もちろん歌うのは大好き)。そんな時に歌う演歌は、演奏していても楽しいものが多いですね。
 それでは演歌ベスト10、ゴー!(今日は順不同です~)


*港町ブルース(森進一)
 http://www.youtube.com/watch?v=qzioiTIvP-8

*宗右衛門町ブルース(平和勝次とダークホース)
 http://www.youtube.com/watch?v=z5xENxuIPwc

*長崎は今日も雨だった(内山田洋とクールファイブ)
 http://www.youtube.com/watch?v=YGsnGHaNb9s

*中の島ブルース(内山田洋とクールファイブ)
 http://www.youtube.com/watch?v=tGhx6PF8wXw

*北酒場(細川たかし)
 http://www.youtube.com/watch?v=XVEmzkErhD4

*夜空(五木ひろし)
 http://www.youtube.com/watch?v=pUDtSDRzbdQ

*雨の慕情(八代亜紀)
 http://www.youtube.com/watch?v=P0I3moSIU4M

*女のみち(宮史郎とぴんからトリオ)
 http://www.youtube.com/watch?v=s398er36X5E

*ラヴ・イズ・オーヴァー(欧陽菲菲)
 http://www.youtube.com/watch?v=UvCqPGM7Mvk

*忘れていいの(谷村新司&小川知子)
 http://www.youtube.com/watch?v=MAvW8Dx6d3c


番外
悲しい酒(美空ひばり) 
離別(イビョル)(李成愛)
二輪草(川中美幸)
木曽路の女(原田悠里)
おもいで酒(小林幸子)
みちづれ(牧村三枝子)
夜の訪問者(小川順子)
あなたにあげる(西川峰子)
うそ(中条きよし)
            etc・・・


 こうして見ると、三連ノリの明るい演歌、メジャー調の演歌が多いことが歴然!
 そう、ぼくは超マイナーないわゆるド演歌よりも、ノリノリで歌い上げる楽しい演歌が大好きなことがよく分かりますね~
 演奏してても、「長崎は今日も雨だった」とか「宗右衛門町ブルース」などは熱が入るので、つい調子に乗って弾きまくり(お調子者)、3連ノリのロッカ・バラードみたいにしてしまいます(汗)


 演歌を弾く時は、舟を漕ぐ時の「エンヤ~トット」という、左右(あるいは前後)均等に揺れるようなノリを出します。この「エンヤ~トット」ノリの演歌もかなり好きです~。例えば都はるみ&岡千秋の「浪花恋しぐれ」なんかですね。こういうノリならマイナー調の曲でも楽しく弾けてしまいます。


 「ラヴ・イズ・オーヴァー」は演歌というよりも歌謡ポップスがかかったバラードという感じですが、夜のお店でかなり歌われるので、あえてここに入れてみました。同じような傾向の曲としては「忘れていいの」とか番外にあげた「離別」のほか、「川の流れのように」(美空ひばり)、「片想い」(中尾ミエ)などが大好きです。カラオケでもキーを変えてもらって、好んで歌う歌です。


 日頃はロックやジャズにどっぷり染まっているワタクシですが、こうしてみると演歌方面も結構イケるクチだったのですね~(^^)
 美空ひばりお嬢は歌い手としては別格だと思ってますし、テレサ・テンなんかも好きです。このふたりのCDは、買いこそしていませんが、ちゃーんとベスト・アルバムをレンタルで借りて録音してありますよ。


 ではベスト・テン・シリーズ、本日はこれにて~(^^)



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CDが届いたよ(^^)

2009年04月23日 | Weblog~雑記
 
 月曜日の昼、九州から一通のメールが届きました。仲良しの「月子」さんからです。
 内容は、なんとぼくの敬愛するベーシスト、金澤英明さんがサード・アルバムをリリースしたよ、というお知らせでした。それは初耳だ!その日の仕事が終わるまでの長かったこと!家へ着くなり、矢も盾もたまらず、忽ちAmazonのページを開いてみます。そこからクリック、クリック、クリックの連続でたちまちアルバムをゲットォォォ!


 そして何の気なしに広告を見ると、あの上原ひろみ嬢が新アルバムを発売、とあるじゃないですか! メンバーはスタンリー・クラーク(b)に、レニー・ホワイト(drs)という豪華ラインナップです(クレジットは『スタンリー・クラーク・トリオ』)。そこから再びクリック、クリック、クリックの連続でたちまちアルバムをゲットォォォ!


 そのノドから手が出るほど欲しいCD、昨夕無事にメール便にて我が家に到着いたしました~
 早速梱包を解いて、2枚のCDのジャケットを眺めます。あ~、早く聴きたいな~
 でもガマン!平日の慌しい夜にジックリジャズなんか聴けません。家へ帰って、PC開けて、そうこうするうちに晩ご飯、お風呂、歯磨きなどなど、気がつけば9時10時を回っていることもしばしばなのです。
 だから金曜日に帰って、「明日は休み~」という安心感の元にのんびりじっくり堪能したいと思っております。


 新品のCDって、封を切るまでが楽しいんですよね~ その楽しさ・待ち遠しさを明日一日じっくり味わって(まるでMですね・・・汗)、帰宅するや否や食事と入浴をとっとと済ませて、冷たい飲み物でも側に置いてじっくりたっぷり聴くつもりです。


 ちなみに金澤さんのアルバムはコントラバス2本とピアノの変則的トリオ、上原ひろみ嬢はオーソドックスなピアノ・トリオです。どちらもムチャムチャ楽しみです~
 曲名を見ると、金澤盤はおそらく大半がオリジナルです。どのような金澤ワールドが広がるのか今からとてもワクワクしてます。ひろみ嬢はわりとストレート・アヘットなジャズ作品らしくスタンダードの「いつか王子様が」とかマイルスの「ソーラー」、エリントンの曲、スタンリー・クラークの曲、ひろみ嬢のオリジナルなど、プログレ系ジャズ主体だったひろみ嬢がストレートなジャズにシフトしているようです。2枚とも食指がそそられます!


 でも明日の晩までおあずけ(^^)。そして明日の夜はシャワーのように音の洪水を頭から浴びる予定なのです。きっと楽しくて心が開放されて、ミュージシャンの真髄に触れることのできる、幸せな時間が訪れるはずです~
 ゆえにCDの感想は金曜日以降、ということで。。。


 知らせてくれた月子さん、どうもありがとう~



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お気に入りボサ・ノヴァ 10撰

2009年04月20日 | 名曲

          ♪ボサ・ノヴァ生みの親のひとり、アントニオ・カルロス・ジョビン先生

 
 天気は下り坂のようですが、そろそろ初夏の陽気を思わせる暖かい日が続きました。こちらでは気温も連日25度ほどにあがり、日中は半袖でちょうど良いくらいです。
 そんな中、本日もお題を頂きました。すっかりベスト・テン・ブログと化した今日この頃ですが、リクエストはlavender80さんからで、「ボサ・ノヴァ10撰を」とのことです。おかげでまたネタ探しに悩まずに済みました。ありがたいありがたい(^^)。


 でも、ぼくはボサ・ノヴァを深く聴きこんだことはないのです。聴く時はいつもBGMがわりに軽く流してます。優しいビートが左右にゆる~く揺れながらゆったり流れるボサ・ノヴァ、目を血走らせてステレオの前で聴き入るというのはどうも似合いませんね。むしろ強い日差しを避け、木陰にハンモックでも吊るして、涼しい風に吹かれて波の音でも聴きながら、のんびり聴くのが似合うのではないでしょうか。側にビキニの美女と冷たい飲み物でもあればなおサイコー♪


 しかし、深く聴きこんだことはありませんが、演奏したことは山ほどあるのです。とくにジャズのステージではよくセット・リストにあげられます。もちろんラテン系(サンバとか)のステージではボサ・ノヴァは必須科目です。
 ジャズ系ボサと本場ブラジル系ボサではノリが少し違うような感じがします。基本的には同じなんですが、ブラジル系のほうがよりゆったりしている感じです。
 ともかく次点を含めて12曲挙げてみましょう~ 今日は次点と1位以外は順不同です。


次点 ノー・モア・ブルース、おいしい水
* ブルー・ボサ
* サマー・サンバ
* ジャズ・サンバ
* ワン・ノート・サンバ
* コルコヴァード
* ディサフィナード
* 黒いオルフェ
* リカード・ボサノヴァ
* ウェイヴ
1位 イパネマの娘


 ものの本によると、1950年代の終わりに、アントニオ・カルロス・ジョビン、ヴィニシウス・ヂ・モライス、ジョアン・ジルベルトの3人が出会ったことで一気に形を成した、比較的若い音楽ということです。1960年代にブラジルでブームが爆発したほか、1962年頃からアメリカでもブームとなりました。とくにジャズ・ミュージシャンがボサ・ノヴァのリズムを取り入れたことから広く親しまれたみたいです。そのジャズ系ボサの代表的なものが、「リカード・ボサノヴァ(ザ・ギフト)」と「ブルー・ボサ」だと思います。「リカード~」はハンク・モブレー、「ブルー~」はケニー・ドーハムやジョー・ヘンダーソンで有名ですね。


 「ワン・ノート・サンバ」や「サマー・サンバ」は、「サンバ」とはいっても、比較的アップ・テンポなボサ・ノヴァといったほうがいいかも。これらや「オルフェのサンバ」、「マシュ・ケ・ナダ」などは、テンポは快調だしメロディは明るいしで、ライヴでもノリノリになる曲です。


 メロディーが美しいのは「ウェイヴ」とか「コルコヴァード」、「黒いオルフェ」などでしょうか。ボサ・ノヴァではあまりベース・ソロは取らず(でもぼくはしつこくソロをとります^^)、堅実にルートと5度を弾き続けるパターンが多いのですが、これらの曲はメロディーを聴いているだけでも心落ち着く佳曲なんです。で、曲が良いからつい強引にソロを取りに出て行くという・・・(汗)


 もともと4ビートのスタンダード・ジャズでも華麗にボサ・ノヴァに変身します。よく取り上げられるのが「酒とバラの日々」とか「ナイト・アンド・デイ」。小野リサさんなんか、「チャタヌガ・チュー・チュー」とか「ムーンライト・セレナーデ」などの有名なスタンダード・ナンバーをよく題材にしていますよね。
 また「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などの3拍子もボサとして演奏することがあります。
 テーマだけをボサ・ノヴァにして、ソロ部分を4ビートにするとか、ノリが良くなって曲終盤にサンバのリズムにチェンジしたりとか、そういう楽しい仕掛けをしたりもします。


 さて1位にあげた「イパネマの娘」です。もっとも知られているボサ・ノヴァ・ナンバーではないでしょうか。原題は「Garota De Ipanema」。英題は「Girl From Ipanema」です。ちなみに「イパネマ」とは有名なリゾート海岸のことらしいです。
 この曲、とくに女性シンガーはタイトルを「Boy From Ipanema」とし、歌詞も「Girl」を「Boy」に変えて歌う場合が結構あるみたいですよ。
 また、MCでややナマリ気味に、わざと「印旛沼の娘」(笑)と紹介していた某女性シンガーもおりました。でも、他の地方へツアーに行った時など、その当地の地名を織り込んで、「Girl From *****」と歌うケースも多いですね。


 これから迎える夏にはボサ・ノヴァがピッタリ! 気だるいムードで聴くもよし、ノリのよいテンポでテンションを上げるもよし、です。ギターの弾ける人はガット・ギターを爪弾いてみるのもまた一興ですね。もちろん、ピアノの弾き語りにも合いますよ~ 管楽器だとフルートが威力を発揮するかも~
 くどいようですが、水着姿の美女(美男)もお忘れなく!



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お気に入りクラシック 10撰

2009年04月18日 | 名曲

 
 ひさびさに一週間以上連続して記事の更新が続きました。春の訪れとともにブログ更新のアドレナリンが湧いて出てきているんでしょうか~
 また不調になったら更新も滞るでしょうから(汗)、元気のあるうちにどしどし記事を書いてみたいと思います(^^)


 ここんとこ「マイ・ベスト・テン」の記事が続いてますが、今度は史さんから「クラシック曲の10撰を」というリクエストを頂きました。
 クラシックは語れるほど深く広く聴いてはいないのですが、やはり良メロディーの宝庫だけあってぼくの心をくすぐる曲も多いです。
 出自を知らなかっただけで、映画やCFなどに使われている曲も案外多く、また現代風にアレンジされてポップスとして甦っているケースもあちこちで聞かれるみたいですね。


 クラシックには良いメロディーがたくさんありながら、やや敷居が高いと感じられるのはなぜでしょうか。
 学校に通っている頃の音楽の授業では、純粋に曲の良さを吟味することが少なかったからかもしれません。そのくせ人名だとか、音楽用語だとかいう、記憶力を使って勉強しなければならないことがたくさんありすぎて、楽しかったという記憶はあまりないように感じます。しかしクラシック、ポピュラー問わず、良い曲を鑑賞する時間は楽しみでしたね~


 ぼくの持っているCDの中で、クラシックの占める割合はごくごくわずかなんですが、それでもお金を払ってCDを買ったのは、ひとえにそこに好きな曲・良い曲があったからです。ロックでも難解なものから聴きやすいものまでさまざまなように、クラシックだって聴きやすい曲がたくさんあるんですね。
 さあて、ではぼくの好きな曲を見て頂きましょうか~
 

次点 アヴェ・マリア
 もちろんシューベルトのペンによる有名なものですが、モーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディなど同名異曲がたくさんあるようです。ぼくはグノーの「アヴェ・マリア」も好きだったりします。ちなみに「アヴェ・マリア」とは「こんにちはマリア」とか「おめでとうマリア」という意味の、祈祷の言葉だそうです。

⑩ピアノ・ソナタ「悲愴」
 ベートーヴェンの曲です。荘厳でゆったり流れるピアノのメロディー、悲愴どころか、どこか雄大さをも感じます。激情にかられた悲しみではなく、淡々としながらもゆっくりこみあげてくるものがある、という感じがします。

⑨メヌエット
 ビゼー作、『アルルの女』の中の小品です。フルートとハープが牧歌的な雰囲気を醸し出しています。素朴な美しさを湛えている曲だと思います。

⑧ピアノ五重奏「ます」第4楽章
 シューベルトの作曲です。これ、小学校の時に、休み時間だったか掃除の時間だったかに校内放送で流れていたんです。まさに鱒が川の中を悠然と泳ぐような、また水面を飛び跳ねるような感じのする楽しいメロディーを持っています。

⑦夜想曲第2番
 ショパン作の名曲です。文字で説明するのは難しいですが、メロディーはきっと誰もが知っているはず。映画「愛情物語」のテーマ曲にもなりました。カーメン・キャバレロのピアノでお馴染みの方も多いと思います。亡くなったぼくのボスがこの曲をよくセットのオープニングに使ってたので、何度も演奏しました~

⑥交響曲第40番第1楽章
 モーツァルト作曲の、これまたあまりにも有名な曲ですね。ポップスにもアレンジされてます(タイトル忘れた・・・汗)。たしかスキャット(ダニエル・リカーリ)になってるんですよね。これは、スキャット版を小学校の音楽の時間に聴かせてもらって好きになりました。

⑤「四季」より「冬」
 ビバルディの曲です。「春」ならお馴染みの方もたくさんいらっしゃるでしょう。でも「冬」もしみじみ聴ける美メロを持ってます。これは中学の音楽の時間にハイ・ファイ・セットのコーラスを聴かせてもらって大好きになりました。

④コン・テ・パルティーロ
 これは初めて歌われたのが1995年なので、「クラシック」というには新しすぎますが、ぼくの大大大好きな曲です。イタリアの歌手、アンドレア・ボチェッリの代表的オペラティック・ポップ楽曲。のち歌詞の一部とタイトルをイタリア語から英語に変更し、「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」としたボチェッリとサラ・ブライトマンの共演版が大ヒットしました。作詞サルトーリ、作曲はクアラントットです。

③組曲「惑星」より「木星」
 ホルスト作。某地元企業のCMに使われていたので、イントロ部分は幼稚園の頃から知っていました。カッコいい、と思っていたものです。中間部分はテレビ「水曜ロードショー」のエンディングで使われていて、それを聴いて大好きになりました。最近では平原綾香さんの歌が大ヒットしましたよね。

②威風堂々第1番
 エルガー作曲のもはや大人から子供までに知れ渡っている名曲です。アニメのエンディングとかCMなどに広く使われていますね。ぼくはメロディーがカッコよく、テンションのあがるマーチが大好きなんですが、この「威風堂々」も(式典用の)マーチです。中間部分には独立して歌詞がつけられ、英国の国民的歌曲として愛されているそうです。

①G線上のアリア
 J.S.バッハの曲です。美メロ中の美メロですね~ 荘厳な雰囲気に満ちている曲で、ぼくの中学では卒業式に使っていました。もともと弦楽器のための曲だそうですが、オルガンで弾かれる場合も大好きです。ぼくの持っているCDではコントラバスがメロディーを弾き、バックでオルガンが流れているのですが、このヴァージョンなどもまさに宗教的、厳かな演奏です。


 以上11曲、おそらくどれも耳にしたことがある名曲ばかりです。このほかにも自分が聴いたことがないだけの名曲が山ほどあるんですが、今のところロックとジャズだけで手一杯・・・(汗)
 でもラベルの「ボレロ」、ムソルグスキー「展覧会の絵」、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」など、現代ポップスにも大きな影響を及ぼしている曲も好きですし、バロック、あるいはそれ以前の宗教音楽にも興味があったりします。とにかく17世紀以降でも400年分以上の古人の音の遺産があるわけだから、一生かかっても聴きつくすことはできないでしょう。でもそれだけ多くの名曲を手軽に聴ける現代に生きているということは幸せなことなんですよね~




アンドレア・ボチェッリ&サラ・ブライトマン『コン・テ・パルティーロ』



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印象に残るギター・ソロ 10撰

2009年04月17日 | 名曲

 ♪イーグルスのジョー・ウォルシュとドン・フェルダー。
  画像はbugaluさんのとこからお借りいたしました。

 
 ロック・サウンドといえばギターが主流ですよね。イントロ、リフ、バッキングと大活躍ですが、その中でもひときわ強い印象を残しているのはやはり「ギター・ソロ」ではないでしょうか。
 名だたる名手の渾身のプレイから生み出されるソロ、味わい深かったり、カッコよかったり、さまざまですよね。
 ここんとこ「マイ・ベスト・テン」づいてますので、今日は「印象に残るギター・ソロ・マイ・ベスト・テン」を選んでみました~(^^)


次点 レッド(キング・クリムゾン)
  リフから成り立っているような、轟音のカタマリ。ロバート・フリップの弾く「レッド」は、まるでヘヴィ・メタルのような力強さがあります。激しいソロこそ出てきませんが、曲全体のリフがギターのソロともとれるので、あえてここに挙げてみました。

⑩イントロダクション(シカゴ)
 ギタリストはテリー・キャス。場面展開の豊かな、それぞれのソロをフィーチュアした、シカゴのデビュー・アルバム1曲目に入っている曲です。テリーのギターは、ブルージーながらツボを突いてくるから、とても分かりやすいんですね。

⑨アリバイ(シン・リジィ)
 スコット・ゴーハムとゲイリー・ムーアのツイン・リードが抜群のコンビネーションを見せて炸裂しています。とってもメロディックなソロ。スピード感も充分だし、聞いてて燃えますね~

⑧クロスロード(クリーム)
 リフもカッコいいし、ギター・ソロになってからのエリック・クラプトンの爆発ぶりもお見事です。それに絡んでゆくジャック・ブルースのベースも負けず劣らず弾き倒してますね。三者三様のぶつかりあいが感動を生む、名演だと思います。

⑦ライツ・アウト(UFO)
 ポール・レイモンドがサイド・ギター兼キーボード、そしてあのマイケル・シェンカーがリード・ギターです。典型的なハード・ロックで、マイケルの指板を縦横無尽に駆け巡るギター・フレーズはロック小僧を夢中にしましたよね。

⑥タイム(ピンク・フロイド)
 テクニック的にはあまり難しくはないんですが、最少の音で最大の効果をあげている、という感じがします。ブルーズをベースにしたこのソロ、よくタメが効いてて粘り気があり、ギターがとても歌っています。美しさでは、デイヴ・ギルモアの弾いた曲の中でも一、二を争うんではないでしょうか。

⑤天国への階段(レッド・ツェッペリン)
 ツェッペリンの代表曲ですね。ぼくもちょっとギターが弾けるようになった頃、この曲ばかり弾いてました。これはジミー・ペイジが弾いた最も美しいソロ、と言われているらしいですね。イントロのアルペジオも美しい響きを持ってます。それと対照的なのが、後半のヘヴィー・メタリックな部分。このふたつの対比が面白いです。

④銀の龍の背に乗って(中島みゆき)
 テレビ番組「Dr.コトー診療所」のエンディングで聴いたこのギターのカッコよさに参りました。調べてみるとギタリストはLAのセッション・マン、マイケル・トンプソンだということです。山あり谷ありの起伏に富んだ名フレーズの数々、泣かせます!



「銀の龍の背に乗って」

③ハイウェイ・スター(ディープ・パープル)
 リッチー・ブラックモアの弾くソロ、見事にまとまっているし、早弾きのテクニックは使っているし、使っているフレーズはカッコいいし、ギター小僧はこぞってこの曲を目指してましたよね。

②愛にさよならを(カーペンターズ)
 ピアノ主体のカーペンターズに異色の歪み系、ハードなエフェクターをかけたギター・ソロ。一瞬不意をつかれましたが、そのソロの泣けること!これも難易度はそう高くありませんが、非常にギターを歌わせています。ギタリストはトニー・ペルーソです。

①ホテル・カリフォルニア(イーグルス)
 ジョー・ウォルシュとドン・フェルダーのツイン・リードが炸裂!計算されたかのようなハーモニー、流れるようなソロはひとつの物語を見ているようです。曲も名曲中の名曲で、ギター・ソロも超有名ですよね~



「ホテル・カリフォルニア」


 ほかにもJ-Rockでは四人囃子の「一触即発」を忘れたくないですね。そのほか、ウィングスの「マイ・ラヴ」とか、クイーンの「愛にすべてを」、デレク&ザ・ドミノスの「レイラ」など、枚挙にいとまがありません。


 みなさんのお好きなギター・ソロは何でしょうか(興味津々・・・♡)



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音楽をやっていて感動したこと

2009年04月16日 | 価値観
 
 高校で本格的に音楽をやり始めて、※十年。最初はドラムス志望だったけれど、縁あってベースに転向しました。
 ドラムって見た目が派手でしょう? 吹奏楽部のデモンストレーション演奏を見て、「これはモテる!」(こんなんばっかし・・・汗)と踏んで入部したわけですが、一年間は地味~な基礎練習ばっかりでした。そうこうするうちに地元のビッグ・バンドに誘われたのが契機となってベースを弾きはじめたわけなんですが、その頃の僕は背伸びして一生懸命オトナの仲間入りをしていた、ということと、とにかくモテようとしていたことばかりで、動機としてはかなーり不純なものだったんですね~


 だからベースもジャック・ブルースやティム・ボガートらの影響を受けてやたら早弾きしようとしていたし、フロントよりも目立とうと、虎視眈々とそのチャンスを狙っていたんですね。つまり、自分がうまけりゃ良かったわけです。


 ある晩、先輩に誘われて、「Four Us」というグループの演奏を聴きに行きました。メンバーは4人とも日本在住のアフリカ系米国人。経歴を聞くと、ホィットニー・ヒューストンのバックを務めていた、とか、ビリー・プレストンのバンドにいた、とか、相当なキャリアを持った錚々たるメンバーばかりだったんですね。
 彼らの演奏は4人ともがそれぞれ見せ場を作り、汗をダラダラ流しながら全力を出し尽くす、実にホットなものだったんです。月並みですが、もう、とっても楽しかったです。
 それを見てぼくは、「今までの自分は間違っていた」「まず楽しい演奏をしなきゃだめなんだ」「そのためには100%以上の力を出さねば」「そしてお客を何が何でも楽しませて帰さなきゃ」・・・。
 他人の生演奏を聴いて感動したのは、厳密に言えばこの時が始めてだったかもしれません。それまでのぼくは自分が弾いて目立つことだけで満足でしたから。


 それから何週間後だったでしょうか。「M」と言う店で大阪から来たシンガーのバックを務めることになったんですが、とにかくその時に心がけたのは「全力を尽くそう」ということでした。それはベースを弾きまくることではなくて、全力で「音楽全体に取り組んでみよう」ということだったんです。
 それをテーマに2セット2時間あまりのステージが終わりました。するとある一人の男性がツカツカと近づいてきて、いきなりぼほくの手を握るなり、「良かったよ、良かったよ」と満面の笑みで言ってくれたのです。この時に、全力を出そうとする自分の姿勢がお客に伝わったこと、音楽にはそういう人を動かすエネルギーがあるんだ、ということを改めて知ったんです。


 音楽の持つエネルギーのスゴさを思い知った2回目は、それから何年かのちのことですが、「A」というお店にぼくがリーダーのピアノ・トリオで出させて頂いた時のことです。たしか連休の初日だったと思うんですが、観光地にあるその「A」は早い時間から満席でした。MCもぼくが取っていたのですが、つれづれに聞いてみると、東京を始め関東、甲信越、東北、九州と、いろんなところから集まってくださってたんですね。
 貴重な休みを使ってわざわざ聴きに来て下さったのに燃えないわけがありません。いつも以上にシャツが汗だくになるまで弾き倒しましたよ~(もちろん自分だけが目立つ、というものでなく、トータルなサウンドを意識しつつ)。MCもなぜか絶好調でした。勝手に言葉が口から出てくる感じで、客席も沸きっぱなしの笑いっぱなしです。こんなにMCで受けたことも珍しい。


 そして全セットが終わってからのこと。満席だったお客が一斉にレジへ向かうんですが、全組のお客が「楽しかった(^^)」「縁があったらまた来たい」「今日ここへ来てよかった」といって、握手を求めて来て下さったのです。これには感動しました。全力を出し切ったプレイ・音楽にはこんなに人の表情をも変えることのできる凄いエネルギーがあるんだなあ、と。ウケたのが嬉しくないわけじゃありません。ウケたのももちろん嬉しかったですが、それ以上に「遠方から休みにわざわざここへやって来たお客になんとか喜んで頂こう」という思いが通じたこと、そういうエネルギーが音楽から出ていたことに感動したんです。
 亡くなったぼくのボスは「聴いてくれる人に感動を与えるのがわれわれの役目や!」と常々言ってましたが、その実、聴いてくれる人から感動を頂いてもいたんですね。


 そういう演奏をするには、これはぼく自身の経験から述べることですが、謙虚であること、反面開き直って101%の自分を出すこと、感謝の気持ちを持つこと(出させてくれた店に、来てくれたお客さんに、一緒に演奏してくれるメンバーに、ベースを弾ける今の境遇に・・・いろんなものに感謝です)
 逆にいいコにばかりなっても物足りなかったりするんです。ぼくのボスは「ステージではキレろ!」とよく言ってたし、「良い子ちゃんでは人を驚かすような演奏はできへんで」なんてこともよく言ってましたね。
 つまり、ステージではつねに101%の力を発揮しつつ、かつヤンチャでありつつ、そしてステージから降りたら人間性で勝負、といったところではないでしょうか。


 ともかく、音楽をやっていてこういう感動を得られたのは、ぼくにとっても大きな宝物になっていると思います。大事にしておきたい思い出です。



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1964年2月12日のマイルス・デイヴィス・クィンテット

2009年04月15日 | 名盤

  
 1964年2月12日、マイルス・デイヴィス・クィンテットは、ニューヨークのリンカーン・センター内にあるフィルハーモニック・オーディトリアムでライヴを行いました。この時の演奏を収めたものが、『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』と、『フォア&モア』であることはよく知られていますね。『マイ・ファニー~』には比較的スロー、あるいはミディアム・テンポの曲が多く、『フォア&モア』はアップ・テンポのハードな曲を主体としています。


     
     「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」


 ぼくは、この「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」というライヴ・アルバムの持つ張り詰めた空気がとても好きなんです。
 時には訥々と、時にはロマンティックに、時には雄弁に語っているマイルスのトランペットの素晴らしさは言うまでもありません。
 
 
 研ぎ澄まされた音はいやがうえにも緊張感を高めています。
 バックの面々のスケールの大きな演奏は驚異的だし、非常に自由で美しい。
 とくにこのアルバムで聴くことのできるハービー・ハンコックの叙情的で創造的なピアノ、何度聴いてもほれぼれします。


 たとえば雨の降っている夜中だとか、しんみりと孤独を感じている夜などにこのアルバムを聴くと、体の芯までジャズが染み渡っていくような気がします。
 3曲目の「星影のステラ」のトランペット・ソロの最中で、感極まった聴衆が叫び声をあげているのが聴こえますが、この声すら感動的だなぁ、と思ってしまうんです。
 
 
         
 
 
 さて、『フォア&モア』です。
 1曲目の最初からとてつもないハイ・テンションでスタートするこのアルバム、息をもつかせぬ緊張感が最後まで続きます。この緊張感を支えているのが、トニー・ウィリアムスの豪快で知的なドラミングだと思います。トニーの叩き出すリズムの切れ味って、なんて鋭いんでしょう。何も考えずに、そのリズムに体を委ねたくなります。


     
     「フォア&モア」


 マイルスとジョージ・コールマンのホットなブロウは魅力たっぷり。ハービー・ハンコックのピアノは、バッキングではモーダルな動きを見せつつ、ソロになると実に饒舌でメロディック。ロン・カーターの力強いベースはドラムとともに強力なグルーヴを生み出しています。


 気持ちの中にじんわりと染み通ってゆくジャズもいいけれど、体の芯から揺り動かされるようなハードなジャズを聴くのもまた楽しいですね。
 
 
 マイルスの作品を聴いていると、つくづく「メンバーの人選も音楽性のうち」だと思います。それぞれが奔放にプレイしているにもかかわらず、それがマイルスの音楽を具現しているのですから。
 マイルスの期待に応えるメンバーの実力も素晴らしいですが、彼らの音楽性を見抜くマイルスの確かな眼力にはさらに感服させられます。バンマスたるもの、こうでなくっちゃね。


 凄まじい気合の感じられるこのアルバム、理屈抜きでぼくをコーフンさせてくれるんです。


     
     上段  左=マイルス・デイヴィス  右=ジョージ・コールマン
     下段  左=トニー・ウィリアムス  中=ハービー・ハンコック  右=ロン・カーター
     
 
 いわゆる「マイルス黄金クィンテット」はこの時期より少しあとになりますが、バックにハービー、ロン、トニーが揃ったこの頃からの演奏も素晴らしく、迫力と情緒に満ちていて大好きなんです。
 マイルス・デイヴィスのアルバムは、どの時期のものを聴いても、ジャズの楽しさ、カッコよさ、素晴らしさを感じさせてくれる何かがあるような気がします。



1964年2月12日のマイルス・デイヴィス・クインテット

  ■録音場所
    リンカーン・センター、フィルハーモニック・ホール (ニューヨーク)
  ■録音メンバー
    マイルス・デイヴィス/Miles Davis (trumpet)
    ジョージ・コールマン/George Coleman (tenor-sax)
    ハービー・ハンコック/Herbie Hancock (piano)
    ロン・カーター/Ron Carter (bass)
    トニー・ウィリアムス/Tony Williams (drums)
  ■プロデュース
    テオ・マセロ/Teo Macero

--------------------------------

◆マイ・ファニー・ヴァレンタイン/My Funny Valentine
  ■リリース
    1965年2月23日
  ■レーベル
    コロンビア/Columbia
  ■収録曲
   [side-A]
    ① マイ・ファニー・ヴァレンタイン/My Funny Valentine (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
    ② オール・オブ・ユー/All of You (Cole Porter)
   [side-B]
    ③ ステラ・バイ・スターライト/Stella by Starlight (Ned Washington, Victor Young)
    ④ オール・ブルース/All Blues (Miles Davis)
    ⑤ アイ・ソート・アバウト・ユー/I Thought About You (Johnny Mercer, Jimmy Van Heusen)
  ■チャート
    1965年週間アルバムチャート最高位  アメリカ(ビルボード)138位

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◆フォア・アンド・モア/"Four" & More 
  ■リリース     
    1966年1月17日   
  ■レーベル     
    コロンビア/Columbia   
  ■収録曲    
   [side-A]     
    ① ソー・ホワット/So What (Miles Davis)     
    ② ウォーキン/Walkin' (Richard Henry Carpenter)
    ③ ジョシュア~ゴー・ゴー/Joshua/Go-Go [Theme and Announcement] (Victor Feldman)    
   [side-B]     
    ④ フォア/Four (Miles Davis)     
    ⑤ セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン/Seven Steps to Heaven (Victor Feldman, Miles Davis)     
    ⑥ ゼア・イズ・ノー・グレイター・ラヴ~ゴー・ゴー/There Is No Greater Love/Go-Go [Theme and Announcement] (Marty Symes, Isham Jones)  



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好きな作曲家 10撰

2009年04月14日 | ミュージシャン
 
 「音楽回顧録」のNobさんより、「好きな作曲家ベストテン」のリクエストを頂きました。「併せて、その作曲家の中で一番好きな曲も挙げていただけると嬉しいですわん」とのことです~
 例によって、ポピュラー音楽の作曲者に絞ってベストテンを選んでみましょう。


 名曲の陰には必ずやそれを生み出した作者がいるものですよね。歌手や演奏者にスポットが当たりがちですが、作曲者の存在も忘れてはならないと思います。というものの、選んでみた作曲家の中には自作自演、いわゆる「シンガー・ソング・ライター」が多いような気もします。
 ただ、クラシックでは演奏者と並んで作曲者の存在も一般的に名が浸透してますね。ぼくは、クラシックではモーツァルト、バッハ、ベートーヴェンなどの曲が好きです。


次点 荒井由実
    財津和夫
 日本の誇るソング・ライターですよね。両者とも30年以上に渡って第一線で活躍し続けているのも素晴らしいです。あるピアニストに聞いたことがありますが、作曲家というのはメロディーが「湧いて」出てくるものなんだそうです。このふたりもきっとそういうタイプなんだと思います。1曲選ぶとすれば荒井由実なら「翳りゆく部屋」、財津和夫なら「心の旅」かな。いや「青春の影」も捨てがたいですね。

⑩ポール・ウィリアムス
 この人もシンガー・ソング・ライターですが、自分で手がけるより、他のアーティストに提供した曲の方が知られているみたいです。ロジャー・ニコルズ(作詞)とのコンビで多くの佳曲を生み出しています。有名なのがカーペンターズの「愛のプレリュード」とか「雨の日と月曜日は」。ぼくがもっとも好きな作品は、スリー・ドッグ・ナイトが取り上げて大ヒットさせた「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」ですね。

⑨バート・バカラック
 ジャズ・ミュージシャンが彼の曲を多く取り上げています。でも有名なのは「サンホセへの道」とか「恋よさようなら」などのポップスです。彼の作で一番好き、しかも有名なのは、カーペンターズでお馴染みの「遥かなる影」です~
 ジャズ系で好きな作曲者といえば、「スターダスト」や「ジョージア・オン・マイ・マインド」を書いたホーギー・カーマイケルにも言及しておきたいと思います。

⑧ミック・ジャガー&キース・リチャーズ
 いわずと知れた、ローリング・ストーンズの両輪ですね。パフォーマーとしても超一流ですが、R&Bをベースにした名曲を数多く世に送り出しています。「ホンキー・トンク・ウィメン」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ダイスをころがせ」など好きな曲は山ほどあるんですが、ここは「悲しみのアンジー」を挙げておきましょう。

⑦ジョン・レノン
 激しいロック・スピリットを持っている人だと思うんですが、反面深遠なバラードも書ける、稀有な才能の持ち主だと思います。ビートルズ時代の「レヴォリューション」「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」「アイ・アム・ザ・ウォルラス」などが好きです。でも彼の曲から1曲あげろ、と言われたら、やはり「イマジン」になるかな。

⑥ジェフ・リン
 エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)のソングライターにしてヴォーカリスト、ギタリスト。一部ではあのポール・マッカートニー以来のメロディー・メイカー、だとまで言われている才能の持ち主です。ぼくの挙げるこの人の作品No.1は「テレフォン・ライン」だなー、やっぱり。

⑤エルトン・ジョン
 この人のレパートリーも名曲のオン・パレードですね。ピアニストとしても確かな腕を持っているし、ステージングも見せてくれます。ヘンテコなメガネとか、同性結婚とか、音楽以外の話題も賑やかですが(汗)、この人の生み出すメロディーはまさに珠玉。「僕の歌は君の歌」「イエス・イッツ・ミー」「ダニエル」「ロケット・マン」・・・むむっ、1曲に絞るのは難しいですが、ここは「僕の瞳に小さな太陽」で。

④キャロル・キング
 アルバム「つづれおり」はもう何度聴いたかなあ。。。1970年代からはシンガー・ソング・ライターとしても大活躍しましたが、60年代は当時の夫君のゲリー・ゴフィンと組んで、「ロコモーション」や「アップ・オン・ザ・ルーフ」、「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」などのヒット曲を量産しています。キャロルの曲って、R&B系の人も好んで取り上げるんですよね。ぼくのキャロルのイチオシはなんといっても「君の友達」です。

③スティーヴィー・ワンダー
 極彩色の絵を見ているような気持ちにさせられるスティーヴィーの名曲の数々。生まれた直後に失明したのに、まるで色を判別し、最も鮮やかな使い方を熟知しているかのようです。シンガーとしても実にソウルフル、楽器を操れば類まれなマルチ・プレーヤーぶりを発揮。「才人」とはまさにスティーヴィーのためにある言葉ではないでしょうか。「サンシャイン」「マイ・シェリー・アモール」「心の愛」など、この人のレパートリーも名曲の宝庫ですが、ここはひとつ「サー・デューク」を選んでおきましょうか。

②ポール・マッカートニー
 ほんと、このお方も天才ですね~ ポップだし、ロックしてるし、意表をつく展開は面白いし、曲調はバラエティに富んでいるし。もはやポールに関しては多言を要しませんよね。歌を歌ってもしっとりバラードから迫力あるシャウトまで幅広いし。そういえば、ベースにピアノ、ギターにドラム、とこの人もマルチなプレーヤーだったんでした。ベース・ラインに関していえば、とてもメロディックなんですよね。ベーシストとしても偉大な人だと思っております。ポールのこの1曲、といえば、うーん、悩みますね~ 「ジェット」「心のラヴ・ソング」「あの娘におせっかい」・・・、えーい「バンド・オン・ザ・ラン」でどうだ~

①にして超別格 ジョン・レノン&ポール・マッカートニー
 20世紀が生んだ最高の作曲チーム、とまで言われていますよね。ビートルズ時代の偉業は周知の通り。彼らの場合、1+1=2なんではなくて、1+1が4にも5にもなる、といった感じです。互いを補い合い、触発し合って多くの名曲を世に送り出しました。「好きな作曲1位」なんだから、もっとたくさんの賛辞を送りたいのですが、彼らに関しては何をどう語っても語り足りない気がします。
 レノン&マッカートニーの中で一番好きな曲ですか・・・、これまた無理難題なんですよね~ 初期の「抱きしめたい」「シー・ラヴズ・ユー」から後期の「ヘイ・ジュード」「アビイ・ロードのB面のメドレー」などなど候補はたくさんあるんですが、ぼくの個人的思い入れが強い「レット・イット・ビー」をマイ・フェイヴァリットに挙げておきましょう。


 いや~、ジャズだとコール・ポーターやジョージ・ガーシュウィン、セロニアス・モンクも好きだし、ポップスだとポール・サイモンとかジョージ・ハリスン、ビリー・ジョエルも捨てがたかったです。日本だとやはり桑田佳祐とか筒美京平などを忘れてはならないでしょう。
 このランキングも思い出しながら書いてみたのですが、ひょっとすると意外な大物を忘れているような気もします。でも作曲家別に好きな曲を思い出していくという作業もなかなかに楽しいものでした。
 このネタを下さったNobさん、どうもありがとうございました~(^^)



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印象的なギター・リフ 10撰

2009年04月13日 | 名曲

 
 ロック少年が憧れるのはギター・ヒーロー!
 ヴォーカリストとともにフロント・ラインに立ち、派手なアクションと華麗な指さばきでロック小僧を魅了してゆく!
 ぼくら小僧っ子が偶像視していたスーパー・ギタリスト、数限りなくいますよね。
 今日は、それら名手が生み出してきた、カッコよいギター・リフの数々をご紹介してみたいと思います。

 
 ちなみに「リフ」とはギター、もしくはキーボードその他によって反復して演奏される、短めのテーマのことを言います。
 ハード・ロックやヘヴィ・メタルあたりの曲ではさかんに聴かれるリフですが、ぼくは最近のヘヴィ・メタルはそんなに聴いてないので、60~70年代のものを中心に、「マイ・ベスト・ギター・リフ ベスト・テン」を発表してみようと思います。やはりハード・ロック系のものが中心になると思いますが。。。


次点 サティスファクション(ローリング・ストーンズ)
    紫のけむり(ジミ・ヘンドリックス)
 「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」とか「スタート・ミー・アップ」などで聴かれるリフもカッコいいですよね。キース・リチャーズの余裕しゃくしゃくのプレイが曲を引き立ててますね~
 「紫のけむり」はジミ・ヘンの代名詞的ヒット曲。「ブードゥー・チャイル」のリフなんかもサイケっぽくて良いです~ 

⑩黒い炎(チェイス)
 これは唯一ブラス・ロックの範疇から選んでみました。トランペット4本のアンサンブルで炸裂させるパワフルなリフ、派手ですね~ カッコ良いですね~ シビレますね~ 

⑨マイ・シャローナ(ナック)
 トトタタトッタ、トッタ、トトタト、トトタタトッタ、ジャーンジャジャジャーン!
 ベースとドラムスの刻むシンプルなビートにギターが乗っかってきます。このリフもなかなかに有名です。曲の間奏のギター・ソロもノリノリでロックしてますね~
 「ビートルズの再来」とも言われた「ナック」でした。

⑧ウォーク・ディス・ウェイ(エアロスミス)
 「踊るさんま御殿」のエンディング・テーマに使われているんでしたっけ。たしかRUN D.M.C.がこの曲をリバイバル・ヒットさせたんですよね。
 不良少年を思わせるスピード感のあるリフですね。

⑦アイアン・マン(ブラック・サバス)
 かつてプロレスのロード・ウォリアーズが登場する時のテーマ曲でした。「I am iron ma~n」という不気味なMCの後に登場する、トニー・アイオミの弾くヘヴィなフレーズがたまらなくカッコ良かったです。「パラノイド」なども有名ですよね。

⑥いとしのレイラ(デレク&ザ・ドミノス)
 何本かのギターがオーヴァー・ダヴィングされている、よく練りこまれた、スケールの大きなリフ。ギタリストはエリック・クラプトンとデュエイン・オールマンです。親友ジョージ・ハリスンの奥さんを好きになってしまったエリックの、悲しいラヴ・ソングです。

⑤21世紀の精神異常者(キング・クリムゾン)
 ギターとサックスのフリーキーなユニゾンが不穏な雰囲気を醸し出していますね。何事かが起こる前触れのような、不安感に満ちたリフです。キング・クリムゾンというのはプログレッシヴ・ロックの範疇に入るバンドですが、この曲のリフはハード・ロックそのもの。「レッド」のリフなんかもヘヴィですよね。なお、タイトルは、今では「21世紀のスキツォイド・マン」と改題されていますが、これはちょっと無意味な言葉狩りではないでしょうか。

④サンシャイン・ラヴ(クリーム)
 エリック・クラプトンによるこのリフも有名ですよね。70年代にベイ・シティ・ローラーズから分立したイアン・ミッチェル率いるロゼッタ・ストーンがこの曲をカヴァーして話題になりました。ハード・ロック、ブルース・ロック、ジャズ・ロックなどにカテゴライズされるクリームですが、ほかにも「スプーンフル」「アイム・ソー・グラッド」などの火花が散るようなインタープレイを売り物に、人気を獲得してゆきました。

③迷信(ベック、ボガート&アピス)
 「迷信」はステイーヴィー・ワンダーの作によるR&B系の曲です。BB&Aはこれをハード・ロック風に処理し、ギターとベースのユニゾンでこのリフを展開していますが、後半はそれぞれリフをモチーフにした演奏を展開しています。ジェフ・ベックと言えば、のちの「スキャッターブレイン」の変拍子リフも人気が高いですよね。

②胸いっぱいの愛を(レッド・ツェッペリン)
 シンプルだけれども圧倒的なエネルギーに満ちた、ブルーズ・フィーリングが感じられる名リフだと思います。ジミー・ペイジという人はまさにリフ職人で、このほかにも「ハートブレイカー」「ブラックドッグ」などの名リフを生み出しています。

①スモーク・オン・ザ・ウォーター(ディープ・パープル)
 ギターを手にしたロック小僧が楽器店の試奏で必ず弾いたと言われているのが「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフです。たしか映画「ウェインズ・ワールド」だったかで、あんまり試奏が多いので、楽器店に「『天国への階段』禁止」の張り紙が貼られてあった、というジョークがありましたが、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」もそれに匹敵するロックの古典です。初心者ギタリストはほとんど必ずこの曲のリフを最初にマスターしていたような気がします。リッチー・ブラックモアもリフを生み出す名人で、この他にも「ブラックナイト」「紫の炎」など、名だたる名リフを発表しています。


 やはりリフというのはギター中心のハード・ロック・バンド、ヘヴィ・メタル・バンド(違いがよく分かりませんが・・・汗)から生み出されることが多いようです。AC/DC、アイアン・メイデン、ガンズ&ローゼス、メタリカ、などなど・・・。この他にも長い夜(シカゴ)、アメリカン・バンド(グランド・ファンク)、オールライト・ナウ(フリー)、ジャンプ(ヴァン・ヘイレン)、パワー・オブ・ラヴ(ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース)、20センチュリー・ボーイ(T.レックス)などなども忘れられない名リフですよね。


 ハード・ロック・ギターとギター・リフとは切っても切れない間柄です。 



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