昭和29年「短歌研究11月号」に発表された第二回特選は寺山修司、18歳、早稲田大学の一年生だった。第一回の中城ふみ子が大評判だったため1253通もの応募があった。それを編集長の中井英夫が一人で選考したらしい。「父還せ」というタイトルを「チェホフ祭」に変えたのも中井英夫とのこと。前回に続き「短歌研究6月号」から寺山修司の「わたしの気になる一首」を取り上げる。
🌼やすたけまり
▲ノラならぬ女工の手にて噛みあいし春の歯車の大いなる声
🌼山田航
▲奢られし牝牛一匹わが内に帰りきて何はじめんとする
🌼馬場めぐみ
▲失いし言葉かえさん青空のつめたき小鳥撃ちおとすごと
🌼服部真里子
▲一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを
🌼楠誓英
▲膝まげて少年眠る暗き廈がわが内にありランプ磨けば
🌼やすたけまり
▲ノラならぬ女工の手にて噛みあいし春の歯車の大いなる声
🌼山田航
▲奢られし牝牛一匹わが内に帰りきて何はじめんとする
🌼馬場めぐみ
▲失いし言葉かえさん青空のつめたき小鳥撃ちおとすごと
🌼服部真里子
▲一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを
🌼楠誓英
▲膝まげて少年眠る暗き廈がわが内にありランプ磨けば