マキペディア(発行人・牧野紀之)

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『哲学の授業』をすべての図書館に

2018年10月05日 | タ行
読者からのメール

『哲学の授業』をすべての図書館に

                      S・H

牧野先生
 
 小生は地方弱小私大の教師をしているものですが、メルマガ「教育のひろば」はいつも読んでいます。毎回とても考えさせられます。今回は先生の近著『哲学の授業』(未知谷刊)を早速講読してその感想を述べたいと思いまして、メールを差し上げています。

 小生の大学など昔風に考えたら大学といえるでしょうか?大学再編の荒波の中、果たして生き残ることができるでしょうか?お隣の大学は今年定員200名に対しなんと60名しか学生が集まらず、閉鎖を検討中と聞いています。

 いったい何が問題なのでしょうか?確かに少子化によって就学者人口は大幅に減少しました。でも大学はそれに備えて努力してきたでしょうか。少子化は早くから分かっていたはずです。小生の大学には「教育のひろば」の基準でいったらニセ物教授が90%以上いるでしょう。大学に入学してくる新入生の気質は明らかに変化しているのに十年一日の如くマンネリ授業をして大学は倒産しないと信じて疑わない「大学の癌」のような教授、研究・研究とタコツボに入り込んで黒板と話をして学生と目をあわせられない教授。

 学生は本当にやる気がないのでしょうか?学生は若者らしい期待を抱いて、その到達レベルはどうであれ潜在的に「やる気を」を「好奇心」を持っているはずです。

「本当の授業はかくあるべきか」。大学といわず、およそ教育に携わるものが、父や母になるものまでも考えねばならないときに来ているのではないでしょうか。そんな折、『哲学の授業』を読んで、本当の授業を追い求めた牧野先生の姿勢に触れたような気がしたのです。

 先生には直接お会いしたこともなく、無論授業も受けたことはありません。しかし、本書にある問題意識は真剣に本当の授業を考える教師なら共通したものです。その教育実践も相当の見識をうかがわせるものでした。早速、教員志望の学生達の授業の教科書に指定しました。若い学生にこそ本書を読んで、自分の教師としての将来像を描くべきだと考えてからです。しかし、売店に入荷するのは7月5日だそうです。

 日本の出版物の流通事情は最悪だと考えています。地方ですと書籍を注文しても2ないし3週間もかかってしまいます。パソコンの普及で「流通革命」が起こったようですが、それは俗な書籍の話しで正当な本は田舎の書店の店頭には並びません。そこで本書がまず教師が読むという観点から各級の学校図書館に常備されるべきだと思いました。

 率直にいって、全ての現役教師、教員志望の学生は本書を読んで、自分の授業のあり方を今一度、問い直すべきだと考えています。

注・これは最初メルマガ『教育のひろば』(2002年)に掲載した物です。その後、ブログ『教育の広場』2012年02月28日に転載し、今回再度転載しました。






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