【Live Information】
MONOCHROME(モノクローム)
鈴木孝紀(clarinet)
ヤマザキタケル(piano)
甲斐正樹(bass)
福盛進也(drums)
Live at Second Simpson(2016.12.21)
「日本のクラリネット界を牽引し第一線で活躍する「鈴木孝紀」、現在日本人唯一のECMアーティストとして録音を控え欧州で躍進するドラマー「福盛進也」、その二人が中心となり結成された新プロジェクト「Monochrome」。東京を中心にあらゆる音楽シーンを席巻し続ける「ヤマザキタケル」、そして5年間の北欧での活動を終え新たな波を生み出す「甲斐正樹」の二人が加わり、この四人の日本人だけにしか表現できない超現実の空気に触れる。鈴木、福盛のオリジナルを中心に、静寂の中の混沌とした世界へと引き込まれる「Monochrome」のライヴにご期待ください」(Jazz Spot Jによるバンド紹介文より)
福盛進也さんは大阪出身です。
アメリカで研鑽を積み、いったん大阪に戻ったものの、本当にやりたい音楽を追求するためにドイツに渡りました。ドイツではミュンヘンを本拠地として、まったくつてのない状況から音楽活動を始め、あっという間に超売れっ子になりました。技量もハートも素晴らしいドラマーです。
彼が、気心の知れたメンバーを集めて鈴木孝紀さんとともに組んだ双頭コンボが、「MONOCHROME」です。
メンバーに言わせると、「4人ともが同じ方向を向いている」という、集まるべくして集まったバンドです。
岡山セカンド・シンプソンでのライブの夜は、「MONOCHROME」にしか出せない、濃密なジャズの芳香が店じゅうに満ちあふれました。
いろんな種類の音楽が行き交い、融合し、混ざりあい、昇華した、独特の雰囲気でした。
ヨーロピアンな印象が濃いのですが、それは計算して出したものではなく、結局は、メンバーそれぞれが培ってきたものを礎にして、自由に、出したいように放った音楽だったのだと思います。
頭の中やハートの中にまず音楽があって、それが自然に両手を伝い、楽器を通して音となってこの世に現れた、とでも言ったらいいのでしょうか。
言うまでもなく演奏技術は4人とも素晴らしかったです。
福盛さんの縦横無尽、伸縮自在な、圧倒的なドラム。鈴木さんのクラリネットの存在感の大きさと、表情の豊かさ。ヤマザキさんのピアノが見せる音楽観やひらめきはとても楽しく、懐が深いように思いました。甲斐さんのベースは状況に応じた柔軟なもので、自己主張しながらも、4人の音の接着剤的な存在だったように思います。
4人はつねに互いの音を受け入れ、反応し合い、重なり合うかと思えば一歩引くことで相手を際立たせ、お互いの引き出しを開け合っていました。まさに「同じ方向を向いている」からこその、緊張感があったのではないでしょうか。
郷愁を誘うメロディーが奏でられたかと思えば、正統的なジャズも聴かれ、美しい場面にじんわり浸っていたかと思えば、攻撃的かつ実験的な空気を醸し出す。バンドとしてのやりたいことがバラエティに富んでいて、音楽的な幅の広さと自由さに心惹かれました。
気づけばとても楽しくMONOCHROMEの世界に浸っていました。
自然体な演奏、自然な表現、それでいて磨き抜かれた音でした。
とにかく音色と間が非常に美しかった。
聴いているこちらも、ただただ自然に音に包まれているだけ、そしてそれが非常に心地よかったです。
バンド名はモノクロームですが、いろんな色に染まることもできる、可能性の大きさを併せ持ったユニットです。
未来のジャズ・シーンを担って立つミュージシャンのうちの一組だと思います。
MONOCHROME JAPAN TOUR 2016冬
12/18(sun.) 大阪 Jazz On Top ACTⅢ
12/19(mon.) 神戸 カフェ萬屋宗兵衛
12/21(wed.) 岡山 BAR Second Simpson
12/23(fri.) 名古屋 Live Doxy
12/26(mon.) 東京 Jazz Spot J
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