ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

スタンダーズ・ライヴ!!/星影のステラ (Standards Live)

2008年01月19日 | 名盤

 
 ジャズの魅力。
 いろんな魅力を自由に感じることができるのが"魅力"だと思います。
 心地よいスウィング感。創造性。演奏技術の素晴らしさ。即興演奏。ほかにもいろんな要素はあると思います。


 「スタンダーズ」と呼ばれるキース・ジャレットのトリオは、文字通りスタンダード・ナンバーを、彼らならではの斬新な解釈で聴かせてくれます。
 より自由度の増した展開の面白さ、とでも言ったらいいのでしょうか。


     
     キース・ジャレット・トリオ "スタンダーズ"  左からK・ジャレット、G・ピーコック、J・ディジョネット


  目の前で繰り広げられるスリリングな即興演奏、緊張感のある音の構築、そして演奏が行われている場所を支配している熱気などが、生で演奏を聴くことの楽しみではないか、と思うのですが、このアルバムを聴いていると、部屋がまるでライヴ・ハウスのような空気に変わっていくのが感じられて、とても面白い。


 仲の良い友人同士で交わされる話は、互いの言葉が互いを刺激して、どんどん会話が発展してゆくものですが、このトリオの演奏もそれに似たものを感じます。メンバー三人による、会話にも似た音のやりとりがとても新鮮で、見事に調和しているんですよね。
 
 
     


  『星影のステラ』『ロング・ブルース』『恋に恋して』『トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ』『今宵の君は』『オールド・カントリー』の6曲が収められていますが、どれも美しくて質の高い名演奏と言えるのではないでしょうか。  
 中でもに『星影のステラ』のスピリチュアルなまでの美しさは「素晴らしい」の一語に尽きると思います。  
 そして、6曲目の『オールド・カントリー』が終わったあとに聴かれる熱のこもった拍手と歓声、それがこのアルバムの本質を端的に伝えているような気がします。


 三人の創造力と演奏技術の高さは言うまでもありません。そしてそれぞれが互いに影響を及ぼし合い、研ぎ澄まされた音を生み出してゆきます。
 聴いているぼくは陶酔感に満たされます。
 そう、「ジャズの楽しさ」を充分に味わうことができるんです。


     



◆"スタンダーズ"ライヴ!/星影のステラ (Standards Live)
  ■演奏
    キース・ジャレット・トリオ
    キース・ジャレット/Keith Jarrett (piano)
    ゲイリー・ピーコック/Gary Peacock (bass)
    ジャック・ディジョネット/Jack DeJohnette (drums)
  ■録音
    1985年7月2日 パリ、パリ・デ・コングレ
  ■リリース
    1986年
  ■レーベル
    ECM
  ■プロデュース
    マンフレート・アイヒャー/Manfred Eicher
  ■収録曲
    ① 星影のステラ/Stella by Starlight (Ned Washington, Victor Young)
    ② ザ・ロング・ブルース/The Wrong Blues (William Engvick, Alec Wilder)
    ③ 恋に恋して/Falling in Love with Love (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
    ④ トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ/Too Young to Go Steady (Harold Adamson, Jimmy McHugh)
    ⑤ 今宵の君は/The Way You Look Tonight (Dorothy Fields, Jerome Kern)
    ⑥ オールド・カントリー/The Old Country (Nat Adderley, Curtis Lewis)



 

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グランド・ファンク・レイルロード (Grand Funk Railroad)

2008年01月16日 | ミュージシャン
 

■グランド・ファンク・レイルロード
 ☆マーク・ファーナー(vo,g,harp,pf)
 ☆メル・サッチャー(b)
 ☆ドン・ブリューワー(vo,drs)
 ☆クレイグ・フロスト(keyb)


     


 「ベース」という楽器に興味を持つようになった頃に聴いた、グランド・ファンク・レイルロードのライブ・アルバムで、低音をブリブリと効かせた重厚なベースを弾いていたのがメル・サッチャーでした。そのベースが印象に残ったと同時に、グランド・ファンク・レイルロード(以下GFRと略す)の音楽をよく聴くようにもなったわけです。


     
     メル・サッチャー

  
     


 典型的なハード・ロック・バンドです。1972年にクレイグ・フロストが加入するまではギター・トリオでした。当時のライブ・アルバムを聴くと、とても三人編成とは思えない、厚みのある音を出しています。
 長い金髪をなびかせ、上半身裸でギターを弾きまくり、熱唱するマーク・ファーナー、カッコよかったですね。


     
      マーク・ファーナー


     

 とにかくエネルギッシュで、パワフルで、熱気あふれるハード・ロックです。ストレートにハードなサウンドで押しまくる彼らは、まさにアメリカン・バンドそのもののスケールの大きさを感じさせてくれます。そして、その価値が最も現れるのが、ステージではなかったか、と思っています。大音量で、エキサイティングなステージ。彼らは本質的にライヴ・バンドなのでしょうね。


     
     ドン・ブリューワー


 1969年にデビューしてからの彼らは、その痛快なサウンドさながらの勢いで数々のエピソードを残しています。
 12万5000人の聴衆を前にしたデビュー・ステージでの熱演。
 69年10月の、レッド・ツェッペリンの前座として出演したステージで、アンコールに次ぐアンコールを受け、完全にツェッペリンを「食って」しまったこと。
 70年の1年間で、レコードを1000万枚以上売り上げるという快挙。
 70年11月、翌月に行われる予定のマジソン・スクエア・ガーデン・コンサートのチケットがたったの4時間で完売。
 そのほか、71年7月のシェア・スタジアムでのコンサート、同月の後楽園球場での雨中の大熱演などなど・・・。
 GFRはロック世代のシンボルとなり、熱狂的に支持されていました。


     
      クレイグ・フロスト


 ぼくは、大ヒットした「アメリカン・バンド」のほか、どちらかというと三人組の頃のGFRが好きで、「パラノイド」「孤独の叫び」「ハートブレイカー」「アー・ユー・レディ」などに興奮したものでした。そのほか、「クローサー・トゥ・ホーム」「ロンリネス」「フィーリン・オールライト」なども好きでした。


     


 この豪快なサウンド、いま聴いてもスカッとしますね~





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恋愛バトン

2008年01月06日 | Weblog~雑記
 
 いつも仲良くして頂いている「音楽回顧録」のNobさんからバトンが回ってきました。その名も「恋愛バトン」。
 ちょっと恥ずかしい気もしますが、ツラツラと考えながら答えてみたいと思います。


外見のタイプを教えて下さい。

 好みの幅はとても広いと思います(汗)。
 よく、「芸能人に例えると」なんて言いますが、例がありすぎて・・・。
 以前は比較的清楚で可愛いタイプが好きだったのですが、最近ではあまりこだわらなくなりました。少々気の強い女性に惹かれたりもします。髪もロングが好きだったのですが、今では、その人に似合えばどんなヘアースタイルでもOK、だし。
 しかしいくらか面食いであることは認めます。自分のことは棚に上げて(笑)。



内面のタイプを教えて下さい。

 きちんとした常識を持っている人。
 価値観が自分と似ている人。
 多少考え方が違っても、相手の意見に耳を傾けられる人。
 抽象的ですが、内面がカワイイ人。
 笑いのツボが自分と近い人。
 しかしぼくもゼイタク言ってるな~(汗)



恋愛対象はいくつからか教えて下さい。

 話が合えば年齢にもこだわりませんね~。
 このあたりも幅が広いです。 
 ただ、若くても思考停止している人は論外です。
 いくつになっても、何かに一生懸命取り組める人はステキだと思います。



無口な人と喋る人ではどちらが良いですか??

 う~ん、無口でもポイントを押さえた会話ができるなら問題ないです。
 喋る人でも一方的な会話しかできないならちょっとイヤかな~
 無口でも喋る人でも構わないけれど、聞き上手の人。自分もそうでありたいです。



異性のこういう所に弱いっていうのは何ですか??

 周りのことをよく見ていて、さりげない気配りができるところ。
 一生懸命な姿。
 いつも気張ってる人からたま~に弱い部分をポロリと見せられると「優しくしてあげなければ」なんて思ってしまいます。



異性にされて、もしくは言われて嫌な事は??

 だれかと比較される、あるいは値踏みされるようなことを言われると一挙に冷めます。
 自慢が多い人とか、他人を見下す人なんかもイヤですね~
 仕事でお客さんから不快なことを言われて憤っている人が、いざ自分がお客になると店の人に対してエラソウになるのを見た時もいっぺんに冷めました。あ、これは男女関係ないですね。



告白したい方??されたい方??

 自分から告白することが多かったです。告白したい方でしょうね。
 あたって砕けるタイプ、とも言えます(汗)。



次に回す人のイメージを漢字一文字で

 興味のある方はどなたでもお持ちになってくださいませ。
 ちなみにNobさんのぼくに対するイメージは「礼」(挨拶を重んじるタイプなので(笑) それと落ち着いた雰囲気が)、ということだそうです。ちょっとテレますね~ (ちなみにぼくのNobさんに対するイメージは「愉しい」「愉快」の「愉」とか、「明るい」の「明」かな) 
 挨拶に関してですが、過去のこの記事がきっかけになって、Nobさんと「挨拶合戦」(?)を繰り広げている最中なのです。


 かなーり考えて質問に答えてみましたが、まだまだうまく伝えきれていないような気もするし・・・。
 ま、ぼくというヤツは、自分のことはさて置いて、面食いで注文の多い人間である、ということは言えると思います


 Nobさん、どうもありがとうございました~


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いつか王子様が (Someday My Prince Will Come)

2008年01月05日 | 名曲

 

いつか王子様が (Someday My Prince Will Come)
■1937年
■作詞…ラリー・モレー  
■作曲…フランク・チャーチル


 チック・コリアの「エレクトリック・バンド」から、ベース(ジョン・パティトゥッチ)とドラム(デイヴ・ウェックル)をピックアップしたのが、「チック・コリア・アコースティック・バンド」ですね。
 このトリオの「いつか王子様が」は、ぼくのフェイヴァリットな演奏でもあります。


     
     『スタンダーズ・アンド・モア』 (1989年)
      チック・コリア・アコースティック・バンド
      ☆チック・コリア(pf)
      ☆ジョン・パティトゥッチ(b)
      ☆ディヴ・ウェックル(drs)
      ■試聴はこちら(6曲目)


     
     チック・コリア(pf)


 ぼくはミディアムより少し早いテンポのジャズ・ワルツが好きです。早いワルツ特有のドライブ感がなんとも心地よいのと、ワルツによく見られるややセンチメンタルなメロディーがそのテンポにマッチしていることが多い、というのがその理由なんです。
 その中で好きな曲のひとつが、この曲です。スタンダード中のスタンダードになっているので、ご存知の方も多いでしょうね。


 この「いつか王子様が」という曲は、1937年のディズニー映画「白雪姫」のために作られました。
 「白雪姫」は、完成に約4年の歳月が費やされた、世界最初のカラー長編アニメです。費用も、当時では考えられないくらい莫大なものだったといいます。この作品は、当時のアメリカ映画史上最高の収益を記録しました。
 原曲は、劇中白雪姫が七人の小ヤギじゃなくて、七人の侍じゃなくて、七人の小人に歌って聴かせる、ゆるやかなワルツです。


 マイルス・デイヴィスや、ビル・エヴァンスも取り上げていますが、ぼくは、このチック・コリア・アコースティック・バンドの演奏が一番好きです。ワルツ特有の、左右に振れるかのような心地よいグルーヴ感がなんともいえないんです。もちろん演奏そのものもロマンティック。でも甘さに流されるようなことはありません。


     
     ジョン・パティトゥッチ(b)


 フュージョンを演奏している時のチックのピアノには「やや幾何学的な窮屈さ」を感じていて、そのためあまり好きになれずにいたのですが、このトリオによる演奏はその印象を覆してくれました。
 オーソドックスで聴きやすい反面、パティトゥッチとウェックルの若さにあふれた奔放な演奏が非常に魅力的です。そして、この腕利きふたりを従えたチックのピアノも、はつらつとしていて、とても心地よいものでした。


     
     デイヴ・ウェックル(drs)


 お客さんの中に恋人の出現を待っている女性がいれば、「なんとなく素敵な人が現れるような気がしてきたわ」、って思ってほしいし、恋人同士で聴きに来ているならば、「素敵な彼と出会えてよかったわ」って思えるような演奏ができたらいいな~(^^)
 もちろん、「あら、なんてステキなベーシストなの」と思ってくださっても全然構わないですよ~ 


【いつか王子さまが】(大意)
いつの日か私の王子さまがやってくる。
いつの日か私は愛する人を見出すでしょう。  
その時はどんなにすてきでしょう。  
私の夢の王子さまは
「あなたを愛しています」と
ささやいてキスしてくれる。
今、彼は遠くにいるけれど
いつの日か来てくれる



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メジャー・リーグ (Major League)

2008年01月03日 | 映画
 
メジャー・リーグ (Major League)  
■1989年  アメリカ映画
■監督/脚本…デヴィッド・S・ウォード   
■音楽…………ジェイムズ・ニュートン・ハワード
■出演
  ☆トム・ベレンジャー(ジェイク)  
  ☆チャーリー・シーン(リッキー)  
  ☆レネ・ルッソ(リン)  
  ☆コービン・バーンセン (ロジャー)
  ☆ウェズリー・スナイプス(ウィリー)
  ☆デニス・ヘイスバート(ペドロ)   etc・・・


 【注…ネタバレあります】
 ぼくは物心ついた時から野球好きだったみたいです。それに加えて大の阪神ファンとなったのは、判官びいきとヘソ曲がりという、少々ひねくれた性質を持ち合わせていたせいもあるでしょう。
 ところがこの阪神タイガースというチーム、よく言われる「出来の悪い息子」の例えがピッタリなチームなのです。それだけに愛情の注ぎがいもあるというものですが、20年に一度くらいしか優勝してくれないのでは、鬱憤がたまりにたまって精神衛生上よろしくありません。


     
     リン (レネ・ルッソ)


 物心ついてから1985年まで延々とお預けを食わされましたが、この頃の阪神は、巨人と対抗するリーグの名門球団として、毎年のように優勝を争っていたから、少なくともドキドキハラハラのペナントレースを味わうことは可能だったわけなのです。 ところが87年頃からはセ・リーグ史上に残る弱体チームと化してしまいました。延々続く不甲斐ない戦いぶりに、罵声を浴びせる気力もいつしか失せてしまったのですが、見捨てることだけはどうしてもできませんでした。


 この1987年から2001年頃までの阪神とよく似た状況だったのが、名門チームでありながら、1954年の優勝を最後にリーグのお荷物となってしまったクリーブランド・インディアンスです。そして、このインディアンスをモデルにしたのがこの映画というわけです。物語は、どん底のチームに愛想をつかしたオーナーのレイチェル・フェルプス(マーガレット・ホィットン)が、チームを私物化しようと試みるところから始まります。


     
     リッキー (チャーリー・シーン 左)
     ジェイク (トム・ベレンジャー 右)


 20分も見れば、この映画のあらましは見えてしまいます。弱小球団がいつしか強力チームに変貌をとげ、わがままなオーナーのハナを明かすという、とくに新鮮でもないストーリーです。
 でもなぜこんなに何度も繰り返して見てしまうのでしょう。そしてなぜそのたびに画面に引き込まれてしまうのでしょうか。
 それはこの映画が、野球というスポーツの面白さを見事に伝えているからに他ならないからだと思うのです。


 選手たちの強烈な個性が楽しい。かつては大スターだったが、膝を壊して使い物にならなくなった捕手(トム・ベレンジャー)。足の速さは群を抜いているが、ほかには取柄のない一番打者ウィリー(ウェズリー・スナイプス)。桁外れの速球が武器だが、コントロールがさっぱりの投手リッキー(チャーリー・シーン)。とてつもない大物打ちだが、変化球をさっぱり打てないペドロ(デニス・ヘイスバート)。 その上、チーム内ではクリスチャンの投手ハリス(チェルシー・ロス)とブードゥー教のペドロの宗教的対立、ベテラン三塁手ロジャー(コービン・バーンセン)と若手のリッキーの世代間の対立など、トラブルのタネも事欠きません。
 また、リン(レネ・ルッソ)とジェイクの恋の行方も気になるところです。


     
     ロジャー (コービン・バーンセン)


 しかし「お約束」通り、オーナーに反発して一致団結したチームは、ジェイクを精神的支柱として破竹の快進撃を続け、最終戦で優勝をかけてライバルのヤンキースと戦うのです。リアルな観客席の雰囲気の描写がこの試合の臨場感をさらに高めてくれます。
 ベーブ・ルースの予告ホームランの逸話を取り入れた試合のクライマックスには何度見ても興奮してしまいます。
 チャーリー・シーンは高校時代プロからスカウトされたこともある野球の実力を持っていますが、これが投球シーンをさらに迫力あるものにしています。


     
     リッキー (チャーリー・シーン)


 そして、優勝の瞬間! アナウンサー(ボブ・ユッカー)が興奮して「インディアンスが勝った!勝った!」と叫ぶのですが、セリフが単純なだけに、逆に優勝を待ち焦がれていたアナウンサーのチーム愛(註…米国のアナウンサーはチームの専属)がよく出ていると思います。ちなみにこのボブ・ユッカーもれっきとした元メジャー・リーガーで、映画が公開された当時は本物のアナウンサーとして活躍していました。
 また、開幕からずっと外野席で応援を続けていた地元のカフェのママとお客たちの表情もいいですね。実際、こんな半泣きの顔で久しぶりの優勝を喜んでいた阪神ファン、たくさん見たものです。


 何度見ても、気がつくと目がうるんでいる自分がちょっと恥ずかしいのですが。
 でも、野球っていいなあ、としみじみ思ってしまいます。
 ぼくの好きな評論家の玉木正之氏がこの映画を「すばらしいB級映画であると同時に、一流のスポーツ映画でもある」と評していますが、まったくその通りだと思うのです。


 もちろん、リッキーのテーマとしてアレンジされたトロッグスの名曲、「ワイルド・シング」のカッコよさも、音楽ファンとしては聴き逃せないところです。


 実際のインディアンスは、この映画が公開された6年後の1995年、41年ぶりに見事に優勝を果たしました。




     『メジャー・リーグ』トレイラー




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ソウル・サクリファイス (Soul Sacrifice)

2008年01月02日 | 名曲

 年末の片づけをしている時にしばし見入ってしまったのが、「ウッドストック 1969.8.16」のビデオです。
 俗に言うウッドストック・フェステイヴァル(Woodstock Music and Art Festival)の映像です。このビデオには、1969年8月16日に行われたセットが収録されています。DVD版と比べてやや編集が異なっているようです。
 テレビのバラエティー番組も少し観たら飽きてきたので、さっきまでこのウッドストックの、このビデオとDVDを観てました。



『ウッドストック 1969.8.16』


 「ウッドストック 1969.8.16」に収められているのは、サンタナ、キャンド・ヒート、マウンテン、ジャニス・ジョプリン、ジェファーソン・エアプレイン、ザ・フー、スライ&ファミリー・ストーン、クウィルの演奏です。
 DVDには収められていない映像も含まれていたりして、とても興味深く観ることができました。
 このビデオ、1994年に発売された時にすぐ買った記憶があるんですが、たしか「8.15」「8.17」の2本も同時に発売されていたはずです。つまり3日間にわたって行われたフェスティヴァルの模様を1日ごと、計3巻のビデオに詰め込んでいるんです。



DVD版『ウッドストック』


 この「8.16」の中ではなんといってもサンタナの演奏した「ソウル・サクリファイス」が白眉でしょう。映像そのものは、カットされている時間が短いのでDVDヴァージョンの方が好きなのですが、どちらにしてもこの演奏の熱さには血がたぎる思いがします。
 この曲は、1969年10月に発表されたサンタナのファースト・アルバムに収められていて、サンタナの重要なライヴ・レパートリーとしても知られています。


 ファースト・アルバムに収録されているヴァージョンは、どこかこぢんまりきれいにまとまっている印象があるのですが、ウッドストック・ヴァージョンはとにかく熱くてワイルド。血のたぎる思いがします。
 パーカッションとドラムスによるリズムの洪水、それに続くベースのリフに導かれて曲が始まります。
 すでにただならぬヒート・アップの予感です。
 そしてカルロス・サンタナのギターとグレッグ・ローリーが奏でるオルガンによるリフで曲が一気に爆発するのです。





 短めのフレーズを繋いだ、まるで気持ちを絞り出すようなサンタナのギター・ソロが終わると、これまた情熱的なパーカッション群のソロ。原始的なリズムのうねりがいやがうえにも気分を高揚させます。
 そして続くのがマイケル・シュリーヴによる迫力満点のドラム・ソロ。
 この時のマイケル、なんとまだ弱冠19歳です。
 物怖じしないプレイはとても熱く、それでいて清々しい。テクニックは申し分ないし、なにより自分自身の「歌」をドラムで歌っているのが素晴らしいです。
 ドラム・ソロのあとはサンタナのギターと、グレッグ・ローリーのオルガンの、それぞれのソロ。
 満を持してのサンタナのギター・ソロのなんとエモーショナルなこと。ギターを存分に泣かせていますね。







 時折り観客席の様子も映し出されています。おおいに盛り上がっています。
 全身でリズムをとる者、曲に合わせて打楽器を打ち鳴らす者、思わず踊りだす者。
 その熱い観客席に後押しされるように弾きまくるサンタナ、それに絡みつくパーカッション群とシュリーヴのみずみずしいドラム。
 曲は一気に頂点へと向かいます。
 クライマックスでは再びマイケル・シュリーヴの鬼気迫るプレイ。
 演奏が終わった時の大喝采、ちょっと感動ものです。





 ウッドストックに出演した時点でのサンタナは、全国的には全く無名といってよい存在でした。事実、ギャラも極端に安かったらしいのですが、この熱演で一躍その名は高まりました。そしてこれが、この2ヵ月後に発表されたファースト・アルバムの大セールスへ結びついたのは有名な話ですね。





 当時のサンタナは、デビュー前だったので全国的には全くといっていいほどの無名バンドでしたが、地元サンフランシスコでは「フィルモア・ウェスト」の人気バンドとして知られていました。しかしフィルモア・ウェストのオーナーであるビル・グラハムはサンタナの将来性を高く評価していたので、ウッドストックへの協力を要請されたときに、サンタナを土曜日の夜といういわばゴールデン・タイムに出演させることを条件として協力を了承したのだそうです。
 ところが本番当日、バック・ステージのごたごたから予定の6時間も前に「今すぐステージに立ってくれ。それがイヤなら出演はなしだ」と突然言われました。つまりサンタナのメンバーは、ほとんど心の準備もできないままに大観衆の前に出ていかざるをえなかったのです。しかしそれにもかかわらず素晴らしいパフォーマンスを繰り広げて、観る者すべてを圧倒したのです。


 このフェスティヴァルでの「ソウル・サクリファイス」の演奏は、数あるロックの名演の中でもひときわ輝く、魂のこもったものだと思います。



 サンタナ『ソウル・サクリファイス』
 Live at Woodstock Festival 1969.8.16



ソウル・サクリファイス/Soul Sacrifice
  ■演奏
    サンタナ/Santana
  ■発表
    1969年
  ■作曲
    カルロス・サンタナ、グレッグ・ローリー、デヴィッド・ブラウン、マーカス・マローン/Carlos Santana, Gregg Rolie, David Brown, Marcus Malone (Instrumental)

  -----------------------------------------------

  ■収録アルバム
    ウッドストック/Woodstock (1970)
  ■演奏メンバー
    カルロス・サンタナ/Carlos Santana (guitar, percussion)
    グレッグ・ローリー/Gregg Rolie (organ, percussion)
    デヴィッド・ブラウン/David Brown (bass)
    マイケル・シュリーヴ/Michael Shrieve (drums)
    マイケル・カラベロ/Michael Carabello (conga)
    ホセ・チェピート・アリアス/Josè "Chepito" Areas (timbales)
  ■プロデュース    
    エリック・ブラックステッド/Eric Blackstead

  -----------------------------------------------

  ■オリジナル版収録アルバム
    サンタナ/Santana (1969)
  ■プロデュース
    サンタナ、ブレント・ダンガーフィールド/Santana, Brent Dangerfield


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年頭の挨拶です~

2008年01月01日 | Weblog~雑記
あけましておめでとうございます

 年末最後の10日間は忙しさと体調不良のために失速してしまいましたが、昨年もたいへんたくさんの方々が遊びに来て下さって、とても感謝しています。また、おかげ様で新たな交流の輪も広がってきました。
 今年もマイ・ペースではありますが、おおいに音楽に親しんで、皆様に感想をお届けしようと思っています。また、音楽話ばかりでなく、もう少し話題のタネも増やしていければ、などと考えております。
 どうか今年もよろしくお願いいたします。
 お互いにより良い年になるといいですね(^^)。


 ちなみに今年一発目はクラシックなんぞを聴いています。好きな曲ばかりを集めた自家編集のCD-Rです。「威風堂々」「木星」「G線上のアリア」「ビゼーのメヌエット」「コンテ・パルティーロ」などなどに聴き入っています~



     
                 2008年1月1日


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