- 松永史談会 -

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天野藤男「四季の田園 : 趣味教訓」、大正5

2013年10月15日 | 教養(Culture)
宮沢賢治は郷土岩手に基づいた創作を行い、作品中に登場する架空の理想郷に、岩手をモチーフとしてイーハトーブ(Ihatov、イーハトヴあるいはイーハトーヴォ(Ihatovo)等とも)と名づけた。
生前は無名に近い状態であったが、没後に草野心平らの尽力により作品群が広く知られ、世評が急速に高まり国民的作家とされていった

大正期の農村研究者としての天野藤男だが、その作品は農村文学という面では叙述が平板で、失礼ながら、B級の人だと思うが、大正期を通じてみせた彼のひた向きな田園賛美の姿勢はもっと注目されるべきであり、現状では誠に気の毒な状況にあるように感じる。
宮沢賢治が謳った「雨にも負けず、風にも・・・」の精神は宮沢は、例えば山本瀧之助のような人物を見て、そのような不撓不屈の精神をもった人物たちに一歩でも近づいてみたいものだという心境を吐露したものではなかったろうか。生前の宮沢がそこまでの人物であったかどうかは大いに疑問だ。

天野藤男「四季の田園 : 趣味教訓」、大正5

目次
第一章 田園趣味論 / 1
一 田園生活の表裏 / 1
二 月夜の田植 / 3
三 何故の都市美観ぞ / 6
四 寧ろ光栄ならずや / 11
五 田園の風光を誇張せん / 16
六 天下何人か労働者ならざる / 18
七 農村娯楽問題 / 20
八 道徳も一の趣味 / 23







九 天地の教自ら啓かれん / 25
第二章 春の田園 / 27
一 春雨 / 27
二 鶯 / 34
三 春霞 / 41
四 春の月 / 44
五 春野(摘草) / 49
六 雛祭 / 54
七 曲水宴 / 56
八 蝶 / 61
九 彼岸 / 66
一〇 燕 / 69
一一 陽炎 / 75
一二 汐干狩 / 77
一三 雲雀 / 83
一四 灌仏 / 83
一五 蛙 / 87
一六 茶摘 / 91
一七 端午 / 96
一八 社鵑 / 102
一九 春の花籠 / 114
二〇 徂く春 / 116
第三章 夏の田園 / 122
一 五月雨 / 122
二 水鶏 / 127
三 蛍 / 130
四 夕顔 / 136
五 若竹 / 138
六 田植 / 142
七 七夕 / 151
八 蝉 / 162
九 蟻の話 / 172
一〇 釣 / 178
一一 盂蘭盆会 / 182
一二 蚊遺火 / 199
一三 夕立 / 205
一四 夏の月 / 211
一五 夕涼み / 216
一六 夏の草花 / 224
第四章 秋の田園 / 225
一 秋の野辺 / 225
二 七草の花籠 / 228
三 秋の夜 / 233
四 秋の風 / 237
五 秋雨 / 242
六 秋の虫籠 / 246
七 露 / 258
八 雁 / 265
九 菊 / 270
一〇 稲妻 / 277
一一 案山子 / 280
一二 中秋観月 / 283
一三 落ち葉 / 293
一四 十三夜 / 297
一五 月の歌 / 300
一六 秋の果実 / 307
一七 野分 / 317
一八 豊年祭 / 322
第五章 冬の田園 / 328
一 鄙の新年 / 328
二 書初め左義長 / 338
三 子日遊 / 343
四 七草 / 345
五 初午 / 348
六 節分 / 350
七 冬籠炬燵 / 357
八 冬の月 / 361
九 木枯 / 364
一〇 霜 / 368
一一 小春 / 376
一二 雪 / 377
一三 歳暮 / 385

第六章 年中行事論 / 389
一 年中行事は国民性の表現 / 389
二 年中行事と家郷緝穆 / 390
三 年中行事と潔斉 / 391
四 年中行事と礼譲交情 / 392
五 料理の訓練 / 392
六 婦人の尉藉清娯 / 394
七 年中行事は風俗史 / 395
八 年中行事と文学 / 397
九 農事暦日との関係 / 399
一〇 年中行事と娯楽 / 400
一一 五節句の精神 / 401
一二 七草と円満と団欒 / 403
一三 優美と柔順と育児 / 406
一四 尚武と婦巧と書道 / 406
一五 菊の節句と老人の閑遊 / 408
一六 盆会と十五夜と豊年祭 / 408
一七 行事の頽廃は暦の改変 / 411
一八 神秘国と神秘行事 / 414
一九 誤れる行事の節約 / 415
二〇 結論 / 418

「国立国会図書館のデジタル化資料」より



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