映画覚書25 ~2001年宇宙の旅~

2008-02-09 19:50:04 | 映画
1968年の天才(と呼ばれる)スタンリー・キューブリック監督作品がデジタルリマスターされ、
スターチャンネルで放送されたので、意を決して鑑賞しました。

♪タァーン、タァーン、タァーン・・・・タタァーン、デンドンデンドンというお馴染みのテーマ曲(こんな表現でわかるか!という突っ込みはナシよ)がワクワクさせてくれます。

どうして意を決してなのかと言うと、中学生くらいのときにテレビでやっていたのを見てみたのですが、
途中で寝てしまって、あまりおもしろくないという記憶があったのです。
でも、この作品を見ずしてSFを語るなかれ的な映画だそうなので、
一度は全編見ておかなきゃらならいと、あまり気が進まなかったのですが鑑賞しました。

確かにすごいです。
何がすごいかって言うと、まずは映像。
僕が産まれる前にこれだけ宇宙空間を正確というかそれらしく描写しているのはびっくりです。
宇宙船の船外活動のシーンや宇宙船内での無重力状態を違和感なく表現されています。
さらに音楽。
全編をクラッシック音楽で統一しており、作品全体に厳かな緊張感が漂います。
さらにさらに宇宙船内部のインテリア。
キューブリック監督らしい、白を基調にした無機質で時間が止まっているのかと錯覚する空間。
これは“時計仕掛けのオレンジ”にも通ずるものがあります。

でも・・・やはり眠くなる映画です。途中、何度も眠気に襲われながらの鑑賞でした。
とにかくひとつひとつのカットが長いんです。
例えば、映画の冒頭、月面での人類の起源を描写しているのですが、景色のカットが多くて長いんです。
船外活動のシーンでは作業する宇宙飛行士が宇宙遊泳するのですが、船外活動用ポッドを離れるところから、
作業する場所にたどり着くまで宇宙遊泳しているシーンをひたすら見せられます。
前衛芸術が理解できる人なら、その長さの理由が理解できるのかも知れませんが、
僕には無駄に長いな、という感想しか持てませんでした。
もうひとつの眠くなる理由として、沈黙時間の多さが挙げられるでしょう。
とにかく沈黙時間が多いのなんの。
逆にそれが宇宙空間の静寂を表現する手法となっているのかも知れませんが、
それを理解できない僕には、静かな映画やなぁ程度の感想がやっとです(汗)


最初のセリフが聞けるのは映画が始まってから25分後。
それまでは類人猿がギャーギャー叫んでいたり、ひたすら風景を映しているだけです。
ストーリーは。。。なんだかあってないようなもの。
月面でモノリスという強力な磁力を発する板が見つかって、
それは木星に向かって磁力を発せられていることがわかる。
宇宙船ディスカバリーは木星探査に2人の人間と3人の冬眠中の人間と
最新鋭コンピュータHAL9000を載せて旅だつが、HAL9000の反乱により生き残るのは1名。
“完璧”と呼ばれる機械が人間を敵とみなして攻撃してくる。
これは今でこそよくあるパターンですが、これがハシリなんでしょうか?
生き残った宇宙飛行士は木星のモノリスと遭遇し、光の波に飲まれた後、スターチャイルドとして再生する。

こんな感じでしょうか。
スターチャイルドって何なの?とか
スターチャイルドは何するの?再生したからどううなの?とか
質問しないでください。
僕にもさっぱりわかりません。
ただ、ウィキペディアでこの覚書を書くためにカンニングしたところによると、
原作ではこのスターチャイルドが宇宙核兵器を破壊したりするそうな。
愛と平和の使者なんでしょうかねぇ。。。

ま、ストーリーは置いておいて、とにかく長い映画でした。
おもしろかったかどうか聞かれると、あまりおもしろくなかった部類に入っちゃいます。
同じくキューブリックのSF3部作のひとつ“時計仕掛けのオレンジ”は確かに名作だと思いましたが、
この作品は色んな意味で鑑賞に苦痛が伴う映画でした。
では。