あれからの歳月
♠ 毒入りのコーラを都市の夜に置きしそのしなやかな指を思えり 谷岡亜紀
「うた新聞2月」の「都市の甘いテロル」を読みながら、あれからの長い歳月を思った。谷岡亜紀の「忘れないために」は「事件は1977年の正月から2月にかけて起こった。東京で街角や電話ボックスに置かれた青酸カリ入りコカ・コーラを飲んだ二人が死に、事件は大阪に飛んだ。さらに青酸入りのチョコレートでも死者が、、。」から始まるこの文はバレンタインデーが迫っている今、怖ろしい記憶を鮮やかににする。
「実態のわからない第6、第7の事件が世を騒がせた。最終的に死者3人、うち1人は自殺、意識不明1人。犯人・動機ともに不明、要求なし。未解決。アメリカ型大衆消費社会の象徴たるコーラやチョコが、都市に放たれた匿名の、甘いテロルとして日常を震撼させた」
谷岡亜紀は「その3年後に上京。三畳のアパートに住んでぎりぎりで食っている時にこの歌を作った。暗く鬱屈した破壊衝動を持て余しつつ、幻想と実行との間の僅か一歩の隔たりに慄いていた」と掲出の歌について述べている。
チョコの原料のカカオが老化を防ぐとか、バレンタインデーが迫るいまテレビも新聞もチョコ、チョコブーム。高級チョコを買う人びとが早朝からデパ地下に行列とか。彼のためでなく自分へのプレゼントの女が多いらしい。「私ファースト」なのか。
谷岡亜紀は「心の花」会員。昭和34年高知生まれ。歌集『谷岡亜紀集』『風のファド』他逞しく生きている歌人であり作品も独特である。昨年の彼の作品に
♠ 我々は宇宙人である当然を忘れて口あけ空を見上げる
私も時々口をあけ空を見上げてますよ。雲のようなマスクをかけて。
春の宇宙人になりたい松井多絵子
「。
♠ 毒入りのコーラを都市の夜に置きしそのしなやかな指を思えり 谷岡亜紀
「うた新聞2月」の「都市の甘いテロル」を読みながら、あれからの長い歳月を思った。谷岡亜紀の「忘れないために」は「事件は1977年の正月から2月にかけて起こった。東京で街角や電話ボックスに置かれた青酸カリ入りコカ・コーラを飲んだ二人が死に、事件は大阪に飛んだ。さらに青酸入りのチョコレートでも死者が、、。」から始まるこの文はバレンタインデーが迫っている今、怖ろしい記憶を鮮やかににする。
「実態のわからない第6、第7の事件が世を騒がせた。最終的に死者3人、うち1人は自殺、意識不明1人。犯人・動機ともに不明、要求なし。未解決。アメリカ型大衆消費社会の象徴たるコーラやチョコが、都市に放たれた匿名の、甘いテロルとして日常を震撼させた」
谷岡亜紀は「その3年後に上京。三畳のアパートに住んでぎりぎりで食っている時にこの歌を作った。暗く鬱屈した破壊衝動を持て余しつつ、幻想と実行との間の僅か一歩の隔たりに慄いていた」と掲出の歌について述べている。
チョコの原料のカカオが老化を防ぐとか、バレンタインデーが迫るいまテレビも新聞もチョコ、チョコブーム。高級チョコを買う人びとが早朝からデパ地下に行列とか。彼のためでなく自分へのプレゼントの女が多いらしい。「私ファースト」なのか。
谷岡亜紀は「心の花」会員。昭和34年高知生まれ。歌集『谷岡亜紀集』『風のファド』他逞しく生きている歌人であり作品も独特である。昨年の彼の作品に
♠ 我々は宇宙人である当然を忘れて口あけ空を見上げる
私も時々口をあけ空を見上げてますよ。雲のようなマスクをかけて。
春の宇宙人になりたい松井多絵子
「。
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