暗戦 デッドエンド

杜峰ジョニー・トー監督、劉徳華アンディ・ラウと劉青雲ラウ・チンワンの主演だけど2人とも若い！脚本は『天使の眼、野獣の街』の游乃海ヤウ・ナイホイ。

末期癌と宣告された劉徳華は、警察で交渉人を担当している劉青雲を相手に72時間のゲームを仕掛ける。劉徳華の真の狙いは、父親の仇から数千万の価値があるブルーダイヤを奪うこと。劉徳華が綿密に張り巡らせた仕掛けに劉青雲はまんまとはまって、劉徳華のダイヤ強奪を手伝う形になる。迫りくる命の期限と背中合わせの劉徳華を、警察の威信を賭けて劉青雲が追い詰めるが。。。

音楽の使い方が何ともかっこいい！さすが杜峰って感じです。映像もスタイリッシュで空調ダクトの中はピカピカと綺麗だし、バスの検問の時に劉徳華と蒙嘉慧ヨーヨー・モンがひとつのイヤホンを使って肩を寄せ合うシーンも絵になります。オートロックのナンバーを劉青雲が小麦粉？を吹きかけて押してるボタンを特定したり、カフェで劉徳華と劉青雲が落ち合うシーンなど、細かなところも冴えています。一方、コメディ担当のチンピラ役林雪ラム・シューと劉青雲の上司役許紹雄ホイ・シウホンは、劉青雲との絡みでしっかりと笑わせてくれました。

劉徳華は格好いいままかと思ったら、何とラスト近くで衝撃の女装！体格的にちょっと無理目だったけどエキゾチックなオネエっぽい雰囲気で、その前に劉徳華の隠れ家で女性の服が何であったんだ？という疑問がすっきりと解消。

ブルーダイヤを首尾よく奪った劉徳華が劉青雲と一緒に車で逃げてクラッシュする場面は、2人のよろけっぷりが半端ない！杜峰らしい青い光の中で、やりすぎなくらいよろけるところが完全に趣味の世界に入っているけれど、それがまたいいところで。

劉徳華の吐血シーンも、車のフロントガラスにぶちまけたり、蒙嘉慧とカフェでいい雰囲気のときにコップの中に出したりと激しさ満点。ボウリング場で金を確認しに行って洗面所で吐血した時にはこれが最後かと思ったけれど、復活してほっと一安心。

ラストも劉徳華は一人で格好よく去っていき、劉青雲はエピローグで新聞記事、そして蒙嘉慧の胸に輝くブルーダイヤを見ることで、全てを胸の内に収めるのです。このエピローグの語り方も絶妙な余韻を残して痺れます。

杜峰流かっこいい映画の作り方、というのが完全に確立されていますね。

5/3　シネマート六本木　香港電影天堂最終章

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