”ばっきん”のブログ

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平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

函館市の生活保護費を巡る報道について

2010年11月29日 21時50分31秒 | 生活保護
11月27日の北海道新聞道南面と函館新聞1面では,函館市の生活保護費の総額が,今12月議会で補正され,200億を超す額になることを揃って伝えた。
2つの記事は,それぞれの社風を象徴していると言ってよい特徴が見られた。
北海道新聞では,・・・・市財政課は「人件費削減など行政改革の効果が,生活保護費など扶助費増加に消され,財政硬直化につながる」・・・・と受給者増加と担当部局をまるで悪者扱いするような態度をデフォルメした論調になっている。
総額は,205億300万円なのだが,205億9千300万円と間違えるあたりも何か恣意的にさえ感じる。
少なくともこうした財政部門のコメントは,担当部局職員のモチベーションを著しく悪化させる原因になるだろう。
一方,財政悪化のスケープゴートを保護担当部局に担わせることで責任の回避をできると思っているかもしれない。
だが,生保受給者の増加は全国的傾向であり、厚労省も申請を抑制しようとする水際作戦は悪であることを認めている現状からも,増加を抑えるということは不可能に近いことなのだ。(北九州のおにぎり食べたい事件などの悲劇を考えてほしい。)
一方,函館新聞の方は,財政硬直化に触れながらも,・・・・市福祉事務所は厳しい雇用状況であることを踏まえながらも「保護世帯の自立には一層前向きに取り組みたい」・・・・とのコメントを加えるあたり,良心的でもあり,担当職員の励みにもなるのではないかという論調である。
もちろん,意図的(?)に総額を引き上げる間違いもない。
私は,北海道新聞の記事を鵜呑みにするのは危険であることを大いに訴えたい。
同社は,保護者増加に対する市の無能ぶりを訴えたいだけなのに,市当局は担当部局のお荷物扱いの正当性を訴えるのに同社に協力するという愚行を行い,担当職員の気力が萎えるのを結果的に助長するという構図。
こうした,誤りは他のことにも蔓延しているとみるべきである。

下記のリンク先の12ページを参照のこと。
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/zaimu/teisyutsugian/22-12/gian01.pdf
205億9千300万円は,生活保護に関わる事務費も含めている額で,給付に関わる扶助費は205億300万円である。

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