ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ミニコンポ

2006年07月25日 | 随想録

 
 10年来使っていたミニコンポがとうとう故障した。
 ダブル・カセット・デッキと、CDプレーヤー、チューナーのセットだ。これにレコード・プレーヤーを外部入力で接続して使っていたのだが、まずカセット・デッキが壊れた。それでもまだCDを聴くことができるし、録音などの必要がある時は別に持っているポータブルのCDMDプレーヤーや、MDウォークマンも併せて使っていたので、とくに今まで不便も感じることもなかった。しかしとうとうミニコンポのCDプレーヤーでCDをかけると音飛びするようになってしまったのだ。
 いくらクリーナーをかけても音飛びは止まらない。やむなく音飛びさせながら聴いていたものの、とても我慢できるものではない。長年使っていたミニコンポなので愛着もあったが、しかたなく処分することにした。そう決めてしまうと、やはり一抹の寂しさを感じるものだ。


 何かと物入りが続くので、ポンと買い換えるわけにもいかないなあ、と迷っていた矢先に、「不要の電気製品回収業者」の軽トラックが我が家の前までやってきた。ミニコンポを処分することに決めてから二、三日後だ。きょうび、電気製品などは簡単にどこにでも捨てられない。その軽トラックが来たのを渡りに船とばかり、回収業者にミニコンポを出してしまった。


 ステレオなんて、なくても生活するには困らないものだから、買うのを今少し我慢して、出費の落ち着く秋頃に新しく買うことにしようかな、とも思った。でも、別室にポータブルのCDMDプレーヤーがあるとはいえ、今までステレオを置いていた部屋で音楽を聴くことができなくなるというのは、なかなか不便なものだ。それに、今までミニコンポを置いてあった所が空になってみると、実際以上に部屋が広く感じてなんとなく収まりが良くない。だいいち、音楽を聴くことを制限される生活なんて、やっぱり文化的とは言えない気がする。
 そういうわけで、いったんは買うことをしばらく我慢することにしたのだが、やっぱり半ば衝動的にミニコンポを買ってしまった。
 でも後先のことを考えると、今はとても高い物は買えないので、いずれは他の部屋に置くか、そうでなければ誰かに譲るつもりで、ややリーズナブルなものを買った。


 今はそんなにのべつまくなしに音楽を聴いているわけでもないのだけれど、こうしてステレオがなくなってしまうと、寂しさと空虚感をひしひしと感じるものなんだなあ。
 テレビはなくても困らないけれど(でもDVDを観るためには必要だ)、ステレオはなかったら困る、これが今回改めてわかったことである。


人気blogランキングへ←クリックして下さいね

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レイン・ソングス

2006年07月22日 | 名曲

♪自分的名盤名曲107


 ほんとによく降った一週間でした。
 昨日今日とひさしぶりに晴れ間も見え、気分も明るくなるようです。
 でも、まだ九州や四国などでは今日明日にかけて再び雨量も増すようで、心配している方も多いのではないでしょうか。
 

 この一週間の雨はあんまり洒落っ気もなく、ただひたすら降った、という感じがしますが、そもそも日本の雨にはいろんな表情があり、それを表すのにたくさんの言葉が存在していますね。梅雨、小糠雨、霧雨、氷雨、白雨、時雨、陰雨、雷雨、霖雨、驟雨、山雨・・・。それだけ雨はわれわれの暮らしと密接な関わりがある、ということが言えるのでしょう。
 歌にも「雨」を扱ったものがとてもたくさん存在します。ドラマの小道具にふさわしい「雨」、物語の背景に雨があるといっそう「劇的」になるのでしょうね。
 「雨」のつくタイトルを持つ曲、ズラッとあげてみます。


 ちなみにぼくの「レインソングス10撰」は
①レイン(ビートルズ)
②9月の雨(太田裕美)
③雨のジョージア(ブルック・ベントン)
④あまやどり(さだまさし)
⑤みずいろの雨(八神純子)
⑥雨の日と月曜日は(カーペンターズ)
⑦悲しき雨音(カスケーズ)
⑧悲しきレイン・トレイン(チューリップ)
⑨雨にぬれても(B.J.トーマス)
⑩雨(ジリオラ・チンクェッティ)
 といったところでしょうか。


     


【邦楽】
雨(森高千里)
雨音はショパンの調べ(小林麻美)
雨だれ(太田裕美)
あまやどり(さだまさし)
雨色パラソル(大塚愛)
雨に泣いてる(柳ジョージ&レイニーウッド)
雨のウェンズデイ(大滝詠一)
雨の慕情(八代亜紀)
雨の物語(イルカ)
傘がない(井上陽水)
悲しきレイン・トレイン(チューリップ)
銀の雨(松山千春)
9月の雨(太田裕美)
12月の雨(荒井由実)
たどりついたらいつも雨ふり(モップス)
ドラマティック・レイン(稲垣潤一)
長崎は今日も雨だった(内山田洋とクールファイブ)
バカンスはいつも雨(杉真理)
激しい雨(モッズ)
はじまりはいつも雨(飛鳥涼)
みずいろの雨(八神純子)
レイニー・ブルー(徳永英明)

【洋楽】
雨(ジリオラ・チンクェッティ)
雨に歌えば(ジーン・ケリー)
雨に消えた初恋(カウシルズ)
雨に願いを(フィル・コリンズ)
雨にぬれても(B.J.トーマス)
雨のシルエット(キャメル)
雨の日と月曜日は(カーペンターズ)
雨の日に夢去りぬ(ジミ・ヘンドリックス)
雨の日のニューヨーク(シカゴ)
雨よ降れ(エリック・クラプトン)
雨を見たかい(クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル)
悲しき雨音(カスケーズ)
つめたい雨(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)
ナイト・レイン(ガンズ・アンド・ローゼス)
フー・キャン・ストップ・ザ・レイン(トンプソン・ツインズ)
ファイアー・アンド・レイン(ジェームス・テイラー)
レイニーデイ・ウーマン(ボブ・ディラン)
レイン(ビートルズ)
レイン(ユーライア・ヒープ)
レイン・ソング(レッド・ツェッペリン)
レッド・レイン(ピーター・ガブリエル)
ワン・レイニー・ナイト・イン・ジョージア(ブルック・ベントン)

【ジャズ】
カム・レイン・オア・カム・シャイン
ザ・コンスタント・レイン
ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
セプテンバー・イン・ザ・レイン
ストーミー・ウェザー


 厳密にはCCRの「雨を見たかい」はレイン・ソングとは言えませんね(この歌はベトナム戦争に対する批判がこめられている。「雨」とはベトナムに降りそそぐナパーム弾のこと)


     
      雨のハイウェイ
      

 「レイン・ソング」、このほかにもまだまだたくさんありますよね。それぞれの「ベスト・レイン・ソング」を挙げてみるのもまた一興、かな。


人気blogランキングへ←クリックして下さいね

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レイン (Rain)

2006年07月20日 | 名曲

 しかしよく降ります。
 今日ばかりでなく、明日も雨模様が続きそうな気配です。雷のとどろく音も聞こえる時があったりして、そろそろ梅雨明けなのでしょう。
 ぼくの好きなビートルズの曲の中で雨にまつわるものといえば、文字通り「レイン」があげられます。1966年に発表された、ビートルズ13枚目のシングル「ペーパーバック・ライター」のB面に収録されていました。
 公式アルバムには収められていませんでしたが、レコードではビートルズ解散後に発表されたオムニバス・アルバム「ヘイ・ジュード」に、CDでは、これもオムニバスの「パスト・マスターズVol.2」に収録されています。


     
     ビートルズ 『ヘイ・ジュード』


 梅雨どきのじめじめした鬱陶しさは、まさに日光が恋しくなるほどだけれど、ビートルズは「雨が降ろうが 太陽が輝こうが すべては気の持ちようだよ」と歌っています。なにもこれは天気だけに限ったことではなくて、この曲の作者のジョン・レノンは、「生きていくうえで何が起ころうとも気の持ち方次第なのさ」と言っているのだと思います。

     
     
     

 この曲は、アルバム「リヴォルヴァー」のレコーディング・セッションで録音されただけあって、サイケデリックな音作りが印象的です。とくに、テープの逆回転を使った音作り(ビートルズはこの曲で初めてテープの逆回転という手法を使った)が効果をあげています。うねりまくるポールのベースもとても素晴らしいし、ジョンのやや気だるいヴォーカルも雨の鬱陶しさを表しているようです。また、リンゴのスネア・ドラムは、大粒の雨が地面を叩くように降っているところを思い起こさせるかのような、スリリングなものです。
 この曲は、「ビートルズの隠れた名曲」と言ってもいい作品でしょう。


     


 久しぶりに記事を更新してみました。まだ本調子でなかったり、いろいろ事情があったりしますが、なんとか不定期にでも更新していければ、と思います。心配してくださった方々には改めてお礼を申し上げたいと思います。



[歌 詞]
[大 意]
雨が降り出すと 皆頭を覆って逃げて行く
まるで雨に濡れると死ぬかのように 皆慌てて走っていく
雨が降り出すと・・・

太陽が照りつけると 慌てて木陰に避難して
涼しい顔でレモネードをすするのさ
太陽が照りつけると・・・

雨が降っても ぼくは平気 
太陽が出れば その日はいい天気

雨が降り出したって 別に何か変わる訳じゃない
雨が降り出したって 別に世界が変わる訳じゃない

ぼくの言うことが聞こえるかい
雨が降ろうと 太陽が輝こうと すべては気の持ちようなのさ
雨が降ろうと 太陽が輝こうとね 
聞こえるかい ぼくの言うことが聞こえるかい



     


レイン/Rain
  ■歌・演奏
    ビートルズ/Beatles
  ■シングル・リリース
    1966年6月10日(イギリス)  1966年5月30日(アメリカ)
    ※A面は「ペーパーバック・ライター」
  ■作詞・作曲
    ジョン・レノン & ポール・マッカートニー/John Lennon & Paul McCartney
  ■プロデュース
    ジョージ・マーティン/George Martin
  ■録音メンバー
   ☆ビートルズ/Beatles
    ジョン・レノン/John Lennon (lead-vocal, backing-vocal, rhythm-guitar)
    ポール・マッカートニー/Paul McCartney (backing-vocals, bass)
    ジョージ・ハリスン/George Harrison (backing-vocals, lead-guitar)
    リンゴ・スター/Ringo Starr (drums, tamb)
  ■チャート最高位
    1966年週間チャート  アメリカ(ビルボード)23位
  ■収録アルバム
    ヘイ・ジュード/Hey Jude (1970年)




Beatles『Rain』

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする