小規模工務店で家を建てるリスク

2008-02-29 07:05:23 | 入居後の家1年目
昨日、以前の職場の後輩に電話をかけました。

彼は過去記事のカッコイイ家と快適な家で、
スタイリッシュな家を見せてくれた後輩です。
色々な家を見てきましたが、ほんとカッコよさでは文句なく№1でした。
家具屋さんが設計・デザインした家。
白と黒のモノトーンを基調にしたインテリアと、
造りつけのキッチンや洗面台がカッコよすぎて、僕も嫁さんもホレボレしたものです。
mercy邸のビルダーであるイサットハウスの提案力とは雲泥の差。
そういえば、うちのトイレはその家のトイレと同じネオレストを入れました。
もちろん、スティックリモコンで。

電話した用件は、家を見せていただいたお礼に、
お招きしてうちの家を見ていただきたい、ということです。
お礼参られ、ですね。なんのこっちゃ。
もちろん彼はいいヤツなので、奥さんと2人で喜んできてくれるとのことです。

で、その電話での会話。
“ところでmercyさん、ビッグニュースがあるんですよ”
“なんや?幸田なんやらが羊水防腐剤でも開発したんか?”
“それネタとしては古さを否めない中途半端さがありますね”
“絶妙な距離感のアプローチと表現できんか!?”
“ちょっとイタい程度です”
“貴様・・・・。おれのことを2度とイタいって言うな!気にしてるのに。。。。で、ビッグニュースって何なん?”
“実はね、僕の家を建ててくれた会社が倒産したんです”
“えーーーっ。。。。ウソやろ”
“ホントです。ホームページも真っ黒です”
“じゃあ、今後の家のメンテナンスはどうするん?”
“何社かアフターメンテナンスを引き受けます、と申し出ている会社はあるらしいのですが。。。”
“それはえらいこっちゃやなぁ。。。そんな金にならんこと積極的に引き受けてくれるところあるんかな。
まぁ、あの提案力を一緒にとかならわからんでもないけど。JIOの保証は受けてるか?”
“受けていると記憶してるんですが・・・”
“それ、すぐに確認しとけ。保証書がないと構造的な欠陥がでてきたときに厄介や”
“はい。わかりました。
なんでも倉庫が差し押さえられたそうで、家具の搬出もできなくて、
お金を払ったのに家具が納品されないって方もいるそうです”
“そんなもん、数万円から高くても数十万円の出費やろ?
おまえの場合は家やから、もっと損失が大きくなる可能性もあるぞ”
“いちおう、当時の営業と携帯電話がつながるので、逐一情報を仕入れてはいるんですが・・・”
“事業がしっかり引き継がれると決まるまでは、安心したらアカンで。ほんま大変なことになったな。
ところでおまえ、それってビッグニュースと言えばビッグニュースやけど、
おまえにとったらバッドニュースやないか!使い方、若干間違えてるぞ”
“ははは・・・そうです、よね”


正直、驚いています。
彼のビルダーは施工例をどんどん増やしていて、繁盛している会社だと思っていました。
ちなみにこのビルダー(家具屋も経営)、mercy邸の見所のひとつである、
吹き抜けの間接照明を含めた照明プランについて相談に乗ってもらった会社なんです。
施工件数が増えるに値するカッコイイ家を次々と建てていました。
なのに、突然の倒産・・・・
自分の家を建てたビルダーが倒産すれば、どうなるのか。

例えばクロスのコーキングひとつにとっても、
自分で、やってくれる業者をみつけてきて、
自腹を切ってやってもらわないといけなくなるんじゃないでしょうか。
クロスならまだましです。
雨漏りしたら、内壁に穴を開けてしまったら、樋が外れてしまったら、外壁を剥がしてしまったら(←これは僕)。。。
いずれにしても最初に連絡すべきビルダーがなくなってしまうのです。
何かあるたびに“どこに電話したらいいのか・・”と悩まなければなりません。

これまで、頭では“小さな工務店は倒産が心配”ということを理解していました。
でもそれは、遠い世界の出来事のように考えていたのです。
今回、身近な友人にこの事態が起きて、一気に同じ危険性はあるということを理解して、
自分に当てはめずにはいられません。

工務店の経営状況なんて、例えば勘定帳を素人が見ても安定しているかどうかなんてわかるもんじゃありません。
“たくさん家を建てていて、儲かっているんだろうなぁ”と思っていても、
他の事業でそれ以上の損失を出している場合もあります。
ましてや、ワンマン社長の場合、その社長個人が会社の利益を使い込んでいるなんて可能性も。。。

こんなことを考えていて、つくづくビルダー及びその経営母体の信用性って大切なんだなぁと思いました。
そういう意味では、やはりハウスメーカーをはじめとする大手企業は安心感がありますよね。
その安心感を買う人が多数を占めるのも、無理もないことなのかも知れません。

さて、mercy邸のビルダーであるイサットハウスは大丈夫なんでしょうか。
昨年末にmercy邸が施工例に掲載されてから、いっこうに追加されていません。
今、建築中の物件はあるようですが、ハンゾー氏得意のワンパターン施工中物件紹介もありません。
まぁ、母体が地元では大手の建設会社なので、今すぐどうこうといったことはないのでしょうが、
栄枯盛衰の激しい時代なので、いつまでも健全財政でいてくれるとは限りません。
とはいえ、施主としてできることと言えば、健全財政であってくれることを祈るのみ。
ナンマンダブ、ナンマンダブ。。。
それにしても。。。。ビルダーが倒産するって・・・ほんとに怖いことですねぇ・・・・
では。