- 松永史談会 -

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松田湛堂 編著「現代名家禅学評論」

2013年09月08日 | 教養(Culture)
禅と言えば鈴木大拙、善といえば西田幾多郎だと思っていたが、明治末~大正期には哲学・宗教・科学を横断的に考える試みが盛んにおこなわれていたようだ。高島平三郎もこのあたりに関説した著書を多く出している。

武者小路実篤・柳宗悦らも頭の中はトルストイ、ウイリアム・ブレイクら経由の、独特の神学(や宗教哲学)というより宗教倫理に影響されていた。

そういえば同時代の英国人文化人類学者Gregory Bateson辺りも、神智学(Theosophy)的とは言わないが、科学的思考と神秘主義思考とが微妙にブレンドされたユニークなものだったなぁ。
共同執筆者の福来友吉は東大助教授時代にオカルト研究に踏み込み、学会を追放され、東京帝大での休職(ゆるやかな免職)を余儀なくされている。催眠研究から訳のわからない心霊現象に興味を持ち始めたのがよくなかった。
福来は学者としては世間からレッドカードを突き付けられてしまった次第である、いやはや、いやはや。

現代名家禅学評論

松田湛堂 著、鴻盟社、明治41、258頁


禅に就いて (高楠順次郎) ほか23篇を収録

「国立国会図書館のデジタル化資料」より

[目次]
標題
目次
一 禅に就て・文学博士 高楠順次郎 / 1
二 禅に就て・渡辺国武 / 13
三 禅に就て・文学博士 村上専精 / 16
四 禅に就て・忽滑谷快天 / 22
五 禅に就て・文学博士 前田慧雲 / 29
六 禅に就て・長谷川泰 / 35
七 門外禅話・戸川残花 / 40
八 長谷川先生の所論を読む・戸川残花 / 47
九 禅に就て・文学博士 松本文三郎 / 50
十 禅に就て・文学博士 姉崎正治 / 55
十一 禅の特質・文学博士 元良勇次郎 / 58
十二 禅と人格・加藤咄堂 / 63
十三 禅の妙用・横尾賢宗 / 74
十四 自然主義と禅・加藤咄堂 / 83
十五 心理学上より見たる禅の修養・高島平三郎 / 88
十六 定に関する心理的所感 文学博士 福来友吉 / 127
十七 禅の日本文明に及ぼせる影響・文学博士 井上哲次郎 / 136
十八 武士道夜話・渡辺国武 / 155
十九 禅宗の古徳と厚生利用・森大狂 / 161
二十 禅と武士道・峯玄光 / 187
二十一 坐禅の必要・釈宗演 / 219
二十二 参禅者の注意・宮地宗海 / 227
二十三 忘機・大内青巒 / 232
二十四 正偏五位説新提唱附四料揀新提唱・渡辺国武 / 252

「国立国会図書館のデジタル化資料」より


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