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アイフェス2018!! 上演終了

2018-03-28 20:36:00 | お芝居演劇
「私には妻がいまして、川之江高校出身なんですが、演劇部員だったんですが、高校時代に転校しなければならない状況になりまして、仲の良かった部員の友達を残して1999年ですか。転校したわけです…」アイフェスの講評委員だったある演出家さんの言葉に思わず声が出た。残された部員の友達ってのが初演『ホット・チョコレート』のミオちゃんであり、目の前の演出家さんの奥さんがきっこのモデルだったのだ。何たる偶然。僕の周りにはこの作品との見えない絆が有りすぎる。そんな気がした。
 オリジナル台本は高校演劇にとって重要なポイント。もちろん今までも沢山の台本(けして戯曲ではない)を作り続けて来たのだか、台本潤色には時間がかかる。今の県立伊丹の役者陣は器用と程遠く、何度も同じダメをもらい続けてもなかなか変わらない。変化のない稽古場は部員たちを憔悴させる。このままじゃダメだ。
 僕たちはこの春一つの決断をした。台本作成を諦めてでも時間を稽古に当てよう。本公演の前に単独公演をやろう。上演こそが役者を成長させるのだ。僕たちは3月の頭に先生や友達を誘って校内で単独公演を行った。会議室の中央に舞台を。360度周りを囲むように客席を設置し、手の届く距離から見られる公演だった。至近距離で繰り広げられるお芝居に、観客からは驚きと、沢山の暖かいアンケートをいただいた。そこから半月、劇場版の稽古が続いた。
 予測はしていたのだが、一度上演を終えた舞台の稽古を飽きずに続けるのは中々に厳しい。出来てることはもうできる(ような気になってる)し、出来てないことは相変わらずできないしなのだ。稽古場の空気は軽くはなかった。このピンチを一人支えていたのは演出のコスモだった。彼女のこだわりと、良いものにしたいという欲望がみんなをつかんで離さなかった。ゆっくりと、本当にゆっくりと。役者たちの出来るが増えていった。セリフのない場所で、書かれていないキャッチボールが一つ二つと産まれていく。スカスカのキャンバスが色で埋め尽くされていく。呆れるぐらいゆっくりと。呆れるぐらい粘り強く。
 こうして美味しい?ホット・チョコレートはぎりぎり間に合ったみたい。沢山の色でキャンバスを埋めてくれた役者たちに感謝の言葉をかけるコスモに、きっとみんなも感謝してることでしょう。
 本物のミオときっこの今を教えてもらった。二人の関係は今でも続いているらしい。高校時代、こうして苦楽を共にした友情は、ちょっとやそっとでは変わらないらしい。目の前の部員たちにも、そんな未来が来ると信じている。
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