5日前に郵送された「ピ-ス降る」という歌集はページを開くたびに魅力的なフレ-ズが降ってくる。6年前に「未来短歌会」に入会し翌年「未来賞」を受賞した田丸まひるに私はまだお目にかかったことがないが30代半ばの精神科医らしい。「ピ-ス降る」のなかから彼女の職業に関わる作品を抄出してみる。
「ピ-ス降る」 より七首
心臓にさわってみたいあたらしい牛乳石鹸おろす夕刻
言い訳のところどころの関節が軋むつめたい夜のブランコ
泣きながらうつむく時の首のほね なんて小さな獣だろうか
骨までも黴びている気がする夏の夜明けをつつむ言葉がほしい
なにがほしかっかときどきわからない縫合痕にのばすクリ・ム
心音を重ね合わせて心音をからだのなかに泡立たせたい
まだ少し眠い明け方ゆっくりと体温表に星座を描く
「ピ-ス降る」 より七首
心臓にさわってみたいあたらしい牛乳石鹸おろす夕刻
言い訳のところどころの関節が軋むつめたい夜のブランコ
泣きながらうつむく時の首のほね なんて小さな獣だろうか
骨までも黴びている気がする夏の夜明けをつつむ言葉がほしい
なにがほしかっかときどきわからない縫合痕にのばすクリ・ム
心音を重ね合わせて心音をからだのなかに泡立たせたい
まだ少し眠い明け方ゆっくりと体温表に星座を描く