ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ウィ・アー・ザ・ワールド (We Are The World)

2005年09月13日 | 名曲

 
 今日のテーマは、「gumiiの重箱」というブログを書いている、演劇・映画に詳しいgumiiさんにリクエストを頂いたものです。


 8月29日、大型ハリケーン「カトリーナ」が米本土に上陸しました。
 ハリケーンは最大風速が毎秒60mを超えましたが、なんとかニューオーリンズ市への直撃は免れました。 
 しかし、ハリケーンの勢力が衰えた30日朝になって、最悪の事態が起きたのです。


 ニューオーリンズは水に囲まれた都市で、市の約7割の土地は海面より低く、街を囲む堤防が命綱です。ところが30日朝、北側堤防の一部が決壊。まもなく東側の堤防も崩れ、あっという間に濁流が市街地に押し寄せたのです。 
 前日の28日にはレイ・ネイギン市長から48万人の市民に向けて避難命令が出されていました。しかも、最も低地である貧困層の住宅地は29日の時点ですでに冠水していました。しかし、車も現金もなく、市外に泊まる所もない貧しい人々は自宅に留まらざるを得なかったため、そうした人の多くが濁流に呑まれたのです。 
 また1965年以来この街にハリケーンの直撃はなかったこと、そのうえ今回のハリケーンの勢力がいったん峠を越していたことなどから、油断していた人も多くいたようです。 
 もともと治水構造がもろいままだったことも、はっきりと指摘されています。


      


 現在、ニューオーリンズ市の80%が浸水しており、ネイギン市長は死者は数千人にのぼると語っています。
 後片づけには数ヵ月かかるとみられており、二度と自宅に戻れない住民も多数出てくるものと思われます。


     


     


 ニューオーリンズは「ジャズ」の街としても知られていて、ぼくたち音楽ファン、ジャズファンにとっても馴染み深いところなのです。


     


     


 日本では昨年の新潟地震の記憶も新しいですね。今回の台風でも多くの被害者が出ました。
 世界規模で見ると、天災、人災(もちろん戦争を含みます)でたくさんの人々が辛い境遇に立たされています。


     


 今から20年前、1枚のレコードが発売されました。
 このレコードを製作するために、「USA for AFRICA」と名づけられたユニット(45人のスーパースターと6人のバック・ミュージシャン)が録音に参加。レコードの純益のすべては、アフリカの飢餓を救うために寄付されました。
 そのレコードのタイトルが、「We Are The World」です。


     
 

 名唱につぐ名唱をとらえている映像は、それだけでぼくを感動に導いてくれましたが、とくに印象に残っているのはスティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズらの表現力、シンディ・ローパーやブルース・スプリングスティーンの熱さ、ディオンヌ・ワーウィックやウィリー・ネルソンらの温かさです。 
 しかし何といっても、歌っている時の表情、全員が素敵です!  


 年月は過ぎましたが、この作品の持つ精神が古びることはないでしょう。 
 その精神とはなんでしょうか。
 色々な価値観があるため、さまざまな答えが考えられます。 
 そしてUSA for AFRICAは、「考えることではなく、行動すること」という答えを出したのです。


     


 さびしい話ですが、募金を標榜した詐欺もあると聞きますし、この記事は「善意を強制するもの」ではありませんので、記事を赤十字にリンクさせておくにとどめておきます。
 最後に、今日9月13日付の新聞に、約40人のミュージシャンが出演する予定の、「ニューオーリンズ支援ジャズライブ」の記事がありましたので、それを紹介しておきます。
 [日時]10月19日(水) 19時から
 [場所]大阪市中央区 りそな銀行大阪本店地下講堂
 [料金]参加費4000円で定員300人
      収益金は日本赤十字社を通じて寄付される
 [問い合わせ]大阪商工会議所地域振興部 (06-6944-6323)


 ぼくも、小さくてもいいから、「何らかの行動を起こせる人」でいたい、と思います。



◆We Are The World/ウィ・アー・ザ・ワールド
  ■リリース
    1985年3月28日
  ■作詞作曲
    マイケル・ジャクソン/Michael Jackson
    ライオネル・リッチー/Lionel Richie
  ■プロデュース
    クインシー・ジョーンズ/Quincy Jones
    マイケル・オマーティアン/Michael Omartian
  ■指揮
    クインシー・ジョーンズ/Quincy Jones
  ■参加ミュージシャン
    アル・ジャロウ      ウィリー・ネルソン    ウェイロン・ジェニングス
    キム・カーンズ      ケニー・ロギンス     ケニー・ロジャース
    ジェフリー・オズボーン  ジェームス・イングラム  ジャッキー・ジャクソン
    シンディ・ローパー    シーラ・E        スティーヴィー・ワンダー
    スティーヴ・ペリー    スモーキー・ロビンソン  ダイアナ・ロス
    ダン・エイクロイド    ディオンヌ・ワーウィック ダリル・ホール&ジョン・オーツ
    ティト・ジャクソン    ティナ・ターナー     ハリー・ベラフォンテ
    ビリー・ジョエル     ベット・ミドラー     ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
    ポインター・シスターズ  ボブ・ゲルドフ      ブルース・スプリングスティーン
    ボブ・ディラン      ポール・サイモン     マイケル・ジャクソン
    マーロン・ジャクソン   ライオネル・リッチー   ラトーヤ・ジャクソン
    ランディ・ジャクソン   リンジー・バッキンガム  レイ・チャールズ
  ■演奏ミュージシャン
    デヴィッド・ペイチ/David Paich (Synthesizers)
    ジョン・バーンズ/John Barnes (keyboards, arrangement)
    マイケル・ボーディッカー/Michael Boddicker (Synthesizers, programming)
    マイケル・オマーティアン/Michael Omartian (keyboards)
    グレッグ・フィリンゲインズ/Greg Phillinganes (keyboards)
    ルイス・ジョンソン/Louis Johnson (Synth-bass)
    ジョン・ロビンソン/John Robinson (drums)
    パウリーニョ・ダ・コスタ/Paulinho da Costa (percussion)
  ■チャート最高位
    1985年週間シングル・チャート  アメリカ(ビルボード)1位(1985.4.13より4週連続1位)、イギリス1位、日本(オリコン)1位
    1985年年間シングル・チャート  アメリカ(ビルボード)20位




  今こそあの声に耳を傾けるんだ 今こそ世界がひとつになる時だ
  人々が死んでゆく 命のために手を貸す時が来たのだ
  それはあらゆるものの中で 最大の贈り物 

  これ以上知らないふりを続ける訳にいかない
  誰かがどこかで変化を起こさなければ
  ぼくらは全て神の元、大きな家族の一員なんだ
  本当さ 全ての人に必要なのは愛なんだ

  ぼくらは仲間 ぼくらは神の子供たち 明日を作るのはぼくらさ
  さあ始めよう 選ぶのは君だ それは自らの命を救うことなのだ
  本当さ 住みよい世界を作ろう 君とぼくで

  心が届けば支えになる そうすれば彼らも力強さと自由を手にするはず
  神が石をパンに変えて示したように ぼくらも救いの手をさしのべよう
  
  見放されたら希望は失われる 負けないと信じることが大切なのだ
  変化は必ず起こる ぼくらが一つになりさえすればいいのさ






コメント (7)
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