ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

コジカナツル

2005年07月31日 | 名盤



 「コジカナツル」、、、
 kojikanatsuru? 
 こじか なつ る ?  
 何かのマジナイ?


 いえいえ、コジ=小島良喜(piano)、カナ=金澤英明(bass)、ツル=鶴谷智生(drums),つまりメンバー三人の姓をつなぎ合わせた、ピアノ・トリオの名前です。



左から 小島良喜(piano)、金澤英明(bass)、鶴谷智生(drums)


 このブログ、最初は「ロックとジャズの割合を半々くらいにして、あれ書いてこれ書いて…」などと、展望らしきものを持っていたんですが、気がつくと今のところジャズの話が一番少ない。
 ヘタなことを書くと、ジャズ通の方々に突っ込まれるかもしれない、という恐怖感(笑)があるのも理由のひとつかもしれません。


 とはいえ、好んで聴いているCDにジャズが多く含まれているのも事実です。
 そして、最近のお気に入りの中に、この「コジカナツル」があるわけです。


 ジャズには夜が、それも夜中が、不思議とよく似合うものです。このグループのファースト・アルバム、「コジカナツル」を聴いていると、ぼくには、「夜の猥雑な繁華街の隙間にある、束の間の静寂」みたいな雰囲気が感じられるのです。


 ピアノの小島良喜を生で初めて聴いたのは、「Four Hands」という、佐山雅弘(piano)とのピアノ2台によるデュオでした。生々しくて、遊び心がたっぷりで、とても人間味豊かなピアノだと思いました。
 金澤英明のベースは、楽器(ウッドベース)の木のきしみみたいなものまで一緒に聴こえて来るような、骨太でどっしりした素敵な音を奏でます。
 鶴谷智生は、スタジオ等で大活躍しているドラマーです。テクニックもさることながら、楽器を素晴らしく歌わせられる方だと思います。





 夜中にこのアルバムを聴いていると、「タバコの煙とウィスキーの香り、男くささ、地下の薄暗いジャズバー、真剣に楽器で遊んでいるヤンチャな大人」なんていう情景がきれぎれに浮かんで来るのです。


 三人が一丸となって熱く渡り合う16ビートの「"F"」と、3連の濃いグルーヴ感がたまらないスタンダード・ナンバーの「Teach Me Tonight」、この2曲がとくにぼくのお気に入りです。
 そして今夜も「ヤンチャな大人の遊びっぷり」を耳にしながら、いつの間にかニヤッとしている自分がいるのです。








◆コジカナツル/Kojikanatsuru
  ■演奏
    コジカナツル
  ■リリース
    2003年
  ■プロデュース
    須田晃夫
  ■録音
    スタジオRAG河原町(京都市) 2003年4月1~2日 ②~⑨
    ライブ・スポットRAG(京都市) 2003年3月31日 ①
  ■収録曲
    ① Yossy's delight (金澤英明)
    ② "F" (小島良喜)
    ③ take a nap (on the Oak street)(小島良喜)  
    ④ Alternative blue (塩次伸二)
    ⑤ Whoop it up! (小島良喜)
    ⑥ So Nice (Marcos Valle, Paulo Valle)
    ⑦ Colour Me (鶴谷智生)
    ⑧ Dog(小島良喜)
    ⑨ Teach Me Tonight (Gene de Paul)
  ■録音メンバー
    小島良喜(piano)
    金澤英明(bass、piccolo-bass⑦)
    鶴谷智生(drums)
  ■レーベル
    RAGMANIA 



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手書きの譜面帳は相棒だ

2005年07月30日 | 随想録

 前にも少し書いたことがありますが、現場に行く時には必ず譜面帳を一緒に連れて行きます。


 黒表紙の、B5版バインダー。
 2冊あって、現在約450曲をストックしてるんです。
 ほとんどジャズ。(別にもう1冊、ポップス用譜面帳があります)
 だんだんと物覚えがアヤシくなってきているので、この2冊に記憶力の減退をカバーして貰っているのです。
          

 今は楽譜作成ソフトという便利なシロモノがあって、誰でも簡単にきれいな楽譜を作ることができますが、ぼくは手書き主義です。(曲の題名だけワープロで印字してます)


 アナログ人間だから? いやいや。
 譜面を書く、という作業が勉強になるからなのです。
 曲の構成の把握、コード進行、読譜力、などなどなど。
 それよりも、もしかすると「キレイに書く」ことが大好きなのかもですが。


     
          

 清書した450曲、「もし『売ってくれ』と頼まれたらどうする?」と、話のタネに訊かれたことがありますが、正直言って値段のつけようがないなぁ。無理やり値段をつけても、うーーーーむ、


 100万や200万の金額では絶対に売らないことは確かですね。
 今までの労力だけ考えても、とても引き合わないもん。
 そもそも労力以前に、ある意味ぼくの「相棒」ですから、もう手放せない。


 さて今日の朝刊に、
 「ジョン・レノン直筆の、『愛こそはすべて』の歌詞が、オークションにかけられ、
 60万ポンド(約1億1820万円)で落札された」
との記事がありました。
 この歌詞カード、ビートルズがテレビ出演した際に使用されたものらしいです。
 当時テレビ局で働いていた女性が、ジョン・レノンの譜面台の下で拾ったそうです。


     
          

 それはともかく、注目すべきはこの金額!




 いつだったか、ある若手の女性ピアニストに「譜面帳を見せて」と言われたので見せてあげたことがあります。
 「すご~~い、キレイに書いてる~~」と感心されたので、「買う?」と冗談で聞いたら、とつじょ真顔になり、

     「いら~ん」  と即答されました。

 当たり前とはいえ、この違い・・・(笑) 


コメント (8)
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三人目はナスビ!?

2005年07月29日 | ネタをたずねて三千里

                                 ナス。「ナス」で検索したら「ビーナス」まで引っかかる。美茄子(笑)。



 「ワタシってぇ~、天然なのぉ~」

 と、臆面もなく口にするアホな女を見かけることがあります。



 自分で自分のことを宣伝する奴に

 ロクなのがいないことは周知の事実ですが、

 とくに自分のことを「天然だ」などとホザく女は、

 暗に「わたしってカワイイのよ」と

 アピールしているのと意味が同じである場合が多いので、

 正座させてセッキョウしてやりたくなります。


「天然ボケ」と「馬鹿」は別物なんですよ。

          



 しかしですね、

 天然ボケとアホな性分が合体したような実例を

 ぼくは知っています。

 これがまた血を分けた従妹ときてるんだから…

 このふたつを合わせると、オソロシイというか、もう無敵。



 親戚で赤ちゃんが産まれた夫婦がおりまして。

 三人目のお子なんですけど。

 そのオソロシイ従妹とともに、
 
 お見舞い、というか、お祝いに行ったわけですよ。



 従妹、赤ちゃんを見るなり

 「まあカワイイ~~

 脳内は蒸してますけど、子供好きのかわいい奴なんです、根は。

 でも、
 
 「この赤ちゃんかわいくないですね」


 などと口走る人にもそうはお目にかかれないですけどね。



 ところが、「抱っこさせてぇ~」と赤ちゃんをそっと抱きながら、

 「とっても小ざかしい顔してるねぇ~」


 続けて口から出てきた彼女のその言葉に、

 思わずその場にいたみんなはポカ~ン。

  (゜Д゜)

 あの~、それ、褒め言葉になってない…

【註:こざかしい[小《賢しい](形)能力や誠実みが伴わないのに、口だけはうまい様子。三省堂・新明解国語辞典より】



 賢こそう、というつもりだったのか、もしかして…

 だいたい、口のうまい新生児、ってなんやねん、それ…

 さらに追い討ち。

「一姫二太郎三ナスビ、って言うもんね。良かったね」


        おいおい…


 それを言うなら「一富士二鷹三ナスビ」だろう、と。

 もしくは「一姫二太郎」ではないか、と。

 いったい何がどう良かったんだ!? ( ̄ロ ̄;)

 予想外の攻撃を受けたお母さん、しばし魂が抜けていた。


 
 恥ずかしい、というより、恐ろしささえ感じた一瞬だった(笑)。




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マジェスティック (The Majestic)

2005年07月28日 | 映画


 奇妙奇天烈な顔芸(って言っていいのかな)と、おバカなギャグで売り出したジム・キャリー。
 とにかく、バカさ加減のケタが違います。とくに「エースにおまかせ」や「マスク」のキチガイじみた芸風では大笑いさせてくれました。
 しかし「ライアー、ライアー」あたりからただのコメディアンではないことを示してくれています。本人も、「ライアー~」については、「やっと人間らしい役を貰えたよ(笑)」と言っています。


 その「ライアー~」以降のジム・キャリーですが、例えばヒューマニズムとか、人間の生き様とか、そういうものを訴えかける作品に積極的に取り組んでいるように見えます。


     


 この「マジェステック」は、第二次世界大戦後、実際にハリウッドを吹き荒れた「赤狩り」の時代を場面に借りて、薄れつつあるアメリカの良心を見直そうと訴えかけているような気がします。
 右傾向の強まる昨今の横暴なアメリカに対しての批判は強まるばかりですが、おそらくこの映画は、それに対する警鐘を鳴らそうとしているのでしょう。


     


 この作品のクライマックスでは、主人公ピーター(ジム・キャリー)に、合衆国憲法修正条項第1条を例にあげさせて、真の自由とは何か、米国の良心とは何か、ということを堂々と語らせています。
 そうです、「Majestic」という単語には「堂々とした」とか、「荘厳な」という意味があるのですね。


 ストーリーの設定には「大人のメルヘン」がほどよくちりばめられているような気がします。メルヘンチックなところがありながら、決して浮世離れしていません。そういうところも好感をもって見ることができた理由かな。
 ただ、いわゆる「ノンポリ」だったピーターが信条を持つに至るまでのエピソードの積み重ねは、良くも悪くも、いかにもアメリカ映画的だと思いました。


     


 「大人のメルヘン」といえば、この作品の監督であるフランク・ダラボンは、監督としては寡作で知られていますが、彼の撮った3つの映画(「ショーシャンクの空に」「グリーン・マイル」「マジェスティック」)はいずれも寓話性のある大人のメルヘンなんじゃないかな、と思っています。どこかウェットで、ひしひしと人情味を感じるというか、、、だからこそ観終えた後いつまでも余韻に浸っていられるんじゃないでしょうか。


     


 第二次世界大戦で多くの若者を失い、火が消えたようになってしまった小さな町ローソン。
 戦地から帰って来ない愛する息子ルークを、心のどこかで待ち続けながら寂しく暮らすハリー。
 偶然によるピーターの出現で、町は活気を、ハリーは生きる喜びを取り戻します。
 そして蘇った映画館「マジェスティック」。
 ルークの喪失によって消えた希望の灯を、はからずもピーターが再び灯すのですね。


     


 そして、音楽好きのぼくにとっては、ルークと間違えられた記憶喪失のピーターが、帰還を祝うパーティで無理やりピアノを弾かせられるシーンが、たいへん印象に残っています。


 町の音楽教師・アイリーンが、ピーターに、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」を弾かせて、記憶を取り戻させようとやっきになるのですが、ピーターは自分がピアノを弾けるかどうかすら覚えていないので、おそるおそる鍵盤に触れてみるだけで、全く期待に応えられません。
 会場を埋め尽くした町の人々の顔に失望の色が浮かんできます。しかし、困惑しながら鍵盤を探っていたピーターは、ある音を押さえたのがきっかけとなって何かを思い出し、見事にジャズを弾きこなしてみせるのです。
 ここで聴かれるピアノが、実によくスウィングするブギウギ調で、素晴らしいグルーヴを出しています。


     


 ちなみに、このパーティの場面で、友人のスペンサーの吹くクラリネットも、1930~40年代のスウィング・ジャズが好きな人なら、とても心地よく聴けることでしょう。



◆マジェスティック/The Majestic   
  ■公開
    アメリカ 2001年12月
    日  本 2002年6月
  ■製作国
    アメリカ
  ■監督
    フランク・ダラボン
  ■音楽
    マーク・アイシャム
  ■撮影
    デヴィッド・タッターサル
  ■出演
    ジム・キャリー(ピーター・アプルトン/ルーク・トリンブル)
    マーティン・ランドー(ハリー・トリンブル)  
    ローリー・ホールデン(アデル・スタントン)  
    デヴィッド・オグデン・スティアーズ(スタントン医師)
    ジェイムス・ホィットモア(スタン・ケラー)
    ジェフリー・デマン(アーニー・コール町長)
    ロン・リフキン(ケヴィン・バナーマン:ピーターの顧問弁護士)
    アレン・ガーフィールド(レオ・クーベルスキー:ピーターのエージェント)
    アマンダ・デトマー(サンドラ・シンクレア)
    ブレント・ブリスコー(セシル・コールマン保安官)
    チェルシー・ロス(エイブリー・ワイアット)
    マット・G・ウィーンス(スペンサー・ワイアット)
    メイベル(キャスリーン・デント:食堂の女主人)
    ボブ・レファート(カール・バリー)
    カール・レファート(ブライアン・ハウ)
    ジェリー・ブラック(エメット・スミス:「マジェスティック」のスタッフ)
    スーザン・ウィリス(アイリーン:「マジェスティック」のスタッフ、ルークのピアノ教師)    
    ボブ・バラバン(エルヴィン・クライド院内顧問)
    ハル・ホルブルック(ドイル議員)
    フランク・コリソン(召喚状を渡すFBI)
    ブルース・キャンベル(劇中劇の探検家「ローランド」)
    マット・デイモン(ルーク・トリンブルの声)          etc・・・
  ■上映時間
    152分

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自分の中の尾崎豊

2005年07月27日 | ミュージシャン




 尾崎豊にはコアなファンが多いというイメージがあります。
 「彼らの人生の一部は『尾崎』である」、と言っていいかもしれないくらいです。
 だから、とくに深く聴き込んだ訳でもないぼくが「尾崎」について語るのは、なんだか申し訳ないような気もするのです。
       

 ただ、ぼくの中の「尾崎」は、ぼくにとってどのようなものかを話すことはできます。ここのところ「尾崎」話が続いて申し訳ないけれど、先日のライブで触発されたところもあって、今日は少しそのあたりを書いてみることにします。


☆正直、最初尾崎を聴いた時は、とても重かった。しかし、重いということは自分の内部を突かれているような気がしたからでもあったことに、かなり後で気づきました。重いと同時に、無意識に大きな共感を覚えていたのでしょう、きっと。


☆尾崎豊は、「鶴の恩返し」の鶴だと思っています。鶴が自分の羽をむしって機を織ったように、尾崎は自分自身をえぐり出して、自分の作品にしている、と。


     


☆白状しますが、かつてカラオケで「I Love You」を歌っていた時、不意に涙がこぼれて止まらなくなったことがあります。


☆激しい歌詞の曲もありますが、決して世間に背を向けているわけではないのですよね。


☆自分の内臓までさらけだして、もがき、のた打ち回っているような、そんな想いを感じます。


☆メッセージには「啓蒙」と「代弁」があると思いますが、尾崎は明らかに後者です。それも、「代弁者」であろうとしているのではなくて、自分をさらけだして大勢と痛みを分かち合ったからこそ圧倒的な支持を得られたのでしょうね。




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自分だけでは演奏できない

2005年07月26日 | 価値観

 昨日の記事にもありましたが、ワタクシ、「尾崎豊作」のライブを堪能してまいりました。


 で、家に帰ってしみじみ思ったことがあります。
 (ライブ後は打ち上げの大騒ぎのため、脳内は思考停止状態だったのですよ、ワハハハ~


人間というものは弱いものでして、辛かったことやたいへんだったことを、年月とともに忘れたりいたします。俗に「喉元過ぎれば熱さを忘れる」などと言いますが。


 しかし、ミュージシャンの端くれであるぼくには、絶対に忘れてはならないことがあります。それは、
 「決して自分は自分だけの力で演奏しているのではない」ってことです。

 言うなれば

 「周りのおかげで演奏させていただいている」
 
 ということです。


 「尾崎豊作」東京スタッフの「matsumi」さんは、先週末に大阪に着いてからは、つきっきりでバンドの面倒を見ていたようです。そして、ライブ終了後の打ち上げでも、みんなに代わっていろいろと動き回っていました。
 打ち上げは朝5時まで盛り上がりっぱなしだったのですが、驚いたことにm嬢は、始発の新幹線で帰京したその足で仕事に向かう、と言うのです。その責任感と根性には、正直敬服いたしました。
 同席していたスタッフのひとり「Hisashi」さんも、明け方になって「今から福井へ行くから」と言って、薄暗い中を出発。


 ほかにも、ぼくが気づいてないだけで、「縁の下の力持ち」役で頑張っていた方もおられるはずです。


 ぼくは大阪では「うたうたいしんご&ART SOUL BROTHERS」に参加させて頂くことがあります。ライブにはいつも「ASKA」さんという、バンドのみんなと仲の良い方が遊びに来て下さっていますが、彼はライブのあとは、ミュージシャンらしいハイテンションでバカ騒ぎしているわれわれを尻目に、黙々と打ち上げ用の料理を作ってくれていることがあります。


 そのほかにも、お店のスタッフ、照明さん、音響さん、ステージの仕込みを手伝ってくれる方々……


 「好きでやってるんだから、そんなの当然!」という考えの方もおられます。もちろんいろんな考え方があってしかるべきですが、ぼくは、「裏方に徹してくれている人たちが支えてくれるからこそ、われわれは演奏に専念できるんだ」と思うのです。
 「してもらって当然」と考えるか、「助かるなあ」と考えるかが、何かの分岐点になっているような気がします。
 目立たないけれどなくてはならない「裏方さんたち」、熱心な彼らの姿を見ていると、もう頭が下がるばかりです。
 そして、まずはできるだけ良い演奏をすることが、そういう方々に対する感謝の表れなんじゃないかな、と思ったりしてるんです。



 今日はなんだか分別くさくなってしまいました。
 でも、一度はこのことを書いておきたかったんですよ。


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「尾崎豊作」ライヴ・リポート

2005年07月25日 | ライブ
 昨日は「打ち合わせ」という名目で、久々に大阪・梅田界隈の雑踏の中に身を置いてまいりました。

 夜は、先日レコーディングをお手伝いさせて頂いた「うたうたいしんご」さんと「RETROsimoR」さんの両人が参加している尾崎豊のスーパー・トリビュート・バンド、「尾崎豊作」のライヴを堪能してきました。


      尾崎豊作 are;
     ☆片山幸重(vo)
     ☆ryo(g,cho)   
     ☆うたうたいしんご(g,cho)
     ☆Ryoko(kb,cho)  
     ☆なる@(kb) 
     ☆Bom(b)       
     ☆yamato(dr)
     ☆鮎(cho,Per)
     ☆Tomoko(sax, cl)   

 総勢9名の大所帯です。


 ぼくは、「コピー・バンド」をナマで聴いて、「良い」と思ったことはほとんどありません。理由はいくつかあります。バンドがどこか照れているのが見えてカッコ悪い。「真似る」ことのみにとらわれているので、音が生きていない。などなど…。

 しかし、この「尾崎豊作」、楽しくてスゴイです!


     


 片山幸重(vo)が、自身の魂をこめて歌う歌を、バックの8人が気持ちをひとつにしてサポートする、素晴らしいステージでした。
 そしてそのバックの演奏、とにかくアツイです!アツイ、といっても、ただ本能のままに音を垂れ流すのではなく、きちんとした構成のもとに、しっかりとお互いの音を意識しあいながら演奏しているものですから、サウンドがとても分厚く、心地よい。


     

     

 尾崎豊の「コピー・バンド」、あるいは「トリビュート・バンド」と位置づけられていますが、出ている音は決してコピーなんかではありません。彼らの気持ちのこもった、「尾崎豊作オリジナル」な音です。

     

 昨夜(7月24日)のセット・リストです。
   1. Driving All Night   
   2. 17才の地図
   3. 卒業
   4. I Love You 
   5. Oh,My Little Girl 
   6. シェリー
   7. Freeze Moon
   8. 太陽の破片
   9. Scrambling Rock’n’Roll
   (9=アンコール)


 関西方面の方も、そうでない方も、機会があればぜひ一度「尾崎豊作」の世界にひたってみて下さい。

  インフォーメーション
次回の「尾崎豊作」ライヴは、
  8月23日(火) NAGATA SITE (神戸) 
  料金 1500 円(1ドリンク別500円)
  お問い合わせ 078-612-3340

  だそうです。興味のある方はぜひ!


 「尾崎豊作」東京スタッフの「Matsumi」さんが管理するバンドのホーム・ページでも、ライヴの写真がたくさん楽しめますよ。


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「尾崎豊作」4th Live Picture Show!

2005年07月25日 | 写真

「尾崎豊作」Live
☆2005年7月24日(日) 大阪市・梅田アムホール



     
      片山幸重(vo)


     
      鮎(cho)、うたうたいしんご(g,cho)、ryo(g,cho) 【写真左より】


     
      なる@(keyb)、Ryoko(keyb, cho)、Tomoko(sax, cla)
      Bom(b)、 Yamato(drs)   【写真左より】


     
      ハイテンションで突っ走る!


     
      Hotter Than July !


     
      心をこめて…


     
      Vocal片山幸重を激しくあおる三人。


     
      好サポートでサウンドを引き締めるリズム隊の面々。




   *画像があまり良くなくて申し訳ないです
     お詫びに←にお辞儀をずっとさせますから、許してね



   【尾崎豊作】のホームページ


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Shall we ダンス?

2005年07月24日 | 映画


 昨夜、「Shall We ダンス?」という映画、見ました。
 映画好きの方からは、
 「ええええっっ今ごろぉ~? なーにやってたんですか!」とお叱りを受けそうですね。
 「リチャード・ギアのもなかなかいいでしょ?」


  ・・・いえいえ、周防正行監督版です、すんません、、、


     
     草刈民代


 でもですね、この映画見て思いました。


 低迷が続いていると長らく言われている日本映画界ですが、
 映画に関してはシロウトのぼくが言うのもなんなんですが、


 こういう映画が撮れるのなら、日本映画の未来は明るいんじゃないか、と。
 (事実、ここ数年の日本映画で、見ごたえのあるものが増えている気がします)


     
     役所 広司


 だって、すごく楽しくて、ホロリとさせられて、考えさせられて、面白かったんです
 物語の流れや設定、人物描写にムリがなくて、とても納得、共感できました。
 心が温まりました。
 すてきな映画だと思いました!。


     


 もとは電車の中から偶然見かけた舞に魅かれてダンス教室を訪ねる杉山ですが、次第にダンスそのものを好きになってゆきます。
 ダンスを好きになるにしたがって、杉山の中に(もともとあったのかもしれませんが)毅然とした、というか、一本筋が通ったところが徐々に見えてくるのが、魅力的であり、微笑ましくもあるんです。
 

 ある理由から好きなはずのダンスに対して素直になれない舞、コンプレックスから抜け出したいためにダンスを習っている青木や田中、すぐに憎まれ口を叩くが、実は亡き夫への思いをダンスに重ねて生きる糧としている豊子。
 それぞれが素直にダンスに向き合う瞬間の、熱い空気。
 好きならばうまいとかへたとか、とりあえずそんなことはどうだっていいじゃないか。
 ただただ夢中で音楽に体をゆだね、ひたすら好きなダンスに没頭する。
 ダンスを通じて登場人物の心が解放されるにしたがい、見ているぼくの気持ちの中にも元気が満ちてきます。
 そして好きだからこそ、もっと好きになるために、もっと生きている実感を味わうために、自分のダンスを磨く。
 これなんですよね。


     
     竹中直人


     
     渡辺えり子


     
     草村礼子

 
 この映画は、話題の「スウィング・ガールズ」と同じく、「全くの初心者がふとした縁であるジャンルに足を踏み入れ、いつの間にか深く傾倒してゆく」という物語を持っています。
 「話題になってたなあ」という程度の認識で、正直あまり期待せずに、時間つぶしのつもりで見たのですが、


 見てよかったです。


 この映画の影響で、古臭いイメージが染みついていた「社交ダンス」が見直されるきっかけにもなりましたね。


 ぼくもダンスしてみたくなりましたよ。

     ボク英語解れへん Shall We Dance ?


     


◆Shall We ダンス?  
  ■公開
    日本 1996年
    アメリカ 1997年
  ■製作国
    日本(配給 東宝)
  ■監督・脚本
    周防 正行
  ■製作総指揮
    徳間 康快
  ■音楽
    周防 義和
  ■撮影
    栢野 直樹
  ■出演
    役所 広司(杉山正平)
    草刈 民代(岸川 舞)
    竹中 直人(青木富夫)
    渡辺えり子(高橋豊子)
    草村 礼子(田村たま子)
    柄本  明(三輪徹)
    原 日出子(杉山昌子)
    仲村 綾乃(杉山千景)
    田口 浩正(田中正浩)
    徳井  優(服部藤吉)
    本木 雅弘(木本弘雅:トップクラスのダンサー)
    清水 美砂(歌姫ナツコ)
    森山周一郎(岸川良:舞の父)   
    香川 京子(岸川恵子:舞の母)
    宮坂ひろし(倉高健:通称マッチョ)
    河内 ゆり(北条まりか:元青木のパートナーで、倉高のパートナー)
    鷹西 美佳(西鷹:ダンスホールのダンス教師)
    本田博太郎(さよならパーティーの司会者)       etc・・・
  ■上映時間
    136分



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夏の高校野球県予選

2005年07月23日 | 随想録

 正確には「全国高等学校野球選手権大会」。
 俗に、「甲子園大会」、とくに夏は「選手権大会」と呼ばれていますね。


 実は、ぼくはかつては野球少年でした。野球に明け暮れていた中学時代の同級生で、今では高校野球の監督になっている友人もいます。
 そして、ぼくは筋金入りのタイガース・ファンでもあります。


 高校では吹奏楽部に入っていたので、夏の予選が始まると、必ず野球部の応援に駆けつけます。公立の進学校だった母校は、終業式の翌日からすぐ補習です。もう、これが我慢できないくらいイヤでした。予定表には「夏休み」とあっても、普段と変わらない一日が待っているだけなんですから。でも、吹奏楽部は、試合の日には補習を受けなくてもよかったのです。なんといってもこれが一番嬉しかったな~。


 ぼくは、吹奏楽部時代は打楽器担当だったのですが、高校野球の予選では、ここぞとばかりにトランペットに持ち替え、思い切り吹くのを楽しみにしてました。
 打楽器の男子は、体力が要求される大太鼓を担当させられるのが常だったのですが、ぼくは「応援団にも大太鼓を担当している人がいる」のを理由に、ちゃっかりバンドの花・トランペットに逃げてたわけです。
 「コンバット・マーチ」をはじめ、「宇宙戦艦ヤマト」、「ルパン三世」、「ああ青春は君に輝く」…


     
     (注:写真はイメージです)


 真夏の応援席は日陰などなく、全力で演奏していると倒れそうになるくらいでした。応援団の連中なんか、必ず学ランを着込んでるものですから、もうたいへんなんてもんじゃない。
 そのために、応援団の女子は、大きな青いポリバケツ(もちろん新品)にあらかじめ冷たい飲み物を作ってくれています。氷・輪切りレモン・砂糖・水をいっぱいに入れてよくかきまぜたものですが、これをひしゃくでコップに注いで貰い、それを呷るようにゴクゴクと飲むんです。もう言葉にならないくらいおいしかった。


     
     (注:写真はイメージです)

 チームは弱かったので、だいたい1、2試合ほどしか応援には行けませんでしたが、夏が来ると、今でも応援風景を思い出します…。


 甲子園大会の終わりは、夏休みの終わりが近いということでもあるんですね。少年に戻っていたぼくたちは、再び宿題や補習に追われる高校生に戻らざるを得なかったのでありました。
 
 
 

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夏の名曲十選

2005年07月22日 | 名曲

         熱い!

             いや、 
            
                  暑い!


 ほとんどどっちでも同じようなここ数日ですが、こういう時こそ汗を思い切りかきまくりたい!冷たい飲み物の旨さは格別だし、それよりなによりダイエットになるかもね。


 と、まあ、今日の花太郎さんのブログ 「花太郎♀の日常」の見事なひまわりの写真、これ見てるうちに、思いつきでわがブログの内容が決まりました。題して「夏の名曲」!


 おすすめとか、そういうんじゃなくてね、タイトル聞くだけで「夏」「陽射し」「暑さ」みたいなイメージがわくようなものを適当に取り上げてみましたよ。



⑩サマー・イン・ザ・シティ/Summer In The City (1966年 全米1位)
  【作詞作曲】ジョン・セバスチャン、マーク・セバスチャン、スティーヴ・ブーン 【歌・演奏】ラヴィン・スプーンフル
 アメリカ映画「ダイ・ハード3」(主演 ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン 1995年)の冒頭、ご存知でしょうか。暑苦しいニューヨークの朝、5番街でいきなりデパートが爆破されるシーンがありますが、そのバックに流れていた曲がこれです。夏の太陽で焼かれたコンクリート・ジャングル、ううぅ、思っただけでも・・・


⑨夏のお嬢さん(1978年 オリコン11位)

  【作詞】笠間ジュン 【作曲】佐々木勉 【歌】榊原郁恵

 青春時代ならではの、能天気(というとあまり言葉はよくないかも。。。)で軽快で陽気なポップスですね。「アイスクリーム、ユースクリーム」のフレーズ、未だに耳から離れてくれません。あ、「いとしのロビン・フッド様」も好きだったな~。


⑧おもいでの夏/The Summer Knows(1971年)
  【作曲】ミシェル・ルグラン

 アメリカ映画「おもいでの夏」(主演 ジェニファー・オニール、ゲーリー・グライムズ 1971年)の主題曲。戦火を逃れてやって来た海辺の町で人妻ドロシーの虜になる少年。夫戦死の知らせを受けたドロシーは一通の手紙を少年に残し、去って行きます。ジャズにも造詣の深いM・ルグランが主題曲を担当。彼自身のオーケストラをはじめ、ハイノートの帝王・メイナード・ファーガスンら、多くのミュージシャンが取り上げている名曲です。


⑦サマータイム・ブルース/Summertime Blues(1958年 全米8位)
  【作詞作曲】エディ・コクラン、ジェリー・ケープハート

 親友バディ・ホリーの事故死の翌年(1960年)、自らも自動車事故のためわずか21歳で死去したロックンローラー、エディ・コクランの名曲。ザ・フーのライヴ・アルバム「The Who Live At Leeds」(写真)に収められている演奏が迫力満点。興奮で汗ばむこと必至です!


⑥ベニスの夏の日/Summertime In Venice(1955年)
  【作曲】アレッサンドロ・チコニーニ

 イギリス・アメリカ合作映画「旅情」(主演 キャサリン・ヘップバーン、ロッサノ・ブラッツィ 1955年)の主題曲。舞台は水の都ベニス。婚期を逃した米国女性と、妻子ある男性との短い恋と別れの物語です。主演のブラッツィが歌ったものがヒットしていますが、ここはやはりマントヴァーニ・オーケストラの名演奏でしょう。


⑤恋する夏の日(1973年 オリコン1位)
  【作詞】山上路夫 【作曲】森田公一 【歌】天地真理

 いや~、この当時の天地真理の人気といったら!おぼろげに覚えてるけれど、まぎれもなく国民的アイドルでしたね~。人気度のイメージとしては今の浜崎あゆみ+中島美嘉くらい、かな?意味なく「あなたぁ~を待つうのお~テニッスッコオット~」と裏声で真似るのがはやってた。


④サマー・サンバ/Samba De Verao(Summer Samba)(1965年)
  【作詞】パウロ・セルジオ・ヴァーリ 【作曲】マルコス・ヴァーリ

 この時期のジャズ系、あるいはラテン系ライヴには欠かせない、ボサノヴァ/サンバの名曲。ワルター・ワンダレー(Organ 写真)の演奏が大ヒットしました。
 ガットギター、ピアノの低音部でのシングル・トーン、しっとりした声…、こうなると夏の気だるい昼下がり、って感じですね。


③夏の扉(1981年 オリコン1位)
  【作詞】三浦徳子 【作曲】財津和夫 【歌】松田聖子

 ご存知、松田聖子の5枚目のシングル。爽やかで、ポップで、軽快。♪フレッシュ、フレッシュ、フレ~ッシュ!
 写真の通称「聖子カット」、米の飯を食べない日はあっても、聖子カットのオンナのコを見ない日はない、というくらいこの髪型は日本中に増殖してました。


②夏の日の恋/The Theme From "A Summer Place"(1959年)
  【作詞】マック・ディスカント 【作曲】マックス・スタイナー 【歌】ユーゴー・ウインター

 アメリカ映画「避暑地の出来事」(主演 サンドラ・ディー、トロイ・ドナヒュー 1959年)の主題曲。まるで、夏の午後の水面に光がキラキラと反射しているような、パーシー・フェイス・オーケストラの演奏がとても印象的です。このパーシー・フェイス・オーケストラ盤は1960年に全米9週連続1位の大ヒットを記録、翌61年のグラミー賞を受賞しています。


①サマータイム/Summertime(1935年)
  【作詞】ヘイワード 【作曲】ジョージ・ガーシュイン

 ミュージカル「ポーギーとベス」の中の代表曲にして、スタンダード中のスタンダード・ナンバー。多くのカバーがあるが、ジャニス・ジョプリンが歌っている名盤「チープスリル」がたいへん有名。
 ジャニスのワイルドでブルージーな歌が、日本の夏の暑苦しい夜にはぴったり!?


<おまけ> ひまわり/Sunflower (1970年)
  【作曲】ヘンリー・マンシーニ
 
 イタリア・フランス・ソ連が合作した名作「ひまわり」(主演 ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ 1970年)の主題曲。ヘンリー・マンシーニの作品の中でもひときわ優れた美しいメロディを持っています。
 戦争で行方不明になった夫をソ連に探しに行った主人公がウクライナの広大なひまわり畑に入る有名なシーンがあるんです。この曲は、そのバックで流れていました。これはちょっと番外篇です。





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ポール・マッカートニー 『Back in the u.s.』 (DVD)

2005年07月21日 | 名盤




 2、3年前の暮れだったと記憶していますが、
 ポール・マッカートニーのライヴ映像が、深夜にテレビで放映されるというので、とっととスキーを切り上げて、その番組をとても楽しみに帰って来たことがあります。
 ポールが来日公演を行った年じゃなかったかなぁ。


          そして


 翌日、開店時間とともに店に飛び込んで、このDVD買いました!





 「何度でも見たくなる」作品です。
 ドキュメンタリー・タッチで編集しているため、「ポールのライヴ」をリアルな雰囲気で味わうことができました。とくに観客席の様子にも重点を置いて撮影しているので、これがDVD映像にはかりしれない現実味と臨場感とを与えています。
 「All My Loving」で涙ぐむ中年男性。「Jet」で大はしゃぎするミリタリー・ルックのロー・ティーンの女の子。「Let It Be」で感極まってしまった黒人青年。「Back In The U.S.S.R」で興奮する女性たちなどなど。


 舞台裏の様子もふんだんに見ることができます。
 ツアー・クルーのアット・ホームな雰囲気がとてもわかりやすく伝わってきます。
 ツアー最終日、「The Long And Winding Road」のイントロが始まると同時にスタッフ達がハートのついたカードを一斉に掲げ、これを見たポールが思わず涙ぐんでしまう場面はちょっと感動ものです。胸が詰まって一瞬歌えなくなったポールを見たぼくは、恥ずかしいことに貰い泣き(ちょっとですよ)してしまう始末でした。





 サウンド・チェックとして演奏される曲も収録されていますが、これがまた面白いのです。
 「Hey Jude」のハード・ロック・ヴァージョンをはじめとして、メンバーの夫人やガールフレンドたちが思わず踊りだしてしまう「Matchbox」、「Coming Up」などは、本番さながらの迫力ですね。


 客席でジャック・ニコルソンやトム・クルーズ、ジョン・キューザック、マイケル・ダグラスなどの面々が、ステージをたっぷり楽しんでいる姿を見ることもできます。


 


 肝心の演奏シーンですが、一番印象に残っているのが、バンドのチームワークの良さと、パワフルかつ非常に洗練されている、技術的レベルの高さです。
 といって、ポールに必要以上に規制されているわけではなくて、みんながとてもリラックスしつつ、自分のパートを完璧にこなしている、という感じでした。
 「Maybe I'm Amazed」で、ドラマーのエイブ・ラボリエルのあまりのエキサイトぶりに、クールなキーボーディストのポール・ウィックスのテンションまでどんどん高まっていくさまは、見ていて微笑ましいですね。
 「The End」のトリプル・ギター・バトルも強烈にホットです。


 このツアーのバンドメンバーを紹介しておきましょう。
     ☆ポール・マッカートニー/Paul McCartney (vocal, bass, guitar, piano)
     ☆ポール・"ウィックス"・ウィッケンス/Paul "Wix" Wickens (keyboards)
     ☆ラスティ・アンダーソン/Rusty Anderson (guitar)
     ☆ブライアン・レイ/Brian Ray (guitar, bass)
     ☆エイブ・ラボリエル・ジュニア/Abe Laboriel Jr. (drums)





 とにかくバンド、観客、スタッフすべてが心からショウを楽しんでいます。それも郷愁ではありません。ビートルズをリアルタイムで知らない30代以下の世代が非常に多く、これは年々「ビートルズ・ファン」が増えていることの裏づけにもなるでしょう。親子でファン、という家族も珍しくはないですからね。


 見ているこちらまでがいつの間にか興奮している、とても楽しい一枚でした。
 ところで、ドラマーのエイブ・ラボリエルJr.って、あの世界最高峰のベーシストのひとりであるエイブ・ラボリエルの息子なんですね。



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荒井 由実

2005年07月20日 | ミュージシャン




 「松任谷」ではありません。あえて言い切ります。「荒井由実」です。
 同一人物だし、本質的には違いはないと思うんですけれど。


 はじめて触れた荒井由実の曲は「翳りゆく部屋」でした。
 オレンジ色の夕陽と濃い夕闇の、くっきりした陰影を思い浮かべることのできる曲でした。オルガンの音色がとても印象的でした。
 で、そっと脳裏に「荒井由実」の名をインプットしておいたわけです。


     


 といっても、「いい曲だなぁ」程度の認識だったので、そんなに積極的に彼女の作品を聴くわけでもなかったのです。
 邦楽ポップスといえば、洋楽の表面上だけを真似したものばかりだという先入観があったので、長期間聞き込まれることに耐えられない曲が非常に多いと思っていましたから。


 しかし、たまたまある日、「ユーミン・ブランド」というアルバムを友人の家で見つけ、タイトルからして荒井由実の代表作だろう、くらいの軽い気持ちで借りて帰りました。


     
     ユーミン・ブランド
            

 「おお、結構いい曲ばかりじゃないか!」
 しかも「やさしさに包まれたなら」、これ知ってる! そう、不二家のソフト・エクレアっていうキャンディのCMでかかっていたので聞き覚えがあったんですね。
 返す時、友人に思わず、「荒井由実の『ユーミン・ブランド』な、あれ、全部いい曲ばっかやな~」と口走ると、       

     「あれベストアルバムやで

       ・・・!( ̄ロ ̄;)!  なんやて・・・  


 たしかにね。
 ともあれ、以後「ユーミン・ブランド」は、ぼくの愛聴盤となったのでした。


     


 ユーミンの創り出す音楽に対する感想ですが、一番強く感じるのは、曲調が実にカラフルだということ。
 鮮やかな色合いで情景がはっきり浮かんでくる曲が多いです。色彩感あふれる、という意味では、荒井由実の書く曲は、ぼくの中ではスティーヴィー・ワンダーと双璧なのです。
 もちろん欧米のポップスをうまく取り込んでいるのでしょうけれど、ユーミン自身にもともとそういう感覚が備わっているんじゃないかという気がするんですね。
 どこか乾いたような感じのする個性的なボーカルや、当時の世相を反映したようなちょっとライトでちょっとお洒落な歌詞も魅力いっぱいです。
 彼女の持っているこういった強烈な感覚が幾多の名曲を生み出しているんでしょう。
 屋上に屋を架すようですが、エンターテイメントとしての彼女のステージの素晴らしさ凄さも、とくに書き足しておきたいです。


 この頃にレコーディング等を共にしたおもなミュージシャンは、
   ギター 鈴木茂
   ベース 細野晴臣
   ドラム 林立夫
   キーボード 松任谷正隆
 などです。いずれも日本のポピュラー音楽史に残る、錚々たる面々です。ロック・ポップス先進国の英米のミュージシャンに比べてなんら遜色ありません。
 細野晴臣氏の、ある意味日本人離れした感覚の素晴らしいベースも、荒井由実の曲ではじめて聴いたものでした。


 ちなみに、ぼくの「荒井由実ベスト Self Edit Version」には
     「ルージュの伝言」    「12月の雨」   「少しだけ片想い」
     「中央フリーウェイ」   「魔法の鏡」    「やさしさに包まれたなら」 
     「翳りゆく部屋」     「卒業写真」   「ベルベット イースター」
 などなどが入っています。


     


 「長期間聞き込まれることに耐えられない曲」どころか、初めて聴いてから40年は経っているのに、未だに新鮮な気持ちで聴いています。
 そして、聴くごとに「良さ」を実感しているのです。




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「頑張っている」は言い訳に使う言葉ではない

2005年07月19日 | 価値観

                                       「ガンバレガンバレ、ゲ~ンサン♪」(古・・・)で一躍有名になった、間下このみさん



 同じ言葉、というか、単語を使って会話しているにもかかわらず、話がかみ合わないことってありませんか。


 最近ちょっとひっかかっているのが、「頑張っている」という言葉。


 「頑張る」のは、もちろん悪いことじゃないです。
 でも「頑張っている」ことを言い訳にされたくはない、という話です。
 ただし「頑張る」という言葉の定義ですが、人によってその「頑張っている」状態の基準は違うことを認識しておくことは大事だと思います。


 明らかにまだ力不足のあるミュージシャンがいるとします(まあ、自分も含めてなんですが)。
 現状、力が足りないのは、ぼくは問わない。
 ぼくだってそういう時期があったけれど(いや、今もそうですね)、先輩に辛抱して使って貰ったから今があるんだし。それに、現場に出ないと鍛えられない部分ってあると思っていますからね。
 そのぶん、まずは最低でも真摯な音を出そうという姿勢が見えればそれでいいんじゃないかな、そう思っています。


 しかし、その中には、音楽やジャズや他人については声高に語る反面、自分のこととなると、「私なりに頑張ってるんです!」と強くアピールすることで話が終わってしまう人が(かなり)いるように思うのです。
 それにはちょっと違和感を抱いているんですね。


 「私なりに」っていうのはとても便利な言葉で、全く練習をサボっていても「私なりには頑張った」と言うことができますからね。
 ぼくは、重度の腎臓障害を抱えていて、週に四度人工透析を受けているピアニストをよく知っています。その人の音楽に対する姿勢は、ぼくなど恥ずかしくなるようなものです。
 そういう姿を見ているだけに、練習不足からくるミスを反省することもなく、「自分なりに頑張っている!」と言い切れる人は、「頑張る」という言葉を言い訳に使っているんだろうな、と思ってしまうのです。


 本当に力のある人は謙虚だし、自分に対して貪欲です。
 素晴らしい音楽とはどんなものなのかをよく知っていますから、現状の自分の足りないところもきちんと把握できています。
 向上心のない人は、その時点で進歩が止まります。
 自分のことを頑張っていることにしようとする人って、まさに向上心のない状態なのかもしれません。


 お客さんは「頑張っているところ」を見に来られているのではなくて、「素晴らしい音楽」を聴きに来られています。
 だから「頑張る」というのは、音を出す以前の、自分の問題なんであって、自慢にも言い訳にも使う言葉ではないと思うんです。。


 言うなれば、「頑張っている」というのは、周りに言って頂くことであって、自分で言うことではない、ということではないでしょうか。



 今日はなんだか小難しい内容になっちゃいましたが、最後まで読んで下さった方には、せめて感謝のキスを贈らせて下さい(老若男女不問 笑)




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黒いバッグの中味

2005年07月18日 | 自分のライブで

                                          ♪小物類の持ち運びに便利な愛用のスポーツバッグ



 現場で起こるトラブルは、カツドンにトンカツが乗ってるくらい当たり前、と思っていますので、少々のことにはすぐ対応できるよう準備をしてから、出かけるようにしています。


 この前の仕込みの時、「誰か持ってるーー?」の声に、立て続けにガムテープ、延長コード、マイナスのドライバー、アルカリ電池を出してあげたら、まだ若いボーカルさんが「すごいですねぇ~~~」と感心してくれました。
 ちょっとトクイになったけれど、「それくらい準備しておくのは当たり前ですはっはっは」、と大人の余裕を見せておきました。


 以前にも少し書いたんだけど、移動の時には楽器・アンプ類などのほかに、My譜面帳入りの手提げバッグと、黒いシンプルなスポーツバッグをいつも持っています。
 楽器を扱う方なら何のためのバッグかすぐ察知したりされたりで、時には「役に立つ小物情報」の交換などしたりしてますが、歌い手さんや、演奏者の生徒さんたちには「それ何が入ってるんですか?」と聞かれることが時々あります。
 ま、ぼくだって女性のバッグの中味にはとても興味を持っていたこともありますから、気持ちはわかりますね。(ちょっと違うな・・・


        
     ①ケーブル類        ②譜面台

①ケーブル類=まず楽器とアンプを接続するシールドです。内部が断線していることもあるので、必ず予備も含めて4~5本は持って行きます。電源の位置とステージが離れている場合がありますし、3つ以上のコンセントを使うこともよくあるので、延長コードは必需品です。
②譜面台=スチール製は丈夫なんですが、重い! 今は合成樹脂製の軽いものを愛用しています。しかし、野外ステージで風のある時は倒れそうになるので要注意。


        
     ③MD類           ④小物類その1

      
③MD類=プレーヤー、MDマイク、MDなど。セルフ録音が必要な場合もありますからね。
④小物類その1=チューナー、松脂、指板潤滑剤、タオル・布類、電池の予備など。松脂はピラストロを使っていますが、他にいいのないかなぁ。


           
     ⑤小物類その2       ⑥小物類その3


⑤小物類その2=ビニールテープ、工具(ドライバー、ラジオペンチ、レンチ類など)、洗濯ばさみなど。野外ステージでは洗濯ばさみは欠かせません。風で譜面を飛ばした経験のある方、きっと多いはずです。(かくいうワタクシも)
⑥小物類その3=筆記用具、靴クリーム、つめきり、名刺いれなど。歌い手さんから譜面を渡されることが多いので、書き込む必要のある時は鉛筆類で。また爪は適度な短さが必要だから、気になる時は本番前に切ったり研いだりしています。



 楽器以外の隠れた脇役に助けられることも多いのです。
 名脇役さんたちにはただただ感謝しております!




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